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第二部 辺境伯に続く物語
第217話 彼女の声が、この戦争最大の決め手
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「よくやった姫さん。あんたの声。あたしらに届いたぜ」
「は、はい」
「見てろよ。あんたの声のおかげで、サナリア軍が勝利するのさ。ここで余裕でいなよ! あんたの故郷は、あんたが守ったのさ。んじゃ」
ミランダが馬に乗る。
「フュン! あとはあたしに任せな。お前は本陣くらいまで下がれ」
「はい。先生頼みます」
「おう。お前の師のカッコいい所を見せてやるぜ。あたしは飲んでるだけじゃあねえのさ。ナハハハ。この混沌の奇術師の真の姿。じっくり見とけ」
ニヤッと笑ったミランダに、フュンは微笑んだ。
「そんな事、あらためて言われなくてもミラ先生はいつでもカッコイイですよ。ここでしっかり見てますからね。お師匠様」
「ああ、じゃあ行ってくるのさ!」
師匠ミランダが出撃した。
彼女を見送った後、フュンとヒルダは少しずつ後ろに下がっていった。
「ヒルダさん。よくやりましたね。緊張したでしょ」
「・・ええ。とても・・・でも私の声で、出撃なんて、皆さんの士気が上がるのでしょうか。それが心配で・・・」
「???」
フュンは首を傾げた。
「いや、さっきの声。聞いてませんでした?」
「・・・も、もちろん聞いておりましたよ」
「凄くなかったですか?」
「凄かったです。身体が震えました」
「ええ。そうでしょう。だから大丈夫ですよ。あなたの声は、僕たちに届いたのです」
フュンが優しく語り掛けた。
「僕たちはあなたのために戦いますよ。それにあなたは僕の大切な友人なんです。僕のサナリア軍は、当然戦うに決まってるんだ。僕の友人をないがしろにするような兵になんてね。僕は育てたつもりがありませんからね! そんな薄情な兵など、僕の兵には一人もいないですから」
「・・・あ、ありがとうございます。フュン様」
「いえいえ。安心してください。あなたの為に勝ちますよ。僕のサナリア軍はね」
フュンたちは本陣付近で戦いを見守った。
◇
シンドラ軍が先に走って、続けて走るかのようにサナリア軍が前進する戦場。
その中でシンドラ軍は一個の塊として移動しているが、サナリア軍の方は、騎馬と歩兵の混成軍なので、軍の中で速度の違いが出ていた。
前後で別れるような形での進軍でも、それを気にせずに全速前進させていた騎馬部隊の中央付近に到着したミランダが叫ぶ。
「あんたら! あたしに戦場の流れを任せな。あんたらはただただ戦えばいいのさ。よっしゃこれより混沌の奇術師の得意戦術を出す! サナリア軍、お前らの規律は高い。でもそれを捨てて、今より修羅となれ。左右の一列目から順に弧を描け。そこから相手の陣に突っ込んでいけ。目の前の敵を殲滅しろ。始めろ!」
「「「おおおおおおおおおおおおおおお」」」
サナリア軍は、現在。
縦一列の騎馬部隊を十五本作っている。
一列は千。
十五本あるので、騎馬部隊全部をそのような陣形にしていた。
左右から一列ずつで騎馬部隊を敵の陣の中に差し込んでいく。
ミランダの得意戦術『混沌』
要は乱戦を生み出すことが主となる動きだ。
この戦術もハスラの時に使用した混沌の応用型である。
あの時は、大砲に邪魔されてしまったが、今回は邪魔する物がない。
そしてさらに今回は騎馬である。
高速での混沌が待っているのだ。
「さあ、とくと味わえ。シンドラ軍。混沌とは通常の戦いではないのだよ。そしてこいつらサナリア軍。あたしら、ウォーカー隊よりも一対一が強えんだぜ。なんでか聞いてくれや。まあ、死んじまうからいいか。勝手に教えてやるぜ。こいつら全員。根が武人なんだよ。元々一人で暴れんのが得意なのさ。いけ! サナリア軍。ここより大いなる濁流。混沌だ!」
ミランダの言葉の通り。
サナリアの騎馬軍は一列ずつ別々な場所に入っていった。
その結果。
シンドラ軍の隊列が崩れていく。
侵入した場所よりも特に中の状態が、しっちゃかめっちゃかになっていった。
前に後ろに横にと、次々とサナリアの騎馬が現れて、一体どこの敵を自分の標的にすればいいのか。
シンドラ軍が敵がいるのに見失ったように感じ始めた。
しかも、今回は人による混沌ではなく、騎馬による混沌のせいで、速度に対応できない。
誘われる混沌の世界はまさに高速の世界だった。
流れていく景色が速い。飲み込まれる渦が濁流である。
「よし。シガー! 押し込め。お前は単純に真正面から押せば勝つ!」
ミランダの指示通り。
彼女の声など聞こえるはずもないのに、シガーが動く。
「盾部隊展開。そのまま真っ直ぐ押せ!」
シガーの声と共に、シガー部隊が相手の前列を押し出す。
中へ中へと前方の人間を押すことで、混沌に厚みが出てきた。
彼の部隊の押し込みで、シンドラ軍内部は大混乱状態が続くのであった。
老獪な将軍アステルでさえ、この混乱状態を立て直すことがなかなか出来ない。
「さあ、勝手にやんだろ。あんたなら、頭領!」
こちらも当然ミランダの声は彼女には届かない。
でも元々ミランダは彼女に指示を出すつもりもないのだ。
「おい。野郎ども、弓で仕上げだぜ。あたしらは、敵の背面だ。仲間に当てんなよ。もし当てたら、あたしの矢を食らわせてやっからな」
「ひでえっス」
「ん!」
「無理っス。頭領の弓。皆即死っス」
「うっせインディ。口出すよりも、お前も放てや」
「へいへ~いっス」
文句を垂れているインディと共にフィアーナは、シンドラ軍の後方の部隊を弓で狩り続けた。
◇
混沌開始直後からの混乱。
それを何とかして立て直していこうとするアステルは、中の中だけは意地でも立て直した。
そこから、王を中心とした近衛部隊だけは、動きが戻って来たのだ。
その落ち着いた状況が、周りに波及していき、軍全体が落ちついていく。
『これなら目の前のサナリア軍と戦える』
アステルの頭では思っても。
『しかしこれだと帝都を攻め落とせない』
体が無理だと判断した。
それはライン設定をしたために即座に判断が出来たのである。
現状動かせる兵が三万。最悪ラインである。そしていまだ中央以外の部隊は混乱状態。
ここよりも兵が減ることは間違いない。
だから彼は。
「退却だ。本陣まで下がるぞ」
アステルは後退を指示。
兵を切り捨てながらの退却で、上手く下がろうとするが、そこをミランダが許すはずもない。
フュンはあの時、一瞬のためらいをしてしまったが、ミランダはそんなことをしない。
戦いを始めたら相手に慈悲など必要ない。
アステルと同タイプの人間なために即断で追撃を仕掛けてきた。
彼女の混沌に巻き込まれている状態であることを、アステルは認識していた方が良かった。
逃げる際の切捨てをためらわないアステルと、それを追いかけるミランダ。
この結果によりサナリア軍の最大火力攻撃を浴び続けるシンドラ軍は、大ダメージをもらい続けていた。
アステルら、シンドラ軍が本陣に到着した頃には、兵が二万四千となっていた。
出陣時よりも半分以下になったシンドラ。
本陣で休息したいが、その手前でサナリア軍が布陣し始めたことで、休ませてもらえない。
この徹底したやり方に、指揮官が違う事をアステルは確信した。
「敵が違う。これは確実だ。まずい・・・これは、さらに退却しても追撃してくる。そうなると、シンドラに戻ってもやられる・・・」
アステルの予測。
それはシンドラで防衛戦争に入っても負けてしまうという予測だ。
なにせ、削られながらの退却を繰り返し、シンドラに戻ると、一万前後が無くなった形での王都の防衛になるだろう。
そうなると相手が三万。
負けはほぼ確定である。
だから取りうる手段は一つしか残されていなかった。
アステルは王を説得して最後の戦いに臨むしかなかったのだ。
シンドラの反乱の幕が無事に下りるかどうかは、彼の最後の望みに託されていた。
「は、はい」
「見てろよ。あんたの声のおかげで、サナリア軍が勝利するのさ。ここで余裕でいなよ! あんたの故郷は、あんたが守ったのさ。んじゃ」
ミランダが馬に乗る。
「フュン! あとはあたしに任せな。お前は本陣くらいまで下がれ」
「はい。先生頼みます」
「おう。お前の師のカッコいい所を見せてやるぜ。あたしは飲んでるだけじゃあねえのさ。ナハハハ。この混沌の奇術師の真の姿。じっくり見とけ」
ニヤッと笑ったミランダに、フュンは微笑んだ。
「そんな事、あらためて言われなくてもミラ先生はいつでもカッコイイですよ。ここでしっかり見てますからね。お師匠様」
「ああ、じゃあ行ってくるのさ!」
師匠ミランダが出撃した。
彼女を見送った後、フュンとヒルダは少しずつ後ろに下がっていった。
「ヒルダさん。よくやりましたね。緊張したでしょ」
「・・ええ。とても・・・でも私の声で、出撃なんて、皆さんの士気が上がるのでしょうか。それが心配で・・・」
「???」
フュンは首を傾げた。
「いや、さっきの声。聞いてませんでした?」
「・・・も、もちろん聞いておりましたよ」
「凄くなかったですか?」
「凄かったです。身体が震えました」
「ええ。そうでしょう。だから大丈夫ですよ。あなたの声は、僕たちに届いたのです」
フュンが優しく語り掛けた。
「僕たちはあなたのために戦いますよ。それにあなたは僕の大切な友人なんです。僕のサナリア軍は、当然戦うに決まってるんだ。僕の友人をないがしろにするような兵になんてね。僕は育てたつもりがありませんからね! そんな薄情な兵など、僕の兵には一人もいないですから」
「・・・あ、ありがとうございます。フュン様」
「いえいえ。安心してください。あなたの為に勝ちますよ。僕のサナリア軍はね」
フュンたちは本陣付近で戦いを見守った。
◇
シンドラ軍が先に走って、続けて走るかのようにサナリア軍が前進する戦場。
その中でシンドラ軍は一個の塊として移動しているが、サナリア軍の方は、騎馬と歩兵の混成軍なので、軍の中で速度の違いが出ていた。
前後で別れるような形での進軍でも、それを気にせずに全速前進させていた騎馬部隊の中央付近に到着したミランダが叫ぶ。
「あんたら! あたしに戦場の流れを任せな。あんたらはただただ戦えばいいのさ。よっしゃこれより混沌の奇術師の得意戦術を出す! サナリア軍、お前らの規律は高い。でもそれを捨てて、今より修羅となれ。左右の一列目から順に弧を描け。そこから相手の陣に突っ込んでいけ。目の前の敵を殲滅しろ。始めろ!」
「「「おおおおおおおおおおおおおおお」」」
サナリア軍は、現在。
縦一列の騎馬部隊を十五本作っている。
一列は千。
十五本あるので、騎馬部隊全部をそのような陣形にしていた。
左右から一列ずつで騎馬部隊を敵の陣の中に差し込んでいく。
ミランダの得意戦術『混沌』
要は乱戦を生み出すことが主となる動きだ。
この戦術もハスラの時に使用した混沌の応用型である。
あの時は、大砲に邪魔されてしまったが、今回は邪魔する物がない。
そしてさらに今回は騎馬である。
高速での混沌が待っているのだ。
「さあ、とくと味わえ。シンドラ軍。混沌とは通常の戦いではないのだよ。そしてこいつらサナリア軍。あたしら、ウォーカー隊よりも一対一が強えんだぜ。なんでか聞いてくれや。まあ、死んじまうからいいか。勝手に教えてやるぜ。こいつら全員。根が武人なんだよ。元々一人で暴れんのが得意なのさ。いけ! サナリア軍。ここより大いなる濁流。混沌だ!」
ミランダの言葉の通り。
サナリアの騎馬軍は一列ずつ別々な場所に入っていった。
その結果。
シンドラ軍の隊列が崩れていく。
侵入した場所よりも特に中の状態が、しっちゃかめっちゃかになっていった。
前に後ろに横にと、次々とサナリアの騎馬が現れて、一体どこの敵を自分の標的にすればいいのか。
シンドラ軍が敵がいるのに見失ったように感じ始めた。
しかも、今回は人による混沌ではなく、騎馬による混沌のせいで、速度に対応できない。
誘われる混沌の世界はまさに高速の世界だった。
流れていく景色が速い。飲み込まれる渦が濁流である。
「よし。シガー! 押し込め。お前は単純に真正面から押せば勝つ!」
ミランダの指示通り。
彼女の声など聞こえるはずもないのに、シガーが動く。
「盾部隊展開。そのまま真っ直ぐ押せ!」
シガーの声と共に、シガー部隊が相手の前列を押し出す。
中へ中へと前方の人間を押すことで、混沌に厚みが出てきた。
彼の部隊の押し込みで、シンドラ軍内部は大混乱状態が続くのであった。
老獪な将軍アステルでさえ、この混乱状態を立て直すことがなかなか出来ない。
「さあ、勝手にやんだろ。あんたなら、頭領!」
こちらも当然ミランダの声は彼女には届かない。
でも元々ミランダは彼女に指示を出すつもりもないのだ。
「おい。野郎ども、弓で仕上げだぜ。あたしらは、敵の背面だ。仲間に当てんなよ。もし当てたら、あたしの矢を食らわせてやっからな」
「ひでえっス」
「ん!」
「無理っス。頭領の弓。皆即死っス」
「うっせインディ。口出すよりも、お前も放てや」
「へいへ~いっス」
文句を垂れているインディと共にフィアーナは、シンドラ軍の後方の部隊を弓で狩り続けた。
◇
混沌開始直後からの混乱。
それを何とかして立て直していこうとするアステルは、中の中だけは意地でも立て直した。
そこから、王を中心とした近衛部隊だけは、動きが戻って来たのだ。
その落ち着いた状況が、周りに波及していき、軍全体が落ちついていく。
『これなら目の前のサナリア軍と戦える』
アステルの頭では思っても。
『しかしこれだと帝都を攻め落とせない』
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それはライン設定をしたために即座に判断が出来たのである。
現状動かせる兵が三万。最悪ラインである。そしていまだ中央以外の部隊は混乱状態。
ここよりも兵が減ることは間違いない。
だから彼は。
「退却だ。本陣まで下がるぞ」
アステルは後退を指示。
兵を切り捨てながらの退却で、上手く下がろうとするが、そこをミランダが許すはずもない。
フュンはあの時、一瞬のためらいをしてしまったが、ミランダはそんなことをしない。
戦いを始めたら相手に慈悲など必要ない。
アステルと同タイプの人間なために即断で追撃を仕掛けてきた。
彼女の混沌に巻き込まれている状態であることを、アステルは認識していた方が良かった。
逃げる際の切捨てをためらわないアステルと、それを追いかけるミランダ。
この結果によりサナリア軍の最大火力攻撃を浴び続けるシンドラ軍は、大ダメージをもらい続けていた。
アステルら、シンドラ軍が本陣に到着した頃には、兵が二万四千となっていた。
出陣時よりも半分以下になったシンドラ。
本陣で休息したいが、その手前でサナリア軍が布陣し始めたことで、休ませてもらえない。
この徹底したやり方に、指揮官が違う事をアステルは確信した。
「敵が違う。これは確実だ。まずい・・・これは、さらに退却しても追撃してくる。そうなると、シンドラに戻ってもやられる・・・」
アステルの予測。
それはシンドラで防衛戦争に入っても負けてしまうという予測だ。
なにせ、削られながらの退却を繰り返し、シンドラに戻ると、一万前後が無くなった形での王都の防衛になるだろう。
そうなると相手が三万。
負けはほぼ確定である。
だから取りうる手段は一つしか残されていなかった。
アステルは王を説得して最後の戦いに臨むしかなかったのだ。
シンドラの反乱の幕が無事に下りるかどうかは、彼の最後の望みに託されていた。
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