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幼少期編
番外mission テレパシーを会得せよ!
しおりを挟む『ぷぷーん! 大発表ぷん』
攻略3日目の朝、太郎が本に夢中になっている間。カッスがやたらと嬉しそうに飛び回りながらはしゃいでいた。はたいておこう。
『ぐぇっ! 何するぷん!』
「ごめんごめん、虫かと思って」
『むきー! 我のどこが虫に見えるぷん!』
閑話休題。太郎が本を読んでいる間は暇なことだし、大発表とやらを聞いてやるか。
『実は、昨日神様に呼び出されたぷん』
割と重要な情報じゃないか。
「もしかして、もう俺が帰れるとかか?」
『そんなわけないぷん』
何言ってんだコイツ的な顔で言われた。カッスのくせに。
『そんなわけないぷん』
「二度も言わんでいいから話を進めろ」
カッスの話によれば、一応定期報告をしているようで、神様はそれに応じて対策等をしてくれるらしかった。意外とちゃんと仕事してるんだな。
「で。何か対策でも講じてくれるってか?」
『ぷん。お困りのことはありませんかって聞かれたからお答えしといたぷん』
困っていることは山ほどあるが、一番はバグだろうか。何かある度にあんな触手に追い回されちゃかなわん。
『他の人がいると、お前が我と喋りづらいみたいだったから、円滑にお前と会話できるようにお願いしたぷん』
「それは別に困ってねぇよ」
傷ついた顔をされた。そんな顔されても。
『我と会話したくないぷん……?』
「分かった分かった。超したかったこれでいつでもどこでもできるなわーいわーい」
多少棒読みになってしまったが、カッスの満足げな様子を見るとこの対応で間違いはなかったようだ。精一杯演技をして良かった。やれやれ。
『ちなみにこんな感じぷん』
「うわっ!? うるせっ!」
脳に直接響いた。テレパシー的なやつだとしてももうちょっとなんとかならんのか。
「ほーちゃん、どうしたの?」
太郎にすら不審に思われてしまった。
「ごめんごめん、急にでかい耳鳴りがして。びっくりさせたな」
「なーんだ。おならの音そんなに大きかったっけって心配しちゃったよ」
「ああ、悪い悪い……ん? おなら?」
辺りが臭いのはお前のせいか。よかったよかったじゃねえよ。生理現象だから仕方がないにせよ、せめてもう少し申し訳なさそうにしろ。
『お前も心の中で我に話しかけてみるぷん!』
面倒くさいな。とりあえず適当に話しかけるか。
『カッスのバーカ』
『むきー! なんでいきなり馬鹿にするぷん!』
確かにきちんと会話できるようにはなっていた。
が。
『俺の声はともかく、お前の声は元々他の奴らには聞こえないんだから今まで通りでいいんじゃないか?』
『あ』
カッスの声を脳内に響かせる必要は全くなかった。神様もザルな仕事するな。
『ま、まあ。こういうのは気分が大事ぷん!』
何も考えていなかったんだろうな。まあ、カッスだし仕方ない。
さて、今日は。
アイツに会いに行くとするか。
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