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第五章 お泊りに行きたい
#76 うちの妹は甘えん坊で可愛い4
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夏の日差しがアスファルトの地面に降り注ぐ。
歩いているだけで汗が滲む熱気の中、俺は自宅である一軒家に辿り着いた。
玄関の鍵を開け、中に足を踏み入れる。
「ただいまー、帰ったぞ光流」
声を張り上げてみるも返事がない。
両親は仕事に出ているだろうが、光流は家に居ると思っていたが。
玄関の靴を見てみるも、光流は何種類かの靴を持っているので出かけているかどうかの判断はつかなかった。
「光流ー、いないのか?」
家の奥へと呼びかけながら、荷物を置くために俺は自室を目指す。
自分の部屋の前に立ち、そのまま扉を開ける。
一歩室内に足を踏み入れると、気温が変わったのを肌で感じた。
あれ? 冷房つけてるのか?
不思議に思って室内を見渡すと、俺の視線はある一点に釘付けになった。
「な、なんだあれ?」
自分がいつも寝ているベッド、その上にある掛布団がこんもりと膨らんでいた。
まるで誰かが布団に潜り込んでるように。
「どちら様ですかー」
その正体を確かめる為、若干ビビりながらも布団を捲り上げた。
そしてその下から現れた人物を見て、俺の思考はフリーズする。
緩くウェーブのかかった亜麻色のロングヘア―、その頭につけられた可愛らしいリボンカチューシャ。
長年一緒に暮らしていた愛しい妹の寝顔がそこにあった。
なんで光流が俺のベッドに? しかも彼女が着てるぶかぶかのワイシャツはひょっとしなくても俺のものでは?
えっ、どういう状況?
俺が混乱していると、うーん、と光流が顔をしかめゆっくりを瞼を開く。
「あれ、お兄様?」
「お、おう、お兄ちゃんだぞ」
彼女の寝ぼけ眼が俺を捉えたと思うと、すぐにその瞼は再度閉じられる。
「夜宵さんの家にお泊りしてニャンニャンしてる筈のお兄様がウチに居るなんて、これは夢ですねえ」
ふにゃふにゃっとした感じで一人呟き、彼女は再び眠りに落ちようとする。
「夢じゃないよ。光流に会いたくてお兄ちゃん帰ってきたのよ」
ぺしぺしと彼女の柔らかいほっぺを軽く叩いて起こそうとする。
むにゃむにゃと眠そうにしていた彼女だったが、かっと目を見開き、すぐさま飛び起きた。
「お、お兄様! 本物ですか!? 私の心が生み出した幻覚ではなく?」
「本物のお兄ちゃんですよ。今日帰るってLINEしたでしょ」
「け、携帯、今日は見てませんでした」
「どうりで既読つかないと思った」
光流は狼狽しながらも、なんとか平静を装いベッドから飛び降りる。
「では、私はこれで失礼します。お兄様はお疲れでしょうからごゆっくり休んでください」
「待ちなさい」
出口へ向かおうとする彼女の背中に俺は声をかける。
「キミが着ているそれはひょっとして俺のワイシャツじゃないかね?」
俺のベッドで寝てたことも気になるが、まずはシャツの一件から問いただすことにする。
光流はこちらに振り向くと狼狽えながら弁明した。
「こ、これは違います! 誤解しないでください。お兄様の大きなシャツを着ると彼シャツみたいだなーとか思ってないですから!
このシャツを着て、お兄様の匂いが残ったベッドに飛び込めばなんだか事後みたいな雰囲気で、エッチな気分になるなー、なんてこれっぽっちも考えてませんから」
顔を真っ赤にしながら必死に言い繕う光流。めっちゃ早口だ。
だがその台詞は自爆にしか聞こえない。
「そうか、うんわかった。光流もお年頃だもんな、詮索しちゃいけないことの一つや二つあるもんな」
「ですから、誤解しないでください」
ひとまずこの件については、これ以上突っ込まないことにしよう。うん。
歩いているだけで汗が滲む熱気の中、俺は自宅である一軒家に辿り着いた。
玄関の鍵を開け、中に足を踏み入れる。
「ただいまー、帰ったぞ光流」
声を張り上げてみるも返事がない。
両親は仕事に出ているだろうが、光流は家に居ると思っていたが。
玄関の靴を見てみるも、光流は何種類かの靴を持っているので出かけているかどうかの判断はつかなかった。
「光流ー、いないのか?」
家の奥へと呼びかけながら、荷物を置くために俺は自室を目指す。
自分の部屋の前に立ち、そのまま扉を開ける。
一歩室内に足を踏み入れると、気温が変わったのを肌で感じた。
あれ? 冷房つけてるのか?
不思議に思って室内を見渡すと、俺の視線はある一点に釘付けになった。
「な、なんだあれ?」
自分がいつも寝ているベッド、その上にある掛布団がこんもりと膨らんでいた。
まるで誰かが布団に潜り込んでるように。
「どちら様ですかー」
その正体を確かめる為、若干ビビりながらも布団を捲り上げた。
そしてその下から現れた人物を見て、俺の思考はフリーズする。
緩くウェーブのかかった亜麻色のロングヘア―、その頭につけられた可愛らしいリボンカチューシャ。
長年一緒に暮らしていた愛しい妹の寝顔がそこにあった。
なんで光流が俺のベッドに? しかも彼女が着てるぶかぶかのワイシャツはひょっとしなくても俺のものでは?
えっ、どういう状況?
俺が混乱していると、うーん、と光流が顔をしかめゆっくりを瞼を開く。
「あれ、お兄様?」
「お、おう、お兄ちゃんだぞ」
彼女の寝ぼけ眼が俺を捉えたと思うと、すぐにその瞼は再度閉じられる。
「夜宵さんの家にお泊りしてニャンニャンしてる筈のお兄様がウチに居るなんて、これは夢ですねえ」
ふにゃふにゃっとした感じで一人呟き、彼女は再び眠りに落ちようとする。
「夢じゃないよ。光流に会いたくてお兄ちゃん帰ってきたのよ」
ぺしぺしと彼女の柔らかいほっぺを軽く叩いて起こそうとする。
むにゃむにゃと眠そうにしていた彼女だったが、かっと目を見開き、すぐさま飛び起きた。
「お、お兄様! 本物ですか!? 私の心が生み出した幻覚ではなく?」
「本物のお兄ちゃんですよ。今日帰るってLINEしたでしょ」
「け、携帯、今日は見てませんでした」
「どうりで既読つかないと思った」
光流は狼狽しながらも、なんとか平静を装いベッドから飛び降りる。
「では、私はこれで失礼します。お兄様はお疲れでしょうからごゆっくり休んでください」
「待ちなさい」
出口へ向かおうとする彼女の背中に俺は声をかける。
「キミが着ているそれはひょっとして俺のワイシャツじゃないかね?」
俺のベッドで寝てたことも気になるが、まずはシャツの一件から問いただすことにする。
光流はこちらに振り向くと狼狽えながら弁明した。
「こ、これは違います! 誤解しないでください。お兄様の大きなシャツを着ると彼シャツみたいだなーとか思ってないですから!
このシャツを着て、お兄様の匂いが残ったベッドに飛び込めばなんだか事後みたいな雰囲気で、エッチな気分になるなー、なんてこれっぽっちも考えてませんから」
顔を真っ赤にしながら必死に言い繕う光流。めっちゃ早口だ。
だがその台詞は自爆にしか聞こえない。
「そうか、うんわかった。光流もお年頃だもんな、詮索しちゃいけないことの一つや二つあるもんな」
「ですから、誤解しないでください」
ひとまずこの件については、これ以上突っ込まないことにしよう。うん。
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