影王の専属人は、森のひと

藤原 秋

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SS 影王と専属人の日常

影王の専属人は、森のひと

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 二人にイかせてやるなんて言ったのは良いものを、正直自信が無かった。だって二人相手だぜ!?どうやりゃいいんだよ!
 伊織がぐいっと近付いて来て俺にキスをした。相変わらず良い体してんなー。


「貴哉、どっちを先にイかせてくれるんだ?」

「うっそれは……」

「桐原さんなんてイかせなくていいからな?」

「あ、お前らのケツいじってやるよ♪アレ気持ち良いからな~♪すぐイっちゃうぜ?」


 俺はローションを手に取り、良い事を思い付いたと機嫌良く準備してると、伊織は笑ってた。空は真剣に俺の腕を掴んで止めていた。


「た、貴哉!それはやめよう!?」

「なんでだよ?俺だって出来るぜ?」

「貴哉おもしれーな♪それよりもさ、貴哉のここでイかせてくれよ♡」

「っ!」


 伊織にケツをツンとされて体がビクッとなる。そしてローションを自分のに塗って挿れる準備をし出した。


「それはダメです!」

「早川は貴哉の口♪彼氏様の特権なんだろー?」


 すぐに空が抗議したけど、伊織は動じる事なく俺をクルッと空に向けさせて、俺の腰を引いた。俺は四つん這いの格好になって、伊織はデカくなったやつを押し当てて来た。ヤバい。伊織が入ってくる!


「貴哉逃げろ!絶対ヤらせちゃダメだ!」

「んな事言ってもっ……ぐっ」


 とうとう伊織のが入って来て俺は抵抗出来なくなった。さっき空に中をいじられた余韻が残ってて体はすぐにビクビクし始めた。
 あ、すげぇ、伊織のデカい……


「貴哉……力抜いて?じゃないと俺も苦しいから……」

「む、りっだ!アアンッはぁ……すげぇ……」

「貴哉ぁ!」


 空に呼ばれて見上げると、泣きそうな顔の空がいた。あ、ヤバい。俺また空を傷付けちゃう……
 でも悔しいけど、やめられないんだ。
 気持ち良さもあるけど、伊織だから。俺は伊織の事も好きだから嫌じゃねぇんだ。


「貴哉、ほら彼氏の咥えてやれよ」

「ふ……ンンッ」


 伊織に言われて俺はガクガク震えながら空のモノに手を伸ばしてカプッと咥えていつもするみてぇに舐めた。
 なんかいつもと違って興奮する……3Pってこんな感じなんだ……


「あっ貴哉……」

「そらぁ、きもちい?」


 舐めながら空を見て言うと、涙目になりながらコクンコクンと頷いてた。良かった。空も気持ち良いなら。


「そんじゃ動くぞ♡」

「ひぁっいおりぃっ」

「久しぶりだな貴哉……こんなにエロい体になりやがって」

「はぁはぁ……数では俺の方が上ですからね」

「初めては俺だけどな♡」

「ンンッアンッ♡」

「っ!ヤバい……貴哉ぁ♡いつもより激しくてすげぇ気持ちい」


 伊織が動く度に俺の体がビクンとなり、俺の口に入ってる空のも同時にビクッとする。
 さっきイッたばかりなのに俺は既にイきそうで、もう夢中で空のを舐め続けていた。


「あっ、貴哉ぁ俺、イクッ」

「ンンンッ!」

「はぁ、んじゃみんなで一緒にイこうぜ♡」


 空のが口の中いっぱいに入って来て、更に伊織のも俺の中にいっぱい入って来た。俺はどうする事も出来ずベッドの上に出した。

 終わった後、空は慌ててティッシュを渡してくれた。はぁ、やべー気持ち良過ぎてこのまま寝ちゃいたいわ。
 空の精子をティッシュに出してベッドにゴロンと横になってると、伊織が後ろからギュッてしてくれて更に眠くなった。


「貴哉好きー♡」

「あー!何抱き付いてるんですか!てかアンタゴムしなかったな!?」

「あ、そうなの?だからあんなに気持ち良かったのか」

「だって俺ここんちのゴムある場所知らねーもん」

「なぁ、貴哉?全身傷出来てね?いじめってまさか……」


 ここで俺の体中に出来た傷に気付いた空は真っ青になって聞いて来た。
 なんて言ったらいいかなー?もう眠くて何も考えられねーや。
 ……あ!そうだ!俺空に言う事あったんだ!


「空!俺水泳大会で一位獲ったんだ!」

「は?え、何?水泳大会ぃ?」

「演劇部恒例の一年生だけの水泳大会。貴哉凄かったぞ。早川にも見せてやりたかったな」

「へへー♪演劇部の顧問に賞金一万円貰ったんだぁ♡」

「え?えー!すげぇじゃん!」

「だろー?これ貯金しよーぜ♪同棲貯金♡」

「た、貴哉ぁ♡」

「お前ら同棲すんの?俺も混ぜろよ」

「絶対嫌です!」

「この傷もさ、そん時出来たやつなんだ。岩ばっかだし、水は冷てーし、深かいしで最悪だったぜ」

「そっか。頑張ったんだな♡てか貴哉泳げたんだ?」

「泳げるわ!」

「お前ら仲いいなー。さて俺はそろそろ帰るかな」

「ちょっと待って下さい!貴哉、どっちが気持ち良かった?結果を聞いてから帰って下さい」

「あ、忘れてた。勝負してたんだっけお前ら」

「聞くまでもねーよなぁ?貴哉ビクビクしてたし♡俺だろ」

「その前に俺の指でビクビクしてイッたんですよ。絶対俺です」


 睨み合う二人。そんなの決められねーよ。
 だってどっちも好きだし、どっちも気持ち良かったもん。
 それに、空を選んだら伊織とは友達じゃなくなっちゃうんだろ?かと言って空を選ばなかったら機嫌悪くなるだろうし……


「貴哉!」

「あのさ、この勝負引き分けってのどう?」

「ほー、そう来たか」

「っ納得できねー!ここは嘘でも俺だろ!」

「まぁまぁ、空とはいつでも出来るしさ♡だから引き分けにしよ♡」


 拗ねる空に抱き付いてキスしてやる。まだムスッとしてるけど、本気で怒ってねぇみてぇだな。
 俺と空がイチャイチャしてると、いつの間に服を着たのか伊織は立ち上がり部屋から出て行こうとしていた。


「伊織、気を付けて帰れよー。後もうこういうのはしねぇからな~」

「はいはい。二人もいつまでも裸で風邪引くなよー」


 伊織は振り返る事なくそのまま出て行った。
 なんか最後あっさり出てったな。まぁその方が空の機嫌も早く直るだろ。

 そして残された俺達はそのままベッドに寝転がっていた。
 

「なぁ貴哉、桐原さんとしたかったのか?」

「はい!?」

「嫌がらなかったじゃん。すげぇエロかったし」

「あれは無理矢理やられたから……」

「今回は目を瞑るよ。勝負に乗っかった俺も悪かったしな。でも教えて?貴哉は桐原さんの事、まだ好きなのか?」

「……空」

「別に怒ったりしねぇよ。本当の事言って」

「……好きだ」

「そっか。じゃなかったらキスとかセックスとか出来ねぇもんな」

「ごめん……」

「…………」

「そ、空?」

「え?あ、ごめん、何?」


 空はボーッとどこかを見ていて名前を呼ぶとハッとして俺を見て来た。
 やっぱり気にしてるよな。また空を傷付けちまった。
 その後空はまたボーッとし始めた。
 俺はいつもと違うそんな空に何も言えずただギュッと抱き締めているだけだった。
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