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(31)星の輝く空に誓う
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リルカがルーシャに呼び出され、〈レヴィアタン〉が所有するもう一つの飛翔艇〈クエレヴレ〉を見るのは、この日が初めてのことだった。
〈ファフニール〉に比べると大きさは二回りほど小さく、細長いのが特徴的なスプルースの艇体は、ミヒテの光を浴びると、不思議なことに十にも二十にも見える光を放つ。
「うわあ……凄く綺麗。不思議な色だね」
「なかなかの美人よね。速さだけで言えば、〈ファフニール〉より優秀かも知れないわね」
「そんなに速く飛ぶの」
「ええ。帝国最速でしょうね」
ルーシャは愛しげに〈クエレヴレ〉に手を当てると、故障した一部に組み込む部品の製造に時間が掛かって、まだしばらくは飛ばせないのだと残念そうに呟く。
「今日はどうしてここに来たの。俺に〈クエレヴレ〉を見せたかったの」
滅多に来ることがない、様々な飛翔艇が居並ぶハンガーで辺りを見渡すと、数多くの整備技師たちが忙しなく動き回り、修理のための機械が動く音や金属を打ち鳴らす音、溶接するためだろう火花が散る様子が、リルカの気分が昂揚させる。
「それもあるけど、用事があるのはこの先の飛翔場よ」
そう答えたルーシャはリルカの手を取ると、当たり前のように指を絡めて歩き始める。
「ルーシャ、外で手を繋ぐのはちょっと」
リルカが困惑するのも無理はない。ルーシャは民衆に慕われる義賊〈レヴィアタン〉のギルマスというだけでなく、その華やかで美麗な容姿も人目を引く。
次から次へと知り合いらしき人物が寄ってきては、呼び止められて会話が始まり、その度に皆が口を揃えてその美少年はどうしたのかと、リルカを揶揄い半分に見つめてくる。
「アタシと手を繋ぐのがそんなにイヤなの」
「嫌じゃないけど、俺たちが男同士で手を繋いでるから揶揄われるんだよ」
「大丈夫よ。こんな可愛らしい子だもの、迷子にさせないためって言っておけばイイのよ」
「俺これでも成人してるし、迷子になる予定はないんだけど」
可笑しさが勝って吹き出したリルカに笑顔を向けると、真剣な眼差しでそれでも離したくないと言うルーシャの言葉に、リルカは今度こそ顔を真っ赤にして俯いた。
「あれ、ルカくんじゃないか」
そんな中、聞き覚えのある声がルカを呼び止めると、声を掛けた相手は高い足場から滑り降りるように下まで来て、ミヒテのような明るい笑顔で手を差し出した。
「ウーノス」
「ウーノス、ニックさん!」
「〈ストラヴァル〉を辞めてしまったって聞いてたから、もう会えないかと思ってたよ」
つなぎの上着を腰元で結び、油の付いた手袋を外したニックは、ひとしきりリルカとの再会を喜ぶと、ようやく隣に立つルーシャに気付いて、慌てた様子で口をぱくぱくさせる。
「あ、貴方は。まさか〈レヴィアタン〉のルーシャ・バルハラットさん」
「あらどうも。知ってくれてるみたいで光栄だわ。ねえ仔犬ちゃん、この爽やかが服を着て歩いてるような好青年はどなたかしら」
「こちらはニックさん。〈ストラヴァル〉が保有する飛翔艇〈カージナルグウィバー〉の専属整備士で、俺と同じアチューダリア出身なんだ」
「そう。〈ストラヴァル〉のね、ふぅん」
どこかつまらなさそうなルーシャにはお構いなしに、リルカは久々に再会したニックと近況について語り合い、時折ルーシャには分からないアチューダリアの言葉を使って盛り上がる。
「じゃあ、違法改造艇の攻撃を受けて、〈カージナルグウィバー〉は墜落しかけたの」
「そうなんだよ。だから少し整備に手を焼いててね、技師が何人居ても足りないくらいなんだ」
リルカとニックのたわいないやり取りに、ルーシャは難しい顔をすると、二人の会話に割って入るように艇体を見せて欲しいと口を開く。
「攻撃を受けたってことは、違法武装してたのよね」
「そうなんです。この部分ですけど破壊された跡が生々しいでしょ」
ニックが示す箇所を見つめるルーシャは、リルカが見たこともないような恐ろしく冷酷な顔をして艇体を睨んでいる。
「これだけの攻撃を受けてるのに、砲弾の類は、もしかして見つからなかったんじゃないかしら」
「ええ、そうなんです。よくお分かりになりましたね」
「うちも近しい被害が出たのよね、おそらく同じ違法武装をしてた可能性はあるわね」
ルーシャはニックに研究所の名前を告げると、そこで破損箇所に砲撃を受けた際の証拠となる付着物がないかどうか、詳しく調べるように指示を出す。
「セルゲイにはアタシから話しておくから、急いで調べた方がいいわ」
「分かりました」
その場でニックと別れると、難しい顔をしたまま顎をさするルーシャの後を追うようにして、リルカはハンガーを出た。
それまで聞こえていた心地のよい喧騒は消え、沈みゆくミヒテと同時にヌセが浮かぶ幻想的な色を湛えた大空が遠くまで広がり、リルカは立ち止まって僅かに息を呑む。
一方リルカの気配が近くにないことにようやく気付いたルーシャは、慌てた様子で振り返って駆け足で戻ってきてリルカを抱き締めた。
「ヤダもう、隣に居ないからびっくりしたわよ」
「考え事してるみたいだったから。あとは空に見惚れちゃって」
リルカはルーシャの腕の中で空を指さすと、これを見せに来たのかとルーシャの顔を見上げる。
「空は空でもちょっと違うわね。待たせてごめんね、行きましょうか」
再びリルカの手を取ると、飛翔場の突き当たりまでたわいない話をしながら歩いて、奥に停泊した小型の飛翔艇の前で立ち止まる。
「ルーシャこれは」
「古いモノだけどね、ベイルがアタシにくれた艇よ」
先に乗り込んだルーシャに手を引かれて飛翔艇に乗り込むと、甲板に直接椅子が据え付けられていて、大人が十人座れるかどうかの広さしかない。
そして操舵盤は剥き出しになって、ルーシャがその前に立つと、機械が組み込まれた操舵盤のレバーやつまみを器用に操作していく。
「え、ルーシャが飛ばすの」
「あら、飛ばせないと思ってたのかしら」
ニッと口角を上げたルーシャは舵を取ると、緩やかに浮上した飛翔艇がそのまま加速していき、瞬く間に上昇して眼下に帝都アエスの街並みが広がる。
「何度飛んでも、この素晴らしい眺めには慣れないよ」
「飛ぶのは好きかしら」
「うん」
リルカが満面の笑みを浮かべると、ルーシャは蕩けたような目を向けて破顔した。
遊覧飛行の末に浮遊大陸テンペリオスに到着すると、ドゥリガッドの森のシーナ湖畔に飛翔艇を停泊させる。
「夜は一段と冷え込むわ」
ルーシャは椅子の下から毛布を取り出すと、リルカの肩にそれを掛けてそのまま抱き寄せる。
「星が眩しいなんて初めてだよ」
「ええ。テンペリオスの夜景は見事だわ」
「これを見せるために?」
シーナ湖の水面に反射する星明かりは幻想的で、リルカは嬉しくなってルーシャの顔を見上げる。
「アタシは女神なんて信じてないから、この雄大な星空に誓うわ。リルカ、アナタだけを一生愛し抜く」
「ルーシャ」
「病める時も健やかなる時も、アナタのそばに居てアナタを愛し、なにからも守り抜いてあげる」
「なら私も誓う。貴方を愛してるから」
照れてはにかむリルカの頬に手を添えるとルーシャの顔が近付いて、星明かりが眩しいほどに辺りを照らす中、二人の影はゆっくりと重なった。
〈ファフニール〉に比べると大きさは二回りほど小さく、細長いのが特徴的なスプルースの艇体は、ミヒテの光を浴びると、不思議なことに十にも二十にも見える光を放つ。
「うわあ……凄く綺麗。不思議な色だね」
「なかなかの美人よね。速さだけで言えば、〈ファフニール〉より優秀かも知れないわね」
「そんなに速く飛ぶの」
「ええ。帝国最速でしょうね」
ルーシャは愛しげに〈クエレヴレ〉に手を当てると、故障した一部に組み込む部品の製造に時間が掛かって、まだしばらくは飛ばせないのだと残念そうに呟く。
「今日はどうしてここに来たの。俺に〈クエレヴレ〉を見せたかったの」
滅多に来ることがない、様々な飛翔艇が居並ぶハンガーで辺りを見渡すと、数多くの整備技師たちが忙しなく動き回り、修理のための機械が動く音や金属を打ち鳴らす音、溶接するためだろう火花が散る様子が、リルカの気分が昂揚させる。
「それもあるけど、用事があるのはこの先の飛翔場よ」
そう答えたルーシャはリルカの手を取ると、当たり前のように指を絡めて歩き始める。
「ルーシャ、外で手を繋ぐのはちょっと」
リルカが困惑するのも無理はない。ルーシャは民衆に慕われる義賊〈レヴィアタン〉のギルマスというだけでなく、その華やかで美麗な容姿も人目を引く。
次から次へと知り合いらしき人物が寄ってきては、呼び止められて会話が始まり、その度に皆が口を揃えてその美少年はどうしたのかと、リルカを揶揄い半分に見つめてくる。
「アタシと手を繋ぐのがそんなにイヤなの」
「嫌じゃないけど、俺たちが男同士で手を繋いでるから揶揄われるんだよ」
「大丈夫よ。こんな可愛らしい子だもの、迷子にさせないためって言っておけばイイのよ」
「俺これでも成人してるし、迷子になる予定はないんだけど」
可笑しさが勝って吹き出したリルカに笑顔を向けると、真剣な眼差しでそれでも離したくないと言うルーシャの言葉に、リルカは今度こそ顔を真っ赤にして俯いた。
「あれ、ルカくんじゃないか」
そんな中、聞き覚えのある声がルカを呼び止めると、声を掛けた相手は高い足場から滑り降りるように下まで来て、ミヒテのような明るい笑顔で手を差し出した。
「ウーノス」
「ウーノス、ニックさん!」
「〈ストラヴァル〉を辞めてしまったって聞いてたから、もう会えないかと思ってたよ」
つなぎの上着を腰元で結び、油の付いた手袋を外したニックは、ひとしきりリルカとの再会を喜ぶと、ようやく隣に立つルーシャに気付いて、慌てた様子で口をぱくぱくさせる。
「あ、貴方は。まさか〈レヴィアタン〉のルーシャ・バルハラットさん」
「あらどうも。知ってくれてるみたいで光栄だわ。ねえ仔犬ちゃん、この爽やかが服を着て歩いてるような好青年はどなたかしら」
「こちらはニックさん。〈ストラヴァル〉が保有する飛翔艇〈カージナルグウィバー〉の専属整備士で、俺と同じアチューダリア出身なんだ」
「そう。〈ストラヴァル〉のね、ふぅん」
どこかつまらなさそうなルーシャにはお構いなしに、リルカは久々に再会したニックと近況について語り合い、時折ルーシャには分からないアチューダリアの言葉を使って盛り上がる。
「じゃあ、違法改造艇の攻撃を受けて、〈カージナルグウィバー〉は墜落しかけたの」
「そうなんだよ。だから少し整備に手を焼いててね、技師が何人居ても足りないくらいなんだ」
リルカとニックのたわいないやり取りに、ルーシャは難しい顔をすると、二人の会話に割って入るように艇体を見せて欲しいと口を開く。
「攻撃を受けたってことは、違法武装してたのよね」
「そうなんです。この部分ですけど破壊された跡が生々しいでしょ」
ニックが示す箇所を見つめるルーシャは、リルカが見たこともないような恐ろしく冷酷な顔をして艇体を睨んでいる。
「これだけの攻撃を受けてるのに、砲弾の類は、もしかして見つからなかったんじゃないかしら」
「ええ、そうなんです。よくお分かりになりましたね」
「うちも近しい被害が出たのよね、おそらく同じ違法武装をしてた可能性はあるわね」
ルーシャはニックに研究所の名前を告げると、そこで破損箇所に砲撃を受けた際の証拠となる付着物がないかどうか、詳しく調べるように指示を出す。
「セルゲイにはアタシから話しておくから、急いで調べた方がいいわ」
「分かりました」
その場でニックと別れると、難しい顔をしたまま顎をさするルーシャの後を追うようにして、リルカはハンガーを出た。
それまで聞こえていた心地のよい喧騒は消え、沈みゆくミヒテと同時にヌセが浮かぶ幻想的な色を湛えた大空が遠くまで広がり、リルカは立ち止まって僅かに息を呑む。
一方リルカの気配が近くにないことにようやく気付いたルーシャは、慌てた様子で振り返って駆け足で戻ってきてリルカを抱き締めた。
「ヤダもう、隣に居ないからびっくりしたわよ」
「考え事してるみたいだったから。あとは空に見惚れちゃって」
リルカはルーシャの腕の中で空を指さすと、これを見せに来たのかとルーシャの顔を見上げる。
「空は空でもちょっと違うわね。待たせてごめんね、行きましょうか」
再びリルカの手を取ると、飛翔場の突き当たりまでたわいない話をしながら歩いて、奥に停泊した小型の飛翔艇の前で立ち止まる。
「ルーシャこれは」
「古いモノだけどね、ベイルがアタシにくれた艇よ」
先に乗り込んだルーシャに手を引かれて飛翔艇に乗り込むと、甲板に直接椅子が据え付けられていて、大人が十人座れるかどうかの広さしかない。
そして操舵盤は剥き出しになって、ルーシャがその前に立つと、機械が組み込まれた操舵盤のレバーやつまみを器用に操作していく。
「え、ルーシャが飛ばすの」
「あら、飛ばせないと思ってたのかしら」
ニッと口角を上げたルーシャは舵を取ると、緩やかに浮上した飛翔艇がそのまま加速していき、瞬く間に上昇して眼下に帝都アエスの街並みが広がる。
「何度飛んでも、この素晴らしい眺めには慣れないよ」
「飛ぶのは好きかしら」
「うん」
リルカが満面の笑みを浮かべると、ルーシャは蕩けたような目を向けて破顔した。
遊覧飛行の末に浮遊大陸テンペリオスに到着すると、ドゥリガッドの森のシーナ湖畔に飛翔艇を停泊させる。
「夜は一段と冷え込むわ」
ルーシャは椅子の下から毛布を取り出すと、リルカの肩にそれを掛けてそのまま抱き寄せる。
「星が眩しいなんて初めてだよ」
「ええ。テンペリオスの夜景は見事だわ」
「これを見せるために?」
シーナ湖の水面に反射する星明かりは幻想的で、リルカは嬉しくなってルーシャの顔を見上げる。
「アタシは女神なんて信じてないから、この雄大な星空に誓うわ。リルカ、アナタだけを一生愛し抜く」
「ルーシャ」
「病める時も健やかなる時も、アナタのそばに居てアナタを愛し、なにからも守り抜いてあげる」
「なら私も誓う。貴方を愛してるから」
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