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僕の幼馴染は余命1年ー②
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「みお‥‥‥」
「だいき、だいき、だいきっ!」
美緒は僕にそっとキスをしてすぐに抱き付いてきた。
僕の名前を何回も呼ぶ様は、何かにとりつかれているかのようで、僕は必死に美緒の力を入れたら折れてしまいそうな体を包んだ。
「死にたく、ないよぉっ‥‥‥!」
ぼくの胸が美緒の涙で濡れていくの分かる。
そうだよ、ぼくは何でそんな簡単な事に気が付かなかったんだ。美緒は気丈に振舞っていたけど、本当は泣け叫びたかったんだ。
「美緒」
僕は美緒の気持ちが治まってくるまで彼女の体を強く抱きしめていた。彼女はまだすすり泣きをやめていないが、ぼくは彼女の名前を呼んだ。
「大丈夫、大丈夫だから」
彼女の手触りのいいサラサラとした髪を感じながら、僕は頭を優しくなでる。
全く根拠のない言葉だって分かってる。でも、美緒の痛ましい姿を見ているとどうしても言わざるを得なかった。
そしてそれを皮切りに、彼女はまるで生まれたての赤子のように、大きな声で泣き叫び始めた。
◇
あの日から、僕と美緒は付き合い始めた。
「だいきっ!あのメリーゴーランド乗ろ!」
「うん。そうだね」
たった1年の短い付き合いだって分かってるけど、僕は美緒のことを心から愛している。
なによりも、僕は彼女の笑顔が好きだった。彼女の屈託のない笑顔見ていると、なんでこんな暖かい気持ちになるんだろう。心がふわっとして、思わず僕も笑顔になってしまう。
美緒の笑顔は――幸せの魔法だ。
「けっ、ラブラブな所見せつけやがってよぉ」
「もうっ、そういうこと言わないの翔」
「そもそもなんで俺がこの場に居るんだ?」
「翔も一緒に遊びたさそうだったから、かな」
「そ、そんなことねーし」
僕たち幼馴染3人は今テーマパークに来ている。
元々は僕と美緒の二人きりデートの予定だったのだが、僕はある計画のため、美緒に無理を言って翔も同伴させてもらった。
「それにしも驚いたぜ、美緒とだいきが付き合うなんてよ」
翔は憎たらしそうに言うが、その表情は慈愛に満ち溢れているかのように思える。
「私が言った時、物凄く驚いてたもんね。あの時は笑っちゃった」
「そりゃ驚くだろ‥‥‥」
――えぇ!?!?嘘だろっ!?
「確かに、あれは面白かったね」
僕は当時の翔を思い出し、思わず吹き出してしまった。
「はいはい俺はどうせお前らの当て馬ですー」
「もうー拗ねないの翔」
「ははっ」
ああ、この日常が、永遠に続けばいいのに。
無理な事だって分かり切っているのに、どうしようもくそう思ってしまう。
僕は自分が決断した道だというのに、溢れ出そうな思いと今にも崩れ落ちそうな足に鞭を打ち、笑った――
◇
「本当にお主はそれでよいのか‥‥‥?」
「はい」
「この先、後悔するやもしれぬぞ?」
「後悔は、とっくに捨てました」
「ほぉ‥‥‥」
僕は今、古びれた神社に居る。
「【命分け】は本来リスクが高いものじゃ。お主の”命”を他者に分け与えるのじゃかからの」
「だい、じょうぶです」
僕はもう、決めたんだ。美緒の為だったら命なんて惜しくない。
たとえ美緒が僕のことを忘れたとしても――
「ふむ、そうか。お主に覚悟あるならば、妾は何も言わん」
◆
僕がこの神社に初めて来たのは、確か10歳の時だ。お父さんと一緒に山登りをした時、偶々この古びれた神社を見つけた。
その風貌は神社にしては小さく、遠目から見たら廃墟にしか見えない酷い惨状で、長年誰も手入れしていないのがすぐにわかった。そして、僕は思わず神棚にあった一つの石に目を奪われてしまった。その石は暗闇の中で赤黒く光っていた。
だから僕はそのとき、お父さんにこの神社を綺麗にしようと提案したのだ。お父さんは最初は嫌がっていたが、僕の必死に訴えかける姿に感銘を受けたのか一緒に神社の掃除をしてくれた。何故か僕はその時、”綺麗にしなければいけない”と本能的に思ってしまったのだ。
月日は経ち、美緒に衝撃の事実を打ち明けられた次の日。僕は失意の中外に足を運んだ。
そして気付いたら――ここにいた。
でも今思えば、この神様が僕を呼んだのだろう。何かしらの力を使役して僕を呼び寄せたのだと思う。自分でも意味の分からないことを言っている自覚はある。だけどあんなの見せられたら信じるしかなかった。
2度目の神社はやはり古びれており、あれから数年誰も手入れしていないのが分かった。僕もたった1度だけの掃除だったので、とやかくは言えないが。
なんて、何故ここに来たのかすら疑問に思わなかった僕は、いきなり目の前に現れた女の子に呆気を取られてしまった。
「久しぶりじゃのぉ人間の子よ」
「っ!」
「ほっほ、妾と同じくらいの背じゃったのに、今では私の2倍近くありゃせんか」
「え、えっと‥‥‥」
「うむ?お主もしや妾を覚えておらぬのかぇ?」
「‥‥‥はい」
なんなんだこの女の子は‥‥‥?いきなり目の前に現れたし、妖怪の類か?
いつものだいきならば、この不可思議な現象にパニックしていただろう。だが今のだいきは心がすり減り、よっぽどの事でなければ感情の起伏が起こらない、いわばロボットのような状態になっていた。
「‥‥‥ふむ、お主そのままでは危険じゃのぉ」
「なにが――」
「すまんがお主の心を覗かせて貰った。お主‥‥‥何があった?」
「‥‥‥」
僕は、目の前の超常の存在になぜか恐怖せず、自分の口はまるで別人格を持っているかのようにスラスラと言葉を吐き出した。
「ふむ、そうか。大変じゃったのぉ」
妖怪は小さい体を精一杯伸ばしている。
うん?何がしたいのだろう?
「これ、妾がナデナデしてやろうというのに、もっと近うよれ」
「あ、はい」
あ、背が足りなかったんだ。
なでなでなでなで‥‥‥
「どうじゃった。気持ちよかろう」
「まぁ、そこそこ」
「む、失礼なやつじゃ。妾の特大サービスじゃというのに」
妖怪はブツブツと小言を言っていた。
「要するにお主はその娘を助けたいわけじゃな」
「はい」
「手段は無いわけじゃないがのぉ」
「本当ですか!?」
「が、がっつき過ぎじゃ!」
「す、すみません」
思わず食いついてしまっただいき。
「確かにあるんじゃが‥‥‥」
「どうしたんです?」
「その方法はお主に大きな代償が降り注ぐんじゃ」
「そのくらい覚悟の上です!」
「話は最後まで聞かんか」
妖怪はスッと息を軽く吸い、こう言った。
「お主は命を捨てる覚悟があるかぇ?」
「だいき、だいき、だいきっ!」
美緒は僕にそっとキスをしてすぐに抱き付いてきた。
僕の名前を何回も呼ぶ様は、何かにとりつかれているかのようで、僕は必死に美緒の力を入れたら折れてしまいそうな体を包んだ。
「死にたく、ないよぉっ‥‥‥!」
ぼくの胸が美緒の涙で濡れていくの分かる。
そうだよ、ぼくは何でそんな簡単な事に気が付かなかったんだ。美緒は気丈に振舞っていたけど、本当は泣け叫びたかったんだ。
「美緒」
僕は美緒の気持ちが治まってくるまで彼女の体を強く抱きしめていた。彼女はまだすすり泣きをやめていないが、ぼくは彼女の名前を呼んだ。
「大丈夫、大丈夫だから」
彼女の手触りのいいサラサラとした髪を感じながら、僕は頭を優しくなでる。
全く根拠のない言葉だって分かってる。でも、美緒の痛ましい姿を見ているとどうしても言わざるを得なかった。
そしてそれを皮切りに、彼女はまるで生まれたての赤子のように、大きな声で泣き叫び始めた。
◇
あの日から、僕と美緒は付き合い始めた。
「だいきっ!あのメリーゴーランド乗ろ!」
「うん。そうだね」
たった1年の短い付き合いだって分かってるけど、僕は美緒のことを心から愛している。
なによりも、僕は彼女の笑顔が好きだった。彼女の屈託のない笑顔見ていると、なんでこんな暖かい気持ちになるんだろう。心がふわっとして、思わず僕も笑顔になってしまう。
美緒の笑顔は――幸せの魔法だ。
「けっ、ラブラブな所見せつけやがってよぉ」
「もうっ、そういうこと言わないの翔」
「そもそもなんで俺がこの場に居るんだ?」
「翔も一緒に遊びたさそうだったから、かな」
「そ、そんなことねーし」
僕たち幼馴染3人は今テーマパークに来ている。
元々は僕と美緒の二人きりデートの予定だったのだが、僕はある計画のため、美緒に無理を言って翔も同伴させてもらった。
「それにしも驚いたぜ、美緒とだいきが付き合うなんてよ」
翔は憎たらしそうに言うが、その表情は慈愛に満ち溢れているかのように思える。
「私が言った時、物凄く驚いてたもんね。あの時は笑っちゃった」
「そりゃ驚くだろ‥‥‥」
――えぇ!?!?嘘だろっ!?
「確かに、あれは面白かったね」
僕は当時の翔を思い出し、思わず吹き出してしまった。
「はいはい俺はどうせお前らの当て馬ですー」
「もうー拗ねないの翔」
「ははっ」
ああ、この日常が、永遠に続けばいいのに。
無理な事だって分かり切っているのに、どうしようもくそう思ってしまう。
僕は自分が決断した道だというのに、溢れ出そうな思いと今にも崩れ落ちそうな足に鞭を打ち、笑った――
◇
「本当にお主はそれでよいのか‥‥‥?」
「はい」
「この先、後悔するやもしれぬぞ?」
「後悔は、とっくに捨てました」
「ほぉ‥‥‥」
僕は今、古びれた神社に居る。
「【命分け】は本来リスクが高いものじゃ。お主の”命”を他者に分け与えるのじゃかからの」
「だい、じょうぶです」
僕はもう、決めたんだ。美緒の為だったら命なんて惜しくない。
たとえ美緒が僕のことを忘れたとしても――
「ふむ、そうか。お主に覚悟あるならば、妾は何も言わん」
◆
僕がこの神社に初めて来たのは、確か10歳の時だ。お父さんと一緒に山登りをした時、偶々この古びれた神社を見つけた。
その風貌は神社にしては小さく、遠目から見たら廃墟にしか見えない酷い惨状で、長年誰も手入れしていないのがすぐにわかった。そして、僕は思わず神棚にあった一つの石に目を奪われてしまった。その石は暗闇の中で赤黒く光っていた。
だから僕はそのとき、お父さんにこの神社を綺麗にしようと提案したのだ。お父さんは最初は嫌がっていたが、僕の必死に訴えかける姿に感銘を受けたのか一緒に神社の掃除をしてくれた。何故か僕はその時、”綺麗にしなければいけない”と本能的に思ってしまったのだ。
月日は経ち、美緒に衝撃の事実を打ち明けられた次の日。僕は失意の中外に足を運んだ。
そして気付いたら――ここにいた。
でも今思えば、この神様が僕を呼んだのだろう。何かしらの力を使役して僕を呼び寄せたのだと思う。自分でも意味の分からないことを言っている自覚はある。だけどあんなの見せられたら信じるしかなかった。
2度目の神社はやはり古びれており、あれから数年誰も手入れしていないのが分かった。僕もたった1度だけの掃除だったので、とやかくは言えないが。
なんて、何故ここに来たのかすら疑問に思わなかった僕は、いきなり目の前に現れた女の子に呆気を取られてしまった。
「久しぶりじゃのぉ人間の子よ」
「っ!」
「ほっほ、妾と同じくらいの背じゃったのに、今では私の2倍近くありゃせんか」
「え、えっと‥‥‥」
「うむ?お主もしや妾を覚えておらぬのかぇ?」
「‥‥‥はい」
なんなんだこの女の子は‥‥‥?いきなり目の前に現れたし、妖怪の類か?
いつものだいきならば、この不可思議な現象にパニックしていただろう。だが今のだいきは心がすり減り、よっぽどの事でなければ感情の起伏が起こらない、いわばロボットのような状態になっていた。
「‥‥‥ふむ、お主そのままでは危険じゃのぉ」
「なにが――」
「すまんがお主の心を覗かせて貰った。お主‥‥‥何があった?」
「‥‥‥」
僕は、目の前の超常の存在になぜか恐怖せず、自分の口はまるで別人格を持っているかのようにスラスラと言葉を吐き出した。
「ふむ、そうか。大変じゃったのぉ」
妖怪は小さい体を精一杯伸ばしている。
うん?何がしたいのだろう?
「これ、妾がナデナデしてやろうというのに、もっと近うよれ」
「あ、はい」
あ、背が足りなかったんだ。
なでなでなでなで‥‥‥
「どうじゃった。気持ちよかろう」
「まぁ、そこそこ」
「む、失礼なやつじゃ。妾の特大サービスじゃというのに」
妖怪はブツブツと小言を言っていた。
「要するにお主はその娘を助けたいわけじゃな」
「はい」
「手段は無いわけじゃないがのぉ」
「本当ですか!?」
「が、がっつき過ぎじゃ!」
「す、すみません」
思わず食いついてしまっただいき。
「確かにあるんじゃが‥‥‥」
「どうしたんです?」
「その方法はお主に大きな代償が降り注ぐんじゃ」
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