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第四章 学校に行きたい
#52 太陽の下で
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そして放課後。
まだまだ明るい通学路を夜宵と二人で下校する。
「ほんっとうにごめん」
「いや、ヒナが悪いわけじゃないし。むしろ私を守ろうとしてくれたわけで」
未だ制服の上にジャージを着た夜宵が、そうフォローしてくれる。
そうだな。この話題を引きずるのはここまでにしよう。
プラスに考えれば、夜宵が一日俺のジャージを着ていたおかげで他の男子を牽制できたのだ。素晴らしい戦果と言える。
「それでどうだったよ夜宵。久しぶりの学校は」
そう問うと、夜宵は得意げに胸を張った。
「もちろん、授業全然わかんなかった!」
「でしょうね! ていうかキミ、授業中居眠りしてなかった?」
「まあいつもなら寝てる時間だし」
「キミの昼夜逆転生活は根深いねー」
これはまだまだ慣れるまで先が長そうだ。
そんなことを話していると、夜宵の家が近づいて来た。
「じゃあね、ヒナ」
別れの挨拶と共に家に入ろうとする夜宵。
「いや、キミいつまで俺のジャージ着てるの?」
「えっ、卒業まで」
「想像以上に長かった!」
もう家についたんだから返すタイミングかと思ったが、違ったようだ。
すると夜宵は目を潤ませて、ブカブカのジャージの袖を握り締めた。
「ヒナ、私、ヒナのジャージずっと着てちゃ駄目かな?」
そ、そんなに不安げな顔で言われたらもう、断れるわけないだろ!
「いいとも! 永遠に着てていいぞ!」
そう答えると、夜宵はおかしそうに吹き出した。
「あっははは、ヒナはもー」
えっ、えっ、俺そんなに笑われるようなこと言った?
「ヒナって本当に純粋だよね。泣き落としとかに弱そう。その内悪い女に騙されないか心配だよ」
俺、そんな風に思われてたの?
「やっぱりヒナは私が守らなきゃ駄目だね。ヒナはカッコいいし、悪い女が寄ってきてリア充にされるのを防がないと」
「いや、そんなことないぞ。夜宵の方が可愛いし、俺の方こそ周りの男子共から夜宵を守らないといけない」
そう返すと、夜宵は楽しそうに笑った。
「えー、ヒナの方がずっとずっとカッコいいもん。心配だなーホント」
「いやいや、夜宵の方がずっとずっとずううううっと可愛いから。マジで」
「違うもーん、ヒナの方がずっとずっとずっとずっとカッコいいもん」
「いーや、夜宵の方がずっとずっとずっとずっとずうううううっと可愛いからな」
真夏の太陽の下で俺達は笑う。
吸血鬼の少女は、ようやく俺と一緒の時間を歩き始めた。
まだまだ明るい通学路を夜宵と二人で下校する。
「ほんっとうにごめん」
「いや、ヒナが悪いわけじゃないし。むしろ私を守ろうとしてくれたわけで」
未だ制服の上にジャージを着た夜宵が、そうフォローしてくれる。
そうだな。この話題を引きずるのはここまでにしよう。
プラスに考えれば、夜宵が一日俺のジャージを着ていたおかげで他の男子を牽制できたのだ。素晴らしい戦果と言える。
「それでどうだったよ夜宵。久しぶりの学校は」
そう問うと、夜宵は得意げに胸を張った。
「もちろん、授業全然わかんなかった!」
「でしょうね! ていうかキミ、授業中居眠りしてなかった?」
「まあいつもなら寝てる時間だし」
「キミの昼夜逆転生活は根深いねー」
これはまだまだ慣れるまで先が長そうだ。
そんなことを話していると、夜宵の家が近づいて来た。
「じゃあね、ヒナ」
別れの挨拶と共に家に入ろうとする夜宵。
「いや、キミいつまで俺のジャージ着てるの?」
「えっ、卒業まで」
「想像以上に長かった!」
もう家についたんだから返すタイミングかと思ったが、違ったようだ。
すると夜宵は目を潤ませて、ブカブカのジャージの袖を握り締めた。
「ヒナ、私、ヒナのジャージずっと着てちゃ駄目かな?」
そ、そんなに不安げな顔で言われたらもう、断れるわけないだろ!
「いいとも! 永遠に着てていいぞ!」
そう答えると、夜宵はおかしそうに吹き出した。
「あっははは、ヒナはもー」
えっ、えっ、俺そんなに笑われるようなこと言った?
「ヒナって本当に純粋だよね。泣き落としとかに弱そう。その内悪い女に騙されないか心配だよ」
俺、そんな風に思われてたの?
「やっぱりヒナは私が守らなきゃ駄目だね。ヒナはカッコいいし、悪い女が寄ってきてリア充にされるのを防がないと」
「いや、そんなことないぞ。夜宵の方が可愛いし、俺の方こそ周りの男子共から夜宵を守らないといけない」
そう返すと、夜宵は楽しそうに笑った。
「えー、ヒナの方がずっとずっとカッコいいもん。心配だなーホント」
「いやいや、夜宵の方がずっとずっとずううううっと可愛いから。マジで」
「違うもーん、ヒナの方がずっとずっとずっとずっとカッコいいもん」
「いーや、夜宵の方がずっとずっとずっとずっとずうううううっと可愛いからな」
真夏の太陽の下で俺達は笑う。
吸血鬼の少女は、ようやく俺と一緒の時間を歩き始めた。
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