エロゲーの悪役に転生したはずなのに気付けば攻略対象者になっていた

柚木ハルカ

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リュカ(本編補足)

15話

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 翌日。とにかくザガンに会いたくて、昼過ぎに冒険者ギルドを訪ねた。
 ダンジョン内でザガンに出会ったことと、Sランクの彼に旅の同行を依頼したいという旨を伝える。指名依頼であれば、ギルドは情報を開示せざるを得ないだろう。

 けれど結果は芳しくなかった。ザガンのことは答えてもらえたけど、午前中に素材採集の依頼を受けてエトワール大森林に向かってしまい、いつ戻ってくるかわからないそうだ。ここから大森林までは、馬でも半日かかるような距離である。

 俺も都市周辺のモンスター討伐依頼を受けたり、鍛練しながら過ごしたけど、結局第1都市ではザガンと会えずじまい。31日にニナが仲間に入ると、翌日には第2都市に向かった。





 ザガンの、とても綺麗な双眸。あの強烈な輝きは、ループのたびに訪れていた部屋の、あの男性のもので間違いない。現実世界の住人だと思っていた人が、すぐそこにいると気付いた瞬間。この世界の全てが……自分という存在さえもが架空から現実に変わり、あまりの衝撃に恋せずにはいられなかった。

 でもそれでも、彼はザガンである。俺の知っているザガンだと断言出来る。何度も何度も戦ってきた相手を、間違えるはずがない。それに静寂な雰囲気も、虐待されず暗殺者にならなければ、あのように成長していただろうと思えた。だってザガンの魂は、とても静かだったから。

 そういえばザガンの魂は、あとから現れたザガンにとてもよく似ていた魂と、同化したんじゃなかったっけ。そのあとすぐに消えてしまって、すごく慌てた覚えがある。

 つまりザガンと、あの人の魂が同化して、今のザガンになっているということ?
 もしそうだとしたら、特異点である俺が何度もあの人の部屋を訪れたことで、あの人のアカシックレコードも変化したのかもしれない。でなければ、世界が干渉出来無いはずだから。

 2人が同化しなければならなかった理由は不明だけど、予測は付いている。だって俺も危惧していたから。ザガンが記憶を持っているなら、まずは虐待していた両親を殺すのではないかと。

 そうならない為のあの人だとすれば、結局俺とは初対面になるのか。それともループ前のザガンの記憶は、きちんとある? ……ううん、あんな綺麗な瞳に、何万人も殺害した記憶があるはずがない。俺の知っているザガンはあくまでも、潜在意識のところにいるのだろう。

「…………はぁ」

 焚火を囲いながらの夕食後。ノエル達の楽しそうな声は聞こえていたけど、脳内はザガンだらけになっていて、会話内容はまったく頭に入っていなかった。

 ホント、すごく綺麗な目だったな。あの赤い双眸をもっと見せてほしいし、いろんな話がしたい。ループ前のザガンの記憶は無くても、ゲーム知識は持っているだろう君が、どんなことを考えているのか。どんな1日を過ごしているのかも知りたいし、なんならデートしたい。そして君に触れたい。

 こんなこと、以前は考えもしなかった。ザガンの圧倒的な強さには心底憧れていたし、亡骸を放置するのが絶対に嫌で、いつも回収していた。時々マジックバッグから亡骸を出して、触れることもあった。けれどあくまでも精神安定を図る為であって、欲望を抱いたことは一度も無い。

 あの人についても同じで、ものすごく強くて綺麗な双眸は、前々から気になっていた。でも一緒にいた数分がとても癒されたのは、その時間だけは俺自身も現実になれた気がしていたからである。そもそも触れられない人だからか、好きかどうかなんて考えたことなかった。

 なのに今、俺は君に恋をしている。君のことを想えば想うだけ好きという感情が溢れて、身悶えたくなってくる。

 はぁ、どうしてこんなに君が好きなんだろう。いやもちろん、理由はわかってる。犯罪者であるがゆえに憧憬までしか抱けなかった人と、気になっていたけど住む世界が違っていて手の届かない人が、同化したからだ。
 あの人のおかげでザガンが犯罪者でなくなり、ザガンのおかげであの人に触れられるようになった。そんな奇跡みたいな存在を、好きになるなという方が無理である。

 焚火を見ながら、はぁと、また大きく溜息をついたからだろうか。

「どうしたのーリュカ、そんな溜息ついちゃって。なんか悩んでる?」
「ははん。もしかして溜まってるのかい? 私もちょうど人肌が恋しくなっていたところだからね、良かったら慰めてやろうか?」
「あ、それなら私がご奉仕してあげるよ。上手い自信はあるからさ。いっぱい気持ち良くしてあげるよー?」

 ミランダとニナに誘われて、そういえばこんな会話もあったとようやく思い出す。もう20年も前のことだし、正直どうでもいい事柄だったせいで、今の今まで忘れてた。

 あぁ、久しぶりに気持ち悪くなってきた。ザガンのおかげで現実だとちゃんと認識出来たけど、あの苦痛だった日々が消えるわけじゃない。

 反射的に威圧してしまったせいか空気が重くなり、それを跳ね除けるようにノエルが立ち上がった。しかも威圧されている彼女達ではなく、俺を庇いながら、剣の柄に手をかける。

「貴女がたは、このお方を誰だと思っているんですか? 場合によっては侮辱罪になりますよ。それにリュカ殿下には、好きな方がいらっしゃいます。なので金輪際、そのような誘いはしないでください」

 ホント以前と違って、きちんと俺の護衛を果たしてくれるなぁ。そしてザガンが大好きなんだなぁ。

 ノエルが牽制しているので威圧を止めて、すっかり萎縮してしまっている2人に微笑んでみせる。

「ごめんね、ミランダ、ニナ。そういう誘いは、相手がどんな身分であろうと全部断っているんだ。ノエルも言ってくれたけど、好きな人以外には触れたくないから」

 好きな人が出来たのは、つい最近だけどね。でも王子である俺が人間嫌いなんていう情報は、ノエルも避けてくれたように、周囲に言うべきことじゃない。だからこのまま誤魔化しておく。

「……私の方こそ悪かったよ。あんなことを王子に言えば、即刻斬られてもおかしくない」
「わ、私も、軽々しいことを言ってごめんなさい」

 2人が頭を下げたことで、ノエルは剣から手を離した。

「謝罪を受け入れます。リュカ殿下の寛大なお心に感謝し、これからは気を付けてください。それと寂しければ、私がいくらでも相手になりますからね。添寝でも、夜更かしでも!」

 うん、さすがはザガンのおかげで突き抜けたように明るく、前向きになったノエルだ。男女による情事でしか心の隙間を埋められないという2人の考えを、受け止めながらも颯爽と吹き飛ばしてしまった。

 俺はアカシックレコードの情報や今までの経験で、ミランダが婚約者を亡くしていることや、ニナが身体を売りながら必死に生きてきたことを知っている。でもノエルは2人と知り合ったばかりだし、しかも先程の誘い文句は、俺を揶揄するような軽いものだった。なのに2人が寂しがっていることに気付いて、寄り添うことを宣言するなんて、なかなか出来ることじゃない。

 彼女らしく自信満々で優しい言葉は、どうやら2人の心に届いたようだ。驚いた数秒後には噴出して、笑い始めた。

「あっはっはっはっ! こりゃ参ったね。そうだね、女3人でこのまま飲み明かすのも、きっと楽しいだろうさ」
「あはは! 女の子に添寝してもらうなんて、私初めてだよ。どうしよ、今夜寝るのがすごく楽しみになってきちゃった」
「はい、私もすごく楽しみです。たくさん……は飲めませんがお酌しますし、いろんな話をして、眠くなったら同じ布団で寝ましょう」
「よーし、せっかくだから秘蔵の酒を出しちまおう。美味しいつまみも、いろいろ持ってるよ」

 彼女達の絆が深まりそうで、仲間として喜ばしいことである。ただし俺がいては女性3人の楽しい時間を邪魔してしまいそうだったので、ちょっと早かったけどおやすみを告げて、テントに入った。







 ノエルが事前に注意してくれたのか、カミラから誘われることはなかった。第2都市に着いてベネットが仲間になった夜も、彼女が俺の寝室に来ることがなかった代わりに、翌朝みんな寝坊してきた。

 謝ってくる彼女達に苦笑しつつ、2日酔いになっている人物もいたので、そのままゆっくりして。そうして午後には、1人で冒険者ギルドに向かう。今度こそザガンに、旅同行の依頼を受けてもらう為に。

 でもカウンターで確認したところ、残念ながらザガンはまだここに来ていないと言われてしまった。仕方無いので姿を見かけたら報告してくれるよう頼んで、依頼の貼られている掲示板を確認する。

 ええと、Gランクの依頼はここか。犬の世話、公園の掃除……あ、冒険者ギルド内の掃除がある。これならもしザガンが来た時に……あれ?

 ふとザガンの気配を感じて出入口を見れば、本当に彼がギルド内に入ってきていた。その瞬間視界がキラキラするし、心臓が高鳴ってくる。はぁ、ザガン好き。

 まったく隠されていない圧倒強者の気配に、ギルド内の誰もが彼を注視していた。小さく悲鳴を上げる者、身体を強ばらせ固まる者、息を飲みつつも警戒を強める者。

 そんな中ザガンは、なんと俺を認めると、カウンターに向かおうとしていた足を止めてくれた。会えただけでも嬉しいのに、俺を無視しないでくれるなんて、さらに嬉しい。

 この喜びを伝えたい衝動に駆られるけど、今のザガンからすれば、俺との出会いはまだ2回目である。だから警戒されないように、あくまでも王子らしく微笑んだ。

「ザガン、奇遇だね。君も人助け?」
「……リュカ・ソレイユだったか。王子でもギルドの依頼を受けるのだな」
「少しでも人々の助けになりたいからね。と言っても最近ギルドに登録したばかりだから、まだ小さな依頼しか受けられないんだけど」

 肩が触れるくらい傍まで来てくれたのは、俺の言葉につられて依頼内容を確認する為だろう。それでも嬉しくて、つい頬が緩んでしまう。

 隣に立たれるとフードが邪魔して目が見えなくなってしまうけど、頭の動きで依頼を確認しているのがわかる。そしてある1点で止まると、数秒経っても動かない。どうやら気になる依頼を見つけたようだけど、角度的にこれかな?

 剥がしてみると、それを追うように頭が動いた。合っていたみたい。

「これ、ザガンも一緒に行く?」

 依頼内容は、犬の世話。よくよく読んでみると、この近くにペット一時預かり所があるので、そこで犬達の世話を手伝ってほしいというものだった。
 たぶんギルド内清掃と同じく、仕事をきちんとこなせるように監視が付いた、Gランク依頼の中でも初心者向けのものなんだろう。15歳で初めての依頼だと、この辺りをギルド職員から勧められるのかもしれない。

 これが気になるのは、犬が好きだからかな? あの部屋でも時々犬を撫でていたよね。そう聞けない代わりに、フードの中を覗かせてもらい、表情を確認してみる。うん……無表情でよくわからないけど、雰囲気が先程より柔らかくなっている気はする。

 ところでこんな至近距離で、綺麗な赤目にじっと見つめられると、心臓がドキドキしてきちゃうよ。顔を近付けたのは俺だけど、背けることも後ろに下がることもしないなんて、ザガンのパーソナルスペースはどうなっているんだろう?

 あ、ちょっとだけ視線が下に落ちた。でもすぐにまた俺を見つめてきて。

「…………少しなら、手伝ってやらなくもない」

 は? 可愛いんだけど? ツンデレ? ザガンはツンデレなの? すごく楽しみだけど言えなくて、そんな遠回しな言葉になっちゃったの? ほんのり頬が赤くなってるの気付いてる? しかもどうして照れているのに俺をじっと見つめたままなの、そんなんじゃ可愛いほっぺにキスしたくなるんだけど?

「リュカ?」

 あああぁ不思議そうに首を傾げながら俺の名前を呼んでくるのも可愛い!! じゃなくて!

「ごめんね、なんでもないよ。これ受けてくるね」

 いつものようにニコリと微笑んで、不自然にならない速度でザガンから離れたら、そのままカウンターに向かう。

 ……あ、危なかった。ザガンがあまりにも可愛くて、思考が変になりかけた。笑顔で誤魔化すのに長けていて良かったと、今ほど思ったことはない。

 というか、うん、そうだよね。受ける依頼は決めたんだし、とても楽しみなら、掲示板を眺めるよりも俺に付いてくるよね。カウンターで受理してもらう時も、隣に立っちゃうよね。はあぁぁ可愛い。

 カードの提出を求められると、俺のGランクカードの横に、そっとSランクカードを置いてくるザガン。なんで行動までそんなに可愛いのかな。それとも恋は盲目的な感覚で、俺しかそう感じてない?

「2人で受けます」
「か、かしこまりました」

 とりあえずザガンに困惑している職員を促せば、慌てながらも対応してくれた。預かり所で確認してもらう書類と、地図を受け取り、さっそく現地に向かう。

 ああ、ザガンと肩を並べて街を歩いてる。以前は考えられなかったことが起こっている今この瞬間が、どうしようもなく嬉しくて、すごく幸せだ。

「ねぇザガン」
「……ん?」

 名前を呼んでみれば、きちんと反応するし俺を見上げてくる。ホント可愛い。

「どんな子達がいるのか、楽しみだね」
「ん、そうだな」

 コクリと頷いてくれるのも可愛いなぁ。このままもっといろいろ聞きたいけど、確実に親しくなる為にも、いきなり深いところまで踏み込んではいかない。まずは。

「そういえば最初カウンターに向かっていたようだけど、何か用事があったんじゃないの?」
「手元にある素材を売るのと、ダンジョンに潜っている期間の弁当を注文する予定だった。だがどちらも、依頼後で問題無い」
「そっか、お弁当は大事だよね。自分で作ることはあるの?」
「まったく無い。料理している時間が勿体無い」
「でもザガンほどのランクだと、モンスターから高級食材を得ることも多いよね。そういうのも全部売っちゃうの?」
「……肉を焼くくらいなら、自分で出来る」

 つまり料理は苦手なのか。でも苦手と言ってしまうのは憚れると。ホント可愛いなぁ。

 ふふっと、少しだけど声に出して笑ってしまったせいか、ザガンがまた俺を見上げてきた。無表情なので、怒っているのか拗ねているのか、それとも反応しただけなのか判断付かない。

「リュカはどうなんだ。王子ならば料理する機会すら無いはずだ」

 逆に質問してきたということは、拗ねているのかな? 出来無いと返答した方が機嫌は良くなるかもしれないけど、ザガンに嘘は付きたくない。

「俺は先生方と遠征するたび料理していたから、簡単なものなら作れるよ。炒めものとか、煮込みとか」
「そうなのか。すごいな」

 ザガンは何度かパチパチ瞬きしたあと、素直に褒めてくれた。機嫌を損ねなかったみたいで、ホッとする。

 そういえばタイムリープし続けていた時も、ザガンはいつも褒めてくれたっけ。基本的に人をバカにするような口調だし、貶し言葉が強烈なのでわかりづらいけど、ちゃんと戦えた時にはなかなかやるなと言ってくれていた。

 久しぶりにザガンに褒めてもらえて、懐かしさを感じると共に、愛しさで胸が熱くなる。想いのままに君を抱き締めたくなる。でもまだ友人にすらなっていないから、伸ばしかけた手をグッと握り、気付かれないように下ろした。

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