嘘つき同士は真実の恋をする。

濘-NEI-

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16.初めての夜② ※

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「アァッ……、ヒッ、アアァ」
「なにもしてないのにとろとろだ」
「してなくない……胸とか、今だって、アッ」
「感じやすいね」
「分かんないけど、ンッ……、凄い、気持ちいい」
「なんかその声、ちょっと掠れてて厭らしい」
 慶弥さんはそう言うと、潤んだ蜜壺に舌を挿し、浅瀬をぐちゅぐちゅと掻き混ぜる。
 こんなところを舌で刺激されてことがなくて、言いようのない感覚に体が驚いて腰が揺れてしまう。
 すると慶弥さんは、唾液を纏わせた指を使って、器用に肉珠を捏ねながらじゅるりと蜜を啜り上げて花弁を啄む。
「ヤァッ、そんなのダメ」
「気持ちいいんだ?」
「ウッ、ン……ンッ。ハァアッ、やだぁ。ダメ、これ以上はダメッ」
「イキそうなんだ? いいよ」
「やっ、分かんない。なんかくる、ダメダメ、やだぁ」
 隘路の浅瀬を解していたはずの舌は、いつの間にか外に出て肉珠を舐り、勃ち上がったそれを唇で甘噛みされると、いよいよなにかが弾けたように体がビクンと跳ねた。
「アァアッ」
 一瞬のことで、失禁してしまったのかと動揺するけれど、慶弥さんがベッドの中から顔を出してニッコリ微笑むので、どうやら粗相はしてないらしい。
「イった顔見そびれた」
 彼の顔を見て、今自分に起こったことを瞬時に理解すると、今までの経験でイったと思っていたのは、雰囲気に流された勘違いだったことを思い知らされる。
「とろんとした顔、凄い可愛いね瑞穂」
「わ、たし……」
「ん。二人でもっと気持ちよくなろうね」
 慶弥さんは滲んだ汗で張り付いた私の前髪を払い、彼の方こそ蕩けるような甘い顔をして私にキスをする。
 直前まで秘所を愛撫されていたことすら、気にならないくらい、彼に女として求められていることが嬉しくて、優しいキスなのに舌を搦め取って抱き締める腕に力を込めた。
「……瑞穂は煽り上手だよね」
「え?」
「ちょっとヤキモチ妬きそう」
 呟いた慶弥さんが私の首筋に顔を埋めると、チリッとした痛みが走り、そこに痕を刻まれたんだと気付く。
「こんなところ、見えちゃう」
「髪で隠れるよ」
 チュッと音を立てて唇をキスをすると、慶弥さんは一旦ベッドを離れ、クローゼットのチェストから小箱を取り出した。
 それが避妊具なのは、なんとなく分かる。
 そしてひんやりとした空気を纏った慶弥さんがベッドに戻ってくると、何度かキスを交わしながら体を温めるように抱き締め合う。
「瑞穂、俺のを中にれたい」
「うん、欲しい」
「じゃあもう少し、体を温め直そうか」
 ひんやりして乾いた指が蜜口にあてがわれると、乾きを知らないほど潤った、ぐちゅっとした厭らしい音がした。
「しっかり濡れてる。ここはどうかな」
「アァン」
 花弁を暴かれ、ようやく鎮まったばかりの肉珠を指先が引っ掻き、すぐに熱っぽい息が漏れる。
 横向きに寝そべって、ほとんど両足が閉じた状態で、下生えの茂みを巻き込むように少し激しく指先が蠢くと、的確に、けれど優しく肉珠を転がされて甘い痺れが迫り上がってきた。
「閉じたら触れないでしょ」
「ンンッ……気持ちいいけどっ、アッ」
 閉じていた片足を持ち上げられて、秘裂を暴かれると、たっぷりと蜜を纏った指がグッと奥に挿し込まれ、その節くれだった指が濡れそぼった隘路を自由に行き来する。
「凄い締めてくるね。どうしたい?」
 不意に指を止めて額を私の額に押し付けると、ゼロ距離で唇を食むようなフリをして、慶弥さんが私を焦らす。
「奥を、もっと混ぜて欲しい」
「こう?」
「ンッ」
「どこが気持ちいいかな」
「アッ、……ァァア。そこ、ヤダぁ」
「気持ちいいとヤダって言うよね」
 内側から押し上げるように、思うよりも浅瀬で何度も指が行き交うと、先ほど達した感覚に似たような焦燥感と愉悦が込み上げてくる。
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