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本編
二十一歳⑳
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楽しいひと時を過ごした私達は、明日に備えて休む為、後ろ髪を引かれながら今晩泊まる部屋へと引き揚げた。
入浴を済ませ、同室のエレオラとしばらく語らった後、喉の渇きを覚えた私は厨房から水をもらってこようと部屋を出て、廊下の角を曲がったところで反対側からやって来たスレンツェとバッタリ鉢合わせて、足を止めた。
―――あ……。
前身頃を合わせるタイプの宿の簡素な寝間着に着替えた彼はいつもとは印象が違って、衿の合わせ目から覗いた鎖骨や前腕に浮き出た男らしい筋がどことなく色っぽく見えた。
無意識のうちにスレンツェの唇に目が行きそうになって、私はやや不自然に瞳を逸らしながら、当たり障りのない言葉をかけた。
「……部屋へ戻るところ?」
「……。ああ」
カルロ達と対峙する前夜、テラハ領の別荘での出来事が脳裏に甦る。
あれから幾日が過ぎたのだろう。カルロ達と対峙後も慌ただしい日々が続いた私達は、あれから二人きりになることもなく、私はそれに少し救われながら、なるべくあの夜を意識しないようにして過ごしていた。
『ユーファ。この件が片付いたら、お前に伝えたいことがある。だから、後で時間を作ってくれないか。オレはそれを伝える為に、必ず生きてお前の元へ戻ってくる』
今思い出しても身体が火照ってしまうような情熱的なキスの後、スレンツェは私にそう言って、その約束通り彼は無事に戦場から戻ってきてくれた。
スレンツェは多分、帝都へ戻って少し落ち着いた頃を見計らって、この話を切り出そうと考えているんだと思う。
相変わらず定まらない私の心はゆらゆらと揺らめいて、けれど彼の熱情は確かに私の深いところに刻まれていて、常に頭の片隅にあった。
「……アーク様をお願いね。あなたが早めにストップをかけてくれたから、大丈夫だとは思うけど」
フラムアークと同室のスレンツェにそう言うと、彼は少し頬を緩めた。
「見るからに高揚感を抑えきれていなかったからな。まあ、あの様子なら問題ないだろう」
それからひと呼吸おいて何か言いかけた彼は、どこかためらうように一度口をつぐんだ後、周りを憚りながらこう尋ねてきた。
「ところで……エレオラの傷の具合なんだが―――どうだ? あれから、ひどくなったりはしていないんだろうか」
その意外な質問に、私は軽く目を瞠った。
「え? ええ……化膿はしていないし腫れも引いてきているから、問題ないわ。徐々に良くなってきていると思う」
私の回答にスレンツェはそうか、と呟いて、少し聞きにくそうにこう続けた。
「傷は―――残らずに済むだろうか?」
「えっ?」
驚く私にスレンツェは苦しげな面持ちになって、そう尋ねるに至った理由を説明した。
「彼女のあれは―――オレをかばって負った傷なんだ」
「えっ―――、そうだったの?」
知らなかった―――。
「申し訳なくてな……オレはあいつに本当に助けられてばかりで―――これからもそれを返せるあてなどないのに、もしかしたら消えない傷まで負わせてしまったんじゃないかと思うと、どうにも……心苦しくて」
自責の念に駆られるスレンツェはまたひとつ不要な罪悪感を背負いこんでしまいそうで、そう捉えるのは違う、と感じた私は、彼に対して客観的な意見を突きつけた。
「エレオラはそんなこと、望む人じゃないわ。彼女はあなたを助けたいと思ったから助けたのであって、それに対する見返りなんて求めていないはずよ。それはあなたも感じているでしょう? 心を痛めるあなたの気持ちも分かるけれど、そんなふうに考えるのはエレオラに対して失礼だと思う。あなたが彼女に抱くべき感情は『申し訳ない』より『ありがとう』であるべきじゃない?」
「ユーファ」
少なくとも、彼女はスレンツェにそれを気に病んでなどほしくないはずだ。絶対に。
例え傷痕が残ってしまったとしても、エレオラにとってそれは忌むべきものではなく、大切な人を自身の手で守ることが出来た証のように感じられるんじゃないだろうか。そして、彼女はそれを誇りと捉える人だと思う。
「率直に言うわ。傷痕はうっすらと残ってしまうかもしれない」
「……!」
衝撃を受けた様子のスレンツェに、私は切々と訴えた。
「でもエレオラにとってそれは傷じゃなくて、守りたい人を守ることが出来た勲章のようなものに感じられるんじゃないかって、私は思うの」
「勲章……?」
「そう、例えるなら勲章みたいなもの。守りたい人を守れた証であって、彼女にとっての誇り―――エレオラはそういう捉え方をする人じゃない?」
「……」
難しい顔になって沈黙するスレンツェは、自分はそれに値するような人間ではないのに、などと悪い方向へ考えてしまいそうで、彼がそういった思考に陥ることを避けたいと考えた私は、意識的に口角を上げ、悪戯っぽい口調で言った。
「とは言っても私はエレオラじゃないから、気になるのならあなたが彼女自身に聞いてみるのが一番だと思うわよ。そんなことを気に病まないで下さいって、諭されちゃうのがオチだと思うけど」
私には出来ない守り方。深い愛情と広い度量を持って大切な男性を支え続ける覚悟を決めた、強くて誇り高い女性―――。
そんなエレオラに対する後ろめたさに似た想いも、私の中には少なからずあった。
真っ直ぐな彼女に比べて、私は歪だ。こんなふうに中途半端な気持ちの私がスレンツェを想う資格が、彼に想われる資格があるんだろうか―――?
密かに自己嫌悪に苛まれていると、深い吐息と共にこぼれたスレンツェの声が私を現実へと引き戻した。
「……お前の言葉には、時折ガツンと目を覚まされる思いがする。そうだな……オレは自分の不甲斐なさを嘆くでなく、まずはエレオラに感謝するべきなんだな」
そう言って肩の力を抜いた彼の表情からは翳りが消えて、どことなく穏やかなものになっていた。
「礼を言う、ユーファ。お前はいつも、オレに力をくれるな」
「大袈裟ね。でも、お役に立てたなら良かったわ」
軽く微笑む私を見やり、スレンツェは凛々しい目元を和らげた。
「……。最初に言いそびれたが……お前のそういう姿は新鮮だな。良く似合っている」
彼と同じく宿の寝間着に着替えていた私は、そう言われて何だか気恥ずかしくなってしまった。それは自分が彼のその姿に色気を感じていたせいかもしれない。
「あ……ありがとう。スレンツェこそ、良く似合ってるわ」
赤くなりながら口ごもる私を見つめて、スレンツェは淡く笑んだ。
「可愛いな」
彼の口からそんな言葉が出るとは思っていなかった私は、ビックリして長身の彼を見上げた。
フラムアークならいざ知らず、スレンツェの口からそんな言葉が出てくるなんて!
目をまん丸にする私を見て珍しく照れくさそうな顔になったスレンツェは、うっすら頬を染めたまま視線を逸らして、ぶっきらぼうに呟いた。
「……オレだって、それくらいは言う」
今までにない彼の言動に、私は胸が急激に騒がしくなるのを覚えた。
な、何、その顔……! 自分で言った言葉にそんなふうに照れちゃうなんて、スレンツェの方こそ可愛いんですけど!?
意外な一面に思わず心の中で悶えながら、何て言葉を返したらいいのか分からなくて、二の句が継げずに押し黙ってしまう。
ぎこちない沈黙に包まれた私達は互いに頬を赤らめたまま、しばし無言で向かい合った。
「……こんなところでする話じゃないな。宮廷に戻ったらゆっくり話そう」
スレンツェがそう切り出して耐え難い空気を打ち破り、ホッとしながら「そうね」と相槌を打った私は、続く彼の言葉に先程とは違う意味でドキッとした。
「あの時の話の続きも、その時にしよう」
「……。ええ」
ふわふわした気持ちから一転、現実に立ち返るのを覚えながら、私は静かな覚悟を固めた。
その時が来たら、きちんと言おう。
あなたとフラムアーク、どちらにも惹かれていて、ずっとどっちつかずでいる私の気持ちを正直に。
軽蔑されてしまうかもしれないけれど、包み隠さずそれを伝えることが、あなたに対して誠実に向き合うことであると思うから―――……。
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無意識のうちにスレンツェの唇に目が行きそうになって、私はやや不自然に瞳を逸らしながら、当たり障りのない言葉をかけた。
「……部屋へ戻るところ?」
「……。ああ」
カルロ達と対峙する前夜、テラハ領の別荘での出来事が脳裏に甦る。
あれから幾日が過ぎたのだろう。カルロ達と対峙後も慌ただしい日々が続いた私達は、あれから二人きりになることもなく、私はそれに少し救われながら、なるべくあの夜を意識しないようにして過ごしていた。
『ユーファ。この件が片付いたら、お前に伝えたいことがある。だから、後で時間を作ってくれないか。オレはそれを伝える為に、必ず生きてお前の元へ戻ってくる』
今思い出しても身体が火照ってしまうような情熱的なキスの後、スレンツェは私にそう言って、その約束通り彼は無事に戦場から戻ってきてくれた。
スレンツェは多分、帝都へ戻って少し落ち着いた頃を見計らって、この話を切り出そうと考えているんだと思う。
相変わらず定まらない私の心はゆらゆらと揺らめいて、けれど彼の熱情は確かに私の深いところに刻まれていて、常に頭の片隅にあった。
「……アーク様をお願いね。あなたが早めにストップをかけてくれたから、大丈夫だとは思うけど」
フラムアークと同室のスレンツェにそう言うと、彼は少し頬を緩めた。
「見るからに高揚感を抑えきれていなかったからな。まあ、あの様子なら問題ないだろう」
それからひと呼吸おいて何か言いかけた彼は、どこかためらうように一度口をつぐんだ後、周りを憚りながらこう尋ねてきた。
「ところで……エレオラの傷の具合なんだが―――どうだ? あれから、ひどくなったりはしていないんだろうか」
その意外な質問に、私は軽く目を瞠った。
「え? ええ……化膿はしていないし腫れも引いてきているから、問題ないわ。徐々に良くなってきていると思う」
私の回答にスレンツェはそうか、と呟いて、少し聞きにくそうにこう続けた。
「傷は―――残らずに済むだろうか?」
「えっ?」
驚く私にスレンツェは苦しげな面持ちになって、そう尋ねるに至った理由を説明した。
「彼女のあれは―――オレをかばって負った傷なんだ」
「えっ―――、そうだったの?」
知らなかった―――。
「申し訳なくてな……オレはあいつに本当に助けられてばかりで―――これからもそれを返せるあてなどないのに、もしかしたら消えない傷まで負わせてしまったんじゃないかと思うと、どうにも……心苦しくて」
自責の念に駆られるスレンツェはまたひとつ不要な罪悪感を背負いこんでしまいそうで、そう捉えるのは違う、と感じた私は、彼に対して客観的な意見を突きつけた。
「エレオラはそんなこと、望む人じゃないわ。彼女はあなたを助けたいと思ったから助けたのであって、それに対する見返りなんて求めていないはずよ。それはあなたも感じているでしょう? 心を痛めるあなたの気持ちも分かるけれど、そんなふうに考えるのはエレオラに対して失礼だと思う。あなたが彼女に抱くべき感情は『申し訳ない』より『ありがとう』であるべきじゃない?」
「ユーファ」
少なくとも、彼女はスレンツェにそれを気に病んでなどほしくないはずだ。絶対に。
例え傷痕が残ってしまったとしても、エレオラにとってそれは忌むべきものではなく、大切な人を自身の手で守ることが出来た証のように感じられるんじゃないだろうか。そして、彼女はそれを誇りと捉える人だと思う。
「率直に言うわ。傷痕はうっすらと残ってしまうかもしれない」
「……!」
衝撃を受けた様子のスレンツェに、私は切々と訴えた。
「でもエレオラにとってそれは傷じゃなくて、守りたい人を守ることが出来た勲章のようなものに感じられるんじゃないかって、私は思うの」
「勲章……?」
「そう、例えるなら勲章みたいなもの。守りたい人を守れた証であって、彼女にとっての誇り―――エレオラはそういう捉え方をする人じゃない?」
「……」
難しい顔になって沈黙するスレンツェは、自分はそれに値するような人間ではないのに、などと悪い方向へ考えてしまいそうで、彼がそういった思考に陥ることを避けたいと考えた私は、意識的に口角を上げ、悪戯っぽい口調で言った。
「とは言っても私はエレオラじゃないから、気になるのならあなたが彼女自身に聞いてみるのが一番だと思うわよ。そんなことを気に病まないで下さいって、諭されちゃうのがオチだと思うけど」
私には出来ない守り方。深い愛情と広い度量を持って大切な男性を支え続ける覚悟を決めた、強くて誇り高い女性―――。
そんなエレオラに対する後ろめたさに似た想いも、私の中には少なからずあった。
真っ直ぐな彼女に比べて、私は歪だ。こんなふうに中途半端な気持ちの私がスレンツェを想う資格が、彼に想われる資格があるんだろうか―――?
密かに自己嫌悪に苛まれていると、深い吐息と共にこぼれたスレンツェの声が私を現実へと引き戻した。
「……お前の言葉には、時折ガツンと目を覚まされる思いがする。そうだな……オレは自分の不甲斐なさを嘆くでなく、まずはエレオラに感謝するべきなんだな」
そう言って肩の力を抜いた彼の表情からは翳りが消えて、どことなく穏やかなものになっていた。
「礼を言う、ユーファ。お前はいつも、オレに力をくれるな」
「大袈裟ね。でも、お役に立てたなら良かったわ」
軽く微笑む私を見やり、スレンツェは凛々しい目元を和らげた。
「……。最初に言いそびれたが……お前のそういう姿は新鮮だな。良く似合っている」
彼と同じく宿の寝間着に着替えていた私は、そう言われて何だか気恥ずかしくなってしまった。それは自分が彼のその姿に色気を感じていたせいかもしれない。
「あ……ありがとう。スレンツェこそ、良く似合ってるわ」
赤くなりながら口ごもる私を見つめて、スレンツェは淡く笑んだ。
「可愛いな」
彼の口からそんな言葉が出るとは思っていなかった私は、ビックリして長身の彼を見上げた。
フラムアークならいざ知らず、スレンツェの口からそんな言葉が出てくるなんて!
目をまん丸にする私を見て珍しく照れくさそうな顔になったスレンツェは、うっすら頬を染めたまま視線を逸らして、ぶっきらぼうに呟いた。
「……オレだって、それくらいは言う」
今までにない彼の言動に、私は胸が急激に騒がしくなるのを覚えた。
な、何、その顔……! 自分で言った言葉にそんなふうに照れちゃうなんて、スレンツェの方こそ可愛いんですけど!?
意外な一面に思わず心の中で悶えながら、何て言葉を返したらいいのか分からなくて、二の句が継げずに押し黙ってしまう。
ぎこちない沈黙に包まれた私達は互いに頬を赤らめたまま、しばし無言で向かい合った。
「……こんなところでする話じゃないな。宮廷に戻ったらゆっくり話そう」
スレンツェがそう切り出して耐え難い空気を打ち破り、ホッとしながら「そうね」と相槌を打った私は、続く彼の言葉に先程とは違う意味でドキッとした。
「あの時の話の続きも、その時にしよう」
「……。ええ」
ふわふわした気持ちから一転、現実に立ち返るのを覚えながら、私は静かな覚悟を固めた。
その時が来たら、きちんと言おう。
あなたとフラムアーク、どちらにも惹かれていて、ずっとどっちつかずでいる私の気持ちを正直に。
軽蔑されてしまうかもしれないけれど、包み隠さずそれを伝えることが、あなたに対して誠実に向き合うことであると思うから―――……。
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