人質から始まった凡庸で優しい王子の英雄譚

咲良喜玖

文字の大きさ
上 下
59 / 562
第一部 人質から始まる物語

第58話 王子とメイドの絆

しおりを挟む
 フュンはしばらく家を留守にするので、留守番をイハルムに任せて、身の回りの世話をお願いするためにアイネを伴って、ジークと一緒にとある場所まで馬車で移動していた。
 相変わらずフュンはどんな時でも誰に対しても平等に接する。
 それがよく分かる場面にジークは出くわした。

 「アイネさん。ごめんなさいね。僕の勝手であなたまで連れまわすことになっちゃって」

 隣同士で座るアイネとフュン。
 嬉しそうな顔をしているアイネと困った表情をしていたフュン。
 対照的な顔をしているのは訳がある。
 それは。

 「いえいえ。王子の行くところに私も同行できるのはとても嬉しいです。王子はいつもお一人でルーワ村に行かれるから本当は私、寂しいんですよ。私も連れて行ってくださいよ」
 「あそこは馬で急げば片道で半日くらいなものだから、ついついお隣さんの感覚でふらっと行ってしまうのですよ。あははは。ごめんなさいね」
 「そうだとしてもですよ。私も王子と一緒がいいんです! 連れて行ってください!」
 「は~い。今度からはそうします。ごめんなさい」
 「はい。許しました。王子、約束ですよ」
 「アイネさん。ありがとう! 今度は一緒ですからね」
 「はい! 楽しみにします」

 お姉さんと弟みたいな関係の仲の良いメイドと主。
 この世界にこんな関係の主従はいるのだろうか。
 そう思っているジークは優しい眼をして二人を見つめていた。

 「ジーク様。今から行く場所はササラでしたっけ?」 
 「そうだよ。俺たちダーレー家が所有している領土の一つ。港湾都市のササラだ」
 「港湾……港町ってことですか?」
 「まあ。端的に言えばそうだね。あそこは造船業も盛んだからね」
 「そうなんですね。海ですか。初めて見ますね」
 「お! そうなんだ」
 「ええ。僕らは山と平原の民ですからね。海を見られません。ねえ。アイネさん」
 
 フュンは隣を見た。
 
 「はい! 私も見たことがありません! 楽しみです」
 「よかった。アイネさんが楽しみじゃなかったら申し訳なくてね。わざわざついてきてもらったのにね」
 「いえ。王子が行くところに同行できるのが楽しみです!」
 「あ。そうですか」

 てっきり海を見るのを楽しみにしてくれていると思ったフュンは、ちょっぴりがっかりして端的に答えた。

 「ふっ。君は面白いな。本当にさ・・・そろそろかな。海が見えるよ」

 ジークが馬車の窓を開ける。
 そこに広がる景色。それは様々な青のグラデーションだ。
 空の鮮やかな青から海の深い青まで、フュンが見たことのない景色は体中を感動で埋め尽くす。
 手足にまで歓喜の震えが出て、フュンは未知なる世界に足を踏み入れた気分になった。

 「これが海なんだ! す、凄いです。初めて見ましたよね。アイネさん!」 
 「・・・あ、はい。綺麗ですね」
 「ええ。とても綺麗ですよ。海って綺麗ですね」
 
 アイネはその景色に感動したのではなく、嬉しそうに外を見つめる王子で涙ぐむ。
 辛い事ばかりの彼の人生に少しでも心に潤いがあればと、いつも陰ながら応援している彼女にとって、これだけでも生きてきてよかったと思うほどに今日を感謝した。

 「あ~。何か飛び跳ねましたね。今!」
 「ん? 何か見えたのかい?」 
 「ええ。何かが水面から顔を出しました」
 「ちょっと離れてて見えないな」
 「そうですか。僕には見えたんですが・・・」
 
 フュンの視力は抜群に良い。ある日のゼクスとの感覚訓練の際にも、その力を発揮していた。
 ゼクス以上に遠くのものが見えるし、彼以上に鼻も効くのだ。
 ゼクス曰く、おそらくフュン様はサナリア一の感覚力があると思いますと、自分の弟子を誇らしげに褒めていたのである。
 そうゼクスは、弟子のフュンが同年代から見て遥かに弱くても、色んな所を褒めて伸ばしてきたのである。
 だから彼は伸び伸びとスクスクと育ち、優しさ溢れる男へと成長したのだ。
 
 「でも、顔を出すってことは・・・たぶんイルカかな?」
 「イルカですか」
 「うん。ササラの港付近には、イルカがいるんだ。でもそれらは必ず来るとは限らない。しかし、その見られるかどうかも分からないイルカの為に観光客だって来るんだよ。凄いよね。来ても見るのが難しいものの為に観光するなんてね」
 「へえ、そうなんですか。じゃあ、僕はここから見えてラッキーだったんですね。あははは」

 もうすぐ到着のササラは、二重支配体制と呼ばれる帝国では物珍しいシステムを導入している都市である。
 市長と貴族の二人の長が都市を運営しているのだ。
 実質的な支配者は選挙で選ばれた市長で、形式的な支配者としてダーレー家に仕えている貴族の領主が支配している。
 現市長イーサンク・ナッシュを始めとする議会が政策を立案して実行寸前の所で、領主ピカナ・マルトロがそれを承認して判を押すという形で政策は推し進められていく。
 特殊な政治体系だ。
 でもこれが不思議と上手くいっている。
 一度足りとて不満も出ないのが不思議であると当時の他の都市からの言葉が残っている。
 それらを可能とする人物。
 ピカナ・マルトロとは、いったいどういった人物であるかというと・・・それは。


 ◇

 ササラのピカナ邸にて。
 丸々とした目に短い黒髪の中年の男性は、穏やかに出迎えてくれた。
 
 「ああ、ジーク。お久しぶりですね」
 「ピカナさん! 遅くなりました。会えて嬉しいです」

 ピカナの手が肩に置かれて、とても嬉しそうなジーク。
 そんなジークは初めて見ると思ったフュンは、ピカナの目を見た。
 彼の目は透き通っていてとても綺麗だった。
 それに魂も、美しい角のない丸い球が真っ白に輝いている。
 曇りない心を表していると感じる。
 フュンは穏やかそうな男性の内面を見ていた。

 「この方が、例の子ですね。ジーク」
 「はい。そうです。私が、我が家に迎えたいと思っているフュン殿です」
 「なるほど・・・ジークがそこまで気に入っているのですね。ははは。良い事ですね」

 ジークの心の動きを良く知る男は、ジークが本気で言っていることに気付いている。
 本心は決して他人に言わない、嘘八百のこの男の言葉の真意を読み取れる人物はピカナしかいない。
 そう言われている。
 それとジークもこの人の前では嘘はつかないとされている。
 それほど二人は強固に信頼関係を築いているのだ。

 「あなたが、フュン殿ですね。僕はピカナ・マルトロです。よろしくお願いします」
 「は、はい。フュンです。ピカナ様。よろしくお願いします」
 「ああ。だめだめ。ピカナでいいですよ」
 「え。さすがにそれは・・・」
 「それじゃあ、さんでお願いします。僕はそんなに偉くないんですよ。ただジークのおかげで今があるだけですからね。本当はね、僕にここを治めるような力なんてないんですからね。はははは」
 「わ、わかりました。ピカナさん」
 「ええ。フュン殿。気を楽にしてくださいね。ここにいる間、僕の家を本当の家だと思っていいですから。はははは」
 
 良く笑ういい人だとフュンは思った。

 「それじゃあ、長旅だったろうから。今日はゆっくり休んで、明日。ここを案内しますね!」
 「はい。お願いします」
 「ジークはどうしますか? 君も一緒ですか?」
 「はい。もちろんですよ。しばらくお邪魔します」
 「そうですか。じゃあ、一緒に食事をしましょうね。では、いつものジークの部屋は空けてますから、その隣にフュン殿をお連れしてあげてください」
 「わかりました。フュン君。アイネ君。いくよ」
 「「 はい! 」」

 ジークはピカナ邸にある自室に向かう。
 ピカナの家なのに、ジークの部屋がある。
 それだけで、二人の関係性がとても良いのだと察することが出来た。

 ◇

 「それじゃあ、俺はここが部屋だから、隣の部屋がフュン君のね。君はあまり広い部屋は好きじゃないと思ったからさ。一応仕切りで二つに割ることが出来る部屋にしたよ。アイネ君と使えばちょうどいいサイズだと思うよ」
 「細かい配慮までありがとうございます」
 「うん。それじゃあ、俺から君を呼ぶから部屋にいてくれ」
 「わかりました。待ってます」

 フュンはアイネと共に部屋に入った。

 「む!? 豪華だ」

 想像以上に大きい部屋で驚く。
 一番最初に目についたのは豪勢なベッドだ。
 自分の部屋のものよりも二倍以上に感じる。

 「そうですか。普通ではありませんか。王子?」
 「それじゃあ、あの大きなベッドはアイネさんが使ってください。僕はあっちの小さなものを使います」
 
 部屋の隅にあるベッドが明らかに従者用である。
 一人分の宿舎用のベッドに見える。

 「いやいや。王子! それはいけませんよ。明らかにあっちが従者用ではありませんか」
 「そうですけど。僕ってあんまり大きなベッドだと眠れなくてですね。それにあの大きなベッドなら、着替えとかそういうことをするにもいいでしょ。女性にはちょうどいいですよ。それにアイネさんならあそこでも眠れるでしょう。いつもお昼寝してますしね」 
 「あ。バレてました」
 「はい。可愛らしい寝顔ですよ。あははは」
 「恥ずかしいです。見ないでぇ」
 「無理ですよ。リビングで寝てたら見ちゃいますよ。あははは」 

 アイネのお昼寝に気付いていたフュンであった。

 仕切りを上手く使い部屋を二等分にした二人。
 明らかに部屋の大きさがアイネの方が広い。
 それはフュンが狭い方が好きだと言ったからだ。
 これにアイネが不満を持とうが意味がない。
 アイネだってフュン第一主義であるから、自分に多少の不満が残っても主が満足するのなら、我慢していくしかないのである。
 
 「アイネさん。なんだか懐かしくて……この感じも久しぶりですね」
 「え」
 「いや、一緒の場所で寝るなんて、僕が子供の時以来ですね。楽しいです」
 「ああ。そうですね。あの時以来ですか。あの時は、六人で一緒になって寝ましたね」
 「はい。あの時は楽しかったなぁ」

 フュンは子供の時を思い出した。

 ◇

 フュンが八歳の時、自室にて。
 
 「フュン様」

 清涼感のあるメイドの女性が颯爽とフュンの前に現れた。
 ライトグリーンの髪と目が涼やかさを強調している。

 「・・・どうしました・・・ハーシェさん」

 会話のテンポが悪いフュン。

 「今日は一緒に寝ましょう。私たちがお供します」
 
 ハーシェの後ろには、四人のメイドたちがいた。
 皆、ネグリジェで枕を持っていた。各々がフュンの体調を心配していた。

 「・・・なぜです。僕は・・・一人でも大丈夫です」
 
 話をしても顔が暗いままのフュン。
 でもこれは仕方がない事だった。母が亡くなりたったの一カ月しか経過していない現状で、幼い子供が、その現実を受け止めるには時間が足りなかったのだ。
 母が倒れた時は気丈に振る舞えたが、死んだ途端に緊張の糸が切れたようになり、何も話が頭に入ってこない。
 それで寝ようにも眠れない状態になり、彼はその若さで寝不足の時を過ごしていたのだ。
 目のクマが彼の心理状態と健康状態を表していた。

 「いいえ。今のフュン様は大丈夫じゃありません。だから、私たちが常におそばにいますから。ね!・・・わたしたちが・・・あなた様を・・・お守りしますからね・・・わ、わたし・・・たちは常に一緒ですよ」
 「……?」

 涙は流れていないが、ハーシェの声は涙交じりの声であった。

 「…私たちはあなた様のお母様から託されました。あなた様を守って欲しいと。ですから、私たちはあなた様を生涯をかけてお守りします。大好きなあなた様と、そして大好きなソフィア様の為に」
 「「「「私たちも同じ気持ちです」」」」
 
 ハーシェと四人のメイドは、常に同じ気持ちでフュンに仕えていた。
 この人の為なら死んでもいい。
 それくらいの高い忠誠心でフュンを支えていたのだ。

 「・・・わかりました。それじゃあ、皆さんと一緒にベッドに横になります」
 「はい。私たちが一緒にいますからね。いつもあなた様に心も寄り添っていますからね。安心してください」

 とても大きなベッドに六人が横になった。
 楽しそうにそれぞれのメイドが会話したり、ハーシェは、フュンの体にそっと手を置いて、絵本を読んでくれたり、王宮内のお話をしてくれた。
 この皆の思いによって、フュンは少しずつ自分は一人じゃないんだと思い始めたのだ。
 フュンは優しい人に囲まれて、優しさを取り戻して、生きる気持ちも取り戻したのだ。
 そしてこの時の思い出が頭に強烈に残っているから、大きなベッドよりも狭いベッドの方が気に入っているのである。
 誰かをそばに感じる事、これがフュンの安らぎである。

 ◇

 フュンが過去を振り返っていたら。

 「むにゃむにゃ・・・お腹いっぱいですよ・・・あ、王子も食べますか」

 いつの間にか大きなベッドに横たわっていたアイネが寝言を言っていた。
 口を大きく開けてから噛んだ。 
 夢の中で何かを食べている。 

 「フフフ……アイネさんはあの時も一番に眠ってましたからね。よく眠ることはいい事ですよ。いい子ですよね、アイネさんは!」

 と彼女の方がお姉さんなのにまるで妹のように感じるフュンは、ジークに呼ばれるまで間、彼女のそばで本を読んで、彼が来るのを待っていたのでした。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~

於田縫紀
ファンタジー
 ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。  しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。  そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。  対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。

【完結】元婚約者であって家族ではありません。もう赤の他人なんですよ?

つくも茄子
ファンタジー
私、ヘスティア・スタンリー公爵令嬢は今日長年の婚約者であったヴィラン・ヤルコポル伯爵子息と婚約解消をいたしました。理由?相手の不貞行為です。婿入りの分際で愛人を連れ込もうとしたのですから当然です。幼馴染で家族同然だった相手に裏切られてショックだというのに相手は斜め上の思考回路。は!?自分が次期公爵?何の冗談です?家から出て行かない?ここは私の家です!貴男はもう赤の他人なんです! 文句があるなら法廷で決着をつけようではありませんか! 結果は当然、公爵家の圧勝。ヤルコポル伯爵家は御家断絶で一家離散。主犯のヴィランは怪しい研究施設でモルモットとしいて短い生涯を終える……はずでした。なのに何故か薬の副作用で強靭化してしまった。化け物のような『力』を手にしたヴィランは王都を襲い私達一家もそのまま儚く……にはならなかった。 目を覚ましたら幼い自分の姿が……。 何故か十二歳に巻き戻っていたのです。 最悪な未来を回避するためにヴィランとの婚約解消を!と拳を握りしめるものの婚約は継続。仕方なくヴィランの再教育を伯爵家に依頼する事に。 そこから新たな事実が出てくるのですが……本当に婚約は解消できるのでしょうか? 他サイトにも公開中。

間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。 間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。 多分不具合だとおもう。 召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。 そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます ◇ 四巻が販売されました! 今日から四巻の範囲がレンタルとなります 書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます 追加場面もあります よろしくお願いします! 一応191話で終わりとなります 最後まで見ていただきありがとうございました コミカライズもスタートしています 毎月最初の金曜日に更新です お楽しみください!

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

弟に裏切られ、王女に婚約破棄され、父に追放され、親友に殺されかけたけど、大賢者スキルと幼馴染のお陰で幸せ。

克全
ファンタジー
「アルファポリス」「カクヨム」「ノベルバ」に同時投稿しています。

子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!

八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。 『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。 魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。 しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も… そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。 しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。 …はたして主人公の運命やいかに…

処理中です...