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第六章 布教に行きたい
#120 逆襲の太陽竜
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悔しそうに歯を食いしばる琥珀の肩を、俺は優しく叩く。
「よくやった虎衛門。あとは俺に任せろ」
「先輩、お願いします! 大河忍者の仇をとってください!」
それに頷きを返すと共に、俺は宣言する。
「味方のマドールが機能停止したことで、控えのプロミネンス・ドラコは停止交代でバトルに参加できる」
停止交代はバトルフィールドに存在する交代地点のどこからでも好きな場所を選んで、試合に復帰できる。
今、フィールドの北端に奴らのゴールデンマドールがいるが、本来ゴールデンマドールを守るブラックアリスは大河忍者を追うために西側に移動している。
そこでクロリスはクスリと笑った。
『おや。今、私達のキングを守るマドールが誰もいませんね。
しかもプロミネンス・ドラコはどこにでも好きな場所から参戦できる。
ひょっとしてこれはピンチという奴でしょうか?』
言葉とは裏腹に、その顔には余裕の笑みを貼り付けたままだ。
実際には全くピンチでないのは明らかだった。
キングマドールにかかった石化の呪いは未だ健在。
プロミネンス・ドラコがフィールドの北側に降り立ち、キングを攻撃しても倒しきることはできないだろう。
ならば俺が選ぶ交代地点は――
「プロミネンス・ドラコの復帰場所は、ここだ!」
バトルフィールドに存在する数十箇所の交代地点。
そのうち北東にある一つが赤く点滅し、そこにプロミネンス・ドラコが姿を現す。
それを見て、コスモは呟いた。
『バトルフィールド東側三十パーセントは夜のフィールド。ということはヒナの狙いは――』
そう、俺の目的はプロミネンス・ドラコを夜のフィールドで戦わせることだ。
そこで琥珀が声を張り上げる。
「さらにアイテム発動っす! 遺言状!」
『そのアイテムは!』
クロリスが息を呑む。それに対して琥珀は得意げに言葉をぶつけた。
「言ったはずっすよ。このアイテムはウチのチームの切り札だって!
遺言状を持ったマドールが機能停止した時、仲間のマドール一体のパワーゲージを百パーセントに引き上げることができるっす!」
プロミネンス・ドラコの手元に白い封筒が現れる。
封筒の口が開くと、中から眩い光の粒が溢れ出し、赤き竜の体に降り注ぐ。
それによりプロミネンス・ドラコのパワーゲージは一気に上昇し、マックスである百パーセントを示した。
そこでコスモの顔に焦りが浮かぶ。
『まずい。ヤツに切札特性を使わせるな! 月夜の煌めきを撃たせるな!』
「もう遅いぜコスモ! プロミネンス・ドラコの切札特性を発動!」
切札特性、月夜の煌めきは炎属性の通常攻撃だが、夜のフィールドで使うときのみ、いくつもの追加効果が付与される。
「威力倍加、射程延長、絶対追尾、貫通付与、融解付加、そして強化無効」
『強化、無効。ということは』
呆然と吐き出すクロリスの言葉に俺は答える。
「そうだ。月夜の煌めきは敵のステータス強化を無視してダメージ計算を行う。石化の呪いで常識外れに上昇したキングの防御力は無意味となり、究極の炎を生身で受けてもらうぜ!」
プロミネンス・ドラコのいる位置は敵のキングマドールから少し離れているが、強化された月夜の煌めきの射程距離なら十分に届く。
この一撃をぶつければ、難攻不落だった奴らのキングを消し飛ばすことができる。
『そうはさせんわ!』
その時、コスモでもクロリスでもない第三者の声が配信画面から響いた。
同時に、プロミネンス・ドラコの正面の地面に亀裂が入り、大槍が大地を貫いて土を跳ね飛ばす。
そして地中から茶色い体の一角獣と、それに跨る鎧騎士が姿を現した。
『我らがキングの首は渡さぬ! 我が愛馬、グランドランス・ユニコーンが貴様を阻む!』
「よくやった虎衛門。あとは俺に任せろ」
「先輩、お願いします! 大河忍者の仇をとってください!」
それに頷きを返すと共に、俺は宣言する。
「味方のマドールが機能停止したことで、控えのプロミネンス・ドラコは停止交代でバトルに参加できる」
停止交代はバトルフィールドに存在する交代地点のどこからでも好きな場所を選んで、試合に復帰できる。
今、フィールドの北端に奴らのゴールデンマドールがいるが、本来ゴールデンマドールを守るブラックアリスは大河忍者を追うために西側に移動している。
そこでクロリスはクスリと笑った。
『おや。今、私達のキングを守るマドールが誰もいませんね。
しかもプロミネンス・ドラコはどこにでも好きな場所から参戦できる。
ひょっとしてこれはピンチという奴でしょうか?』
言葉とは裏腹に、その顔には余裕の笑みを貼り付けたままだ。
実際には全くピンチでないのは明らかだった。
キングマドールにかかった石化の呪いは未だ健在。
プロミネンス・ドラコがフィールドの北側に降り立ち、キングを攻撃しても倒しきることはできないだろう。
ならば俺が選ぶ交代地点は――
「プロミネンス・ドラコの復帰場所は、ここだ!」
バトルフィールドに存在する数十箇所の交代地点。
そのうち北東にある一つが赤く点滅し、そこにプロミネンス・ドラコが姿を現す。
それを見て、コスモは呟いた。
『バトルフィールド東側三十パーセントは夜のフィールド。ということはヒナの狙いは――』
そう、俺の目的はプロミネンス・ドラコを夜のフィールドで戦わせることだ。
そこで琥珀が声を張り上げる。
「さらにアイテム発動っす! 遺言状!」
『そのアイテムは!』
クロリスが息を呑む。それに対して琥珀は得意げに言葉をぶつけた。
「言ったはずっすよ。このアイテムはウチのチームの切り札だって!
遺言状を持ったマドールが機能停止した時、仲間のマドール一体のパワーゲージを百パーセントに引き上げることができるっす!」
プロミネンス・ドラコの手元に白い封筒が現れる。
封筒の口が開くと、中から眩い光の粒が溢れ出し、赤き竜の体に降り注ぐ。
それによりプロミネンス・ドラコのパワーゲージは一気に上昇し、マックスである百パーセントを示した。
そこでコスモの顔に焦りが浮かぶ。
『まずい。ヤツに切札特性を使わせるな! 月夜の煌めきを撃たせるな!』
「もう遅いぜコスモ! プロミネンス・ドラコの切札特性を発動!」
切札特性、月夜の煌めきは炎属性の通常攻撃だが、夜のフィールドで使うときのみ、いくつもの追加効果が付与される。
「威力倍加、射程延長、絶対追尾、貫通付与、融解付加、そして強化無効」
『強化、無効。ということは』
呆然と吐き出すクロリスの言葉に俺は答える。
「そうだ。月夜の煌めきは敵のステータス強化を無視してダメージ計算を行う。石化の呪いで常識外れに上昇したキングの防御力は無意味となり、究極の炎を生身で受けてもらうぜ!」
プロミネンス・ドラコのいる位置は敵のキングマドールから少し離れているが、強化された月夜の煌めきの射程距離なら十分に届く。
この一撃をぶつければ、難攻不落だった奴らのキングを消し飛ばすことができる。
『そうはさせんわ!』
その時、コスモでもクロリスでもない第三者の声が配信画面から響いた。
同時に、プロミネンス・ドラコの正面の地面に亀裂が入り、大槍が大地を貫いて土を跳ね飛ばす。
そして地中から茶色い体の一角獣と、それに跨る鎧騎士が姿を現した。
『我らがキングの首は渡さぬ! 我が愛馬、グランドランス・ユニコーンが貴様を阻む!』
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