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06.ペニスを弄られる

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「ぐっ!」

 運ばれていた身体を急に落とされ、呻きが漏れた。しかしベッドの上だったらしく、少し跳ねた程度で、ほとんどの衝撃が柔らかな布団に吸収される。緊張させていた身体から力が抜けていき、ホッと吐息が零れた。

 会場から縄で縛られて自由を奪われ、さらには目隠しされている状態で、ここまで運ばれた。なので、ここがどこかはわからない。
 ただし車から降ろされたあとのドアの開閉音やその他もろもろから、一戸建ての家だとは推察出来る。それに車に乗せられてから今まで、運転していた神崎以外の気配は感じなかった。つまりここは、神崎の家か?

「さて、と」

 視界を遮られてから、今までずっと無言だった神崎が呟いた。そのせいでビクッと身体が動いてしまう。

 絶対に屈しないと決めてはいるものの、恐怖を感じずにはいられない。理不尽な苦痛を与えて精神を壊す、なんて言われて、怖くないわけがない。このまま気絶するまで殴られるとか、爪を全部剥がされるとか。そんなことをされて、果たして耐えられるのだろうか? いや無理だ、きっと絶叫しちまう。

 ガチッと歯が鳴ったからか、神崎から小さな笑いが聞こえてくる。

「まだ何もしていないのに、そんなに脅えられるなんてね。もしかして、酷いことをされたくて期待してます?」
「なっ……ち、違ぇ!」

 カッとなって怒鳴ったら、何が愉しいのかクツクツ笑ってくる。そのままベッドに座ってきたらしく、身体が僅かに右側に傾いた。腰に手を置かれて。

「ふふ、威勢だけは良い。でも……」

 ――震えてる。
 耳元で囁かれた声はやけに官能的で、ひくりと喉が引き攣った。しかもジーパンの上から尻を撫でられて、悪寒が走る。

「な、にを……。いや、まさか、だよな……?」

 もしかして、そういうことをするつもりなのか? ……えっ、嘘だろ? 俺は男だ。女みたいな綺麗な顔をしていなければ、身体だって男そのものだぞ。

 なのに尻の谷間をグリグリ押されたものだから、あまりにもビックリしてしまい、逃げようとした。手首も足首も縛られていてまったく自由が利かなかったが、それでもどうにか仰向けになって尻を隠しつつ、神崎から離れようと身体を捩じらせる。

 けれどジーパンのベルトを捕まれただけで、その場から動けなくなってしまった。それでもなお逃げようとして必死にもがいていると、ふふっと楽しげな笑みが聞こえてくる。

「無様ですね。ギャンブルをしていた時の強さは、どこへ行ったのやら。まぁ、抵抗される方が面白いので、いくらでも足掻いて構いませんが」
「うるさ、いっ……!?」

 反論しかけた途端、ジーパン越しに急所を捉まれた。しかも。

「グ、あぁっ!」

 潰されてしまうのではないかという強さで握られ、悲鳴が上がる。い、……てぇ、滅茶苦茶痛ぇ!

 あまりの激痛に全身が硬直し、嫌な汗が吹き出ていく。涙が滲んで、目隠しの布に吸収されていく。手はすぐに離れてくれたものの、あまりの痛さに身動き出来無かった。急所を守るようにベッドの上で丸まり、苦痛に耐えるだけ。
 こんなことをしておきながら、神崎は淡々としたものだ。

「今みたいに暴言を吐いたり、逃げようとしたら、痛みを与えるというのはどうです? そうすれば嫌でも従順になるしかないでしょう。ああ、安心してください。俺にレイプしたいという欲求はありませんから。代わりに別のものを突っ込んで、快楽に溺れさせますけど。じわじわと、少しずつ……貴方を壊してあげる」
「ッ……、…………」

 どうにか痛みは引いたものの、何も言えなくなってしまった。ベルトを緩められてジーパンのボタンを外されても、急所を握り潰される怖さから、身を捩ることすら出来無い。ボクサーパンツと一緒に膝まで下ろされて、下半身が外気に触れても、ぎゅっと目を瞑って耐えるだけ。

「弘樹さん。尻を上げて、股を開いて」
「っ……」

 抵抗出来無いのに、さらには自分から行動するよう促されてしまい、喉が詰まった。ふざけるな、そう言いたかった。けれど命令通りにしなければ、またチンコを握り潰されてしまう。まだ痛みが引いていないのに、さらにやられたら、確実に不能になってしまう。

「う、……うう」

 嫌だ、嫌だ。そう思いながらも尻を上げた。そして見られている羞恥に死にそうになりながら、それでも身体を叱咤して膝を動かしていく。足首を縛られている状態で、どこまで開けば満足してくれるのか。

 早く止めてくれることを願うも、結局膝下で止まっているジーパンによって開けなくなるまで、何も言ってくれなかった。

 止めてくれるかもしれない、なんて望んでしまったことが情けなくて、ものすごく悔しくて。垂れそうにな鼻水をぐすっと啜ったら、再び嘲笑われる。

「ふふ、そんな恥ずかしい場所を、自分から晒して。弘樹さんは、いやらしい人ですね」
「っふざ、……く。……ひっ!?」

 怒鳴りそうになった口をどうにか閉じた瞬間、剥き出しのチンコを掴まれて、ビクッと腰が跳ねた。命令通りにしたのに、どうしてまたそこを掴むのか。直に触られている掌の感触。本来なら嫌悪が浮かぶはずだが、今は恐怖ばかりが湧き上がってくる。

「い、……いやだっ……」

 あまりの恐怖に、また涙が滲んだ。ガタガタと全身が震える。また握り潰されてしまう。嫌だ、怖い、怖い、怖い。

 けれど、いつまで経っても激痛が走ることはなかった。むしろゆっくりと揉まれて、弄られていく。

「……あ? ……、ぁ……ぁう、……ん」
「可愛いですね」

 耳元で囁かれた揶揄に、ふるりと背筋が震えた。それに優しい手付きで撫でてくるから、しだいに痛みが和らいでいき、だんだん気持ち良くなってしまう。熱が集まってきて、勃起してしまう。

 すると先端を摘まれ、尿道の穴をクリクリと遊ばれながら、掌で全体を揉まれた。緩やかな快楽に侵食されていく。トロトロと、先走りが漏れていく。

「つ……、ぁんっ、ん……、ふ……ぁ」
「もうトロトロですね。恐怖に見舞われながらも感じるなんて、本当、いやらしい人だ」

 貶してくる言葉に、違うと反論したかった。けれど確かに感じてしまっていて、くちゅり、くちゅり、と音が鳴るたび、羞恥に顔が燃え上がりそうになる。とんでもなく屈辱なのに、柔らかく玉を揉まれれば、吐息が零れてしまうし戦慄いてしまう。

「く、う……ぃう、んっ、……んっ」

 せめて快楽に流されないよう、声を上げないようにと、クッションに口を押し付けた。

 そうして耐えようと意気込んだところで、チンコから手が離れていく。それに神崎がベッドから立ち上がったようで、スプリングが動いた。
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