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第一部 人質から始まる物語

第139話 戦争後の小会議

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 戦争終結から3日。
 王都到着と同時にフュンは、幹部たちを会議室に集めて、これからの動きについての話し合いを始めようとしていた。
 その中の仲間たちの雑談で重要なものが一つあった。
 
 「あんた! まさか・・・頭領フィアーナか!・・・やっぱそうだろ。そうか、フュンたちが言っていたフィアーナってのは頭領フィアーナの事だったのか」
 「ん? あたしの知り合いか? オレンジ頭」
 「え、あたしを忘れたのさ。あたしだよ。あたし、ミランダだ!」

 ミランダは嬉しそうに自分を指さした。
 明るくアピールしているけど、フィアーナの顔は曇っている。

 「・・・ミランダ?・・・誰だ・・・・???」
 「ガキの頃にさ。サナリア山脈の北の外れで出会ったんだけどさ・・・覚えてないか・・・あんた。大人だったんだけどな」
 「北の外れ…ミランダ……オレンジ頭のガキ?」

 フィアーナとミランダは面識があるらしい。
 ミランダの小さい頃と言うと二十年ほど前。
 そうなるとフィアーナはもう大人である。
 彼女は今四十二なので、二十歳前後の話であるはずだが。
 彼女は、そんな昔のことはとうに忘れている……と言いたそうである。

 「ああ! わかったぞ。あの時のオレンジのクソガキだ! あたしの弓の技術を学びたいって言ってたガキだぜ。あたしが断ったのに、コソコソ後ろをついてきたガキだ!」
 「そうそう。そんであんたの狩りの技術を二カ月だけ学んだのさ」
 「ああ。そうだったわ。にしてもガキの頃よりも立派になったな。頭良さそうだ・・・ハハハハ」
 「まあね。あんたも元気そうじゃないか。ナハハハ」

 二人が似たような口調をしているのは、その時のフィアーナの教えからきていたものだった。
 ミランダはフィアーナの強さに憧れて一瞬だけ弟子入りしていたのだった。


 ◇

 会議が始まる直前。
 フュンは二人の会話を聞いてミランダに顔を向ける。

 「へぇ。それなら先生はフィアーナの弟子みたいなものですね」
 「まあ。そう言われればそうなのさ。いろいろ学んだけど、この人の勘だけは真似できなかったな。ありゃ無理だ。野性的な勘なのさ」
 「確かに、フィアーナの勝負勘は鋭いですからね。感覚的なものですよね。僕も真似できないです」
 「なに。そんな褒めんなよ。照れるぜ」

 二人が高評価で彼女を評すと、フィアーナの隣にいる真面目男シガーが真顔で。
 
 「こいつをそんなに褒めないでください。こいつの勘は、上手くいく割合が七割。残りの三割はこちらに大損害が出るのです。こっちとしては心が持たんのですよ」

 悪い点を指摘した。

 「んだよ。シガー。お前は慎重すぎんのよ。後ろで縮こまってちゃあな。戦いには勝てんのよ。先手必勝だぜ」
 「フン。お前はいつも前に行きすぎだ。少しは敵を分析してから行動をしてくれ。皆に迷惑がかかる」
 「はいはい。いちいちうるせえ。小言の多い男だぜ。モテねえぞ」

 四天王の二人が久しぶりに顔を合わせていた。
 じゃれ合いも懐かしく。
 いがみ合うように、言い合っているけど、顔は笑顔である。
 本当は後の二人ともこうして軽口を言い合って話したかっただろう。
 その思いが少しだけフュンにも伝わった気がした。

 
 今現在こちらの会議室にいるのは。
 ウォーカー隊の幹部。ミランダ。ザイオン。サブロウ。
 サナリアの四天王。フィアーナ。シガー。
 フュンの側近として動いた。ロイマン。シュガ。ゼファー。
 この八名に加え。フュンが話を聞いているだけでもいいからと、会議に強制参加させたクリスを加えて、計九名で会議をしていた。

 ジークとシルヴィアは、あの戦争終結直後のフュンのプロポーズ後から離れた。 
 二人が離れた理由は、サナリアの顛末を皇帝陛下に伝えねばならないという使命があるからだ。
 そしてその護衛としてエリナが付き従ったので、彼女もこの場にはいない。

 
 ◇

 「ではですね。僕はこれからサナリア辺境伯というものになるらしいです」
 「王子! らしいとは?」

 シガーが聞いた。

 「ええ。いまだによくは分かっていない役職なんですが、僕は帝国領土に編入されるサナリアの自治を任される。そんな形になるみたいですね。ジーク様がそう言ってました」
 「なるほど。そうですか。王子が・・・帝国の領土を任される形ですか・・・しかし、サナリアにとっては願ってもない嬉しい出来事なはずです」
 「そうなれればいいですよね。僕は国からしたら裏切り者ですからね。皆さんがそう思ってくれるとね。嬉しいですね……あ、あと、これから僕を王子と呼ぶのはまずいですね」

 皆が首を傾げた。

 「ええ、僕はこれから辺境伯となるのです。そして、ここは今から王国ではなく、帝国の地方の一つとなる。だから名前で僕を呼ぶか。それとも領主。これくらいが妥当だと思いますね」
 「なるほど。王子ではなく、領主様ですね。そのようにします」

 真面目なシガーは即答した。

 「王子じゃなく。領主か・・・言いなれねぇな。ムズイ! 幼い頃のあんたを見てきたあたしにとって、あんたは王子だからな。マジでムズイ!」

 不真面目なフィアーナは苦笑いしながら答えた。

 「それは慣れてもらうしかないですね」

 フュンの後にミランダが続く。

 「あたしらは平気だな。なぁザイオン! サブロウ!」
 「まあな。俺たちにとっちゃ、フュンはな。フュンだしな。それにあとは、王子っつうよりも俺たちの大将だしな」
 「そうぞな。フュンはフュンぞな」

 ウォーカー隊にとっては楽である。
 しかしここで、この問題がとても難しく感じる人間が、漠然とした不安を抱える。

 「殿下・・・私には無理かと」
 「ああ・ゼファーには無理そうですね」
 「・・・はい。殿下・・は殿下・・ですし」

 すでに突っ掛かったような口ぶりのゼファーである。

 「まあ、いいでしょう。公の場では殿下を使わなきゃいいのですよ。正式な場では出来るだけ名前で!」
 「…そうですか。有難き幸せであります! 殿下!」
 「もうすでに・・・まあいいでしょう。正直呼び方なんてどうでもいいんですけどね」

 人のミスを気にしない男。
 それがフュンという男なのだ。
 ゼファーのミスも笑い飛ばしてくれていた。
 
 ◇

 「では皆さんにお聞きしたいことがありましてね。呼びました。僕が一人ずつお話を聞きます」
 
 フュンはテーブルに肘をかけて両手を合わす。
 あなたたちも楽な姿勢で聞いてほしいとの意味合いらしい。
 周りにいる仲間たちも意味を理解し、肩の力が抜け始めていた。

 「では、先生たちは聞かなくていいとして」
 
 いきなりウォーカー隊は除外された。

 「なんでなのさ。あたしらにも聞けよ」
 「ミラ先生たちはどうせ僕に協力してくれるでしょ。聞かなくたって最初から信じてますもん!」 
 「まあな。なにかお前に何か手伝ってくれって言われなくてもな。俺たちは勝手に手伝っちまうからな」
 「そうぞな。ザイオンの言う通りぞ。いちいち了承なんかいらんぞ。大将だからぞ」
 「そうかいそうかい。まあそうだよな」

 不満顔のミランダと、笑っているサブロウとザイオンは、納得して話から引き下がった。

 「いつも頼りにしてますからね。それでは、いきます。まず、シガー!」
 「はい」
 「あなたは、罪を感じないでください」

 相手の気持ちを先に潰した。
 罪悪感が残っているシガーには直接言った方がいいと判断したのだ。

 「・・・」
 「やはりね。いいですか。ゼクス様の件。ズィーベの件。あれらはあなたの罪ではない。あなたはむしろ頑張って耐えてくれていましたよ。あなたがいなければ、ここにいるサナリアの普通の心を持つ兵士たちは路頭に迷っていたでしょう。あなたという良心がここに残っていなければ、彼らの心は崩壊していましたよ。非道な王の元で働く。あれは精神に来るでしょう」
 「フュン様・・もったいないお言葉・・・であります」
 「ええ。それで・・・罰が欲しいですか! そんな感じをあなたの心から感じてます」
 
 人をよく見るフュンの真の力がここで発揮されていた。
 だから、フュンの心は正常に戻ったことがここで分かる。
 普段通りの彼である。
 
 「欲しいです。友。王。そしてその二代目の王まで失った。愚かな男なのです。何卒、重い罰を」
 「わかりました」

 フュンは冷静に答えた。
 
 「では、あなたはこれから僕の家臣になりなさい。このまま辺境伯の元に来なさい。これでどうですか。サナリアの四天王より格が落ちてます! どうでしょう。これで罰として十分重いでしょう……ね!」

 フュンはそうだよねと言う意味で、最後に笑顔で『ね』と言った。
 彼の罪はほぼない。
 だけど、どうしても罰が欲しいなら罰として自分の家臣になれ。
 国の幹部じゃない一領主の幹部。
 かなりのランクダウンだ。
 でもこれは栄転。
 ランクダウンなんてものじゃない。
 尊敬すべき人物の下で働ける大きな名誉である。
 そう感じるシガーだった。

 「シガー。どうでしょうか?」
 「え?」
 「あなたのその分析力。そして厳格で堅実な指揮官の腕前が欲しいです。僕が統治することになるサナリアでの一番の配下にしたい」
 「な・・私が!?」
 「はい。あなたをここの責任者にしたいのですよ。僕は帝都と行ったり来たりになるので、安心して留守を任せることが出来る人が欲しいんです。あなたならそれが出来ます。僕と一緒にサナリアにいてくれれば、僕は非常に助かります」
 「わ・・・わかりました。この私、シガーが身命を賭して、必ずその任を!」

 シガーはランクダウンした地位を受け入れた。
 でもシガーは、この人物に仕える幸せを掴み取ったとも思ったのである。

 「はい。ありがとうございますね」

 シガーはサナリア領主代理という役職に就いた。
 フュンの代わりに、様々な仕事をする。
 非常に重要な役職に就いたのだ。


 「良かった‥‥では、その流れでシガー。こちらのシュガ殿を僕にくれませんか?」
 「はい?」
 「僕の側近にして、ウォーカー隊の方でも補佐官にしたい。彼の補助の才は稀有です。お二人がいいのなら、シュガ殿を僕のそばに置いておきたい」
 「私としては息子がいいのであれば、どこへでも連れて行って欲しいと思ってます。こき使ってほしいですな」

 シガーの許可を得たので、フュンはシュガの方を向く。

 「そうですか。じゃあどうでしょう。シュガ殿! 僕のそばに来てくれますかね?」
 「はい! 領主様から直々にお誘いなど……願ってもない幸運であります。お誘いありがとうございます。それとシュガでお願いします。領主様」
 「わかりましたよ。でもまあ。そんなに硬くならずとも笑顔でいきましょう! シュガ」
 「はい。よろしくお願いします」

 フュンは、貴重な戦力『シュガ』を得た。
 戦闘能力だけでも、ウォーカー隊で上位に入る実力者だが、フュンが感じる最も良き能力はタイムとは違う補佐の能力。
 隊長の行動の補完と強化を同時に行える貴重な副官となるだろうとフュンは睨んでいる。


 「うん。では次にロイマンさん。あなたも僕の配下になってもらえませんか。あなたの村の村長として僕の元に来てもらい。その上で地方の管理者としてお願いしたいことがあるのです。どうでしょうか」
 「も。もちろんです。俺も協力していいのなら、ぜひ参加したいです」
 「よかった。あなたも僕の新たな領土運営の重要人物になりますからね。配下になってもらえると心強いんですよね。助かります」

 フュンはほっとした表情をした。
 その表情でも分かる、よほどロイマンが欲しかったようだ。

 「領主様・・・一つ条件いいでしょうか」
 「はい。どうぞ」

 フュンは身構えた。

 「ロイマンでお願いしたい。あなたの元で働くのなら、そちらのほうがよろしいかと思います」
 「・・ああ、そうですね。ではロイマン。これからよろしくお願いします」

 お願いが可愛らしいと思ったフュンは緊張した構えを解いた。

 「はい。お願いします。領主様」

 ロイマンは深々と頭を下げていた間、自分の尊敬する人物の下で働ける喜びで泣きそうであった。
 フュンは次にフィアーナを見た。

 「では最後にフィアーナ!」
 「おう」
 「どうします? あなたはこのまま村の頭領がいいですか? それとも僕の配下になりますか? 僕は人に人生を強制したくないのでね。自由な方は自由に生きた方がいい」
 「・・・おおお。確かにそりゃ悩むな・・・でも、あんたは面白いからな。協力してもいいぞ。あたしに何をやらせようと思ってんだ」 
 
 ニヤリと笑うフィアーナはフュンの考える事を楽しんでいた。

 「フィアーナはですね。もし僕に協力してくれるなら、まずは村を解体して欲しいです」
 「は??? なに!?」

 思いもよらない指示である。
 さっきの村を大切にしろと言ったのは何だったんだ?
 この場にいる全員がこの意見を持った。

 「ええ。フィアーナには狩人部隊の運営と、これから作る軍の指導係。あとはこの都市の管理をして欲しいです」
 「は? この都市? 王都はあんたとシガーが管理するんじゃ」
 「はい。そうなんですけど。ここはですね。僕は第二都市にしようと思ってましてね。僕はサナリア平原のど真ん中に大都市を築こうかと思ってます」
 「「「ええええええええ」」」
 
 フィアーナ以外も当然驚いた。 

 「まあ皆さん。驚きますよね。ですがね。僕の次の計画は後で言いますが、最終的には平原のど真ん中に大都市を築いて、サナリアの全てを中継する都市にするつもりです」
 「なるほど。分かりました」

 クリスはついつい小声で納得してしまった。
 口走った瞬間しまったという顔をして、口に手を当ててごまかそうとしたが、ちゃんとフュンはその声を聞いていた。
 嬉しそうにフュンは後ろを振り向く。

 「お! クリス殿は今ので僕の話をお分かりに?」
 「あ・・はい。あの出過ぎた真似をしました。申し訳ありません」

 無表情に近いクリスが、この時ばかりは出しゃばってしまったと、顔色を悪くした。

 「いえいえ。それで、クリス殿はどのように分かりましたか?」
 「あ、フュン様。私に殿はいらないです。私はあなた様にそんな風に呼ばれるほど偉くありませんし」
 「ええ。わかりましたよ。では、クリスはどのように考えたのですか」

 緊張している彼の為に、フュンは笑顔で続きを促した。

 「・・・え・・あ、はい。では私の考えが正しいかは分かりませんが……あえて言わせてもらいますと。その都市を平原の真ん中に作る理由は、帝国への移動の負担の軽減と、物の輸送経路を考えていると思います。こちらに都市があるよりも平原の真ん中に都市があった方が楽です。それにフュン様がどうお考えかは分かりませんが。こちらが第二都市となるのであれば、ロイマン村長の村と合わせれば、中間位置にその都市が出来ます。という事はこの三つを結んで交易と経済を回すのではないかとふと思ってしまいました」
 「素晴らしい。あなたは実に素晴らしい。フィアーナの前にですが、クリス! 君も僕の側近になってくれませんか?」 
 「・・・え・・私が?」
 「はい。あなたが欲しいですね。あなたのその抜け目のない物事に対する視野の広さが欲しいです」
 「え・・フィ・・頭領!?」

 クリスは、どうしたらいいでしょうかとフィアーナの方に顔を向けた。

 「はははは。困ってやんの。あたしは、いいと思うぜ。お前はあたしが使うよりも、フュンの元に行った方が羽ばたくと思うな。絶対そっちの方がいいと思うぜ。お前の気持ちを大切にしろ」
 「・・は、はい。では、フュン様。不束者ですが、よろしくお願いします」
 「はい。ありがとう。僕は君のことも大切にしますよ。うんうん。よかった」

 フュンは嬉しそうにクリスに微笑んだ。

 「では、どうでしょうフィアーナ。あなたにはこの都市を起点に山で狩りをして欲しいのです。この都市で狩人たちを管理して、狩りの技術を継承した方がいい。ここの位置は山脈に近いです。ですから育てるのにも適してますし、山の中に暮らして山を守るよりも、こちらの都市から山林や動物を守りましょう。今後もですが、狩りを生業にする者を育てるのは非常に重要な事だと思います。フィアーナ。どうでしょうこの考えは?」
 「ああ。わかった。あたしがその仕事を引き受けるぜ。あたしはフュン領主に忠誠を誓おう。死ぬまであんたの配下だ!」
 「いいのですね。フィアーナ、ありがとう」

 尊敬の出来る人物にしか頭を下げないフィアーナが、フュンに頭を下げて忠誠を誓った。
 真に仕えるべき人物は、王アハトではなく、その息子フュンであった。
 色んな人生を経験したフィアーナの最終決断は、フュンの部下となることだった。

 「よし。これで皆さんと改めての仲間となります。全員で力を合わせましょうね。僕らは一心同体ですよ。ハハハ。そして。ここで、一つ宣言したいことがあるんですよ」
 「「「??????????」」」 

 全員の疑問の中。フュンは衝撃の政策を言う。 
  
 「今から、サナリアにいる賊たちをこのサナリアの地に引き入れます・・・・今からこのお触れをだしますよ『三カ月の間までに、この都市に集まってもらえれば、このサナリアの領主フュンは、君たちの賊としての罪を全て洗い流して、不問として、サナリアの市民とする!』とね!」
 「「はああああああああああああああああ!?」」

 全員の驚いた顔を見て、フュンだけが笑顔でいた。

 
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