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プロポーズ3
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「クロ…ありがとう…」
理久は、跪いたままのクロの長い黒髪を撫でた。
クロはその理久の反応にいい予感を感じて、尻尾をブンブン振った。
理久には、そんな大の年上の男がとても可愛く映る。
しかし…
「クロ…ごめん…俺、クロと結婚は出来ない…」
そう答えた理久を見上げていたクロは唖然と瞠目して、立派な耳と尾が又しなだれた。
「何故?俺が…俺が…獣人だからか?やっぱり…俺が怖いか?」
「違う…それは、違うよ…」
理久の首が2度振られた。
「俺…まだ高校生になったばかりで、これからもっと勉強して大学も行きたいし、自分の世界に戻って暮らさなきゃ…」
「理久…」
クロの青い瞳が、苦し気に細められる。
理久は、再びクロの頭を撫でながら、優しく呟く。
「それに、クロ…俺…本当はお前に俺の所に帰って来て欲しかったけど、お前が無事で、元気でいてくれたなら、それが何より一番なんだ…」
「理久…」
「どっかでケガしてないかな?とか、病気してないかな?とか、お腹空いてないかな?って、ずっとずっと心配してたんだ…」
「理久…」
「クロがこの世界で、生きて元気で暮らしてくれてさえいれば、どんなに離れていても俺はもう泣いたりしないよ…」
「嫌だ!理久!俺は、お前と離れたくない!なら、やっぱり、俺が国王を辞めて、お前の世界に帰る!」
理久より見掛け、体格も年齢も立派に上の大人の男が、又幼稚園児のように言う。
理久はそれを、まるで犬のクロをなだめるようにまだ髪を撫でながら穏やかに諭す。
「ダメだよ、クロ。そんな簡単に辞められる訳ないだろう?どんな国かはまだよく知らないし、さっき少し見ただけだけど分かったんだ。クロは王様で、これは間違いなく現実なんだって…クロは、俺が思う以上の重い立場にいるんだって…」
「理…久…」
そう、呆然と呟いたクロの理久を見詰める青い瞳が、突然金色に染まり視線がキツくなった。
そして、理久の両手を握るクロの両手の爪が、急に野獣のように伸びて鋭くなる。
そして、クロは2本の鋭い牙を剥き出し、明らかに人では無い、獣の怒りの低い唸りのような声を上げ始めた。
「ウーッ…グルグルグル…グーゥッッ…」
そして同時に、激しい息を繰り返す。
クロは今正に、野獣そのものだ…
そして今にもクロはここで又理久を押し倒し、足を無理矢理広げさせ、犯してしまいそうな勢いだ。
クロは、東京にいた時、滅多にこんな風に唸らなかった。
いつもは、本当に穏やかで優しいかわいい犬だった。
でも、たまに、本当にごく稀に、全く知らない若い女性が理久にやたら親し気に近づくと、警告のようにかなり控え目に軽くだが吠えたり…
そして、理久に慣れ慣れしい、特に知らない若い男だけに対してだけはこんな風によく唸り、時に噛みつく勢いで猛烈にしつこく吠えた。
そしてよく、興奮が収まるまで、理久に強く抱かれ毛を撫でられた。
「クロ…クロ…」
理久の呼びかけが、クロに届いているのかすら分からない。
クロは、理久への性衝動で体が滾っていた。
獣本来の本能で…
理久を求めて、求めて、どうしようも無く求める余り…
でもそれを、クロ自身がなんとか必死で押さえ込もうとしている感じがある事が理久には分かった。
「グーゥ…グルグルグーゥ…グーゥ…」
それでも、クロの唸りは収まらない。
そしてすぐにでも、凶悪な爪が理久を引き裂きそうだ。
でも、理久は、ホラー映画やゲームはこわいが、クロが怖いとは少しも思わない。
それ所か、間違ってクロに噛み殺されても、引き裂かれてもいいとすら思いながら…
「クロ…クロ…クロ…」
理久は、躊躇う事無く手を伸ばし、クロを見詰めたまま更に優しく優しく…クロの髪を撫で始めた。
理久は、跪いたままのクロの長い黒髪を撫でた。
クロはその理久の反応にいい予感を感じて、尻尾をブンブン振った。
理久には、そんな大の年上の男がとても可愛く映る。
しかし…
「クロ…ごめん…俺、クロと結婚は出来ない…」
そう答えた理久を見上げていたクロは唖然と瞠目して、立派な耳と尾が又しなだれた。
「何故?俺が…俺が…獣人だからか?やっぱり…俺が怖いか?」
「違う…それは、違うよ…」
理久の首が2度振られた。
「俺…まだ高校生になったばかりで、これからもっと勉強して大学も行きたいし、自分の世界に戻って暮らさなきゃ…」
「理久…」
クロの青い瞳が、苦し気に細められる。
理久は、再びクロの頭を撫でながら、優しく呟く。
「それに、クロ…俺…本当はお前に俺の所に帰って来て欲しかったけど、お前が無事で、元気でいてくれたなら、それが何より一番なんだ…」
「理久…」
「どっかでケガしてないかな?とか、病気してないかな?とか、お腹空いてないかな?って、ずっとずっと心配してたんだ…」
「理久…」
「クロがこの世界で、生きて元気で暮らしてくれてさえいれば、どんなに離れていても俺はもう泣いたりしないよ…」
「嫌だ!理久!俺は、お前と離れたくない!なら、やっぱり、俺が国王を辞めて、お前の世界に帰る!」
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理久はそれを、まるで犬のクロをなだめるようにまだ髪を撫でながら穏やかに諭す。
「ダメだよ、クロ。そんな簡単に辞められる訳ないだろう?どんな国かはまだよく知らないし、さっき少し見ただけだけど分かったんだ。クロは王様で、これは間違いなく現実なんだって…クロは、俺が思う以上の重い立場にいるんだって…」
「理…久…」
そう、呆然と呟いたクロの理久を見詰める青い瞳が、突然金色に染まり視線がキツくなった。
そして、理久の両手を握るクロの両手の爪が、急に野獣のように伸びて鋭くなる。
そして、クロは2本の鋭い牙を剥き出し、明らかに人では無い、獣の怒りの低い唸りのような声を上げ始めた。
「ウーッ…グルグルグル…グーゥッッ…」
そして同時に、激しい息を繰り返す。
クロは今正に、野獣そのものだ…
そして今にもクロはここで又理久を押し倒し、足を無理矢理広げさせ、犯してしまいそうな勢いだ。
クロは、東京にいた時、滅多にこんな風に唸らなかった。
いつもは、本当に穏やかで優しいかわいい犬だった。
でも、たまに、本当にごく稀に、全く知らない若い女性が理久にやたら親し気に近づくと、警告のようにかなり控え目に軽くだが吠えたり…
そして、理久に慣れ慣れしい、特に知らない若い男だけに対してだけはこんな風によく唸り、時に噛みつく勢いで猛烈にしつこく吠えた。
そしてよく、興奮が収まるまで、理久に強く抱かれ毛を撫でられた。
「クロ…クロ…」
理久の呼びかけが、クロに届いているのかすら分からない。
クロは、理久への性衝動で体が滾っていた。
獣本来の本能で…
理久を求めて、求めて、どうしようも無く求める余り…
でもそれを、クロ自身がなんとか必死で押さえ込もうとしている感じがある事が理久には分かった。
「グーゥ…グルグルグーゥ…グーゥ…」
それでも、クロの唸りは収まらない。
そしてすぐにでも、凶悪な爪が理久を引き裂きそうだ。
でも、理久は、ホラー映画やゲームはこわいが、クロが怖いとは少しも思わない。
それ所か、間違ってクロに噛み殺されても、引き裂かれてもいいとすら思いながら…
「クロ…クロ…クロ…」
理久は、躊躇う事無く手を伸ばし、クロを見詰めたまま更に優しく優しく…クロの髪を撫で始めた。
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