80 / 180
献身2
しおりを挟む
春陽の美しい体に懊悩しながも朝霧は、なんとか春陽を寝間着の小袖に着替えさせた。
しばらくして…
「み…水…」
春陽が、喉の乾きを訴えた。
朝霧は、さっと自身の口に用意されていた器の中の水を含み、そっと近づき春陽の唇に口付けて春陽の口に流し移す。
春陽はすぐに飲み込み、それでもまだ欲っしているようで、
朝霧は、再度春陽に口移しで水を与えた。
その後…
唇を少し離し様子を見ると、ようやく春陽は落ち着いたようだった。
「ハル…」
朝霧が春陽の顔の近くで、春陽の顔を撫でながら呟いた。
こんな時にと、又自分を叱咤したが…
たまらずに朝霧は、今度はただ口に何も含まずに、春陽の唇に朝霧の唇を優しく重ねた。
ただ…ただ…
春陽への、激しく深い恋情のままに…
だが、障子越しの廊下から、誰かがこちらに向かってくる足音がして、朝霧は、さっと春陽を寝かし自分は正座した。
来たのは老医師だった。
すぐに診察が始まったが、やはり、医師
とはいえ…
春陽の美しい裸体を他の誰かに見せる事に、朝霧はその間ずっと不快そうに眉根を寄せた。
医師は、酷い疲労と低体温に効く漢方をすぐ処方し、春陽に飲ませるよう後を託そうとした。
しかし…
「寒い…寒い…」
春陽が、うわ言で呟いた。
「ハル!ハル!」
朝霧は、春陽の顔を撫でると、又体温が下がっている気がした。
「寒い…寒い…貴…継…貴…継…」
意識の無い春陽の右腕が、朝霧を求める
ように天井に向かい伸びた。
朝霧はすぐにその手を取って、両手で握り締めた。
「貴方様は、この患者様と親しいご関係ですか?」
おもむろに医師が朝霧に問うた。
「ええ…幼馴染です…」
ここでは、春陽への本当の気持ちなど言えなかった。
「そうですか、ならばお願いが御
座います。どうか同じ布団に入ってこの患者様を温めて差し上げてはくださいませぬか?体温が異常に下がってきておりますので。この季節で木炭の行火(あんか)を使っては、返って暑すぎて体の水
が抜け過ぎてしまう…」
「分かりました。では、長と世話
人には、ただ暫くゆっくり休むので、こちらから声をかけるまでは部屋には誰も来ないようにとお伝え下さい」
朝霧は、迷う事無く即答した。
医師は頷き、すぐ部屋を後にし
た。
朝霧は、二つの漢方を二回に分けて水に含ませ口移しで春陽に与えて、意を決して布団の中、春陽の横に入った。
そして…
朝霧は、痛い位勃起し始めた自身の陰茎を我慢し、春陽の体を抱き寄せ、朝霧の体温で温め始めた。
「たか…つぐ…」
意識が無いにも関わらず、待っていたとばかりに、春陽の方も朝霧に抱き付いた。
一瞬、驚きと共に、情け無くも吐精しかけた朝霧だったが、なんとか我慢した。
天国であり、地獄の業火に炙られているかのような刻が始まる。
春陽が自分と一緒だと思うと、胸の鼓動も収まる事が無い。
「俺の体温だけじゃない…俺の全てをお前にならやってもいい…」
そう囁き、朝霧は春陽の額に口付けを落とし…
強く、強く春陽を抱き締めた。
朝霧は、睡魔と勃ち上がった朝霧自身の陰茎と闘いながら、春陽を布団の中で温めながら見守った。
暫くして…
薬のお陰が、朝霧の献身か…
春陽の体温が、やっと戻り始め
た。
朝霧は、春陽の温かい体温を確認すると、ようやく自分も春陽を抱いたまま眠りに着いた。
その同じ時…
優と、生まれ変わりの朝霧も…
さっきまでそれぞれがいた体から抜け出して、違う世界で再会していた。
しばらくして…
「み…水…」
春陽が、喉の乾きを訴えた。
朝霧は、さっと自身の口に用意されていた器の中の水を含み、そっと近づき春陽の唇に口付けて春陽の口に流し移す。
春陽はすぐに飲み込み、それでもまだ欲っしているようで、
朝霧は、再度春陽に口移しで水を与えた。
その後…
唇を少し離し様子を見ると、ようやく春陽は落ち着いたようだった。
「ハル…」
朝霧が春陽の顔の近くで、春陽の顔を撫でながら呟いた。
こんな時にと、又自分を叱咤したが…
たまらずに朝霧は、今度はただ口に何も含まずに、春陽の唇に朝霧の唇を優しく重ねた。
ただ…ただ…
春陽への、激しく深い恋情のままに…
だが、障子越しの廊下から、誰かがこちらに向かってくる足音がして、朝霧は、さっと春陽を寝かし自分は正座した。
来たのは老医師だった。
すぐに診察が始まったが、やはり、医師
とはいえ…
春陽の美しい裸体を他の誰かに見せる事に、朝霧はその間ずっと不快そうに眉根を寄せた。
医師は、酷い疲労と低体温に効く漢方をすぐ処方し、春陽に飲ませるよう後を託そうとした。
しかし…
「寒い…寒い…」
春陽が、うわ言で呟いた。
「ハル!ハル!」
朝霧は、春陽の顔を撫でると、又体温が下がっている気がした。
「寒い…寒い…貴…継…貴…継…」
意識の無い春陽の右腕が、朝霧を求める
ように天井に向かい伸びた。
朝霧はすぐにその手を取って、両手で握り締めた。
「貴方様は、この患者様と親しいご関係ですか?」
おもむろに医師が朝霧に問うた。
「ええ…幼馴染です…」
ここでは、春陽への本当の気持ちなど言えなかった。
「そうですか、ならばお願いが御
座います。どうか同じ布団に入ってこの患者様を温めて差し上げてはくださいませぬか?体温が異常に下がってきておりますので。この季節で木炭の行火(あんか)を使っては、返って暑すぎて体の水
が抜け過ぎてしまう…」
「分かりました。では、長と世話
人には、ただ暫くゆっくり休むので、こちらから声をかけるまでは部屋には誰も来ないようにとお伝え下さい」
朝霧は、迷う事無く即答した。
医師は頷き、すぐ部屋を後にし
た。
朝霧は、二つの漢方を二回に分けて水に含ませ口移しで春陽に与えて、意を決して布団の中、春陽の横に入った。
そして…
朝霧は、痛い位勃起し始めた自身の陰茎を我慢し、春陽の体を抱き寄せ、朝霧の体温で温め始めた。
「たか…つぐ…」
意識が無いにも関わらず、待っていたとばかりに、春陽の方も朝霧に抱き付いた。
一瞬、驚きと共に、情け無くも吐精しかけた朝霧だったが、なんとか我慢した。
天国であり、地獄の業火に炙られているかのような刻が始まる。
春陽が自分と一緒だと思うと、胸の鼓動も収まる事が無い。
「俺の体温だけじゃない…俺の全てをお前にならやってもいい…」
そう囁き、朝霧は春陽の額に口付けを落とし…
強く、強く春陽を抱き締めた。
朝霧は、睡魔と勃ち上がった朝霧自身の陰茎と闘いながら、春陽を布団の中で温めながら見守った。
暫くして…
薬のお陰が、朝霧の献身か…
春陽の体温が、やっと戻り始め
た。
朝霧は、春陽の温かい体温を確認すると、ようやく自分も春陽を抱いたまま眠りに着いた。
その同じ時…
優と、生まれ変わりの朝霧も…
さっきまでそれぞれがいた体から抜け出して、違う世界で再会していた。
0
お気に入りに追加
137
あなたにおすすめの小説

Take On Me
マン太
BL
親父の借金を返済するため、ヤクザの若頭、岳(たける)の元でハウスキーパーとして働く事になった大和(やまと)。
初めは乗り気でなかったが、持ち前の前向きな性格により、次第に力を発揮していく。
岳とも次第に打ち解ける様になり…。
軽いノリのお話しを目指しています。
※BLに分類していますが軽めです。
※他サイトへも掲載しています。

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
オム・ファタールと無いものねだり
狗空堂
BL
この世の全てが手に入る者たちが、永遠に手に入れられないたった一つのものの話。
前野の血を引く人間は、人を良くも悪くもぐちゃぐちゃにする。その血の呪いのせいで、後田宗介の主人兼親友である前野篤志はトラブルに巻き込まれてばかり。
この度編入した金持ち全寮制の男子校では、学園を牽引する眉目秀麗で優秀な生徒ばかり惹きつけて学内風紀を乱す日々。どうやら篤志の一挙手一投足は『大衆に求められすぎる』天才たちの心に刺さって抜けないらしい。
天才たちは蟻の如く篤志に群がるし、それを快く思わない天才たちのファンからはやっかみを買うし、でも主人は毎日能天気だし。
そんな主人を全てのものから護る為、今日も宗介は全方向に噛み付きながら学生生活を奔走する。
これは、天才の影に隠れたとるに足らない凡人が、凡人なりに走り続けて少しずつ認められ愛されていく話。
※王道学園の脇役受け。
※主人公は従者の方です。
※序盤は主人の方が大勢に好かれています。
※嫌われ(?)→愛されですが、全員が従者を愛すわけではありません。
※呪いとかが平然と存在しているので若干ファンタジーです。
※pixivでも掲載しています。
色々と初めてなので、至らぬ点がありましたらご指摘いただけますと幸いです。
いいねやコメントは頂けましたら嬉しくて踊ります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる