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(28)恋ってなんでこんなに難しいんでしょう
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翔璃が泊まりに来るようになって、形だけ存在してた客用布団は菜智が初めて使うことになり、明け方近くまで呑んだ私たちはまだまだ夢の中だった。
「ぅん……」
インターホンが連打される音と、スマホの着信音に叩き起こされて時計を見ると十三時半。
ベッドから起き上がると、慣れない客用布団に足を引っ掛けて菜智の足を踏ん付けてしまい、ウギャっという声と共に菜智も目を覚ましてしまった。
「ごめん菜智。踏むつもりは決してなく」
「いいよ。て言うかやかましいな。スマホ出なよ。玄関見てくる」
「助かる。ごめんね」
リビングで充電してたスマホを手に取ると、翔璃からの電話に急いで出る。
「もしもし?」
『起こしたみたいだな』
「うん、今起きた」
『玄関開け……開いたわ』
話し掛けて電話が一方的に切れると、玄関から賑やかなやり取りが聞こえてくる。
「バカなの? インターホンなんてそんなピンポンピンポン鳴らすもんじゃないでしょ」
「うるせえな、何回押しても反応ないからだろ。俺は美都真に用事があるの。お前はこっち」
「え、ちょっと。は?」
翔璃が訪ねて来たらしいけど、リビングのドアが閉まっているので細かい様子は分からない。
「おはよう美都真。もう昼だぞ」
リビングに入って来た翔璃はさりげなく私を抱き寄せてキスをすると、途中ベーカリーに寄って来たらしく、香ばしい匂いのする紙袋を目線に掲げて適当に買って来たと袋を振る。
「おはよう。美味しそうだね、ありがとう。それより菜智は」
「ユウ連れて来た」
「ああ、それで」
ちょうどそのタイミングで菜智と優吾がリビングに入って来て、一気に部屋が密集した状況になる。
「姉ちゃん、これ翔くんがみんなの分って」
「コーヒーも買って来てくれたの」
優吾が差し出したカフェの袋を覗き込むと、とりあえず座ってと声を掛けてパンの支度を翔璃に任せ、菜智と一緒に顔を洗って歯を磨く。
「まさか優吾を連れてくるとか、あのクソ兄貴」
「なんとなくだけど、優吾も翔璃に相談してたんじゃないのかな」
「嘘、すごい嫌なんだけど」
凄い顔をして酷い声を出す菜智に思わず吹き出すと、冗談で言ってないと、もっと酷い顔になった菜智に睨まれる。
「言ってなかったけど、実は優吾から私もちょっとだけ相談されたんだよね」
「まあそうだよね」
「うん。だから翔璃に相談してみろって言っちゃった」
「色々複雑だけど、まあ仕方ないね」
翔璃がどんな風に相談に乗ったのかは分からないけど、もしかしたら昨夜も二人で呑んでいたのかも知れない。
本当に、姉弟揃って植垣家に弱い私たちだけど、この関係がずっと続いていくなら、歳を取るのも楽しいかも知れないとぼんやり考える。
「美都真、焼き立て買ってきたのに冷めるぞ」
「今行く」
優吾の手前、せめて消え掛かった眉は整えたいとメイクをし始めた菜智を置いてリビングに戻ると、小さなテーブルに所狭しとパンが並んでいた。
「ほとんど菜智の胃袋に消えるな」
「それ見越して買ってきたんでしょ。いただきます」
焼きたてというだけあって、パリッとしたサクサクのクロワッサンにクリームチーズとサーモンのマリネが挟まったサンドイッチはめちゃくちゃ美味しい。
「今日の予定どうせないんだろ」
「予定? 決めてないよ。もっと寝てるつもりだったもん」
口の端についたパンを指で拭いながら翔璃を見ると、コーヒーを飲みながらスマホを弄っている。
「クリスマス前で混んでるだろうけど、せっかくだから四人で出掛けないか。一泊しか出来ないけど泊まり掛けでも良いし、正月はどうせ実家だからな」
「おお、いいね。でも混んでてホテルとか取れなさそう」
私と翔璃が盛り上がっていると、優吾が気不味そうにボソリと俺も混ざって良いのかなと呟く。
「二人で行きなよ。ナっちゃん、俺が居たら嫌だと思うんだけど」
「なんで勝手に決めんの。兄貴の奢りなら行っても良いよ」
「ナっちゃん……」
優吾の隣に座って早速パンを手に掴んだ菜智は、気を遣い過ぎなのよと優吾の頭を叩く。
「は? なんで俺がお前たち接待しないといけないの」
「はあ? 突然来て勝手に決めてるんだからお金くらい出しなさいよね」
兄妹喧嘩を始めた翔璃と菜智を笑って見ながら、優吾と二人でこの時期行くならどこに行きたいかと、別の話で盛り上がる。
最初は温泉が良いとかスノボがしたいとか騒いでいたけど、この時期にはとても無理な話だと落ち着いたところで、近場のクリスマスマーケットに行くことに決まった。
「ホテルどうする? 日帰りで戻って来れるけど」
「今日の今日で取れるのかな」
「逆に埋まってなければ安く泊まれるかもよ」
「翔くん本当に奢ってくれるの」
四人がいっぺんに喋ると、なかなかにカオスだ。それでも楽しい話題となると、それぞれが話すのをやめずに話が盛り上がる。
昼ご飯のパンを食べ終えると、昨夜シャワーを浴びた私と違ってそのまま寝た菜智が、やっぱり着替えたいし風呂に入りたいと言い出して、翔璃が菜智を実家に送る形で二人は私の家を出た。
「姉ちゃん、本当に良かったの」
「なにが? ちょっと優吾、ボケっとしてないでゴミまとめてよ。姉ちゃん洗い物してるの見えてるでしょ」
昨夜片付けないでシンクに溜まってた食器を、さっき使ったものとまとめて洗いながら、大丈夫だよと優吾に答える。
「翔璃とはいつでも二人で出掛けられるし、アンタたちが嫌じゃないなら、姉ちゃんも翔璃も声掛けたりしないよ。あ、プラごみはこっちの青いバケツに捨ててね」
「姉ちゃんさ、ナっちゃんから、なんか聞いてるよね」
ゴミを片付けにキッチンに来た優吾は気不味そうな顔をしている。
正直私だって、弟のアレやコレが手に取るように分かる立場なのは複雑だけど、親友の菜智がその相手だから仕方ない。
「聞いたよ」
「だよね」
優吾は私の隣に立つと、どれ使えば良いのと乾いた布巾を手に取ると、洗い終わった皿を拭きながら嫌われてないかなと悲しげな顔をする。
「俺、自分でも勢いで突っ走った自覚はあるんだよね」
「え? 勢いだったの」
「違う違う。好きな気持ちは本当だよ。でもほら、酒の勢い借りたところはあるし」
確かに、二人きりで飲み直してそんな雰囲気になったと菜智も言っていた。
全く接点のない二人ならともかく、前々から菜智に好きだと伝えていた優吾とそうなったんだから、勢いでそんな関係になった訳がないんだけど、やっぱり自信はないだろうなと思う。
「菜智はそんなに軽い子じゃないし、アンタのことだって、真剣に考えてるから奥手になるんだと思う。だって小さい時から知ってる相手だよ? 別れることとか考えたらキツ過ぎる」
「俺は結婚したいし」
優吾はムスッとした顔で、お皿を拭くのをやめて私を睨み付ける。怒るのは当然だと思うけど、この辺りに幼さを感じてしまう。
「分かってるよ。ちっさい時からずっと好きだったから、絶対別れないって思いが強いんだろうけど、恋人として付き合うのはまた違う関係性を築くってことなの」
「そういうもん?」
「そうだよ。ましてや菜智はもう三十前の大人だよ? 優吾には分からないかも知れないけど、アンタだからって安心して付き合って結局別れることになったら目も当てられない」
「だから別れることなんかないって」
「アンタの強い決意は分かったけど、姉ちゃんは、本当にそう言えるのかって悩む菜智の気持ちの方が分かるよ。だってアンタこれから色んな人と出会うんだよ?」
好きすぎて周りが見えてない優吾に、菜智が不安を抱くのも無理はないと思った。
「ぅん……」
インターホンが連打される音と、スマホの着信音に叩き起こされて時計を見ると十三時半。
ベッドから起き上がると、慣れない客用布団に足を引っ掛けて菜智の足を踏ん付けてしまい、ウギャっという声と共に菜智も目を覚ましてしまった。
「ごめん菜智。踏むつもりは決してなく」
「いいよ。て言うかやかましいな。スマホ出なよ。玄関見てくる」
「助かる。ごめんね」
リビングで充電してたスマホを手に取ると、翔璃からの電話に急いで出る。
「もしもし?」
『起こしたみたいだな』
「うん、今起きた」
『玄関開け……開いたわ』
話し掛けて電話が一方的に切れると、玄関から賑やかなやり取りが聞こえてくる。
「バカなの? インターホンなんてそんなピンポンピンポン鳴らすもんじゃないでしょ」
「うるせえな、何回押しても反応ないからだろ。俺は美都真に用事があるの。お前はこっち」
「え、ちょっと。は?」
翔璃が訪ねて来たらしいけど、リビングのドアが閉まっているので細かい様子は分からない。
「おはよう美都真。もう昼だぞ」
リビングに入って来た翔璃はさりげなく私を抱き寄せてキスをすると、途中ベーカリーに寄って来たらしく、香ばしい匂いのする紙袋を目線に掲げて適当に買って来たと袋を振る。
「おはよう。美味しそうだね、ありがとう。それより菜智は」
「ユウ連れて来た」
「ああ、それで」
ちょうどそのタイミングで菜智と優吾がリビングに入って来て、一気に部屋が密集した状況になる。
「姉ちゃん、これ翔くんがみんなの分って」
「コーヒーも買って来てくれたの」
優吾が差し出したカフェの袋を覗き込むと、とりあえず座ってと声を掛けてパンの支度を翔璃に任せ、菜智と一緒に顔を洗って歯を磨く。
「まさか優吾を連れてくるとか、あのクソ兄貴」
「なんとなくだけど、優吾も翔璃に相談してたんじゃないのかな」
「嘘、すごい嫌なんだけど」
凄い顔をして酷い声を出す菜智に思わず吹き出すと、冗談で言ってないと、もっと酷い顔になった菜智に睨まれる。
「言ってなかったけど、実は優吾から私もちょっとだけ相談されたんだよね」
「まあそうだよね」
「うん。だから翔璃に相談してみろって言っちゃった」
「色々複雑だけど、まあ仕方ないね」
翔璃がどんな風に相談に乗ったのかは分からないけど、もしかしたら昨夜も二人で呑んでいたのかも知れない。
本当に、姉弟揃って植垣家に弱い私たちだけど、この関係がずっと続いていくなら、歳を取るのも楽しいかも知れないとぼんやり考える。
「美都真、焼き立て買ってきたのに冷めるぞ」
「今行く」
優吾の手前、せめて消え掛かった眉は整えたいとメイクをし始めた菜智を置いてリビングに戻ると、小さなテーブルに所狭しとパンが並んでいた。
「ほとんど菜智の胃袋に消えるな」
「それ見越して買ってきたんでしょ。いただきます」
焼きたてというだけあって、パリッとしたサクサクのクロワッサンにクリームチーズとサーモンのマリネが挟まったサンドイッチはめちゃくちゃ美味しい。
「今日の予定どうせないんだろ」
「予定? 決めてないよ。もっと寝てるつもりだったもん」
口の端についたパンを指で拭いながら翔璃を見ると、コーヒーを飲みながらスマホを弄っている。
「クリスマス前で混んでるだろうけど、せっかくだから四人で出掛けないか。一泊しか出来ないけど泊まり掛けでも良いし、正月はどうせ実家だからな」
「おお、いいね。でも混んでてホテルとか取れなさそう」
私と翔璃が盛り上がっていると、優吾が気不味そうにボソリと俺も混ざって良いのかなと呟く。
「二人で行きなよ。ナっちゃん、俺が居たら嫌だと思うんだけど」
「なんで勝手に決めんの。兄貴の奢りなら行っても良いよ」
「ナっちゃん……」
優吾の隣に座って早速パンを手に掴んだ菜智は、気を遣い過ぎなのよと優吾の頭を叩く。
「は? なんで俺がお前たち接待しないといけないの」
「はあ? 突然来て勝手に決めてるんだからお金くらい出しなさいよね」
兄妹喧嘩を始めた翔璃と菜智を笑って見ながら、優吾と二人でこの時期行くならどこに行きたいかと、別の話で盛り上がる。
最初は温泉が良いとかスノボがしたいとか騒いでいたけど、この時期にはとても無理な話だと落ち着いたところで、近場のクリスマスマーケットに行くことに決まった。
「ホテルどうする? 日帰りで戻って来れるけど」
「今日の今日で取れるのかな」
「逆に埋まってなければ安く泊まれるかもよ」
「翔くん本当に奢ってくれるの」
四人がいっぺんに喋ると、なかなかにカオスだ。それでも楽しい話題となると、それぞれが話すのをやめずに話が盛り上がる。
昼ご飯のパンを食べ終えると、昨夜シャワーを浴びた私と違ってそのまま寝た菜智が、やっぱり着替えたいし風呂に入りたいと言い出して、翔璃が菜智を実家に送る形で二人は私の家を出た。
「姉ちゃん、本当に良かったの」
「なにが? ちょっと優吾、ボケっとしてないでゴミまとめてよ。姉ちゃん洗い物してるの見えてるでしょ」
昨夜片付けないでシンクに溜まってた食器を、さっき使ったものとまとめて洗いながら、大丈夫だよと優吾に答える。
「翔璃とはいつでも二人で出掛けられるし、アンタたちが嫌じゃないなら、姉ちゃんも翔璃も声掛けたりしないよ。あ、プラごみはこっちの青いバケツに捨ててね」
「姉ちゃんさ、ナっちゃんから、なんか聞いてるよね」
ゴミを片付けにキッチンに来た優吾は気不味そうな顔をしている。
正直私だって、弟のアレやコレが手に取るように分かる立場なのは複雑だけど、親友の菜智がその相手だから仕方ない。
「聞いたよ」
「だよね」
優吾は私の隣に立つと、どれ使えば良いのと乾いた布巾を手に取ると、洗い終わった皿を拭きながら嫌われてないかなと悲しげな顔をする。
「俺、自分でも勢いで突っ走った自覚はあるんだよね」
「え? 勢いだったの」
「違う違う。好きな気持ちは本当だよ。でもほら、酒の勢い借りたところはあるし」
確かに、二人きりで飲み直してそんな雰囲気になったと菜智も言っていた。
全く接点のない二人ならともかく、前々から菜智に好きだと伝えていた優吾とそうなったんだから、勢いでそんな関係になった訳がないんだけど、やっぱり自信はないだろうなと思う。
「菜智はそんなに軽い子じゃないし、アンタのことだって、真剣に考えてるから奥手になるんだと思う。だって小さい時から知ってる相手だよ? 別れることとか考えたらキツ過ぎる」
「俺は結婚したいし」
優吾はムスッとした顔で、お皿を拭くのをやめて私を睨み付ける。怒るのは当然だと思うけど、この辺りに幼さを感じてしまう。
「分かってるよ。ちっさい時からずっと好きだったから、絶対別れないって思いが強いんだろうけど、恋人として付き合うのはまた違う関係性を築くってことなの」
「そういうもん?」
「そうだよ。ましてや菜智はもう三十前の大人だよ? 優吾には分からないかも知れないけど、アンタだからって安心して付き合って結局別れることになったら目も当てられない」
「だから別れることなんかないって」
「アンタの強い決意は分かったけど、姉ちゃんは、本当にそう言えるのかって悩む菜智の気持ちの方が分かるよ。だってアンタこれから色んな人と出会うんだよ?」
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