ネットで出会った最強ゲーマーは人見知りなコミュ障で俺だけに懐いてくる美少女でした

黒足袋

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第四章 学校に行きたい

#42 六月三十日1

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私は、家族みんなでご飯を食べ始めると早速聞いた。
「今日、お祭りがあるんでしょ? どんなお祭りなの?」
横では、エレナとエレンが気まずそうにしている。
【あ~、主よ。 それ、本当に聞くのか?】
「うん、もちろん❗」
私がはっきりと頷くと、お父様が教えてくれた。
「今日のお祭りはな、昔、いたずらをしていたドラゴンを森の奥深くに追いやった記念の祭りだ。 そして、その勇者様が猫の服を着ていたことから子供にこのような服を着せるんだ」
私はそこまで聞き終わると、ふと首をかしげた。
「なら、なんで2人はきま… そうか、そういうことか」
私は、1人納得をするとエレナとエレンの顔を見た。
エレンは縦に頷くと、遠くを眺めて語りだした。
【あれは、この国が出来て100年ほどがたった頃だった…】



   ***

ハルノヒ王国が出来てから100年がたった頃、エレナとエレンは自分達の住む森から街を覗き見ていた。
【ねぇお兄ちゃん、あの人達が飲んでいるものはなんだろうね】
エレナは、人間たちが飲んでいるものを指さして言う。
【そうだな、あの様子から推測する限り、アールの実の果汁を集めたものでも飲んでいるのであろう】
アールの実、それは日本でいうお酒が木の実になったようなもので、食べると酔う木の実のことだ。
赤い木の実で、アルコールが多く含まれており、アルコールに強いエレナとエレンすらもほろ酔いにさせる木の実だ。
【ちょっと飲んでみたいかも】
エレナの一言により、二人は人の姿になって街のなかに出ていった。

お酒を飲み始めて暫くたった頃、アールの実をつまみに食べていたこともあり二人は酔っていた。
そして、ついにやってしまったのである。
しかも、エレナがだ。
気分がよくなってほんの少しだけお店の中で暴れてしまったのだ。
だが、ドラゴンでいうほんの少しだと人間でいうかなりになる。
そこへ運悪くたちよった猫の着ぐるみ姿の勇者は、お店の人に頼まれてエレナをとめるように言われたのだ。
「ちょっとそこの人、落ち着きなさい」
そんなことでとまるはずもなく、エレナは勇者に絡み始めた。
【そこの君~、飲み足りないんじゃないの~?】
「あ~、そういうの良いんで、ちょっと外に出ましょうか」
勇者は、塩対応で返すと、ぐいぐいとエレナの背中を押して外に出した。
一方エレンの方はというと、まだのんきに飲んでいた。
だが、さすがにヤバイと思い始めた頃で勇者が来たので、エレナは勇者に任せることにしてお会計を済ませていた。
このお金は、遠い昔に街へ出るとき用としてサーヤ様がくれたものだ。
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