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第六章 布教に行きたい
#87 銀河級の男1
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「それにしてもお前なんなんだよ、あの気色悪いLINE」
客人と共に廊下を歩きながら、俺はそう問いをぶつける。
昨日、夜宵との勉強中にこいつから送られてきたメッセージは、女子のように可愛い子ぶった文面だった。
しかし土倉は紛うことない俺の男友達である。
「ええー、可愛い彼女風のメッセージ頑張ったんだけどなあ。嬉しかったろ日向」
「嬉しくないっての」
そんな会話をしながらリビングの扉の前に到着する。
俺がドアノブに手をかけるより早く、中から扉が開かれた。
出てきた光流は目をぱちくりさせて俺達二人を交互に見る。
良かった。さっき琥珀と揉み合った着衣の乱れは直っている。
俺が何か言うより先に土倉が片手を挙げて挨拶した。
「こんにちはー! キミは日向の妹ちゃん? 初めまして。いつも日向から話は聞いてるよ」
ニカっと眩しい笑みを浮かべる彼に気圧された様子で光が言葉を返す。
「あっ、はいそうです。お兄様のお友達ですか? シスコンなお兄様のことですから普段から私のことを可愛い可愛いって自慢してるんでしょうね」
「そうそう、してるしてる。日向はマジでシスコンだから」
いや、流石にそこまで日頃から光流の話ばかりしてないよ。
土倉も悪ノリすんな。
ツッコミ待ちだったであろう光流が予想外の同意を受けて、驚いたように俺を見つめ、再度土倉に問い返す。
「本当ですか? お兄様は普段からウチの妹が可愛すぎて欲望を抑えきれないとか言っちゃってるんですか?」
「うん言ってる言ってる」
「そんな、お兄様のケ・ダ・モ・ノ」
照れた様子で両頬を抑えながら、恥ずかしそうにこちらを窺う光流。
「お前ら、悪ノリもそこら辺にしとけ。土倉はとりあえず部屋に入っててくれ。俺は茶の準備してくる」
「あっ、私も手伝います」
そんなこんなで、リビングのテーブルに四人分の麦茶を置き、その周囲に俺と光流と琥珀と土倉が腰を下ろす。
初対面の男子に、琥珀も興味深そうに様子を窺っていた。
「えー、初めまして。日向のマブダチの土倉銀河です」
ニカっと朗らかに笑いながら彼はそう挨拶する。
場を明るくする人懐っこい笑顔だ。
俺の目から見ても爽やかな好青年と言う以外ない彼を見て、琥珀と光流は目配せしあう。
「い、イケメンですね」
「そうだな。光流、ひょっとしてあれじゃない? ちょっと訊いてみよう」
なんか二人でヒソヒソと話してるが、まあ聞こえてるぞ。
一体何を訊く気なのかと思っていると、光流が土倉へと向き直り、真剣な顔で問いかけた。
「あの、お二人はお付き合いしてるんですか?」
「本当に何を訊いてるのこの子は!」
うん? と疑問符を浮かべている土倉を尻目に、俺は光流と琥珀の頭を掴んだ。
「キミ達は、お兄ちゃんに何を期待してるのかな?」
「いえいえ、冗談じゃないっすか先輩」
「そうですよ。お兄様が道を踏み外していないか心配する妹心ですって」
「そんな心配はいりません」
さて、気を取り直して自己紹介タイムの再開である。
「火神光流です。お兄様の従兄妹だったのですが、その昔、可愛すぎる私のことをお兄様が誘拐して、今ではこの家に軟禁されています」
「なあ光流ちゃん。キミの妹ジョーク、日々きつくなってない? 初対面の人にはハードルが高いぞ」
「あー、わかるわー。確かに妹ちゃん可愛いもんな。日向がシスコンになるのも納得だわ」
土倉もあらゆる理不尽設定を軽々と受け入れないでくれ。
「次は私の番っすね。白金琥珀っていいます! 先輩の永遠のライバルっす!」
「おお、キミが話に聞く日向の幼馴染ちゃんね。よろしくう!」
と、自己紹介が終わったところで光流が疑問を投げかける。
「土倉さんは今日は何の御用でしょうか?」
「んー、特にこれといった目的とか無いんだよね。日向と遊びたいだけだったし」
「じゃあ折角だからみんなでゲームでもするか」
俺はそう提案する。
「おっ、いいっすね。何で勝負します先輩?」
目を輝かせる琥珀。そして光流と土倉の顔を順に見渡しながら俺は告げる。
「魔法人形やろうぜ。四人対戦のバトルロイヤルモードだ」
そして俺は土倉に視線を向け、親指で妹分二人を指し示す。
「こいつら、魔法人形結構強いんだぜ」
「おおお、そりゃ楽しみだ」
嬉しそうに笑いながら土倉もバッグからStandを取り出す。
「よーっし、今日こそ先輩の首を取るっすよ」
「土倉さん、お手柔らかにお願いします」
光流と琥珀もやる気になり、準備を始める。
そして暫くの間、俺達はゲームに興じるのだった。
客人と共に廊下を歩きながら、俺はそう問いをぶつける。
昨日、夜宵との勉強中にこいつから送られてきたメッセージは、女子のように可愛い子ぶった文面だった。
しかし土倉は紛うことない俺の男友達である。
「ええー、可愛い彼女風のメッセージ頑張ったんだけどなあ。嬉しかったろ日向」
「嬉しくないっての」
そんな会話をしながらリビングの扉の前に到着する。
俺がドアノブに手をかけるより早く、中から扉が開かれた。
出てきた光流は目をぱちくりさせて俺達二人を交互に見る。
良かった。さっき琥珀と揉み合った着衣の乱れは直っている。
俺が何か言うより先に土倉が片手を挙げて挨拶した。
「こんにちはー! キミは日向の妹ちゃん? 初めまして。いつも日向から話は聞いてるよ」
ニカっと眩しい笑みを浮かべる彼に気圧された様子で光が言葉を返す。
「あっ、はいそうです。お兄様のお友達ですか? シスコンなお兄様のことですから普段から私のことを可愛い可愛いって自慢してるんでしょうね」
「そうそう、してるしてる。日向はマジでシスコンだから」
いや、流石にそこまで日頃から光流の話ばかりしてないよ。
土倉も悪ノリすんな。
ツッコミ待ちだったであろう光流が予想外の同意を受けて、驚いたように俺を見つめ、再度土倉に問い返す。
「本当ですか? お兄様は普段からウチの妹が可愛すぎて欲望を抑えきれないとか言っちゃってるんですか?」
「うん言ってる言ってる」
「そんな、お兄様のケ・ダ・モ・ノ」
照れた様子で両頬を抑えながら、恥ずかしそうにこちらを窺う光流。
「お前ら、悪ノリもそこら辺にしとけ。土倉はとりあえず部屋に入っててくれ。俺は茶の準備してくる」
「あっ、私も手伝います」
そんなこんなで、リビングのテーブルに四人分の麦茶を置き、その周囲に俺と光流と琥珀と土倉が腰を下ろす。
初対面の男子に、琥珀も興味深そうに様子を窺っていた。
「えー、初めまして。日向のマブダチの土倉銀河です」
ニカっと朗らかに笑いながら彼はそう挨拶する。
場を明るくする人懐っこい笑顔だ。
俺の目から見ても爽やかな好青年と言う以外ない彼を見て、琥珀と光流は目配せしあう。
「い、イケメンですね」
「そうだな。光流、ひょっとしてあれじゃない? ちょっと訊いてみよう」
なんか二人でヒソヒソと話してるが、まあ聞こえてるぞ。
一体何を訊く気なのかと思っていると、光流が土倉へと向き直り、真剣な顔で問いかけた。
「あの、お二人はお付き合いしてるんですか?」
「本当に何を訊いてるのこの子は!」
うん? と疑問符を浮かべている土倉を尻目に、俺は光流と琥珀の頭を掴んだ。
「キミ達は、お兄ちゃんに何を期待してるのかな?」
「いえいえ、冗談じゃないっすか先輩」
「そうですよ。お兄様が道を踏み外していないか心配する妹心ですって」
「そんな心配はいりません」
さて、気を取り直して自己紹介タイムの再開である。
「火神光流です。お兄様の従兄妹だったのですが、その昔、可愛すぎる私のことをお兄様が誘拐して、今ではこの家に軟禁されています」
「なあ光流ちゃん。キミの妹ジョーク、日々きつくなってない? 初対面の人にはハードルが高いぞ」
「あー、わかるわー。確かに妹ちゃん可愛いもんな。日向がシスコンになるのも納得だわ」
土倉もあらゆる理不尽設定を軽々と受け入れないでくれ。
「次は私の番っすね。白金琥珀っていいます! 先輩の永遠のライバルっす!」
「おお、キミが話に聞く日向の幼馴染ちゃんね。よろしくう!」
と、自己紹介が終わったところで光流が疑問を投げかける。
「土倉さんは今日は何の御用でしょうか?」
「んー、特にこれといった目的とか無いんだよね。日向と遊びたいだけだったし」
「じゃあ折角だからみんなでゲームでもするか」
俺はそう提案する。
「おっ、いいっすね。何で勝負します先輩?」
目を輝かせる琥珀。そして光流と土倉の顔を順に見渡しながら俺は告げる。
「魔法人形やろうぜ。四人対戦のバトルロイヤルモードだ」
そして俺は土倉に視線を向け、親指で妹分二人を指し示す。
「こいつら、魔法人形結構強いんだぜ」
「おおお、そりゃ楽しみだ」
嬉しそうに笑いながら土倉もバッグからStandを取り出す。
「よーっし、今日こそ先輩の首を取るっすよ」
「土倉さん、お手柔らかにお願いします」
光流と琥珀もやる気になり、準備を始める。
そして暫くの間、俺達はゲームに興じるのだった。
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