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 駅前のビジネスホテルだったのは、良いことなのか悪いことなのか。
 一晩限りの相手だと分かっていても、安っぽいラブホテルで愛されるよりは、随分マシだと思った。
 ドアを開けて部屋の中に入るなり、壁際に追いやられて彼の唇が私の唇を激しく貪る。
「ンッ」
「サングリアのせいかな。すごく甘い」
 ぺろりと私の唇を舐めると、呆気に取られる私の唇を割って舌が差し込まれた。
 こんな情熱的なキスはいつぶりだろうか。
 まるで食べられてるみたいに舌を搦め取られると、彼が飲んだウイスキーのスモーキーな香りが鼻を抜けていく。
 熱烈なキスに気を取られていると、シャツの裾がたくし上げられて、少し汗ばんだ肌に大きな手が触れ、ジリっと焦がれるように肌が粟立つ。
 慣れた手つきでストラップレスのブラのホックを外されると、無防備に晒された乳房に手が回り込んでくる。
「キスだけでこんなに硬くしてるの?」
「だって」
「可愛いね」
 尖った乳首を指先で弄られると、久々に押し寄せる快楽に思わず甘ったるい息が出る。
 シャツのショルダーが外されて、そのまま引き摺り下ろされると、ふるんとまろび出た乳房に彼がしゃぶりつく。
「アンッ」
「綺麗な胸だね」
 ぺろんと舌で舐ってからチュッと音を立てて乳房に吸い付くと、彼が辿った跡を残すように紅い痕が刻まれていく。
 そして胸への愛撫に翻弄されていると、不埒な手がウエストの隙間に入り込んで、ショーツの上から淫芽をカリッと引っ掻く。
「アァッ」
「もうここまでしっとりしてる」
 クロッチ部分を撫でながら厭らしく笑うと、彼の指がショーツの中に入り込んで来る。
 その感覚に身体が震えて、お腹の奥がキュンと疼いて蜜が溶け出すのを隠すように脚を閉じて身悶える。
 だけどその脚を彼の膝が割って、下生えの上で円を描くように指を緩やかに動かすと、そのままショーツの中に指を挿し入れて、蜜が溢れる花弁を暴かれる。
「いつもこんなに濡れるの?」
「そんなことは」
「だって、ほら。音がすごいよ」
 ねちゃねちゃと卑猥な水音を聞かされて、羞恥心を煽られると、充分に蜜を纏った指が蜜壺の中にずぶりと入り込んでくる。
 いつぶりか分からない感覚に、キュッと隘路を締め付けると、それをほぐすように指が二本に増やされて奥の方まで掻き混ぜられる。
「気持ちいいの? すごい可愛い顔してる」
「すごく気持ちいいですよ、ダメですか」
「ダメじゃない。大歓迎」
 ボトムの腰紐に手が掛かると、あっという間にショーツごと引き抜かれ、無防備に晒された脚に彼の唇が這い回るようにキスをする。
 そのうちに片脚を持ち上げられて恥丘を暴かれると、内腿に吸い付いていた唇が花弁に触れて、蜜を舐め取られて思わず嬌声を漏らす。
「アァアッ、そんなところ舐めないで」
「ヤダ。ここも甘いよ」
「そんなわけ」
「甘いよ」
 彼はぴちゃぴちゃとわざとらしく音を跳ねさせて、花弁を割って蜜口を舐ると、そのまま舌を浅瀬に挿し込み、ぐちゅっとした空気の混ざった泡立つ音が部屋に響く。
「あぁっ、ダメ」
「ダメって言っちゃうほど気持ちいいの?」
 上目遣いの彼と目が合うと、まるで視姦するみたいに、厭らしく光る瞳に喘ぐ私が写っていることに興奮を覚える。
 そうして舌で隘路を責め立てられると、膨らんだ淫芽を指で摘んで弄られて呆気なく絶頂に押しやられ、嬌声をあげながらビクッと腰を揺らす。
「ああぁっ」
「おっと危ない」
 脚に力が入らなくなった私を抱えると、彼は私を横抱きにして、まるでお姫様の相手をするように、甘いキスをしながらベッドに運ぶ。
「ここまで来たら、もうやめてあげられないけど、本当に良いのかな」
 口ではそう言いながら、止める気配のない強気な目と視線が絡み合う。
 これはもう完全に捕えられてしまった。
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