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(7)疼きの根源
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往路は馬に負担を掛けた分、復路は細かく休憩を挟み、ケセンの具合いを見ながら慎重に進み、出発から六日後、デルザリオたちはようやくラウェルナ大森林まで戻ってきた。
これだけ日にちが経過しても問題ないと云うことは、解毒には成功したようだが、グラップシーにつけられた傷が深いためかケセンの高熱は治まらず、いまだ予断を許さない状況に変わりはない。
集落に着くなり、残っていた者たちに熱に浮かされるケセンの看病を任せると、アボットやリュカスを休ませて、デルザリオは一人自室にこもり、喉が焼けるような強い酒を一気に呷った。
「これでは足りんな」
デルザリオは独りごちると、ざわついたままの胸の内を抑え込むように再び酒を呷る。
いまだに奇妙な感覚だ。突然起こったそれは、自分で制御出来ない初めての衝動だった。
不快と表現するにはどこか違っていて、むしろ計り知れない分、得体の知れない心地好さがあり、好奇心が湧いた。
宿屋でのあの出来事だ。
一気に血が滾り、沸騰するような昂りが体を駆け巡って、じっとしてはいられないあの感覚は、少なからずデルザリオを動揺させ、しかし生まれて初めてのことに興奮すら覚えた。
思えばイミザに向かう最中から、精霊たちがやたらと騒いでいた。あれはケセンの容態を案じる騒ぎだと思い込んでいたが、どうやらそれだけではなかったらしい。
イミザが近付くと、一番強く大きく聞こえる声に呼ばれるまま、デルザリオが辿り着いた先にはヘンゼルが居た。
軍医であったヘンゼルが、負傷により故郷に帰って町医者をしていることは聞き及んでいたが、まさかイミザで再会するとは思ってもみなかった。
しかしそのおかげで、国でも指折りの腕を持つ医者にケセンを診て貰い、今となっては寓話の中の存在でしかない、グラップシーの猛毒を受けたことについても、詳しい事情も聞かれずにすぐに処置に入ってくれた。
その辺りがうまく運び過ぎて、精霊たちが騒いでいるのもヘンゼルとの再会や、ケセンを救えたことについてだと、デルザリオは思い込んでしまった。
けれどヘンゼルの口利きで泊まることになったあの宿屋で、それは起こった。
「あれは一体なんだったんだ」
デルザリオにとって初めて感じる衝撃であったが、どこか記憶を辿るような既視感を覚えた。
「オメガのヒートか。いやしかし」
デルザリオは叔父や兄を思い浮かべ、辺りに満ち満ちる濃厚な匂い、あるいは不快になにかが入り込んでくる、独特の感覚を思い出して眉根を寄せる。
叔父や兄が身近に居たせいで忘れがちだが、そもそもオメガ自体が珍しい存在で、よくよく考えてみれば、デルザリオはあの二人以外のオメガにほとんど接触したことがない。
「だがあの独特な匂いがしなかった」
あの空間にオメガらしき気配こそ感じたが、ヒートが放つ逆撫でされるような、辺りに充満していく濃厚な匂いはしなかった。
それはそうだ。当たり前だが、ヒートを起こしたオメガがあんな場所に居るはずがない。隔離されるか抑制剤で抑え込むのが普通のはずだ。
けれどあの時、あの場から逃げるようにして階段を登って行った二人の人影が気になった。
どちらなのかまでは判別がつかなかったが、ヒートこそ起こしていないがデルザリオには分かる。あれは明らかにオメガだった。
「だがヒートでないなら……、まさかラットか」
実際に起こしたことはないが、オメガ同様に、アルファにもラットと呼ばれる発情状態があるとは聞いたことがある。
しかしあれがラットと呼ぶほどの、酷い興奮状態だったかと問われればそうではなかった。
確かにあの晩は、夜が明けるまでざわざわと心落ち着かない状態ではあった。
だがその衝動が強かったのは、あくまで宿屋に入った時のほんの一瞬で、あれが本当にラットだったのであれば、デルザリオは酷い性衝動に苛まれたはずだ。
「考えても、全く分からんな」
諦めたように呟くと、背もたれに体を預ける。
どうでも良いことにはやかましいほど騒ぐのに、こんな時に限って精霊たちはなにも教えてはくれない。むしろ考え込むデルザリオの様子を見て、楽しそうに笑ってすらいる。
「おいデリー、入るぞ」
扉を乱暴に叩く音がしたと思ったら、有無を言わさず扉を開けて、逞しい体躯の男が部屋の中に入ってきた。家族以外でデルザリオのことを、デリーと呼ぶのはこの男くらいだ。
「返事くらい待てんのか、ケイレブ」
「冷たいなあ。まずはおかえりなさいだろ」
ケイレブと呼ばれた男は、襟足から耳元までを短く刈り込み、頭頂からふわりと左に流した銀に輝く髪が印象的な、精悍な顔立ちをした色男だ。
そして色香の漂う口元を少し開き、白い歯を覗かせた笑顔をデルザリオに向けると、これは要らないのかと意地悪そうに酒瓶を揺らす。
「今回は随分と早かったんだな」
「まあ昔馴染みに話を聞きに行っただけだからな。それにしてもケセンは災難だったな」
ケイレブは持参した酒瓶の封を開けると、適当にその辺にあった木杯に酒を注いで、片方をデルザリオの前に置く。
「ああ。だが、あいつは言うことを聞かなさすぎる。今回の件は自業自得だ」
「まあな。でもそのおかげで、ヘンゼルに会ったんだろ」
ケイレブは袋から取り出した干し肉を、机の上に置かれた木皿の中に投げ置くと、一つ手に取ってそのままかじり酒を流し込む。
「やはり知っていたか」
「まあな。それよりデリー、お前なんかあったのか。アボットが気にしてたぞ」
ケイレブは元王国騎士団員で、互いを古くから知る間柄であり、なによりデルザリオと同じアルファだ。デルザリオは逡巡してから宿屋で感じたことを話すことにした。
「……デリー、お前それ」
話を聞くなりニヤついた顔をして、ケイレブは干し肉を美味そうにかじる。
「なんだ」
「お前の周りにいる精霊は教えてくれないのか」
「こいつらは面白がってなにも言わん」
「じゃあ俺も教えてやらん。面白いからな」
「おいケイレブ」
思い当たるなら話せと、デルザリオは少し苛ついた様子で、木杯を机に叩きつける。
「待て待て。そんなに怒るなよ」
「お前もだが、こいつらも面白がってるのが腹立たしい」
「そりゃそうだろ。じゃあひとつだけ教えてやる。デリー、お前聞いたことないか?運命の番の話を」
「運命の番だと」
寓話に出てくるような子供騙しの単語を耳にして、デルザリオは一層深い皺を刻んで、その眉根を寄せた。
これだけ日にちが経過しても問題ないと云うことは、解毒には成功したようだが、グラップシーにつけられた傷が深いためかケセンの高熱は治まらず、いまだ予断を許さない状況に変わりはない。
集落に着くなり、残っていた者たちに熱に浮かされるケセンの看病を任せると、アボットやリュカスを休ませて、デルザリオは一人自室にこもり、喉が焼けるような強い酒を一気に呷った。
「これでは足りんな」
デルザリオは独りごちると、ざわついたままの胸の内を抑え込むように再び酒を呷る。
いまだに奇妙な感覚だ。突然起こったそれは、自分で制御出来ない初めての衝動だった。
不快と表現するにはどこか違っていて、むしろ計り知れない分、得体の知れない心地好さがあり、好奇心が湧いた。
宿屋でのあの出来事だ。
一気に血が滾り、沸騰するような昂りが体を駆け巡って、じっとしてはいられないあの感覚は、少なからずデルザリオを動揺させ、しかし生まれて初めてのことに興奮すら覚えた。
思えばイミザに向かう最中から、精霊たちがやたらと騒いでいた。あれはケセンの容態を案じる騒ぎだと思い込んでいたが、どうやらそれだけではなかったらしい。
イミザが近付くと、一番強く大きく聞こえる声に呼ばれるまま、デルザリオが辿り着いた先にはヘンゼルが居た。
軍医であったヘンゼルが、負傷により故郷に帰って町医者をしていることは聞き及んでいたが、まさかイミザで再会するとは思ってもみなかった。
しかしそのおかげで、国でも指折りの腕を持つ医者にケセンを診て貰い、今となっては寓話の中の存在でしかない、グラップシーの猛毒を受けたことについても、詳しい事情も聞かれずにすぐに処置に入ってくれた。
その辺りがうまく運び過ぎて、精霊たちが騒いでいるのもヘンゼルとの再会や、ケセンを救えたことについてだと、デルザリオは思い込んでしまった。
けれどヘンゼルの口利きで泊まることになったあの宿屋で、それは起こった。
「あれは一体なんだったんだ」
デルザリオにとって初めて感じる衝撃であったが、どこか記憶を辿るような既視感を覚えた。
「オメガのヒートか。いやしかし」
デルザリオは叔父や兄を思い浮かべ、辺りに満ち満ちる濃厚な匂い、あるいは不快になにかが入り込んでくる、独特の感覚を思い出して眉根を寄せる。
叔父や兄が身近に居たせいで忘れがちだが、そもそもオメガ自体が珍しい存在で、よくよく考えてみれば、デルザリオはあの二人以外のオメガにほとんど接触したことがない。
「だがあの独特な匂いがしなかった」
あの空間にオメガらしき気配こそ感じたが、ヒートが放つ逆撫でされるような、辺りに充満していく濃厚な匂いはしなかった。
それはそうだ。当たり前だが、ヒートを起こしたオメガがあんな場所に居るはずがない。隔離されるか抑制剤で抑え込むのが普通のはずだ。
けれどあの時、あの場から逃げるようにして階段を登って行った二人の人影が気になった。
どちらなのかまでは判別がつかなかったが、ヒートこそ起こしていないがデルザリオには分かる。あれは明らかにオメガだった。
「だがヒートでないなら……、まさかラットか」
実際に起こしたことはないが、オメガ同様に、アルファにもラットと呼ばれる発情状態があるとは聞いたことがある。
しかしあれがラットと呼ぶほどの、酷い興奮状態だったかと問われればそうではなかった。
確かにあの晩は、夜が明けるまでざわざわと心落ち着かない状態ではあった。
だがその衝動が強かったのは、あくまで宿屋に入った時のほんの一瞬で、あれが本当にラットだったのであれば、デルザリオは酷い性衝動に苛まれたはずだ。
「考えても、全く分からんな」
諦めたように呟くと、背もたれに体を預ける。
どうでも良いことにはやかましいほど騒ぐのに、こんな時に限って精霊たちはなにも教えてはくれない。むしろ考え込むデルザリオの様子を見て、楽しそうに笑ってすらいる。
「おいデリー、入るぞ」
扉を乱暴に叩く音がしたと思ったら、有無を言わさず扉を開けて、逞しい体躯の男が部屋の中に入ってきた。家族以外でデルザリオのことを、デリーと呼ぶのはこの男くらいだ。
「返事くらい待てんのか、ケイレブ」
「冷たいなあ。まずはおかえりなさいだろ」
ケイレブと呼ばれた男は、襟足から耳元までを短く刈り込み、頭頂からふわりと左に流した銀に輝く髪が印象的な、精悍な顔立ちをした色男だ。
そして色香の漂う口元を少し開き、白い歯を覗かせた笑顔をデルザリオに向けると、これは要らないのかと意地悪そうに酒瓶を揺らす。
「今回は随分と早かったんだな」
「まあ昔馴染みに話を聞きに行っただけだからな。それにしてもケセンは災難だったな」
ケイレブは持参した酒瓶の封を開けると、適当にその辺にあった木杯に酒を注いで、片方をデルザリオの前に置く。
「ああ。だが、あいつは言うことを聞かなさすぎる。今回の件は自業自得だ」
「まあな。でもそのおかげで、ヘンゼルに会ったんだろ」
ケイレブは袋から取り出した干し肉を、机の上に置かれた木皿の中に投げ置くと、一つ手に取ってそのままかじり酒を流し込む。
「やはり知っていたか」
「まあな。それよりデリー、お前なんかあったのか。アボットが気にしてたぞ」
ケイレブは元王国騎士団員で、互いを古くから知る間柄であり、なによりデルザリオと同じアルファだ。デルザリオは逡巡してから宿屋で感じたことを話すことにした。
「……デリー、お前それ」
話を聞くなりニヤついた顔をして、ケイレブは干し肉を美味そうにかじる。
「なんだ」
「お前の周りにいる精霊は教えてくれないのか」
「こいつらは面白がってなにも言わん」
「じゃあ俺も教えてやらん。面白いからな」
「おいケイレブ」
思い当たるなら話せと、デルザリオは少し苛ついた様子で、木杯を机に叩きつける。
「待て待て。そんなに怒るなよ」
「お前もだが、こいつらも面白がってるのが腹立たしい」
「そりゃそうだろ。じゃあひとつだけ教えてやる。デリー、お前聞いたことないか?運命の番の話を」
「運命の番だと」
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