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本編
二十歳⑮
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「今日はこれからみんなで街に繰り出してみないか?」
皇帝グレゴリオにより兎耳族の保護の解除が公示され、しばらくが経った、ある晴れの日。
唐突にフラムアークからそう提案された私とスレンツェは、お互いの顔を見合わせた。
「みんなで、ですか?」
「そう。せっかくユーファの外出制限がなくなったんだし、みんなで出掛けてみようよ。三人で出掛けたことってないし」
にこにこと屈託なく呼びかけるフラムアークにスレンツェがこんな疑問を呈した。
「しかし、オレは任務絡みの外出こそ許されているが、それはあくまで他の領地での任務に限ってのことであって、帝都でのオレの外出は許可されていないんじゃなかったのか。宮廷から街へ下りたことなど、一度もないぞ」
そうよね。私と彼は今まで、この帝都の中でずっと鳥籠のような生活を送ってきたのだから。
「それ、オレもずっとそうだと思ってきたんだけど……最近になって、実はそれは違うんじゃないかって気が付いたんだ」
「どういうことだ?」
「うん……よくよく考えてみると、十六歳の時、領地視察にスレンツェを同行することを願い出てそれが許可された時、皇帝は元々制限されていた帝都内でのスレンツェの行動については言及しなかったし、オレもまたそれについて尋ねなかった。領地視察に帯同する許可が出たということは、今後も各領地にスレンツェを同行させて問題ないということだとオレは捉えていたから、当時はそれで満足だったし、下手に確認を取って覆されるのも嫌だったんだよね。でも今にして思うと、明言されなかっただけで多分あの時、暗黙のうちにスレンツェの身柄はオレに委譲されていたんだ」
「その根拠は?」
「領地視察は皇子が政治や軍事に関わり始める為の通過儀礼だろう? 終えた後は皇帝の名代を務める場合も出てくるし、それまでとは違い、責任を負う立場になるわけだ。
スレンツェを連れて行くことを願い出たあの時、皇帝に言われたのは『もしも不測の事態が起こった場合はお前の命に換えても阻止しろ、その覚悟があるなら連れて行け』という趣旨の内容だった。オレがそれを遂げたことで皇帝はオレの覚悟を認め、スレンツェを本当の意味での側用人に据えたんだと思う。主として全ての責任を負う覚悟と引き換え、といったところかな。思えば、あれ以来あの人がスレンツェについて口を出してきたことはないし、ベリオラでアズールへ行くことを願い出た時も『己で責任を取れるのであれば構わない』と言われただけでスレンツェに関する話は一切出なかった。
そういったことが積み重なった結果、そもそも最初に領地視察への帯同を許可された時にオレがそれを確認しなかっただけで、スレンツェの外出制限は解かれていたんだという結論に至ったというわけ。だから三人で帝都の街へ繰り出しても問題はないと、そう判断した」
フラムアークの持論を腕組みしながら聞いていたスレンツェは、長い息を吐き出した。
「……だとしたら、もう少し早くその結論にたどり着いてもらいたかったものだな。入り用の品をリストにして補給部門に頼んでも、物がないと言われたり上手く伝わらないことがままあって、必要物資の調達にどれだけオレが苦労してきたか……いっそ自分の足で行って自分の手で確保出来たらどれほど楽かと、どんなに思ったかしれん」
確かにその辺り、スレンツェはいつも苦労していたわよね。
今はさておき、以前は心ない嫌がらせもあって、なかなか必要なものがそろわないこともあったみたいだし……。
「ごめん、迷惑かけたよね。思い込みって厄介だなと反省した。でも、これからはそういう苦労も減るということで、うん」
「軽く言ってくれる。念の為確認を取らなくて問題ないか」
眉をひそめながらもそう案じるスレンツェに、フラムアークは微笑んだ。
「今更確認を取るまでもないよ。オレの思い違いだった場合は素直に詫びて、また方策を立てればいいことだ。これまでの傾向からいって、皇帝は多分、オレが自己責任で―――自分の命で贖える範囲のことであれば、取り立てて問題にしないと思うし。基本、放任されてるからね」
「……分かった」
軽い口調と裏腹に言っている内容は重たかったけれど、三人で帝都の街へ繰り出すという、これまでは考えられなかったことが実現出来る流れになり、私は複雑な気持ちになりつつも、その事実に心躍るのを覚えずにはいられなかった。
だって、すごい……! まさか、こんな日が来るなんて!
何だか夢みたいだ。
「ええと……じゃあ、みんなで出掛ける方向で決まり、ということでいいんですよね?」
そわそわと興奮を隠し切れない私に、フラムアークは軽く頷き返した。
わぁっ……!
「では、早速支度しましょう! フラムアーク様はお着替えの準備を! なるべく目立たないよう、地味な服装の方がいいですよね?」
「ああ、街を散策するにはその方がいいよね」
フラムアークは皇族の纏う外衣を外して、刺繍や装飾の施されていないシンプルなデザインの衣服に着替え、宮廷で下働きに従事する人達が外出時に着用するような生成り色の薄いフード付きの外套を羽織った。
皇子様のキラキラ感は消しきれないけれど、シンプルでも格調高い衣服が庶民的な素材を使用した外套によって隠されたことで、貴人付きの従者風といった装いに見えなくもなくなる。
「こんな外套、いつの間に用意したんですか?」
「どこかの領地へ行った時にたまたま店先で売られていたのを買っておいたんだ。こういう時に役に立つかと思って」
「用意周到、と言いたいところだが、その着用のこなれ感、さてはお前これを使うのが初めてじゃないな?」
即座にスレンツェにそう突っ込まれてしまったフラムアークは苦笑した。
「目ざといなぁ、スレンツェは。実は何度か、これを着てこっそり街を探検しに行ったことがある」
「えっ、いつの間に!? お一人で? 危ないじゃないですか、何かあったらどうするんです」
驚く私にフラムアークはしれっと答えた。
「結果論だけど、何もなかったから。自分の住んでる膝元くらい把握しておきたいと思ってさ。どんな雰囲気でどんな店があって、どんな人々がどんなふうに暮らしているのか―――それまでは昔、馬車で大通りを通った時に車窓から街の様子を眺めたことがあるだけだったから、実際に自分の足で歩いて自分の目で確かめられたのは良かったよ。これからは君達を伴って堂々と探索しに行けるのが楽しみだ」
まあフラムアークの言い分も分からなくはなかったけれど―――これまで私達がお供出来なかった以上、気軽に街へ誘える相手なんて彼にはいなかったわけだものね。
「今後は私達に必ず声をかけて下さいね。そうそう何かあるわけではないでしょうけど、どう考えても不用心ですから」
「ユーファは心配性だなぁ。分かったよ」
いやいや、皇帝を目指すという人が何を言っているんですか。もっと御身を大切にしてもらわないと。
そんなこんなで、私達は三人そろって初めて帝都の街へと繰り出すことになったのだ―――。
皇帝グレゴリオにより兎耳族の保護の解除が公示され、しばらくが経った、ある晴れの日。
唐突にフラムアークからそう提案された私とスレンツェは、お互いの顔を見合わせた。
「みんなで、ですか?」
「そう。せっかくユーファの外出制限がなくなったんだし、みんなで出掛けてみようよ。三人で出掛けたことってないし」
にこにこと屈託なく呼びかけるフラムアークにスレンツェがこんな疑問を呈した。
「しかし、オレは任務絡みの外出こそ許されているが、それはあくまで他の領地での任務に限ってのことであって、帝都でのオレの外出は許可されていないんじゃなかったのか。宮廷から街へ下りたことなど、一度もないぞ」
そうよね。私と彼は今まで、この帝都の中でずっと鳥籠のような生活を送ってきたのだから。
「それ、オレもずっとそうだと思ってきたんだけど……最近になって、実はそれは違うんじゃないかって気が付いたんだ」
「どういうことだ?」
「うん……よくよく考えてみると、十六歳の時、領地視察にスレンツェを同行することを願い出てそれが許可された時、皇帝は元々制限されていた帝都内でのスレンツェの行動については言及しなかったし、オレもまたそれについて尋ねなかった。領地視察に帯同する許可が出たということは、今後も各領地にスレンツェを同行させて問題ないということだとオレは捉えていたから、当時はそれで満足だったし、下手に確認を取って覆されるのも嫌だったんだよね。でも今にして思うと、明言されなかっただけで多分あの時、暗黙のうちにスレンツェの身柄はオレに委譲されていたんだ」
「その根拠は?」
「領地視察は皇子が政治や軍事に関わり始める為の通過儀礼だろう? 終えた後は皇帝の名代を務める場合も出てくるし、それまでとは違い、責任を負う立場になるわけだ。
スレンツェを連れて行くことを願い出たあの時、皇帝に言われたのは『もしも不測の事態が起こった場合はお前の命に換えても阻止しろ、その覚悟があるなら連れて行け』という趣旨の内容だった。オレがそれを遂げたことで皇帝はオレの覚悟を認め、スレンツェを本当の意味での側用人に据えたんだと思う。主として全ての責任を負う覚悟と引き換え、といったところかな。思えば、あれ以来あの人がスレンツェについて口を出してきたことはないし、ベリオラでアズールへ行くことを願い出た時も『己で責任を取れるのであれば構わない』と言われただけでスレンツェに関する話は一切出なかった。
そういったことが積み重なった結果、そもそも最初に領地視察への帯同を許可された時にオレがそれを確認しなかっただけで、スレンツェの外出制限は解かれていたんだという結論に至ったというわけ。だから三人で帝都の街へ繰り出しても問題はないと、そう判断した」
フラムアークの持論を腕組みしながら聞いていたスレンツェは、長い息を吐き出した。
「……だとしたら、もう少し早くその結論にたどり着いてもらいたかったものだな。入り用の品をリストにして補給部門に頼んでも、物がないと言われたり上手く伝わらないことがままあって、必要物資の調達にどれだけオレが苦労してきたか……いっそ自分の足で行って自分の手で確保出来たらどれほど楽かと、どんなに思ったかしれん」
確かにその辺り、スレンツェはいつも苦労していたわよね。
今はさておき、以前は心ない嫌がらせもあって、なかなか必要なものがそろわないこともあったみたいだし……。
「ごめん、迷惑かけたよね。思い込みって厄介だなと反省した。でも、これからはそういう苦労も減るということで、うん」
「軽く言ってくれる。念の為確認を取らなくて問題ないか」
眉をひそめながらもそう案じるスレンツェに、フラムアークは微笑んだ。
「今更確認を取るまでもないよ。オレの思い違いだった場合は素直に詫びて、また方策を立てればいいことだ。これまでの傾向からいって、皇帝は多分、オレが自己責任で―――自分の命で贖える範囲のことであれば、取り立てて問題にしないと思うし。基本、放任されてるからね」
「……分かった」
軽い口調と裏腹に言っている内容は重たかったけれど、三人で帝都の街へ繰り出すという、これまでは考えられなかったことが実現出来る流れになり、私は複雑な気持ちになりつつも、その事実に心躍るのを覚えずにはいられなかった。
だって、すごい……! まさか、こんな日が来るなんて!
何だか夢みたいだ。
「ええと……じゃあ、みんなで出掛ける方向で決まり、ということでいいんですよね?」
そわそわと興奮を隠し切れない私に、フラムアークは軽く頷き返した。
わぁっ……!
「では、早速支度しましょう! フラムアーク様はお着替えの準備を! なるべく目立たないよう、地味な服装の方がいいですよね?」
「ああ、街を散策するにはその方がいいよね」
フラムアークは皇族の纏う外衣を外して、刺繍や装飾の施されていないシンプルなデザインの衣服に着替え、宮廷で下働きに従事する人達が外出時に着用するような生成り色の薄いフード付きの外套を羽織った。
皇子様のキラキラ感は消しきれないけれど、シンプルでも格調高い衣服が庶民的な素材を使用した外套によって隠されたことで、貴人付きの従者風といった装いに見えなくもなくなる。
「こんな外套、いつの間に用意したんですか?」
「どこかの領地へ行った時にたまたま店先で売られていたのを買っておいたんだ。こういう時に役に立つかと思って」
「用意周到、と言いたいところだが、その着用のこなれ感、さてはお前これを使うのが初めてじゃないな?」
即座にスレンツェにそう突っ込まれてしまったフラムアークは苦笑した。
「目ざといなぁ、スレンツェは。実は何度か、これを着てこっそり街を探検しに行ったことがある」
「えっ、いつの間に!? お一人で? 危ないじゃないですか、何かあったらどうするんです」
驚く私にフラムアークはしれっと答えた。
「結果論だけど、何もなかったから。自分の住んでる膝元くらい把握しておきたいと思ってさ。どんな雰囲気でどんな店があって、どんな人々がどんなふうに暮らしているのか―――それまでは昔、馬車で大通りを通った時に車窓から街の様子を眺めたことがあるだけだったから、実際に自分の足で歩いて自分の目で確かめられたのは良かったよ。これからは君達を伴って堂々と探索しに行けるのが楽しみだ」
まあフラムアークの言い分も分からなくはなかったけれど―――これまで私達がお供出来なかった以上、気軽に街へ誘える相手なんて彼にはいなかったわけだものね。
「今後は私達に必ず声をかけて下さいね。そうそう何かあるわけではないでしょうけど、どう考えても不用心ですから」
「ユーファは心配性だなぁ。分かったよ」
いやいや、皇帝を目指すという人が何を言っているんですか。もっと御身を大切にしてもらわないと。
そんなこんなで、私達は三人そろって初めて帝都の街へと繰り出すことになったのだ―――。
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