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目覚め
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アシュは、ベッドの上で目覚めた。
ベッドから少し離れた所の大きな窓からのカーテン越しの明るい日差しが、部屋に差し込んでいる。
そして、その光が、ベッドの回りの壁に設置された大きな鏡にも届く。
そして、瞼をゆっくり上げる間…
ボーっとする頭でゆっくり今がいつで、今何処にいて、昨晩何があったか思い出した。
すぐに急に雪崩のように昨晩の記憶が戻ってきて、アシュはバチっと目を開けた。
だが次の瞬間、そのアシュの目の前にはまだ眠るグレンがいて、アシュをグレンの胸の中で横抱きしていた。
「…」
この状況に、アシュは息を詰め
て、体をガチガチに固めた。
だがやがて、どうすればいいのか分からず、そっと顔を上げる。
グレンのオス味のある整った顔が、穏やかに眠りに着いている。
今は、グレンのいつもの王族然とした威圧的な雰囲気も嘘のように消え、まるで本当に子供のようだ。
同時に、気持ち良さそうなグレンの寝息もすぐ傍に感じる。
(かわいい…こんな顔もするんだ…)
アシュにとっては、このグレンは大発見だった。
そして一瞬微笑ましくて、ずっとグレンがいつもこうならいいのにと思ってしまったが…
アシュはすぐ、自分がグレンから逃げるのを失敗し、しかも体を無理やり犯された事を思い出した。
そして、回想で体がビクリとし、
グレンを起こしてしまった。
体勢を変えないまま、グレンとアシュの目線ががっちり合った。
グレンの雰囲気が一転した。
鋭く、圧の強いグレンの視線は、
いつものグレンだ。
アシュは、恐れと緊張から、グレンに抱かれたまま言葉も出ず、グレンから目を逸らせない。
けれど、グレンの瞳を見れば見る程余りにキレイで、更に言葉を失う。
しかしアシュは自分が今、グレンと同じ色、白のバスローブを着ている事にもようやく気付いた。
そして、体もベタベタしていない事にも。
昨日、グレンとセックスした後、
誰かがアシュの体を清潔にして着替えさせたのだ。
「バスローブに…着替てる…誰が、これを?…」
アシュがグレンに尋ねた。
この離宮の世話係に着替えさせられ、裸を見られたのでは?と、アシュは焦った。
だがグレンは、一度アシュから視線を逸らせ、バツが悪そうにブツブツ低い声で呟いた。
「着替えさせたのは…私だ…お前の体が汗や媚薬でベタベタだったから…風呂にも…入れた…」
以外な言葉に、アシュは信じられなくて目を丸くしてしまった。
確かに、風呂に入っていたような入れてもらっていたような夢を見ていたと思ったが…
疲れと媚薬に当てられて意識が朦朧だったのかも知れず、ハッキリしなかった。
でも、まさか現実だったなんて。
そして…
何故この国の次期国王たる王子自らが、自分のただの乳母、即ち、ただの使用人にそんな事をする必要があったのか気になった。
ベッドから少し離れた所の大きな窓からのカーテン越しの明るい日差しが、部屋に差し込んでいる。
そして、その光が、ベッドの回りの壁に設置された大きな鏡にも届く。
そして、瞼をゆっくり上げる間…
ボーっとする頭でゆっくり今がいつで、今何処にいて、昨晩何があったか思い出した。
すぐに急に雪崩のように昨晩の記憶が戻ってきて、アシュはバチっと目を開けた。
だが次の瞬間、そのアシュの目の前にはまだ眠るグレンがいて、アシュをグレンの胸の中で横抱きしていた。
「…」
この状況に、アシュは息を詰め
て、体をガチガチに固めた。
だがやがて、どうすればいいのか分からず、そっと顔を上げる。
グレンのオス味のある整った顔が、穏やかに眠りに着いている。
今は、グレンのいつもの王族然とした威圧的な雰囲気も嘘のように消え、まるで本当に子供のようだ。
同時に、気持ち良さそうなグレンの寝息もすぐ傍に感じる。
(かわいい…こんな顔もするんだ…)
アシュにとっては、このグレンは大発見だった。
そして一瞬微笑ましくて、ずっとグレンがいつもこうならいいのにと思ってしまったが…
アシュはすぐ、自分がグレンから逃げるのを失敗し、しかも体を無理やり犯された事を思い出した。
そして、回想で体がビクリとし、
グレンを起こしてしまった。
体勢を変えないまま、グレンとアシュの目線ががっちり合った。
グレンの雰囲気が一転した。
鋭く、圧の強いグレンの視線は、
いつものグレンだ。
アシュは、恐れと緊張から、グレンに抱かれたまま言葉も出ず、グレンから目を逸らせない。
けれど、グレンの瞳を見れば見る程余りにキレイで、更に言葉を失う。
しかしアシュは自分が今、グレンと同じ色、白のバスローブを着ている事にもようやく気付いた。
そして、体もベタベタしていない事にも。
昨日、グレンとセックスした後、
誰かがアシュの体を清潔にして着替えさせたのだ。
「バスローブに…着替てる…誰が、これを?…」
アシュがグレンに尋ねた。
この離宮の世話係に着替えさせられ、裸を見られたのでは?と、アシュは焦った。
だがグレンは、一度アシュから視線を逸らせ、バツが悪そうにブツブツ低い声で呟いた。
「着替えさせたのは…私だ…お前の体が汗や媚薬でベタベタだったから…風呂にも…入れた…」
以外な言葉に、アシュは信じられなくて目を丸くしてしまった。
確かに、風呂に入っていたような入れてもらっていたような夢を見ていたと思ったが…
疲れと媚薬に当てられて意識が朦朧だったのかも知れず、ハッキリしなかった。
でも、まさか現実だったなんて。
そして…
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