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寿司
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遥斗が子供の頃からいだくイメージは…
神様とは、美しく…
聡明で…
寛大で…
ただそこにいるだけで…人々の敬意を集める存在。
確かに遥斗は梛様を一目見て、神様が実在するなど最初信じられなかったが…
その反面梛様は、遥斗の神様のイメージそのままだった。
だが…しかし…
遥斗は…
それはあくまで、見かけだけだったと…(白目)
溜め息をついた。
美空の喫茶店でモーニングを食べた後、遥斗と神社に帰った超ご機嫌の梛様は、小さな子供みたいにすぐに又お腹を空かせた。
神主であり遥斗の義父は、キャリーイーツで、近くの超有名寿司店に出前を頼んだ。
この超有名寿司店は、値段もかなりする。
梛様を、座敷の縦長テーブルの左側奥の上座側に鎮座させ、梛様の右に遥斗、その向かいに義父と義母も正座で座り、皆で個別の上質な使い捨ての容器入りの寿司と付属のお吸い物を食べる。
しかし、梛様は、食べ始めから余り浮かない顔で、それでも米一粒残さず全部キレイにたいらげてから一言言った。
「いまいちだったな…私が食べたいのは、もっとこう、米粒一つ一つがはっきりしていて、米の色ももっと赤茶色だ。寿司米に使ってる酢が全然違う」
(普通…そんなにキレイに完食して、文句言う?)
遥斗は、内心そうツッコミながらも黙って聞いていたが…
「遥斗ぉ~!遥斗ぉぉ~!梛様はああ仰せなのだ!梛様のお口に合う寿司を探し出せ!」
すぐに義父は遥斗に泣きつくように言い、遥斗は心の中で深い溜め息をついた。
そして、夕刻…
遥斗の、今日もハードな神社の仕事が終わった。
(ネタじゃ無くて、シャリの方にこだわるとか…シャリって別にどれも一緒じゃないのか?)
遥斗は、ブツブツ心の中で言いながら、梛様の好みに合う寿司をスマホで探そうとしたが…
その前に梛様は、夕食前に早々に一番風呂に入る事になり、遥斗がその世話をしないといけない。
神社と同じ敷地にある遥斗達の住む私的な日本家屋の風呂は、一般の家庭に比べればかなり広かった。
しかし、まだそれでも梛様は、狩衣と袴を履いたまま、脱衣所の扉を開け浴室を見渡して浮かない顔で言った。
「狭いな…今すぐになんとかしろ!遥斗!」
「そんな事出来ませんよ!」
遥斗は、きっと梛様は、温泉宿の大浴場の様な風呂をご所望なのだと思いながら呆れながら返した。
そして、聞こえないよう小さく溜め息を又つくと、脱衣所の二段造りのカゴの中を見て、又梛様に言った。
「梛様、このカゴの上段に浴衣
と、風呂を出たら体を拭く大きなバスタオルと、風呂の中で体を洗うタオル置いときますので、ごゆっくり入られて下さい。梛様、シャンプーとリンス、ボディソープの使い方分かりますよね?」
そして、遥斗が梛様を見ると、梛様は、少し?と言う顔をして少し首をかしげた。
だから次に遥斗が、?の表情をして小首を倒した。
そしてお互い横に少し倒した、?の表情の顔を見合わせた。
しかし、すぐに梛様は、さも当然のように遥斗に聞いた。
「ここには遥斗しか私の世話人がいないし、侍女もいないなら…遥斗!お前が私と一緒に風呂に入り、私の体と髪を洗ってくれるんだろう?」
「はっ?!えっ?!…えーーっ?!」
遥斗は、言われた事が理解不能で、変な声を張り上げた。
神様とは、美しく…
聡明で…
寛大で…
ただそこにいるだけで…人々の敬意を集める存在。
確かに遥斗は梛様を一目見て、神様が実在するなど最初信じられなかったが…
その反面梛様は、遥斗の神様のイメージそのままだった。
だが…しかし…
遥斗は…
それはあくまで、見かけだけだったと…(白目)
溜め息をついた。
美空の喫茶店でモーニングを食べた後、遥斗と神社に帰った超ご機嫌の梛様は、小さな子供みたいにすぐに又お腹を空かせた。
神主であり遥斗の義父は、キャリーイーツで、近くの超有名寿司店に出前を頼んだ。
この超有名寿司店は、値段もかなりする。
梛様を、座敷の縦長テーブルの左側奥の上座側に鎮座させ、梛様の右に遥斗、その向かいに義父と義母も正座で座り、皆で個別の上質な使い捨ての容器入りの寿司と付属のお吸い物を食べる。
しかし、梛様は、食べ始めから余り浮かない顔で、それでも米一粒残さず全部キレイにたいらげてから一言言った。
「いまいちだったな…私が食べたいのは、もっとこう、米粒一つ一つがはっきりしていて、米の色ももっと赤茶色だ。寿司米に使ってる酢が全然違う」
(普通…そんなにキレイに完食して、文句言う?)
遥斗は、内心そうツッコミながらも黙って聞いていたが…
「遥斗ぉ~!遥斗ぉぉ~!梛様はああ仰せなのだ!梛様のお口に合う寿司を探し出せ!」
すぐに義父は遥斗に泣きつくように言い、遥斗は心の中で深い溜め息をついた。
そして、夕刻…
遥斗の、今日もハードな神社の仕事が終わった。
(ネタじゃ無くて、シャリの方にこだわるとか…シャリって別にどれも一緒じゃないのか?)
遥斗は、ブツブツ心の中で言いながら、梛様の好みに合う寿司をスマホで探そうとしたが…
その前に梛様は、夕食前に早々に一番風呂に入る事になり、遥斗がその世話をしないといけない。
神社と同じ敷地にある遥斗達の住む私的な日本家屋の風呂は、一般の家庭に比べればかなり広かった。
しかし、まだそれでも梛様は、狩衣と袴を履いたまま、脱衣所の扉を開け浴室を見渡して浮かない顔で言った。
「狭いな…今すぐになんとかしろ!遥斗!」
「そんな事出来ませんよ!」
遥斗は、きっと梛様は、温泉宿の大浴場の様な風呂をご所望なのだと思いながら呆れながら返した。
そして、聞こえないよう小さく溜め息を又つくと、脱衣所の二段造りのカゴの中を見て、又梛様に言った。
「梛様、このカゴの上段に浴衣
と、風呂を出たら体を拭く大きなバスタオルと、風呂の中で体を洗うタオル置いときますので、ごゆっくり入られて下さい。梛様、シャンプーとリンス、ボディソープの使い方分かりますよね?」
そして、遥斗が梛様を見ると、梛様は、少し?と言う顔をして少し首をかしげた。
だから次に遥斗が、?の表情をして小首を倒した。
そしてお互い横に少し倒した、?の表情の顔を見合わせた。
しかし、すぐに梛様は、さも当然のように遥斗に聞いた。
「ここには遥斗しか私の世話人がいないし、侍女もいないなら…遥斗!お前が私と一緒に風呂に入り、私の体と髪を洗ってくれるんだろう?」
「はっ?!えっ?!…えーーっ?!」
遥斗は、言われた事が理解不能で、変な声を張り上げた。
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