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(18)精霊の声
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王妃マキナ、王弟シュレールとの再会を果たしたデルザリオは、その足でバチアスから西のポナールを経由して、静養中である第一王子マグラリアの元へ向かった。
バチアスと違い、王都に近いポナールの厳戒態勢の包囲網を掻い潜ったデルザリオたちの突然の訪問に、マグラリアはかなり驚いた様子だったが、弟の無事を確認すると安堵して喜んだ顔を見せた。
再会を喜びたいところではあるが、デルザリオは積もる話には触れず、突然訪れたことの経緯を伝えると、その内容にマグラリアは再び驚いて言葉を失った。
しかし逡巡した後、冷静に頷き、全てを受け入れて二人に協力するために、近くバチアスの二人とは内密に書簡でやり取りを行なう見解を示した。
「おいデリー。マグラリア殿下と、もっと話さなくて良かったのか」
同行しているケイレブは、足早に屋敷から退散したデルザリオに納得がいかなかったのか、もう少し話したがってたじゃないかと困った顔をしている。
「そんな猶予は無かった」
「猶予ってお前。殿下は驚いてたが、あの辺りの抱き込みは成功してるし、捕まるようなヘマはしないぞ」
「それは心配していない」
「じゃあなにを危惧してたんだよ」
「平気だと言ってはいたが、あれは虚勢だ。あの様子ではまたすぐにヒートを起こしただろうな。俺は兄上の近くに居るべきではない」
「そっちか。マグラリア殿下も、一時は酷く追い込まれてると聞いてたが、お前の前じゃ気丈な兄上を演じてる訳だ」
「そうだ。あの人は無理をする」
どこか悲しげに呟くと、デルザリオは正面を見据えて表情を引き締める。
帰路は人目に触れる心配があるが、裏をかく形で王都の北、貿易の要となる港町アダールに立ち寄り、その後は街道を西に突っ切る。
如何に王都のお膝元とはいえ、ラウェルナ大森林に入ってしまえば、後はグラップシーの縄張りのすぐ下を通り、森の西側に整備した独自の道を通って集落を目指せば問題ない。
「さすがにこの辺りじゃ、王の息が掛かった連中が多いだろうな。でもこの強行軍だ、そろそろ馬を休ませないと使い物にならなくなるぞ」
「分かっている。アダールで勘付かれたらその時はその時だ」
「この警備の中のうのうと過ごしたら、更に恨みを買いそうで気が進まないけどな」
無駄口を叩きながらアダール方面に向かう街道を進もうとした時、デルザリオは今までにない胸騒ぎを覚えてその場に留まった。
ケイレブは急に馬を止めたデルザリオを怪訝に思うが、顔を覗き込んだ瞬間に、なにが起こっているか理解した。
デルザリオがこんな顔をしている時は、往々にして精霊たちの声が聞こえている時だ。
「なんだよ。寄り道禁止のお告げかよ」
「分からんが、悠長にことを構えている訳にはいかないらしい。急げとばかり騒がしくてな。どうやらアダールに寄っている暇はないようだな」
「なら南下して湖沿いに、小さい森を抜けていくか。それなら馬を休ませる時間も取れるだろ」
「ああ」
デルザリオたちは、北へ向かう予定を切り替えて街道を南下する。
領地警備はこの王都近郊の街道にいくつも拠点を構えており、有り難くないことに、デルザリオは今でも法外な懸賞金を懸けられたお尋ね者である。
「ここから南下するなら、アダールの近くまで進んで来たのはちょっと不味かったか」
ケイレブがそう言うのも無理はない。ここからだと王都の真横を通ることになり、その街道は整備され、脇道がないばかりか、この辺りは夜中でも明かりが灯り、往来の動向を監視する警備兵が立っている。
「どうと言うことはない」
「俺お前のそういうところが好き」
「気色の悪い言い方はやめろ」
「なんだよ、照れたのか」
「話にならんな」
悪態吐きながらも笑顔を浮かべて、デルザリオはちらりとケイレブを見ると、なにか思い出したように進路を変える。
「おい、どこ行くんだよデリー」
「精霊が騒がしい。お前の故郷に立ち寄るぞ」
「ナキルにか?マジかよ」
「大真面目だ」
ふざけたそぶりで驚くケイレブを一瞥すると、デルザリオは枝分かれする街道を迷いなく進み、当初の予定とはだいぶ異なる行動に出る。
「急ぐんじゃなかったのかよ」
「そのための回り道だ。とにかくこいつらがうるさくて敵わん」
「まあそういうことなら。行くしかないねえ」
「ああ」
王都の南東に位置する村、ナキルには緩やかな丘に沿った果樹園が広がり、そこで採れるカティエは栄養価が高い果実で、甘くて香り豊かでほのかな酸味と水気が多く含む。
そのまま食べることはもちろん、果実酒として加工されることも多く、カティエの果実酒であるプローナはオルガッドの特産品であり、ナキルは高品質なカティエの産地と言える。
ここからナキルに向かうのであれば、馬で移動すれば目と鼻先ほどの距離だ。幸い星灯りのおかげで馬も走る。なんとか夜明け前に到着するだろう。
「だけどなんでナキルなんだ?」
「分からんが、なにか大事な物を受け取れと騒いでる」
「受け取れ?なんだろうな」
「俺にも分からん。コイツらは肝心なことを言わんからな」
流石にここまで来ると馬に疲れが見えて来る。ナキルまでは後少しなので、出来れば休憩は挟まずに直接向かいたい。
デルザリオは労うように馬の首筋を撫でてやると、もう少しの辛抱だと手綱を握り直した。
このところ精霊たちがよく騒ぐ。時折クスクスと可笑しそうに笑い声をあげているのが癪に触るが、彼らはデルザリオに不利益をもたらす存在ではない。
今もどこか楽しそうに騒ぐ彼らを見るに、デルザリオに良からぬことをが起こる気配は感じない。もしそうなら彼らとて、不謹慎にはしゃいだりはしない。
ただし彼らが、いたずらに騒ぎ立てるだけではない存在であることは、デルザリオも充分承知している。
ナキルで受け取るべき大事な物が何なのかまでは教える気がないようだが、デルザリオか、あるいはケイレブにとって、なにか重要なことに絡んでいる予測は出来た。
そうして馬を走らせ、ようやくナキルに到着したデルザリオたちは、予想外の人物からの手紙を受け取ることになる。
それはケイレブに宛てたヘンゼルからの手紙であった。
バチアスと違い、王都に近いポナールの厳戒態勢の包囲網を掻い潜ったデルザリオたちの突然の訪問に、マグラリアはかなり驚いた様子だったが、弟の無事を確認すると安堵して喜んだ顔を見せた。
再会を喜びたいところではあるが、デルザリオは積もる話には触れず、突然訪れたことの経緯を伝えると、その内容にマグラリアは再び驚いて言葉を失った。
しかし逡巡した後、冷静に頷き、全てを受け入れて二人に協力するために、近くバチアスの二人とは内密に書簡でやり取りを行なう見解を示した。
「おいデリー。マグラリア殿下と、もっと話さなくて良かったのか」
同行しているケイレブは、足早に屋敷から退散したデルザリオに納得がいかなかったのか、もう少し話したがってたじゃないかと困った顔をしている。
「そんな猶予は無かった」
「猶予ってお前。殿下は驚いてたが、あの辺りの抱き込みは成功してるし、捕まるようなヘマはしないぞ」
「それは心配していない」
「じゃあなにを危惧してたんだよ」
「平気だと言ってはいたが、あれは虚勢だ。あの様子ではまたすぐにヒートを起こしただろうな。俺は兄上の近くに居るべきではない」
「そっちか。マグラリア殿下も、一時は酷く追い込まれてると聞いてたが、お前の前じゃ気丈な兄上を演じてる訳だ」
「そうだ。あの人は無理をする」
どこか悲しげに呟くと、デルザリオは正面を見据えて表情を引き締める。
帰路は人目に触れる心配があるが、裏をかく形で王都の北、貿易の要となる港町アダールに立ち寄り、その後は街道を西に突っ切る。
如何に王都のお膝元とはいえ、ラウェルナ大森林に入ってしまえば、後はグラップシーの縄張りのすぐ下を通り、森の西側に整備した独自の道を通って集落を目指せば問題ない。
「さすがにこの辺りじゃ、王の息が掛かった連中が多いだろうな。でもこの強行軍だ、そろそろ馬を休ませないと使い物にならなくなるぞ」
「分かっている。アダールで勘付かれたらその時はその時だ」
「この警備の中のうのうと過ごしたら、更に恨みを買いそうで気が進まないけどな」
無駄口を叩きながらアダール方面に向かう街道を進もうとした時、デルザリオは今までにない胸騒ぎを覚えてその場に留まった。
ケイレブは急に馬を止めたデルザリオを怪訝に思うが、顔を覗き込んだ瞬間に、なにが起こっているか理解した。
デルザリオがこんな顔をしている時は、往々にして精霊たちの声が聞こえている時だ。
「なんだよ。寄り道禁止のお告げかよ」
「分からんが、悠長にことを構えている訳にはいかないらしい。急げとばかり騒がしくてな。どうやらアダールに寄っている暇はないようだな」
「なら南下して湖沿いに、小さい森を抜けていくか。それなら馬を休ませる時間も取れるだろ」
「ああ」
デルザリオたちは、北へ向かう予定を切り替えて街道を南下する。
領地警備はこの王都近郊の街道にいくつも拠点を構えており、有り難くないことに、デルザリオは今でも法外な懸賞金を懸けられたお尋ね者である。
「ここから南下するなら、アダールの近くまで進んで来たのはちょっと不味かったか」
ケイレブがそう言うのも無理はない。ここからだと王都の真横を通ることになり、その街道は整備され、脇道がないばかりか、この辺りは夜中でも明かりが灯り、往来の動向を監視する警備兵が立っている。
「どうと言うことはない」
「俺お前のそういうところが好き」
「気色の悪い言い方はやめろ」
「なんだよ、照れたのか」
「話にならんな」
悪態吐きながらも笑顔を浮かべて、デルザリオはちらりとケイレブを見ると、なにか思い出したように進路を変える。
「おい、どこ行くんだよデリー」
「精霊が騒がしい。お前の故郷に立ち寄るぞ」
「ナキルにか?マジかよ」
「大真面目だ」
ふざけたそぶりで驚くケイレブを一瞥すると、デルザリオは枝分かれする街道を迷いなく進み、当初の予定とはだいぶ異なる行動に出る。
「急ぐんじゃなかったのかよ」
「そのための回り道だ。とにかくこいつらがうるさくて敵わん」
「まあそういうことなら。行くしかないねえ」
「ああ」
王都の南東に位置する村、ナキルには緩やかな丘に沿った果樹園が広がり、そこで採れるカティエは栄養価が高い果実で、甘くて香り豊かでほのかな酸味と水気が多く含む。
そのまま食べることはもちろん、果実酒として加工されることも多く、カティエの果実酒であるプローナはオルガッドの特産品であり、ナキルは高品質なカティエの産地と言える。
ここからナキルに向かうのであれば、馬で移動すれば目と鼻先ほどの距離だ。幸い星灯りのおかげで馬も走る。なんとか夜明け前に到着するだろう。
「だけどなんでナキルなんだ?」
「分からんが、なにか大事な物を受け取れと騒いでる」
「受け取れ?なんだろうな」
「俺にも分からん。コイツらは肝心なことを言わんからな」
流石にここまで来ると馬に疲れが見えて来る。ナキルまでは後少しなので、出来れば休憩は挟まずに直接向かいたい。
デルザリオは労うように馬の首筋を撫でてやると、もう少しの辛抱だと手綱を握り直した。
このところ精霊たちがよく騒ぐ。時折クスクスと可笑しそうに笑い声をあげているのが癪に触るが、彼らはデルザリオに不利益をもたらす存在ではない。
今もどこか楽しそうに騒ぐ彼らを見るに、デルザリオに良からぬことをが起こる気配は感じない。もしそうなら彼らとて、不謹慎にはしゃいだりはしない。
ただし彼らが、いたずらに騒ぎ立てるだけではない存在であることは、デルザリオも充分承知している。
ナキルで受け取るべき大事な物が何なのかまでは教える気がないようだが、デルザリオか、あるいはケイレブにとって、なにか重要なことに絡んでいる予測は出来た。
そうして馬を走らせ、ようやくナキルに到着したデルザリオたちは、予想外の人物からの手紙を受け取ることになる。
それはケイレブに宛てたヘンゼルからの手紙であった。
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