45 / 345
第一部 人質から始まる物語
第44話 お困りの兄
しおりを挟む
ジークはフィックスと共に商会にいた。
モンジュ大商会。
これがジークの商会の名前である。
アーリア大陸でも有名な商会の一つで、王国にも顔が効く。
しかし、この王国の際は別な商会名で販売をしている。
こちらの商会、世間上でのトップはキロックとなっていて、ジークがそこに関与していることを知っているのは帝国の貴族くらい。
一般市民はジークの存在すら知らないのだ。
商会の中にあるジークの隠し部屋にいる二人。
椅子に座って資料を読むジークとその正面に立つフィックスはこれから先の重要案件の話し合いをした。
「旦那。今度。バルナガンで茶会が開かれるようですよ。それも王族を省いた形で行われるようで。その名前を、貴族集会という呼ぶらしいです」
「貴族集会? なんだそれは?」
フィックスとの会話で聞きなれない単語が出てきた。
ジークの顔に疑問が示されるとフィックスは、ある情報筋から聞いた情報を説明してくれる。
「旦那。それがですね。なにやら、貴族たちだけを集めて交流会をするみたいでしてね。ここで茶会と違う点は王族を省くこと以外に、人質が参加するらしいんですよ。強制らしいです」
「なに。ということは、フュン殿もか」
「そうっすね。坊ちゃん。やばくないすか」
「そうだな……後ろ盾がない状態で貴族共の中に入るのは危険だ。それにバルナガンか。かなり厳しいぞ。俺たちの目が届きにくいしな」
帝国三大都市のバルナガン。
ターク家が所有しているアーリア大陸北東の巨大都市。
ちなみに隣接ではないが、近場に属領ラーゼ国がある。
ジークやフィックスの予想は、貴族集会の主催が、おそらくこの都市の主のターク家の貴族の誰かであることだ。
癖のある貴族たちを束ねる癖のある人物たちの顔が思い浮かぶ。
「スクナロもヌロも一癖ありますからね……大変だ、坊ちゃんは・・・」
「ははは。俺の兄弟に癖のない奴なんて、いないだろ?」
「確かにね。旦那の兄妹は、みんな。ひでえもんな」
「お前、何言ってんだ。シルヴィは普通だ」
「・・・え!? それはいくら何でも無理じゃないすか。お嬢が一番変わってますって」
「なに!? シルヴィは婚期だけが遅れているだけだ。他は普通だ。綺麗だ」
「いや、それはたしかに。お嬢は綺麗ですけどね……はぁ。相変わらずあんたは、妹馬鹿ですね。シスコンすね」
「なんだと!? まあ、いいか。急いだ方がいいな。早く帰って準備をした方が良さそうだ。フュン殿にこの事を知らせよう。フィックス。帰るか」
「わかりました」
二人は急ぎ屋敷に帰る。
フュンの為に色々準備をしてあげようと屋敷で資料をまとめる。
そしてしばらくしたら、シルヴィアが屋敷に帰って来た。
いつもの無表情な顔ではなく悲しみに暮れている顔をしていた。
「・・・」
「お。愛しの妹よ。どうした?」
「・・・・・・」
「ん?」
シルヴィアは、ジークとフィックスを無視して廊下を歩き自室へと向かう。
自分のドアノブを掴んだところで、ジークがその手を掴んだ。
「どうした? お前らしくない。そんなに俯いて」
「・・・え? に、兄様。こちらに帰っていらしたのですね」
妹は、兄はどこかにふらっと出かけていると思っていた。
「なんだよ。無視していたんじゃなく、ただ気が付かなかっただけだったのか・・・ってどんだけ、ぼうっとしてんだよ」
「・・・いえ。なんでもありません。それでは」
妹は部屋に入ろうとする。
「おいおい。何があった? この頼れる兄様ジークに言いなさい。何でも聞いてやるぞ」
「・・・兄様は・・・別にいいです。それでは」
妹を心配する兄の顔を一瞬だけ見る。
直後シルヴィアは肩を落とした。
ジークは、顔を見られてから、肩を落とされたもんだから、ジークも肩を落とすことになった。
ジークとフィックスはシルヴィアの部屋の前で会話する。
「今の酷くね」「酷いっすね」
「そうだろ。そう思うよな」「悲しそうな状態のお嬢…初めて見ましたね」
ジークとフィックスの『酷い』は別物であった。
「いや、そうじゃないわ。俺のこと、『別にいい』だってよ、酷くないか?」
「いや。俺がお嬢でも、旦那には『相談』しないかな。うんうん」
フィックスの態度が失礼だったので。
「この野郎・・・今からでもお前を商会から外そうかな。サブロウの所に戻そうかな。あの地獄の訓練をしてもらおうかなぁ!」
ジークは少々怒ったのである。
「い。いえ。それは・・・俺が悪かったですって。旦那ぁ」
◇
その後の数日間、シルヴィアは寝込んでいた。
いつもの朝の稽古にも出ず、お昼から夜にかけてする書類作業もせずに、珍しい日々を過ごした。
これは、さすがにと。
心配になったジークが、シルヴィアを呼び出す。
「兄様、なんですか」
横を向いているシルヴィアの目の周りが赤い。
泣いていたようだ。
「お前・・・どうした? いい加減に話しなさい。悩んでいるのは分かっている。話しにくいのも分かっている。だが、ダーレー家の当主はお前で、ダーレー家の家族は俺とお前しかいないんだぞ。二人で協力して生きていくしかないのだ。お前、そのままではいかんぞ」
「・・・に、兄様・・・ですが・・・もう・・・私は」
「何で悩んでいるのだ。言ってみなさい」
いつものお茶らけた調子のいいジークではない。
ここにいるのは優しい表情の兄である。
長い沈黙の後、シルヴィアは話した。
「・・・フュン殿と私は、婚約の約束をしたのですが・・・姉様がどことなく、不安げなことを言うもんだから。姉様にそこを確認してもらおうと、フュン殿の話を聞きだしてもらったのです。そしたら、そんなことは知らないとフュン殿が言ったらしく……悲しくて辛くて、どうしたらいいかと。あれは、やはり夢だったのかと・・・・悩んでいました」
「・・・は!? 恋煩いだったのかよ。しかも馬鹿だ・・・」
ジークは、まさかの妹の悩みに頭を抱える。
想像の10倍以上も妹は馬鹿だったのだ。
「ば、馬鹿ではありません・・・でも重要な事なのです」
「はぁ・・・お前、その事情はな。俺はミランダから聞いている。いいか。だからその話は夢じゃないんだ。現実の話で合っている」
「で。ですよね。そうですよね。夢じゃないですよね。よ、よかった。あ。でもなぜフュン殿はあんなことを・・・」
シルヴィアの目に光が宿った。
生気に溢れたように見える。
「だからそこを考えられないお前を馬鹿だと言ったんだ。いいか。あのフュン殿が不用心に他人にペラペラと重要事項を言うとでも思うか。フュン殿はな。サティに対しても言わんと思うぞ。慎重を期すはずだ。それに、どこから話が漏れるか分からないから、絶対に誰にも口外しないと思う。それも、俺たちに気を遣ってくれてのことだぞ。お前、フュン殿の思考を読んでいないな。馬鹿者が!!!」
ジークが妹に対してここまで怒るのは珍しい。
「・・・あ・・・そ・・それはそうですね。私は・・・わたしのことばかり考えておりました。彼のことを考えておりませんでした」
「・・・そうだろ。はぁ。お前、フュン殿のことになると、とんでもないアホになる傾向があるな」
「アホではありません。しかし・・・まだ不安です。兄様。兄様ならフュン殿と会話出来ますでしょ。聞いてみてくださいよ」
「…はぁ。仕方ない。可愛い妹の頼みだ。それはやっておいてやる。だけど、お前はもう少しフュン殿のことを信用しろ。いいな」
コクンと頷いた妹を見て、兄は優しく微笑んだ。
何があっても妹に甘い兄であった。
「まあいい、俺が話をつけにいってやるからな。普段通りにお前は仕事をしてくれ。えっと、たしか彼は今、ルーワ村にいるよな?」
「…はい。そうです。彼は視察に行ってます」
「よし。俺は元々フュン殿に伝えなきゃいかんことがあるからな。それにバルナガンの都市にも用事が出来たんで、寄り道がてらにルーワ村に行ってくる。そこでその話も聞いておくからな。だけど、俺はバルナガン近辺に少し滞在しなきゃいけないから。こっちに帰るのが遅くなるから手紙か何かでお前には連絡を入れる。それでいいか? シルヴィ!」
「に。兄様・・・あ、ありがとうございます。兄様。私は初めて兄様を尊敬します。兄様の妹でよかったです。ありがとうございます」
【バタン】
と自分の言いたいことを言って、妹は自分の部屋に帰っていった。
「え・・・今の・・・これで・・・尊敬されるの・・・・今までは・・おいシルヴィ。ちょっと」
初めて尊敬されたことが、こんな事なの。
ジークは悲しくもなり虚しくもなったのでした。
めでたしめでたし。
でもありません。
モンジュ大商会。
これがジークの商会の名前である。
アーリア大陸でも有名な商会の一つで、王国にも顔が効く。
しかし、この王国の際は別な商会名で販売をしている。
こちらの商会、世間上でのトップはキロックとなっていて、ジークがそこに関与していることを知っているのは帝国の貴族くらい。
一般市民はジークの存在すら知らないのだ。
商会の中にあるジークの隠し部屋にいる二人。
椅子に座って資料を読むジークとその正面に立つフィックスはこれから先の重要案件の話し合いをした。
「旦那。今度。バルナガンで茶会が開かれるようですよ。それも王族を省いた形で行われるようで。その名前を、貴族集会という呼ぶらしいです」
「貴族集会? なんだそれは?」
フィックスとの会話で聞きなれない単語が出てきた。
ジークの顔に疑問が示されるとフィックスは、ある情報筋から聞いた情報を説明してくれる。
「旦那。それがですね。なにやら、貴族たちだけを集めて交流会をするみたいでしてね。ここで茶会と違う点は王族を省くこと以外に、人質が参加するらしいんですよ。強制らしいです」
「なに。ということは、フュン殿もか」
「そうっすね。坊ちゃん。やばくないすか」
「そうだな……後ろ盾がない状態で貴族共の中に入るのは危険だ。それにバルナガンか。かなり厳しいぞ。俺たちの目が届きにくいしな」
帝国三大都市のバルナガン。
ターク家が所有しているアーリア大陸北東の巨大都市。
ちなみに隣接ではないが、近場に属領ラーゼ国がある。
ジークやフィックスの予想は、貴族集会の主催が、おそらくこの都市の主のターク家の貴族の誰かであることだ。
癖のある貴族たちを束ねる癖のある人物たちの顔が思い浮かぶ。
「スクナロもヌロも一癖ありますからね……大変だ、坊ちゃんは・・・」
「ははは。俺の兄弟に癖のない奴なんて、いないだろ?」
「確かにね。旦那の兄妹は、みんな。ひでえもんな」
「お前、何言ってんだ。シルヴィは普通だ」
「・・・え!? それはいくら何でも無理じゃないすか。お嬢が一番変わってますって」
「なに!? シルヴィは婚期だけが遅れているだけだ。他は普通だ。綺麗だ」
「いや、それはたしかに。お嬢は綺麗ですけどね……はぁ。相変わらずあんたは、妹馬鹿ですね。シスコンすね」
「なんだと!? まあ、いいか。急いだ方がいいな。早く帰って準備をした方が良さそうだ。フュン殿にこの事を知らせよう。フィックス。帰るか」
「わかりました」
二人は急ぎ屋敷に帰る。
フュンの為に色々準備をしてあげようと屋敷で資料をまとめる。
そしてしばらくしたら、シルヴィアが屋敷に帰って来た。
いつもの無表情な顔ではなく悲しみに暮れている顔をしていた。
「・・・」
「お。愛しの妹よ。どうした?」
「・・・・・・」
「ん?」
シルヴィアは、ジークとフィックスを無視して廊下を歩き自室へと向かう。
自分のドアノブを掴んだところで、ジークがその手を掴んだ。
「どうした? お前らしくない。そんなに俯いて」
「・・・え? に、兄様。こちらに帰っていらしたのですね」
妹は、兄はどこかにふらっと出かけていると思っていた。
「なんだよ。無視していたんじゃなく、ただ気が付かなかっただけだったのか・・・ってどんだけ、ぼうっとしてんだよ」
「・・・いえ。なんでもありません。それでは」
妹は部屋に入ろうとする。
「おいおい。何があった? この頼れる兄様ジークに言いなさい。何でも聞いてやるぞ」
「・・・兄様は・・・別にいいです。それでは」
妹を心配する兄の顔を一瞬だけ見る。
直後シルヴィアは肩を落とした。
ジークは、顔を見られてから、肩を落とされたもんだから、ジークも肩を落とすことになった。
ジークとフィックスはシルヴィアの部屋の前で会話する。
「今の酷くね」「酷いっすね」
「そうだろ。そう思うよな」「悲しそうな状態のお嬢…初めて見ましたね」
ジークとフィックスの『酷い』は別物であった。
「いや、そうじゃないわ。俺のこと、『別にいい』だってよ、酷くないか?」
「いや。俺がお嬢でも、旦那には『相談』しないかな。うんうん」
フィックスの態度が失礼だったので。
「この野郎・・・今からでもお前を商会から外そうかな。サブロウの所に戻そうかな。あの地獄の訓練をしてもらおうかなぁ!」
ジークは少々怒ったのである。
「い。いえ。それは・・・俺が悪かったですって。旦那ぁ」
◇
その後の数日間、シルヴィアは寝込んでいた。
いつもの朝の稽古にも出ず、お昼から夜にかけてする書類作業もせずに、珍しい日々を過ごした。
これは、さすがにと。
心配になったジークが、シルヴィアを呼び出す。
「兄様、なんですか」
横を向いているシルヴィアの目の周りが赤い。
泣いていたようだ。
「お前・・・どうした? いい加減に話しなさい。悩んでいるのは分かっている。話しにくいのも分かっている。だが、ダーレー家の当主はお前で、ダーレー家の家族は俺とお前しかいないんだぞ。二人で協力して生きていくしかないのだ。お前、そのままではいかんぞ」
「・・・に、兄様・・・ですが・・・もう・・・私は」
「何で悩んでいるのだ。言ってみなさい」
いつものお茶らけた調子のいいジークではない。
ここにいるのは優しい表情の兄である。
長い沈黙の後、シルヴィアは話した。
「・・・フュン殿と私は、婚約の約束をしたのですが・・・姉様がどことなく、不安げなことを言うもんだから。姉様にそこを確認してもらおうと、フュン殿の話を聞きだしてもらったのです。そしたら、そんなことは知らないとフュン殿が言ったらしく……悲しくて辛くて、どうしたらいいかと。あれは、やはり夢だったのかと・・・・悩んでいました」
「・・・は!? 恋煩いだったのかよ。しかも馬鹿だ・・・」
ジークは、まさかの妹の悩みに頭を抱える。
想像の10倍以上も妹は馬鹿だったのだ。
「ば、馬鹿ではありません・・・でも重要な事なのです」
「はぁ・・・お前、その事情はな。俺はミランダから聞いている。いいか。だからその話は夢じゃないんだ。現実の話で合っている」
「で。ですよね。そうですよね。夢じゃないですよね。よ、よかった。あ。でもなぜフュン殿はあんなことを・・・」
シルヴィアの目に光が宿った。
生気に溢れたように見える。
「だからそこを考えられないお前を馬鹿だと言ったんだ。いいか。あのフュン殿が不用心に他人にペラペラと重要事項を言うとでも思うか。フュン殿はな。サティに対しても言わんと思うぞ。慎重を期すはずだ。それに、どこから話が漏れるか分からないから、絶対に誰にも口外しないと思う。それも、俺たちに気を遣ってくれてのことだぞ。お前、フュン殿の思考を読んでいないな。馬鹿者が!!!」
ジークが妹に対してここまで怒るのは珍しい。
「・・・あ・・・そ・・それはそうですね。私は・・・わたしのことばかり考えておりました。彼のことを考えておりませんでした」
「・・・そうだろ。はぁ。お前、フュン殿のことになると、とんでもないアホになる傾向があるな」
「アホではありません。しかし・・・まだ不安です。兄様。兄様ならフュン殿と会話出来ますでしょ。聞いてみてくださいよ」
「…はぁ。仕方ない。可愛い妹の頼みだ。それはやっておいてやる。だけど、お前はもう少しフュン殿のことを信用しろ。いいな」
コクンと頷いた妹を見て、兄は優しく微笑んだ。
何があっても妹に甘い兄であった。
「まあいい、俺が話をつけにいってやるからな。普段通りにお前は仕事をしてくれ。えっと、たしか彼は今、ルーワ村にいるよな?」
「…はい。そうです。彼は視察に行ってます」
「よし。俺は元々フュン殿に伝えなきゃいかんことがあるからな。それにバルナガンの都市にも用事が出来たんで、寄り道がてらにルーワ村に行ってくる。そこでその話も聞いておくからな。だけど、俺はバルナガン近辺に少し滞在しなきゃいけないから。こっちに帰るのが遅くなるから手紙か何かでお前には連絡を入れる。それでいいか? シルヴィ!」
「に。兄様・・・あ、ありがとうございます。兄様。私は初めて兄様を尊敬します。兄様の妹でよかったです。ありがとうございます」
【バタン】
と自分の言いたいことを言って、妹は自分の部屋に帰っていった。
「え・・・今の・・・これで・・・尊敬されるの・・・・今までは・・おいシルヴィ。ちょっと」
初めて尊敬されたことが、こんな事なの。
ジークは悲しくもなり虚しくもなったのでした。
めでたしめでたし。
でもありません。
52
お気に入りに追加
455
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
妹だけを可愛がるなら私はいらないでしょう。だから消えます……。何でもねだる妹と溺愛する両親に私は見切りをつける。
しげむろ ゆうき
ファンタジー
誕生日に買ってもらったドレスを欲しがる妹
そんな妹を溺愛する両親は、笑顔であげなさいと言ってくる
もう限界がきた私はあることを決心するのだった
子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!
八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。
『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。
魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。
しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も…
そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。
しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。
…はたして主人公の運命やいかに…
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
「クズスキルの偽者は必要無い!」と公爵家を追放されたので、かけがえのない仲間と共に最高の国を作ります
古河夜空
ファンタジー
「お前をルートベルク公爵家から追放する――」それはあまりにも突然の出来事だった。
一五歳の誕生日を明日に控えたレオンは、公爵家を追放されてしまう。魔を制する者“神託の御子”と期待されていた、ルートベルク公爵の息子レオンだったが、『継承』という役立たずのスキルしか得ることができず、神託の御子としての片鱗を示すことが出来なかったため追放されてしまう。
一人、逃げる様に王都を出て行くレオンだが、公爵家の汚点たる彼を亡き者にしようとする、ルートベルク公爵の魔の手が迫っていた。「絶対に生き延びてやる……ッ!」レオンは己の力を全て使い、知恵を絞り、公爵の魔の手から逃れんがために走る。生き延びるため、公爵達を見返すため、自分を信じてくれる者のため。
どれだけ窮地に立たされようとも、秘めた想いを曲げない少年の周りには、人、エルフ、ドワーフ、そして魔族、種族の垣根を越えたかけがえの無い仲間達が集い―― これは、追放された少年が最高の国を作りあげる物語。
※他サイト様でも掲載しております。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
他国から来た王妃ですが、冷遇? 私にとっては厚遇すぎます!
七辻ゆゆ
ファンタジー
人質同然でやってきたというのに、出されるご飯は母国より美味しいし、嫌味な上司もいないから掃除洗濯毎日楽しいのですが!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる