11 / 12
エリザベート
しおりを挟む
「君…誰?」
ゼインはベッドに横になったまま、幼女に尋ねた。
「私は、エリザベートよ!この横にいるのは、私の下僕のジータ」
幼女の横にいた小さなグリーンドラゴンは、大きくかわいい瞳でパチパチと瞬きした。
ゼインは、上半身を起こした。
「君はもしかして、この城のお姫様?」
幼女は何故か、少し考える上品な素振りをしてから答えた。
「そう…そうだったの…でも…悪い奴等が沢山来るからって、お母様や侍女達が少し隠れてなさいって言ったから隠し部屋に暫く隠れていて出て来たら、いつの間にかグレイの髪の男が兄上のこの城を取っちゃったの!」
「えっ?…グレイの髪の男?」
ゼインは、あの、窓から見た美しい男を思い出した。
「兄上が戦争に行く時、エリザベート、必ず帰ってくるからこの城で待っていなさいって言ってたの。だからずーっと待ってるんだけど、兄上…全然帰って来ないの…だから寂しいから、お前も私の兄上にして上げるから、兄上が帰って来るのを私と一緒に待ちなさい…」
「え…それは…」
ゼインは、掴みようの無い話しに言葉に詰まる。
しかし…
「城を取った?まるで人を盗人みたいに言うな!大体、普通の人間のお前の兄貴が戦争に行ってもう150年経ってから私がこの城の主になったのに、お前の兄貴から城が取れるか!」
いつ部屋に入って来たのか?
ドアのすぐ横にあのグレイの長髪の男が、上下黒ずくめの端正な格好で腕組し立っていて、エリザベートを睨み言った。
「怖い!怖い!」
エリザベートが叫び、グリーンドラゴンと共にゼインに抱きつく。
ゼインは、エリザベートとドラゴンを抱き締めた。
すると、グレイの髪の男は睨むのを一瞬止めたが、又目を眇めゼインを見て言った。
「ゼイン、騙されるな!そいつは、150年間この城を彷徨っている亡霊だ!ただのガキだから、ずっと気付かないフリをして大目に見てきてやったのに…」
ゼインは、エリザベートがしっかり手触りがして実体があるからそう言われて驚きだったが…
それより…
男がゼインに向かい喋っている事の方が驚きだった。
ゼインはベッドに横になったまま、幼女に尋ねた。
「私は、エリザベートよ!この横にいるのは、私の下僕のジータ」
幼女の横にいた小さなグリーンドラゴンは、大きくかわいい瞳でパチパチと瞬きした。
ゼインは、上半身を起こした。
「君はもしかして、この城のお姫様?」
幼女は何故か、少し考える上品な素振りをしてから答えた。
「そう…そうだったの…でも…悪い奴等が沢山来るからって、お母様や侍女達が少し隠れてなさいって言ったから隠し部屋に暫く隠れていて出て来たら、いつの間にかグレイの髪の男が兄上のこの城を取っちゃったの!」
「えっ?…グレイの髪の男?」
ゼインは、あの、窓から見た美しい男を思い出した。
「兄上が戦争に行く時、エリザベート、必ず帰ってくるからこの城で待っていなさいって言ってたの。だからずーっと待ってるんだけど、兄上…全然帰って来ないの…だから寂しいから、お前も私の兄上にして上げるから、兄上が帰って来るのを私と一緒に待ちなさい…」
「え…それは…」
ゼインは、掴みようの無い話しに言葉に詰まる。
しかし…
「城を取った?まるで人を盗人みたいに言うな!大体、普通の人間のお前の兄貴が戦争に行ってもう150年経ってから私がこの城の主になったのに、お前の兄貴から城が取れるか!」
いつ部屋に入って来たのか?
ドアのすぐ横にあのグレイの長髪の男が、上下黒ずくめの端正な格好で腕組し立っていて、エリザベートを睨み言った。
「怖い!怖い!」
エリザベートが叫び、グリーンドラゴンと共にゼインに抱きつく。
ゼインは、エリザベートとドラゴンを抱き締めた。
すると、グレイの髪の男は睨むのを一瞬止めたが、又目を眇めゼインを見て言った。
「ゼイン、騙されるな!そいつは、150年間この城を彷徨っている亡霊だ!ただのガキだから、ずっと気付かないフリをして大目に見てきてやったのに…」
ゼインは、エリザベートがしっかり手触りがして実体があるからそう言われて驚きだったが…
それより…
男がゼインに向かい喋っている事の方が驚きだった。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
悪役令息の七日間
リラックス@ピロー
BL
唐突に前世を思い出した俺、ユリシーズ=アディンソンは自分がスマホ配信アプリ"王宮の花〜神子は7色のバラに抱かれる〜"に登場する悪役だと気付く。しかし思い出すのが遅過ぎて、断罪イベントまで7日間しか残っていない。
気づいた時にはもう遅い、それでも足掻く悪役令息の話。【お知らせ:2024年1月18日書籍発売!】

例え何度戻ろうとも僕は悪役だ…
東間
BL
ゲームの世界に転生した留木原 夜は悪役の役目を全うした…愛した者の手によって殺害される事で……
だが、次目が覚めて鏡を見るとそこには悪役の幼い姿が…?!
ゲームの世界で再び悪役を演じる夜は最後に何を手に?
攻略者したいNO1の悪魔系王子と無自覚天使系悪役公爵のすれ違い小説!
【完結】相談する相手を、間違えました
ryon*
BL
長い間片想いしていた幼なじみの結婚を知らされ、30歳の誕生日前日に失恋した大晴。
自棄になり訪れた結婚相談所で、高校時代の同級生にして学内のカースト最上位に君臨していた男、早乙女 遼河と再会して・・・
***
執着系美形攻めに、あっさりカラダから堕とされる自称平凡地味陰キャ受けを書きたかった。
ただ、それだけです。
***
他サイトにも、掲載しています。
てんぱる1様の、フリー素材を表紙にお借りしています。
***
エブリスタで2022/5/6~5/11、BLトレンドランキング1位を獲得しました。
ありがとうございました。
***
閲覧への感謝の気持ちをこめて、5/8 遼河視点のSSを追加しました。
ちょっと闇深い感じですが、楽しんで頂けたら幸いです(*´ω`*)
***
2022/5/14 エブリスタで保存したデータが飛ぶという不具合が出ているみたいで、ちょっとこわいのであちらに置いていたSSを念のためこちらにも転載しておきます。

アルファな俺が最推しを救う話〜どうして俺が受けなんだ?!〜
車不
BL
5歳の誕生日に階段から落ちて頭を打った主人公は、自身がオメガバースの世界を舞台にしたBLゲームに転生したことに気づく。「よりにもよってレオンハルトに転生なんて…悪役じゃねぇか!!待てよ、もしかしたらゲームで死んだ最推しの異母兄を助けられるかもしれない…」これは第二の性により人々の人生や生活が左右される世界に疑問を持った主人公が、最推しの死を阻止するために奮闘する物語である。

つまりは相思相愛
nano ひにゃ
BL
ご主人様にイかないように命令された僕はおもちゃの刺激にただ耐えるばかり。
限界まで耐えさせられた後、抱かれるのだが、それもまたしつこく、僕はもう僕でいられない。
とことん甘やかしたいご主人様は目的達成のために僕を追い詰めるだけの短い話です。
最初からR表現です、ご注意ください。

ヤクザと捨て子
幕間ささめ
BL
執着溺愛ヤクザ幹部×箱入り義理息子
ヤクザの事務所前に捨てられた子どもを自分好みに育てるヤクザ幹部とそんな保護者に育てられてる箱入り男子のお話。
ヤクザは頭の切れる爽やかな風貌の腹黒紳士。息子は細身の美男子の空回り全力少年。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる