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第五章 お泊りに行きたい
#78 うちの妹は甘えん坊で可愛い6
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ここ数日の家事を光流に任せていた埋め合わせとして、今日の夕飯は俺が作ると言ってみたが、料理が生き甲斐の光流はいい顔をしなかった。
なら一緒に作りましょう、という彼女の言葉に従い、俺達は二人で料理することになる。
一緒に台所に立ち、光流の指示を受けつつシチューを作るのは楽しかった。久々に有意義な兄妹のコミュニケーションタイムになったのであった。
しかし料理が出来上がったところで、ひとつの事件が起こる。
電車が止まって、父さんと母さんの帰宅が大幅に遅れる、と家族LINEにメッセージが届いたのだ。
家に着くのは深夜になりそうなので、俺達は先に夕食を食べて寝てなさい、とのことだった。
「マジかー。残念だな」
「お母様たちにも、できたてのシチューを食べて欲しかったんですけどねー」
家族で食卓を囲めなかったことを残念に思いながら俺と光流は二人で夕食を摂る。
昨夜の残りの目玉焼きハンバーグも一緒に美味しく頂かせてもらった。
そして食事が終わる頃、光流へお土産を買っていたことを思い出した。
「そうだ光流、お前にお土産買ってきたんだ」
「えっ?」
そう告げると、彼女は目を点にした。
「夜宵さんの家に行ったお土産? 夜宵さんのおパンツをこっそり盗んできたとかでしょうか?」
「そういうのじゃないから。お兄ちゃんを勝手に犯罪者にしないように」
「おパンツじゃないということは、ブラでしょうか?」
「下着泥棒から離れなさい」
お土産という言葉から連想されるのがそれって、お兄ちゃん悲しくなりますよ。
「夜宵の家とは一切関係なくて申し訳ないけど、ただの入浴剤だよ」
そう告げると、俺は一度部屋に戻りボトルタイプの入浴剤を持ってきてテーブルに置く。
「これは!」
「お気に召してもらえましたか。お姫様?」
泡風呂にできるという入浴剤を買ってきたが、果たして光流の眼鏡に適うだろうか?
彼女はわなわなと震えながら、入浴剤を手に取る。
「これは、ひょっとして今夜は一緒にお風呂に入ろうというメッセージですか?」
「えっ、いやいやそういう深い意味とか込めてないから」
そう否定するも、光流はじとっとした視線をこちらに向けてきた。
「夜宵さんとは一緒にお風呂に入っていたのに、私とは入れないんですか?」
ギクリとした。
「な、なんでそれを」
なぜ光流がそのことを知っているのか。
しかしそれは考えるまでもない、夜宵本人から聞いた以外の情報源などあるまい。
夜宵は俺と一緒に風呂に入ることをとても恥ずかしがっていた。
だからそのことを他人に言うなんて思っていなかった。
しかし俺は女子の情報網を甘くて見ていたらしい。
光流はクスリと悪戯っぽく笑う。
「昨日はお兄様と何をして遊んだんですかーって、LINEで聞いてみたんです。そしたら水着を買いに行ったって。ならプールにでも行ったんですか? って私が聞いたら、言いづらそうにしながらその後のことを話してくれました」
そうか、あの日の話題を振られたら芋づる式にそこに辿り着くのか。
そこで光流は深々と溜息を吐く。
「話は聞かせてもらいました。気の弱い夜宵さんに付け込んで、一緒にお風呂に入るよう強引に迫ったなんて。お兄様、私は悲しいです」
ぐっ、まずい。光流に失望されてしまった。
だが全て事実なので、弁明の余地はない。
「お兄様も年頃の男の子ですから、可愛い女の子と一緒に風呂に入りたいというのはわかります。でもそれで夜宵さんに迷惑をかけるなんて、私は許せません。
そんなに女の子と混浴したいなら身近に私がいるじゃないですか!」
拳を握りしめ、力強くそう宣言した。
えっ? なんか予想外の話の流れになってきたぞ。
「というわけで、今夜は私と一緒にお風呂に入りましょう」
ニッコリと微笑みながら、彼女はそう言い聞かせた。
断れる場面じゃないよな、これは。
父さんも母さんも今日は帰りが遅いから、家には俺たち二人っきり。
奇しくも夜宵の家に行った時と同じシチュエーションが出来上がっているわけだ。
「わかったよ。じゃあ水着用意してくるから」
「そんなものは要りませんよ」
俺の言葉を間髪入れず光流が遮った。
「夜宵さんとは水着を着て入浴したらしいですが、私達は家族ですからそんなものは必要ありません。
さっ、お兄様。余計な布切れは全て脱ぎ捨てて、私と裸のお付き合いをしましょう」
有無を言わさぬ笑みで、光流は俺の背中を押してくる。
「えっ、ちょっと、待って」
何故、どうしてこうなった?
戸惑いながらも、俺は光流の圧力には逆らえないのであった。
なら一緒に作りましょう、という彼女の言葉に従い、俺達は二人で料理することになる。
一緒に台所に立ち、光流の指示を受けつつシチューを作るのは楽しかった。久々に有意義な兄妹のコミュニケーションタイムになったのであった。
しかし料理が出来上がったところで、ひとつの事件が起こる。
電車が止まって、父さんと母さんの帰宅が大幅に遅れる、と家族LINEにメッセージが届いたのだ。
家に着くのは深夜になりそうなので、俺達は先に夕食を食べて寝てなさい、とのことだった。
「マジかー。残念だな」
「お母様たちにも、できたてのシチューを食べて欲しかったんですけどねー」
家族で食卓を囲めなかったことを残念に思いながら俺と光流は二人で夕食を摂る。
昨夜の残りの目玉焼きハンバーグも一緒に美味しく頂かせてもらった。
そして食事が終わる頃、光流へお土産を買っていたことを思い出した。
「そうだ光流、お前にお土産買ってきたんだ」
「えっ?」
そう告げると、彼女は目を点にした。
「夜宵さんの家に行ったお土産? 夜宵さんのおパンツをこっそり盗んできたとかでしょうか?」
「そういうのじゃないから。お兄ちゃんを勝手に犯罪者にしないように」
「おパンツじゃないということは、ブラでしょうか?」
「下着泥棒から離れなさい」
お土産という言葉から連想されるのがそれって、お兄ちゃん悲しくなりますよ。
「夜宵の家とは一切関係なくて申し訳ないけど、ただの入浴剤だよ」
そう告げると、俺は一度部屋に戻りボトルタイプの入浴剤を持ってきてテーブルに置く。
「これは!」
「お気に召してもらえましたか。お姫様?」
泡風呂にできるという入浴剤を買ってきたが、果たして光流の眼鏡に適うだろうか?
彼女はわなわなと震えながら、入浴剤を手に取る。
「これは、ひょっとして今夜は一緒にお風呂に入ろうというメッセージですか?」
「えっ、いやいやそういう深い意味とか込めてないから」
そう否定するも、光流はじとっとした視線をこちらに向けてきた。
「夜宵さんとは一緒にお風呂に入っていたのに、私とは入れないんですか?」
ギクリとした。
「な、なんでそれを」
なぜ光流がそのことを知っているのか。
しかしそれは考えるまでもない、夜宵本人から聞いた以外の情報源などあるまい。
夜宵は俺と一緒に風呂に入ることをとても恥ずかしがっていた。
だからそのことを他人に言うなんて思っていなかった。
しかし俺は女子の情報網を甘くて見ていたらしい。
光流はクスリと悪戯っぽく笑う。
「昨日はお兄様と何をして遊んだんですかーって、LINEで聞いてみたんです。そしたら水着を買いに行ったって。ならプールにでも行ったんですか? って私が聞いたら、言いづらそうにしながらその後のことを話してくれました」
そうか、あの日の話題を振られたら芋づる式にそこに辿り着くのか。
そこで光流は深々と溜息を吐く。
「話は聞かせてもらいました。気の弱い夜宵さんに付け込んで、一緒にお風呂に入るよう強引に迫ったなんて。お兄様、私は悲しいです」
ぐっ、まずい。光流に失望されてしまった。
だが全て事実なので、弁明の余地はない。
「お兄様も年頃の男の子ですから、可愛い女の子と一緒に風呂に入りたいというのはわかります。でもそれで夜宵さんに迷惑をかけるなんて、私は許せません。
そんなに女の子と混浴したいなら身近に私がいるじゃないですか!」
拳を握りしめ、力強くそう宣言した。
えっ? なんか予想外の話の流れになってきたぞ。
「というわけで、今夜は私と一緒にお風呂に入りましょう」
ニッコリと微笑みながら、彼女はそう言い聞かせた。
断れる場面じゃないよな、これは。
父さんも母さんも今日は帰りが遅いから、家には俺たち二人っきり。
奇しくも夜宵の家に行った時と同じシチュエーションが出来上がっているわけだ。
「わかったよ。じゃあ水着用意してくるから」
「そんなものは要りませんよ」
俺の言葉を間髪入れず光流が遮った。
「夜宵さんとは水着を着て入浴したらしいですが、私達は家族ですからそんなものは必要ありません。
さっ、お兄様。余計な布切れは全て脱ぎ捨てて、私と裸のお付き合いをしましょう」
有無を言わさぬ笑みで、光流は俺の背中を押してくる。
「えっ、ちょっと、待って」
何故、どうしてこうなった?
戸惑いながらも、俺は光流の圧力には逆らえないのであった。
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