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一章:傭兵フラウと聖女様

1.平穏は突然終わりを告げる

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私、フラウ=クラウディアの平穏は一人の女の子によって突然終わりを告げた。

「貴方が、フラウ=クラウディア?」

「えっ!はい、そうですが…」

今日も一日無事に任務を終え仲間達と行きつけの酒場で食事を摂っていると、突然それはそれはもう美しい女の子に話しかけられた。
美しいピンクブロンドの髪、ハニーゴールドのぱっちりとしたまぁるい瞳にぷっくりとした赤い唇。

えっ、こんな美少女知り合いにいたっけ?

私が傭兵として雇われている騎士団の男女比率は八割が男性。残りの二割が女性だ。
圧倒的に女性の数は少ないので、所属している女性騎士の顔は覚えているはずなのだ。だから騎士ではないだろう。
それとも誰かの彼女さんだろうか?

隣で酒を飲んでいる同僚に聞いてみた。

「こちらのお嬢さんはロドニーくんとカイくんの知り合い?」

「いやいやこんな可愛い子知り合いにいないって!!むしろ紹介してくれよ~~!」

「そうだぞ!!フラウ!!いくら俺達に出会いが無いからって!!」

真っ赤な顔で既に出来上がっている同僚の知り合いでもなかったみたいだ。

「申し訳ございません。お嬢さんは私に何用でしょうか?」

「…貴方は自分のしでかした事に気付いていないの??」

「?それってどういう…」

女の子が眉間にシワを寄せ汚物を見るような目で睨んでくる。
待て待て、記憶にないだけで何かやらかした…!?この女の子に嫌われるような事を気付かない内にしてしまったのだろうかと、とりあえず二人で話をしようと思い席を立った。

「とりあえず一回外に出ませんか?此処だとうるさくてお話が…」

すぅーと息を吸い込む女の子。
右手を私に向け、パチンッと指で乾いた音を鳴らした。


「やっと見つけましたわ、大罪人フラウ=クラウディア!貴方を拘束します!!」






……えぇ??






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