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第一部 人質から始まる物語
第132話 サナリア平原の戦い 弓のフィアーナが飛躍する
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赤い狼煙を確認したフィアーナは、関所付近のユーラル山脈から出撃した。
彼女の狩人部隊二千は、関所の脇にある北のサナリア山脈と南のユーラル山脈の中で半分ずつになって、敵の両翼を攻め込むために待機していたのだ。
フィアーナの部隊だけは騎馬部隊である。
『こちらからはタイミングだけをお知らせしますからね』
とだけ言い残された形のフィアーナ。
具体的な指示をフュンからはもらっていなかった。
それはなぜなのか。
彼女には、下手に策を残すよりも自由にやらせる方が良いとのフュンの好判断があったからだった。
フュンの考えの通り。
フィアーナは、戦いの場面での勝機を嗅ぎ分ける強さがあった。
戦争の全体像を完璧に把握しているわけじゃない彼女だが、持ち前の勝負勘を頼りに戦いに出て行くことになる。
的確な行動を勘で導き出す野生児であったのだ。
「おっしゃ。王子の合図が来た。相手の側面だけを潰すぞ。いいな。それが勝機だ。皆! あたしに続け!」
「「おおおおおお」」
◇
突如として戦場に現れた二部隊の弓騎兵は、サナリア軍の本陣の左翼と右翼に近づく。
でもなぜか近づくだけに留まっている。
つかず離れずの立ち位置。
手が届きそうで届かないそんな距離感でフィアーナの軍は敵の側面に入る。
敵の背後にも入らずに、ただただ側面だけを走り続けている。
敵軍の側面後方に行っても、フィアーナの部隊はクルッと反転して、敵軍の側面前方に折り返して走る。
その行為は、ただそこをうろちょろしているように思うだけなのだが、サナリア軍としては、心理的に兵の圧力を感じる状態となっていた。
彼女の部隊の微妙な配置と絶妙な距離感のせいでそう思う状態となっている。
現に相手の意図がよく分からないサナリア軍は、敵への対処もせずに、両翼で動きを止めてしまっていた。
「よっしゃ、お前らは緩く斉射し続けろ。あたしが狙い撃つ!」
フィアーナの弓騎兵らは、矢を一斉斉射。
彼らは矢を平行には撃たず、上から降ってくるような形に矢を放っていた。
山なりの軌道を目指し、放たれた矢は敵の頭上にふんわりと降り続けていく。
威力がさほどない攻撃に敵が一安心しているのはいいものの。
誰かこの狙いを探るべきであろう。
彼女の意図を知っておけば、何か対処が出来ていただろうに、彼らは深くその事を考えなかった。
◇
フィアーナの鷲のような目が、敵陣を捉え続けている。
馬上からの索敵でも、敵の表情までしっかり見えていた。
「どれだ・・・動きで分かるぜ・・・・・あいつ。あいつ、んで、あいつか」
フィアーナの人探しは、敵軍の小隊長クラスの人物だけ。
彼女は倒すにも、むやみやたらと倒してはならないと考えていた。
狩りの基本の一つ。頭を倒す。リーダー格を失えば、その群れは混乱状態になる。
だから、小隊長を狙っているのだ。
降り注ぐ矢の中で、周りに指示を出すものが現れていく。
簡単に対処の出来る攻撃でも、やはり隊長クラスが指示を出しているようだ。
だから彼女は狙い撃つ敵を見極められた。
矢を三本。
背中から取り出したフィアーナは弓を構える。
「よっしゃ、いくぜ!」
フィアーナ得意攻撃の強弓『三連矢』
通常よりも硬い素材の弓を使用しているフィアーナは、一本の矢の威力がとても高く、鉄すらも貫いてしまう。
さらに同時に三本まで斉射が可能で、その上で正確無比で威力が同じ。
サナリアが誇る遠距離最強の弓兵であるのが弓のフィアーナだ。
なぜかは知らないが、こんな優秀な人物をいらないと言った王が、どこかに存在しているらしいのです。
そいつは、よほど間抜けな王だろう。
この強さをいらないとは……本当に信じられない。
馬鹿だけの罵りの言葉だけでは足りないような気がするのである。
「貫け。ついでに混乱しな!」
フィアーナの正確な矢は、敵の左翼の隊長クラスを次々に撃破していく。
そしてこれと同時に、フィアーナの反対側を担当している狩人部隊も、サナリア軍右翼の兵を少しずつ削っていた。
彼らには彼女のような攻撃は出来ないので、攻撃を前方に集中させて、地味に削っているのである。
ここから小隊長クラスの人間を失ってしまったサナリア軍左翼の混乱ぶりは相当なものとなる。
一人一人の兵を統率することが不可能な状態になっていくことで、こういう事態になれていないのが、ハッキリとフュンらに分かられてしまう。
立ち止まったり、急に前に出たり、逃げ惑ったりと、色々な行動を起こしていて、規律のきの字も見当たらない動きをフィアーナの前で披露していた。
だから、この混乱状態を立て直すために、内部の方から隊長クラスがきた。
それもまた狙い撃ちされてしまうわけだが、立て直すことに集中してから時が経つこと数十分。
ズィーベの指示であるかはよく分からないが、サナリアの両翼はフィアーナに一本釣りされてしまう。
両翼の数小隊が彼女の軍を追いかけ始めると、ちらほらと続いて兵士たちが雰囲気に流されていき、どんどんと彼女を追いかけ始める。
ここで、機転を利かせたフィアーナは、今と同じように矢を放ち続けるよりも、この兵士たちを引っ張ることに決めた。
全速力でサナリア軍の後方よりも更に後ろ、サナリア王都の方向に移動を開始。
するとその予定にはない行動を取っているフィアーナに対して、反対側にいるフィアーナの軍もどう行動を起こす。
あたしと同じように鏡のような動きをしろと、あらかじめ伝えているので、アドリブで彼女の部隊と全く同じ動きをしたのである。
さすがはフィアーナの軍。
鋭い勘を持ち、その場に対する理解が良いのだ。
敵を倒す方法が豊富な狩人たちである。
両翼のフィアーナ軍が、敵を引っ張った数は自分たちの二倍。
約4千の兵である。
彼女は狩人らしく、おびき寄せて戦う。
これこそが、したたかに生きる狩人たちの底力だ。
「いくぞ。お前ら! あたしに続け!」
ここで彼女が凄かったのは、最初は全力で走破したのだが、途中から追いつけそうで追いつかない微妙な速度で走ったのである。
これにより、引っ張られた兵たちが最後までフィアーナの軍を追いかけてくるのだ。
途中敵が疲れ始めたのを見極めて、フィアーナらは減速を開始。
矢を少しだけ放ち、兵を少しだけ削る。
そうなると、敵兵たちはフィアーナの部隊を追いかけずに、後ろに引くことも出来ないことが確定するために、このまま走って追いかけるしか選択肢がなくなったのだ。
引いても駄目。押しても駄目。
どうしようもないから、前に行くしかない。
正しくそれは、勝機がない状態での追いかけっこである。
この巧みな戦術は全て、彼女のアドリブ。
彼女の野性的勘による行動だ。
「いいか。これを繰り返して、サナリアの王宮を目指してもいいぞ。あいつら、あたしらの倍くらい来てんだろ。そうなりゃ、王子たちも戦いが楽になるはずだ。あたしらは、兵をゴリゴリ削るって、このまま兵を引っ張るぜ。皆! いくぞ。ついてこい!」
「おおおおおおおおお」
フィアーナは引っ張った兵を一つにしようと、左右軍を合流させる動きをした。
サナリア軍のはるか後方になった瞬間に、二つに別れていたフィアーナ軍は合流し、そのままサナリアの王都を目指して走った。
これにて、四千の敵兵は意味もなく戦場から離脱となる。
彼らが戦わないといけないのは関所にいる相手だと言うのに、急遽現れた弓騎兵に気を取られて、戦うべき相手を間違えてしまったのである。
これもそれも、サナリア軍は戦というものを知らなかったのだ。
甘い。指揮官もその兵士たちも。
フュンはそう思っていただろう。
そして、彼女の策略の良き点。それは中央軍の小隊長クラスを引っ張った事。
これで相手の指揮命令系統に不安を残す結果となったのだ。
でもこれら全てがフィアーナの勘による行動のおかげであることが驚愕の事実である。
戦いに対する良き感性と、山育ちでの命のやり取りの感覚の鋭さ。
そして勝負所を嗅ぎ分ける狩人。
それが『弓のフィアーナ』
戦場で自由を与えられたことで、空へと羽ばたいた彼女は、ついに自分の真の力を発揮し始めた。
その力に気付いたのは、王アハトではなく。
その息子『フュン・メイダルフィア』である。
だが、まだ彼女の実力には先がある。
……本当の意味での飛翔の時は近づきつつあるのだ。
彼女の狩人部隊二千は、関所の脇にある北のサナリア山脈と南のユーラル山脈の中で半分ずつになって、敵の両翼を攻め込むために待機していたのだ。
フィアーナの部隊だけは騎馬部隊である。
『こちらからはタイミングだけをお知らせしますからね』
とだけ言い残された形のフィアーナ。
具体的な指示をフュンからはもらっていなかった。
それはなぜなのか。
彼女には、下手に策を残すよりも自由にやらせる方が良いとのフュンの好判断があったからだった。
フュンの考えの通り。
フィアーナは、戦いの場面での勝機を嗅ぎ分ける強さがあった。
戦争の全体像を完璧に把握しているわけじゃない彼女だが、持ち前の勝負勘を頼りに戦いに出て行くことになる。
的確な行動を勘で導き出す野生児であったのだ。
「おっしゃ。王子の合図が来た。相手の側面だけを潰すぞ。いいな。それが勝機だ。皆! あたしに続け!」
「「おおおおおお」」
◇
突如として戦場に現れた二部隊の弓騎兵は、サナリア軍の本陣の左翼と右翼に近づく。
でもなぜか近づくだけに留まっている。
つかず離れずの立ち位置。
手が届きそうで届かないそんな距離感でフィアーナの軍は敵の側面に入る。
敵の背後にも入らずに、ただただ側面だけを走り続けている。
敵軍の側面後方に行っても、フィアーナの部隊はクルッと反転して、敵軍の側面前方に折り返して走る。
その行為は、ただそこをうろちょろしているように思うだけなのだが、サナリア軍としては、心理的に兵の圧力を感じる状態となっていた。
彼女の部隊の微妙な配置と絶妙な距離感のせいでそう思う状態となっている。
現に相手の意図がよく分からないサナリア軍は、敵への対処もせずに、両翼で動きを止めてしまっていた。
「よっしゃ、お前らは緩く斉射し続けろ。あたしが狙い撃つ!」
フィアーナの弓騎兵らは、矢を一斉斉射。
彼らは矢を平行には撃たず、上から降ってくるような形に矢を放っていた。
山なりの軌道を目指し、放たれた矢は敵の頭上にふんわりと降り続けていく。
威力がさほどない攻撃に敵が一安心しているのはいいものの。
誰かこの狙いを探るべきであろう。
彼女の意図を知っておけば、何か対処が出来ていただろうに、彼らは深くその事を考えなかった。
◇
フィアーナの鷲のような目が、敵陣を捉え続けている。
馬上からの索敵でも、敵の表情までしっかり見えていた。
「どれだ・・・動きで分かるぜ・・・・・あいつ。あいつ、んで、あいつか」
フィアーナの人探しは、敵軍の小隊長クラスの人物だけ。
彼女は倒すにも、むやみやたらと倒してはならないと考えていた。
狩りの基本の一つ。頭を倒す。リーダー格を失えば、その群れは混乱状態になる。
だから、小隊長を狙っているのだ。
降り注ぐ矢の中で、周りに指示を出すものが現れていく。
簡単に対処の出来る攻撃でも、やはり隊長クラスが指示を出しているようだ。
だから彼女は狙い撃つ敵を見極められた。
矢を三本。
背中から取り出したフィアーナは弓を構える。
「よっしゃ、いくぜ!」
フィアーナ得意攻撃の強弓『三連矢』
通常よりも硬い素材の弓を使用しているフィアーナは、一本の矢の威力がとても高く、鉄すらも貫いてしまう。
さらに同時に三本まで斉射が可能で、その上で正確無比で威力が同じ。
サナリアが誇る遠距離最強の弓兵であるのが弓のフィアーナだ。
なぜかは知らないが、こんな優秀な人物をいらないと言った王が、どこかに存在しているらしいのです。
そいつは、よほど間抜けな王だろう。
この強さをいらないとは……本当に信じられない。
馬鹿だけの罵りの言葉だけでは足りないような気がするのである。
「貫け。ついでに混乱しな!」
フィアーナの正確な矢は、敵の左翼の隊長クラスを次々に撃破していく。
そしてこれと同時に、フィアーナの反対側を担当している狩人部隊も、サナリア軍右翼の兵を少しずつ削っていた。
彼らには彼女のような攻撃は出来ないので、攻撃を前方に集中させて、地味に削っているのである。
ここから小隊長クラスの人間を失ってしまったサナリア軍左翼の混乱ぶりは相当なものとなる。
一人一人の兵を統率することが不可能な状態になっていくことで、こういう事態になれていないのが、ハッキリとフュンらに分かられてしまう。
立ち止まったり、急に前に出たり、逃げ惑ったりと、色々な行動を起こしていて、規律のきの字も見当たらない動きをフィアーナの前で披露していた。
だから、この混乱状態を立て直すために、内部の方から隊長クラスがきた。
それもまた狙い撃ちされてしまうわけだが、立て直すことに集中してから時が経つこと数十分。
ズィーベの指示であるかはよく分からないが、サナリアの両翼はフィアーナに一本釣りされてしまう。
両翼の数小隊が彼女の軍を追いかけ始めると、ちらほらと続いて兵士たちが雰囲気に流されていき、どんどんと彼女を追いかけ始める。
ここで、機転を利かせたフィアーナは、今と同じように矢を放ち続けるよりも、この兵士たちを引っ張ることに決めた。
全速力でサナリア軍の後方よりも更に後ろ、サナリア王都の方向に移動を開始。
するとその予定にはない行動を取っているフィアーナに対して、反対側にいるフィアーナの軍もどう行動を起こす。
あたしと同じように鏡のような動きをしろと、あらかじめ伝えているので、アドリブで彼女の部隊と全く同じ動きをしたのである。
さすがはフィアーナの軍。
鋭い勘を持ち、その場に対する理解が良いのだ。
敵を倒す方法が豊富な狩人たちである。
両翼のフィアーナ軍が、敵を引っ張った数は自分たちの二倍。
約4千の兵である。
彼女は狩人らしく、おびき寄せて戦う。
これこそが、したたかに生きる狩人たちの底力だ。
「いくぞ。お前ら! あたしに続け!」
ここで彼女が凄かったのは、最初は全力で走破したのだが、途中から追いつけそうで追いつかない微妙な速度で走ったのである。
これにより、引っ張られた兵たちが最後までフィアーナの軍を追いかけてくるのだ。
途中敵が疲れ始めたのを見極めて、フィアーナらは減速を開始。
矢を少しだけ放ち、兵を少しだけ削る。
そうなると、敵兵たちはフィアーナの部隊を追いかけずに、後ろに引くことも出来ないことが確定するために、このまま走って追いかけるしか選択肢がなくなったのだ。
引いても駄目。押しても駄目。
どうしようもないから、前に行くしかない。
正しくそれは、勝機がない状態での追いかけっこである。
この巧みな戦術は全て、彼女のアドリブ。
彼女の野性的勘による行動だ。
「いいか。これを繰り返して、サナリアの王宮を目指してもいいぞ。あいつら、あたしらの倍くらい来てんだろ。そうなりゃ、王子たちも戦いが楽になるはずだ。あたしらは、兵をゴリゴリ削るって、このまま兵を引っ張るぜ。皆! いくぞ。ついてこい!」
「おおおおおおおおお」
フィアーナは引っ張った兵を一つにしようと、左右軍を合流させる動きをした。
サナリア軍のはるか後方になった瞬間に、二つに別れていたフィアーナ軍は合流し、そのままサナリアの王都を目指して走った。
これにて、四千の敵兵は意味もなく戦場から離脱となる。
彼らが戦わないといけないのは関所にいる相手だと言うのに、急遽現れた弓騎兵に気を取られて、戦うべき相手を間違えてしまったのである。
これもそれも、サナリア軍は戦というものを知らなかったのだ。
甘い。指揮官もその兵士たちも。
フュンはそう思っていただろう。
そして、彼女の策略の良き点。それは中央軍の小隊長クラスを引っ張った事。
これで相手の指揮命令系統に不安を残す結果となったのだ。
でもこれら全てがフィアーナの勘による行動のおかげであることが驚愕の事実である。
戦いに対する良き感性と、山育ちでの命のやり取りの感覚の鋭さ。
そして勝負所を嗅ぎ分ける狩人。
それが『弓のフィアーナ』
戦場で自由を与えられたことで、空へと羽ばたいた彼女は、ついに自分の真の力を発揮し始めた。
その力に気付いたのは、王アハトではなく。
その息子『フュン・メイダルフィア』である。
だが、まだ彼女の実力には先がある。
……本当の意味での飛翔の時は近づきつつあるのだ。
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