42 / 128
本編
二十歳④
しおりを挟む
それから三日後。
皇帝の庇護下にあり同族間以外での婚姻が禁じられている兎耳族のレムリアと、彼女と同じ職場で責任者の補佐役を務めていた下級貴族の人間バルトロによる不義の関係について審議する場が、宮廷内の議場にて開かれていた。
重厚な楕円形の長テーブルの最奥に座した皇帝グレゴリオを筆頭に、宰相や宮内卿といった政務に関わる重鎮達が顔をそろえて上座に並び、六人の皇子達はその下座に皇位継承順位に則った席順で参席している。
第四皇子のフラムアークは右を第二皇子ベネディクト、左を第六皇子アルフォンソに挟まれ、その正面の席には第三皇子フェルナンドが座している。テーブルを挟み向かって右上に皇太子ゴットフリート、左上に第五皇子エドゥアルトを臨む位置だ。
進行役によって今回の概要が改めて説明なされ審議が始まると、予想通りレムリア達に厳しい処罰を科すべきだという意見が相次いだ。
「皇帝陛下の恩情をないがしろにする、あまりにも義務と自覚に欠けた行為だ」
「兎耳族の保護の為に莫大な国家予算を投じているというのに、これでは税金を納めている民に示しがつかぬ」
「この機会に規則を見直し、兎耳族達の統制を強化すべきだ」
「宮廷従事者にも改めて種の保存を周知徹底し、罰則を盛り込んだ規定を設けねばなるまい」
議論は始めからレムリア達に非ありきで、どの程度の処分を科すのが妥当か、今後このような事態を防ぐ為にはどうすべきかといった内容を協議する展開になった。
このままでは埒が明かない。
議論の流れを変えるべく、フラムアークが動きかけた時だった。一拍早く、落ち着いた涼やかな声音が白熱する議事の場に制止をかけたのだ。
「少し、宜しいですか」
発言者は第三皇子フェルナンドだった。
母親譲りのさらりとした薄茶の髪を後ろでひとつに結わえ、父親譲りのトパーズの瞳に理知的な光を湛えた秀麗な顔立ちの青年は、右手を上げて列席者をゆったりと見渡し、自らの発言を求めた。
「申してみよ、フェルナンド」
皇帝グレゴリオの口から威厳ある重々しい声音で許可が下りた。齢五十を超えた大帝国の皇帝は未だその剛健さにいささかも衰えを見せず、帝国の紋章をあしらった権威ある外衣を纏ったその姿は、実に威風堂々としている。
「はっ。僭越ながら、まずは兎耳族の保護という根本に立ち返って議論すべきではないかと思います。先に指摘のあったとおり、彼らの保護には莫大な予算が投じられています。彼らは宮廷内での職務に従事する形でこの救済措置に幾ばくか報いてはいますが、投入される予算に対しては比べるべくもありません。加えて、今回の件のように与えられた恩情を軽んじる輩も現れました。種の保存を重んじる陛下のお心掛けの尊さは重々承知しておりますが、この機会に兎耳族の保護について改めて考察し直すべきであると私は考えます」
第三皇子の見解に重鎮達の間から、ほう、と興味深げな息遣いが漏れた。
―――やはりそう仕掛けてきたか。
フラムアークは唇を結び、正面の席からフェルナンドの整った容貌を見つめた。
だが、その狙いはどこにある? 純粋に国の将来を考えている部分もあるのか……それとも単純にオレへの嫌がらせ……片翼をもぎ取ることにあると考えていいのか?
あるいは、別の着地点を見据えての行動なのか。
淡い笑みを湛えたその表情の奥を読み取ることは、まだ出来ない。
「―――僕もその意見に賛成だな」
フラムアークの視界の左上でエドゥアルトの手が上がった。
「父上の救済措置には一定の意義があったと思う。だが災害から十年以上が経過し、保護当時とは状況が変わってきた部分もあるだろう。長期に渡る保護生活においては、思い描いていたものと実際のそれに生じた齟齬を感じている者も少なくないはずだ。しかし保護という名目で生活を管理された彼らにはそれを訴え出る場所も手段もなく、募るフラストレーションは放置された。保護生活における彼らの意識の変容と現状とのずれ―――その結果が今回の騒動に繋がったと言えるんじゃないかな? 保護の甲斐あって彼らの数は少しずつ増加傾向にあるし、このまま宮廷内で増え続ける彼らの面倒を見続けるのは現実的ではないと思う。物理的にも内面的にもいつか必ず限界を迎えるし、僕が彼らだったら、こんな狭いエリアに長年押し込め続けていられるのは我慢ならないしね」
「エドゥアルト、口の利き方に気を付けろ」
歯に衣着せぬ第五皇子の物言いに第二皇子のベネディクトが苦言を呈した。エドゥアルトは悪びれるふうもなく、そんな兄に質問を返す。
「はいはい。そういう兄上はどうお考えで?」
「わ―――私は父上の、皇帝陛下のご意向に従う。陛下は長年彼らの措置にお心を砕いてこられたし、それに」
「ああ。ご自分の意見は特にないということですね」
みなまで聞かず話を打ち切る第五皇子に第二皇子はキリキリと歯噛みして細面の顔を真っ赤にした。
「エドゥアルト!」
それを見ていた皇太子ゴットフリートが肩を揺らしながら野太い声で五番目の弟をたしなめた。
「ベネディクトをあまりいじめてやるな、エドゥアルト」
「そんなつもりはないんだけどな」
「昔はもっと可愛げがあったというのに、近頃のお前の言動はどうも目に余るぞ。あまり兄を軽んじるんじゃない」
冗談交じりといった口調だったが、皇太子の目は笑っていない。近頃のフラムアークに対するエドゥアルトの姿勢諸々に向けた非難だと受け取れた。
「軽んじてなどいないよ。だがそう映ったのなら申し訳なかった。僕も男だからね、いつまでも可愛いままじゃいられないんだ」
皇太子の牽制を第五皇子は軽くいなした。それを腹立たし気に眺めやって、ゴットフリートは議題へと話を戻す。
「皇太子たる私の見解としては、フェルナンドの意見にも一理あると考える。そこはそこでこれから議論を尽くすとして、それとは別に、今回の罪人には重く厳しい処分を科すことが相当であろうと考える。陛下の恩情で保護された身分にありながら、それを仇で返すかのような今回の愚行、これは紛うことなき背信行為だ! これを咎めずに皆の得心は得られないことと強く思う!」
鼻息荒く訴える彼のベクトルはどうも審議云々ではなく、今回の当事者達に重い処罰を与えることへと傾いているようだ。
まあ、その理由は分かり切ってるけどね―――エドゥアルトは内心鼻白みながら、自分の正面の席に座る弟へと視線を向けた。今年十五歳になる末弟のアルフォンソは昨年領地視察を終えたばかりで、これが初めての議場参加になるのだが、どうやらこの独特の雰囲気に気後れしてしまっているようだ。
彼の隣で沈黙を守っているフラムアークがいったん口火を切れば、この先アルフォンソが発言する機会は訪れないだろうと、珍しく兄らしい見地から弟を慮ったエドゥアルトは、萎縮しているアルフォンソに話を振った。
「アルフォンソ、お前も意見があれば遠慮せずどんどん発言していいんだぞ」
議場で声を出した経験があるのとないのとでは次回に臨む心持ちも違ってくる。気まぐれな兄の心遣いに弟は恐縮した様子を見せながら、母親似のまだあどけなさの残る顔を向け、ぎこちなくもしっかりと自身の考えを述べた。
「は、はい、ありがとうございます。ですが私はこれが初めて臨む審議の場ですし、まだ勝手も分かりませんから、まずは皆の意見をよく聞いて余すところなく勉強させてもらってから、その上で発言出来ることがありましたらさせていただこうと思います」
「……うん。そうか」
すぐ上の兄が心配するまでもなかったか。末っ子で兄達のやり取りを幼い頃から見てきたアルフォンソは良くも悪くも要領がいいのだ。
皇帝の庇護下にあり同族間以外での婚姻が禁じられている兎耳族のレムリアと、彼女と同じ職場で責任者の補佐役を務めていた下級貴族の人間バルトロによる不義の関係について審議する場が、宮廷内の議場にて開かれていた。
重厚な楕円形の長テーブルの最奥に座した皇帝グレゴリオを筆頭に、宰相や宮内卿といった政務に関わる重鎮達が顔をそろえて上座に並び、六人の皇子達はその下座に皇位継承順位に則った席順で参席している。
第四皇子のフラムアークは右を第二皇子ベネディクト、左を第六皇子アルフォンソに挟まれ、その正面の席には第三皇子フェルナンドが座している。テーブルを挟み向かって右上に皇太子ゴットフリート、左上に第五皇子エドゥアルトを臨む位置だ。
進行役によって今回の概要が改めて説明なされ審議が始まると、予想通りレムリア達に厳しい処罰を科すべきだという意見が相次いだ。
「皇帝陛下の恩情をないがしろにする、あまりにも義務と自覚に欠けた行為だ」
「兎耳族の保護の為に莫大な国家予算を投じているというのに、これでは税金を納めている民に示しがつかぬ」
「この機会に規則を見直し、兎耳族達の統制を強化すべきだ」
「宮廷従事者にも改めて種の保存を周知徹底し、罰則を盛り込んだ規定を設けねばなるまい」
議論は始めからレムリア達に非ありきで、どの程度の処分を科すのが妥当か、今後このような事態を防ぐ為にはどうすべきかといった内容を協議する展開になった。
このままでは埒が明かない。
議論の流れを変えるべく、フラムアークが動きかけた時だった。一拍早く、落ち着いた涼やかな声音が白熱する議事の場に制止をかけたのだ。
「少し、宜しいですか」
発言者は第三皇子フェルナンドだった。
母親譲りのさらりとした薄茶の髪を後ろでひとつに結わえ、父親譲りのトパーズの瞳に理知的な光を湛えた秀麗な顔立ちの青年は、右手を上げて列席者をゆったりと見渡し、自らの発言を求めた。
「申してみよ、フェルナンド」
皇帝グレゴリオの口から威厳ある重々しい声音で許可が下りた。齢五十を超えた大帝国の皇帝は未だその剛健さにいささかも衰えを見せず、帝国の紋章をあしらった権威ある外衣を纏ったその姿は、実に威風堂々としている。
「はっ。僭越ながら、まずは兎耳族の保護という根本に立ち返って議論すべきではないかと思います。先に指摘のあったとおり、彼らの保護には莫大な予算が投じられています。彼らは宮廷内での職務に従事する形でこの救済措置に幾ばくか報いてはいますが、投入される予算に対しては比べるべくもありません。加えて、今回の件のように与えられた恩情を軽んじる輩も現れました。種の保存を重んじる陛下のお心掛けの尊さは重々承知しておりますが、この機会に兎耳族の保護について改めて考察し直すべきであると私は考えます」
第三皇子の見解に重鎮達の間から、ほう、と興味深げな息遣いが漏れた。
―――やはりそう仕掛けてきたか。
フラムアークは唇を結び、正面の席からフェルナンドの整った容貌を見つめた。
だが、その狙いはどこにある? 純粋に国の将来を考えている部分もあるのか……それとも単純にオレへの嫌がらせ……片翼をもぎ取ることにあると考えていいのか?
あるいは、別の着地点を見据えての行動なのか。
淡い笑みを湛えたその表情の奥を読み取ることは、まだ出来ない。
「―――僕もその意見に賛成だな」
フラムアークの視界の左上でエドゥアルトの手が上がった。
「父上の救済措置には一定の意義があったと思う。だが災害から十年以上が経過し、保護当時とは状況が変わってきた部分もあるだろう。長期に渡る保護生活においては、思い描いていたものと実際のそれに生じた齟齬を感じている者も少なくないはずだ。しかし保護という名目で生活を管理された彼らにはそれを訴え出る場所も手段もなく、募るフラストレーションは放置された。保護生活における彼らの意識の変容と現状とのずれ―――その結果が今回の騒動に繋がったと言えるんじゃないかな? 保護の甲斐あって彼らの数は少しずつ増加傾向にあるし、このまま宮廷内で増え続ける彼らの面倒を見続けるのは現実的ではないと思う。物理的にも内面的にもいつか必ず限界を迎えるし、僕が彼らだったら、こんな狭いエリアに長年押し込め続けていられるのは我慢ならないしね」
「エドゥアルト、口の利き方に気を付けろ」
歯に衣着せぬ第五皇子の物言いに第二皇子のベネディクトが苦言を呈した。エドゥアルトは悪びれるふうもなく、そんな兄に質問を返す。
「はいはい。そういう兄上はどうお考えで?」
「わ―――私は父上の、皇帝陛下のご意向に従う。陛下は長年彼らの措置にお心を砕いてこられたし、それに」
「ああ。ご自分の意見は特にないということですね」
みなまで聞かず話を打ち切る第五皇子に第二皇子はキリキリと歯噛みして細面の顔を真っ赤にした。
「エドゥアルト!」
それを見ていた皇太子ゴットフリートが肩を揺らしながら野太い声で五番目の弟をたしなめた。
「ベネディクトをあまりいじめてやるな、エドゥアルト」
「そんなつもりはないんだけどな」
「昔はもっと可愛げがあったというのに、近頃のお前の言動はどうも目に余るぞ。あまり兄を軽んじるんじゃない」
冗談交じりといった口調だったが、皇太子の目は笑っていない。近頃のフラムアークに対するエドゥアルトの姿勢諸々に向けた非難だと受け取れた。
「軽んじてなどいないよ。だがそう映ったのなら申し訳なかった。僕も男だからね、いつまでも可愛いままじゃいられないんだ」
皇太子の牽制を第五皇子は軽くいなした。それを腹立たし気に眺めやって、ゴットフリートは議題へと話を戻す。
「皇太子たる私の見解としては、フェルナンドの意見にも一理あると考える。そこはそこでこれから議論を尽くすとして、それとは別に、今回の罪人には重く厳しい処分を科すことが相当であろうと考える。陛下の恩情で保護された身分にありながら、それを仇で返すかのような今回の愚行、これは紛うことなき背信行為だ! これを咎めずに皆の得心は得られないことと強く思う!」
鼻息荒く訴える彼のベクトルはどうも審議云々ではなく、今回の当事者達に重い処罰を与えることへと傾いているようだ。
まあ、その理由は分かり切ってるけどね―――エドゥアルトは内心鼻白みながら、自分の正面の席に座る弟へと視線を向けた。今年十五歳になる末弟のアルフォンソは昨年領地視察を終えたばかりで、これが初めての議場参加になるのだが、どうやらこの独特の雰囲気に気後れしてしまっているようだ。
彼の隣で沈黙を守っているフラムアークがいったん口火を切れば、この先アルフォンソが発言する機会は訪れないだろうと、珍しく兄らしい見地から弟を慮ったエドゥアルトは、萎縮しているアルフォンソに話を振った。
「アルフォンソ、お前も意見があれば遠慮せずどんどん発言していいんだぞ」
議場で声を出した経験があるのとないのとでは次回に臨む心持ちも違ってくる。気まぐれな兄の心遣いに弟は恐縮した様子を見せながら、母親似のまだあどけなさの残る顔を向け、ぎこちなくもしっかりと自身の考えを述べた。
「は、はい、ありがとうございます。ですが私はこれが初めて臨む審議の場ですし、まだ勝手も分かりませんから、まずは皆の意見をよく聞いて余すところなく勉強させてもらってから、その上で発言出来ることがありましたらさせていただこうと思います」
「……うん。そうか」
すぐ上の兄が心配するまでもなかったか。末っ子で兄達のやり取りを幼い頃から見てきたアルフォンソは良くも悪くも要領がいいのだ。
0
お気に入りに追加
252
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。

〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。
藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった……
結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。
ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。
愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。
*設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
*全16話で完結になります。
*番外編、追加しました。

セレナの居場所 ~下賜された側妃~
緑谷めい
恋愛
後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。
明智さんちの旦那さんたちR
明智 颯茄
恋愛
あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。
奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。
ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。
*BL描写あり
毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。

婚約破棄とか言って早々に私の荷物をまとめて実家に送りつけているけど、その中にあなたが明日国王に謁見する時に必要な書類も混じっているのですが
マリー
恋愛
寝食を忘れるほど研究にのめり込む婚約者に惹かれてかいがいしく食事の準備や仕事の手伝いをしていたのに、ある日帰ったら「母親みたいに世話を焼いてくるお前にはうんざりだ!荷物をまとめておいてやったから明日の朝一番で出て行け!」ですって?
まあ、癇癪を起こすのはいいですけれど(よくはない)あなたがまとめてうちの実家に郵送したっていうその荷物の中、送っちゃいけないもの入ってましたよ?
※またも小説の練習で書いてみました。よろしくお願いします。
※すみません、婚約破棄タグを使っていましたが、書いてるうちに内容にそぐわないことに気づいたのでちょっと変えました。果たして婚約破棄するのかしないのか?を楽しんでいただく話になりそうです。正当派の婚約破棄ものにはならないと思います。期待して読んでくださった方申し訳ございません。

愛など初めからありませんが。
ましろ
恋愛
お金で売られるように嫁がされた。
お相手はバツイチ子持ちの伯爵32歳。
「君は子供の面倒だけ見てくれればいい」
「要するに貴方様は幸せ家族の演技をしろと仰るのですよね?ですが、子供達にその様な演技力はありますでしょうか?」
「……何を言っている?」
仕事一筋の鈍感不器用夫に嫁いだミッシェルの未来はいかに?
✻基本ゆるふわ設定。箸休め程度に楽しんでいただけると幸いです。

好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる