結婚話をキャンセルされたので、ポイ捨てされた美貌の社長とワンナイトすることになりました

濘-NEI-

文字の大きさ
上 下
15 / 84

3.⑤ ※

しおりを挟む
「いいよ。気持ち良すぎて俺もイキそうだから」
 一気に抽送が速まり、前と奥に同時に与えられる刺激に翻弄されて嬌声を上げると、堪らなく愛おしそうな目をした凌さんの視線に射貫かれる。
(どうしてそんな顔……)
 不意に切なくなってキスをねだると、凌さんはそれに応えて、深くて厭らしいキスを返してくれる。
「んっ」
 どちらのものとも分からない息遣いが響くと、一旦緩やかになった抽送が、壊れるほど激しくなって何度も抉るように下から楔を穿たれる。
「あっ、あぁ……いっ、あ、あぁん、ん」
 律動に合わせてあがる嬌声はそのうちキスに呑まれ、器用に蕾を捏ねる指先が更に煩雑に動くと、堪らず奥を締め付けながら絶頂する。
「んんんっ」
「またイッた? 可愛いね」
 ビクビクと腰を震わせて弛緩する私の体を抱き留めながら、尚も激しく腰を突き上げて攻め続けると、凌さんは激しい抽送の末に私の最奥に淫刀を突き立てて吐精した。
「……ん」
 美しい顔が僅かに歪み、眉間を寄せて苦悶するの見ていると、私のお腹の奥でドクドクと脈打つ存在を感じながら、この人と快楽を共有したことに優越感が生まれる。
 残滓まで吐き出した屹立がずるりと引き抜かれると、凌さんは私の鼻を摘んで、メッと可愛らしい顔をする。
「こら」
「なんですか」
「そんな嬉しそうな顔で、人の顔を観察しない」
「だって可愛くて」
「……そういうの言わないの」
 凌さんは意外にも照れたようで、耳が赤くなっている。
 それが堪らなく愛おしくて、私の方からチュッとキスをすると、照れ隠しなのかぬるりと舌が入り込んできて、口の中で舌を絡め合ってキスを貪る。
「秋菜ちゃん」
「ん?」
「まだ体大丈夫?」
「え」
「勃っちゃった」
 イタズラっぽく笑う凌さんは、手早く避妊具を片付けると、ペチペチと硬くなった淫刀で私の下腹を叩きながら、乳房に顔を埋めて乳首を甘噛みする。
「凌さんは、その……絶倫なんですか」
 一晩で何度もなんて体験がなくて、ついそんなことを口走ると、そんなことはないと思うと凌さんが苦笑する。
「秋菜ちゃんとのセックスは気持ち良いからかな」
「口がお上手ですね」
「本当のことだよ」
 乳首をしゃぶりながら上目遣いで答えると、よほど私の胸が気に入ったのか、何度もチュッと吸い付いて赤い痕を残している。
(こんなに素敵な人だし、そりゃこういう時のセリフも言い慣れてるんだろうな)
 そう思うと心の奥がズキッと痛んだけれど、今この時、今夜一晩だけでも彼を独占出来るなら、それも悪くないと思えてしまう。
「秋菜ちゃん?」
「なんでもないです。辛いこと全部、忘れさせてください」
 私の胸に顔を埋める頭を抱き寄せると、凌さんの髪にキスをしてそのまま髪を撫でる。
「俺のことだけしか考えられなくなっちゃいなよ」
 凌さんは呟くようにそう答えると、いまだしっとりと愛液の滴る蜜壺に指を挿し入れた。
 今夜だけは、彼の腕に抱かれて全てを忘れたい。
 そう思って再び彼に身を委ねた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

思い出さなければ良かったのに

田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。 大事なことを忘れたまま。 *本編完結済。不定期で番外編を更新中です。

クリスマスに咲くバラ

篠原怜
恋愛
亜美は29歳。クリスマスを目前にしてファッションモデルの仕事を引退した。亜美には貴大という婚約者がいるのだが今のところ結婚はの予定はない。彼は実業家の御曹司で、年下だけど頼りになる人。だけど亜美には結婚に踏み切れない複雑な事情があって……。■2012年に著者のサイトで公開したものの再掲です。

エリート警察官の溺愛は甘く切ない

日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。 両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉

ハメられ婚〜最低な元彼とでき婚しますか?〜

鳴宮鶉子
恋愛
久しぶりに会った元彼のアイツと一夜の過ちで赤ちゃんができてしまった。どうしよう……。

英国紳士の熱い抱擁に、今にも腰が砕けそうです

坂合奏
恋愛
「I love much more than you think(君が思っているよりは、愛しているよ)」  祖母の策略によって、冷徹上司であるイギリス人のジャン・ブラウンと婚約することになってしまった、二十八歳の清水萌衣。  こんな男と結婚してしまったら、この先人生お先真っ暗だと思いきや、意外にもジャンは恋人に甘々の男で……。  あまりの熱い抱擁に、今にも腰が砕けそうです。   ※物語の都合で軽い性描写が2~3ページほどあります。

好きな男子と付き合えるなら罰ゲームの嘘告白だって嬉しいです。なのにネタばらしどころか、遠恋なんて嫌だ、結婚してくれと泣かれて困惑しています。

石河 翠
恋愛
ずっと好きだったクラスメイトに告白された、高校2年生の山本めぐみ。罰ゲームによる嘘告白だったが、それを承知の上で、彼女は告白にOKを出した。好きなひとと付き合えるなら、嘘告白でも幸せだと考えたからだ。 すぐにフラれて笑いものにされると思っていたが、失恋するどころか大切にされる毎日。ところがある日、めぐみが海外に引っ越すと勘違いした相手が、別れたくない、どうか結婚してくれと突然泣きついてきて……。 なんだかんだ今の関係を最大限楽しんでいる、意外と図太いヒロインと、くそ真面目なせいで盛大に空振りしてしまっている残念イケメンなヒーローの恋物語。ハッピーエンドです。 この作品は、他サイトにも投稿しております。 扉絵は、写真ACよりhimawariinさまの作品をお借りしております。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

処理中です...