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20.②
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美鳥の厳しい一言に、それはもはや単なる悪口だろうと思いつつも、今日の凌さんの激変ぶりを思い出して、そうでもないんだよと切り出す。
「忙しさにかまけて疎かにしてたファッションも、楽しむ余裕が出てきたみたいだよ」
「そうなの?」
美鳥は私に質問しながら、侑さんに返信のメッセージを送っている。器用なことだ。
「そうだよ。今日なんか、別人かと思ったもん」
「ふうん。でも、秋菜は別にそういう外見的な要素で惹かれた訳じゃないんでしょ」
最初に会った時も凄くオシャレしてたし、容姿が整っていることにインパクトは充分あった。
でもやっぱりそれだけじゃなくて、会話をして、その人となりにに触れて、突き動かされるなにかがあった方が大きい。
「どうかな。初めて会った時は、めちゃくちゃ綺麗な人だと思ったし」
「……そのさ、お義兄さんと綺麗がいまいち結びつかないんだけど」
「え?」
「いや、なんかこう。失礼だけど、お義兄さんっていつも髪はボサボサだし、前髪からチラ見えする度のキツそうなメガネで表情も分かりにくいし、どこか野暮ったいじゃない」
「やっぱりその印象なんだ。髪上げてるの見たことないの」
「ないない」
侑さんとのメッセージのやり取りは終わったのか、美鳥はスマホをテーブルに置くと、二人で撮った写真はないのかと私の顔をニヤニヤして覗き込んでくる。
「ないよ。それよりそっちこそ、侑さんの写真はないの」
凌さんと撮った写真なら、遊園地の時のものがあるけれど、いくら相手が美鳥とはいえ、本人に断りもなく見せるのは気が引ける。
「そっか。秋菜は侑と会ったことないもんね」
美鳥は再びスマホを手に取ると、画像を探しているのか、画面をスクロールしながらどれが良いかなと写真を選び始めた。
ウキウキした様子の美鳥を見ながら、なんだか微笑ましい気持ちになってドリンクのおかわりを頼むと、何気なくバッグからスマホを取り出して、メッセージが届いていることに気付く。
(あれ、凌さんからだ)
美鳥に一言断ってメッセージを確認すると、侑さんから連絡があったようで、美鳥と飲んでるのかという内容だった。
【顔見たいし、合流しても良いかな】
仕事とはいえ、今日会ったばかりだというのに、フットワークの軽さに苦笑していると、私の様子に気付いた美鳥がニヤッと笑う。
「なに。お義兄さんなんて?」
「美鳥と飲んでるのを侑さんから聞いたらしくて、合流しても良いかって」
「良いじゃない。呼びなよ」
「え、今から呼ぶの」
「社長に奢ってもらおうよ」
「ちょっと美鳥」
「冗談だって。でもお義兄さんからも秋菜の話聞きたいし、せっかくだから呼ぼうよ」
どこか面白がってる美鳥にせっつかれ、仕方なく凌さんにメッセージを返す。するとすぐに返事が来て、今から行くよとノリノリな様子に、仕方なくお店の場所を伝える。
「愛されてるねえ」
「揶揄わないでよ。それより侑さんの写真は?」
「ああ、めちゃ面白い顔のやつ見つけた」
美鳥はクスクス笑いながら私にスマホを手渡すと、侑さんらしき男性が物凄い変顔をしているる写真が見えてギョッとする。
「ちょっと、これじゃ顔が分かんないよ」
「いや、まともな顔で写ってる方が少なくて」
美鳥は笑いながら画像を切り替えると、彼女と二人で写っている写真に画像を切り替えた。
「忙しさにかまけて疎かにしてたファッションも、楽しむ余裕が出てきたみたいだよ」
「そうなの?」
美鳥は私に質問しながら、侑さんに返信のメッセージを送っている。器用なことだ。
「そうだよ。今日なんか、別人かと思ったもん」
「ふうん。でも、秋菜は別にそういう外見的な要素で惹かれた訳じゃないんでしょ」
最初に会った時も凄くオシャレしてたし、容姿が整っていることにインパクトは充分あった。
でもやっぱりそれだけじゃなくて、会話をして、その人となりにに触れて、突き動かされるなにかがあった方が大きい。
「どうかな。初めて会った時は、めちゃくちゃ綺麗な人だと思ったし」
「……そのさ、お義兄さんと綺麗がいまいち結びつかないんだけど」
「え?」
「いや、なんかこう。失礼だけど、お義兄さんっていつも髪はボサボサだし、前髪からチラ見えする度のキツそうなメガネで表情も分かりにくいし、どこか野暮ったいじゃない」
「やっぱりその印象なんだ。髪上げてるの見たことないの」
「ないない」
侑さんとのメッセージのやり取りは終わったのか、美鳥はスマホをテーブルに置くと、二人で撮った写真はないのかと私の顔をニヤニヤして覗き込んでくる。
「ないよ。それよりそっちこそ、侑さんの写真はないの」
凌さんと撮った写真なら、遊園地の時のものがあるけれど、いくら相手が美鳥とはいえ、本人に断りもなく見せるのは気が引ける。
「そっか。秋菜は侑と会ったことないもんね」
美鳥は再びスマホを手に取ると、画像を探しているのか、画面をスクロールしながらどれが良いかなと写真を選び始めた。
ウキウキした様子の美鳥を見ながら、なんだか微笑ましい気持ちになってドリンクのおかわりを頼むと、何気なくバッグからスマホを取り出して、メッセージが届いていることに気付く。
(あれ、凌さんからだ)
美鳥に一言断ってメッセージを確認すると、侑さんから連絡があったようで、美鳥と飲んでるのかという内容だった。
【顔見たいし、合流しても良いかな】
仕事とはいえ、今日会ったばかりだというのに、フットワークの軽さに苦笑していると、私の様子に気付いた美鳥がニヤッと笑う。
「なに。お義兄さんなんて?」
「美鳥と飲んでるのを侑さんから聞いたらしくて、合流しても良いかって」
「良いじゃない。呼びなよ」
「え、今から呼ぶの」
「社長に奢ってもらおうよ」
「ちょっと美鳥」
「冗談だって。でもお義兄さんからも秋菜の話聞きたいし、せっかくだから呼ぼうよ」
どこか面白がってる美鳥にせっつかれ、仕方なく凌さんにメッセージを返す。するとすぐに返事が来て、今から行くよとノリノリな様子に、仕方なくお店の場所を伝える。
「愛されてるねえ」
「揶揄わないでよ。それより侑さんの写真は?」
「ああ、めちゃ面白い顔のやつ見つけた」
美鳥はクスクス笑いながら私にスマホを手渡すと、侑さんらしき男性が物凄い変顔をしているる写真が見えてギョッとする。
「ちょっと、これじゃ顔が分かんないよ」
「いや、まともな顔で写ってる方が少なくて」
美鳥は笑いながら画像を切り替えると、彼女と二人で写っている写真に画像を切り替えた。
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