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高校生編

22 言って欲しかった言葉 ※

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大翔が取り出したのは、真っ白で大きなテディベア。
それを僕にそっと手渡す。

これって…。

僕は大翔の顔を伺うと、大翔は笑顔で僕を見つめる。

「これって、昔…大翔がくれたやつ…?」
「あぁ、凛覚えてくれてたの?」

「ううん、僕もね…思い出したの。昔、誘拐されたことがあって…それで…大翔と遊んだこと…忘れちゃってた。」
「誘拐のことは礼央さんに聞いたよ。」
「そっか…大翔のこと忘れちゃってたけど、僕このテディベアのことすごく大切だったんだ。誰にもらったとか、どうして大切なのかは忘れてたのに…どうしてもこの子だけは手放せなかった。…でもなんでこれを大翔が持ってるの?この前母さんから送ったって連絡来てたけど…。」
「礼央さんの家に届いてたみたいでね、渡して欲しいって言われて颯斗から預かった。」

「俺も、忘れてた。凛とのこと…女の子だと思ってたし…。」
「えっ!」
「だって…髪の毛長かったし…顔も可愛かったから…。」

忘れてた僕が言うのも何だけど…ショック!女の子だと思われてたの!?
僕は大翔に詰め寄るように膝立ちで大翔の前に立つ。

「いや、でもちゃんと思い出したから。この香りも、そしてこの新緑が混じる瞳の色も。あの頃の凛と変わらないよ…。」
「ふふふ、ひろくん。」

大翔は膝立ちになっていた僕を抱き抱えて足と足の間に座らせると、僕に抱きついて首元に鼻を埋める。
いつの間にか鼻の詰まりが治った僕も大翔の首筋の匂いを嗅ぐ。
いつもよりちょっと匂いが濃い、前まで微かにしか香らなかったのに。

「昔はひろくんって呼んでたな…。」
「うん。あとこのちょっとクセのある香り…ずっとどこかで嗅いだことあるって思ってたんだ。この香り…好き。」
「俺も…。」
「今日、大翔の香り…いつもよりいっぱいするね。」

大翔は僕の首筋にキスをすると、額を僕の額にピタッとくっつけた。

「なぁ、凛。ずっと言えなかったこと、言っていい?」
「なぁに?」

大翔は一つ息を吐くと僕としっかりと目を合わせる。

「凛、ずっと言いたかったんだ。でも影森の件とか、記憶のこととかがあってずっと言うのを躊躇ってた。」
「うん…。」
「好きだよ。愛してる…俺と番になってくれるか?」
「…ひろ、と?」

大翔はそっと僕の左手を持ち上げると手の甲にキスをして、薬ゆびを甘噛みした。

「答えは?」
「うん…、僕も…愛してるよ…僕でいいの?」
「凛しか考えられない。」

大翔が僕のおでこにキスをする。
そして唇にも僕のより少し薄いけど柔らかい唇が当たる。
優しいキスだ。

あぁ、やっと鼻の詰まりが治ったと思ったのに…。
また涙が溢れて止まらないや…。

ずっと大翔のこと好きで好きでしょうがなかった。
大翔は僕のことを大切だし大事だとは言ってくれてたけど、好きだって言われたことはなかった。
だからちょっとだけ不安だったんだ。
僕だけが好きなんじゃないかって…。

でも不安なのと同じぐらい、きっと何か理由があって大翔は言ってくれないんじゃないかって思ってた。
大翔が僕を撫でる手や、僕を見る目、それに僕を呼ぶ声はいつだって優しかったから。

大翔に好きって言われて、僕はほっとしたんだ。
だからこれは嬉しい涙と安心の涙。

もう、待た無くていい?ずっと大翔のこと好きでいていい?

「凛。初めてのヒートが来たら、俺は凛を抱く。そして番にする。」
「ほんと?」
「あぁ、だからヒートが来るまでは最後までしない…。」
「うん…そっか…。」
「…残念そうにするなよ、俺だって我慢してるんだから…。」

「ほんと?大翔、僕のこと抱きたいって思ってるの?」
「当たり前だろ!空港で出会ってからずっと我慢してるんだよこっちは…。」

大翔は僕に抱きついて項垂れてる。
そんな大翔の背中をさすりながら、僕は何だか嬉しくってへへへって笑ったら鼻を摘まれてしまった。

「何笑ってんだ。」
「ヘヘッなんか嬉しくなっちゃった。へへへ。」
「くそっ…まだ我慢しなきゃならないのに…かわいい顔すんなよ…。」

ごめんね、でも嬉しいんだ。
僕も大翔と早く番になりたいよ。

「番になる前に、凛の家族に挨拶したいな…。」
「でもいつヒートが来るかわからないんだよね?夏休みにはカナダにおいでって言ってたけど。」
「あーー、それな。今日俺の香りがちょっと強くなってるって言ってたろ?」
「うん、ん?」
「凛と俺の抑制剤をちょっと強いものにしてもらってたんだ…事が終わるまでヒートが来るわけにはいかなかったし。それで、俺は通常に戻してもらった…んだけど凛のはまだ戻してない。」
「えっ!そうなの?」
「颯斗が聞いてきてたろ?薬大丈夫か?みたいな。」
「あぁ、そういえば…。入学式の時も聞かれたっけ。」
「中学の頃に比べるとちょっと強いのにしてたからな…副作用が出るかもしれなかったんだ。」

知らなかった…。
ってことは無理矢理にでもヒートが来ないように抑えられるってこと?

「完全に抑えられるわけじゃないけど、確率は低くなる。俺のフェロモン香も抑えてたからそれに酔うこともないしな。」
「僕のも戻す?」
「あー、できれば先に挨拶してからだな。」

じゃあまだ大翔とできないのか、僕はぎゅーっと強く抱きついて大翔の顔を見る。

「どうしたの?凛…。」
「…誘ってるの…。」
「…はぁ…。」
「だめ?」

「ほんと我慢するの大変なんだから…煽んなよ…。」

大翔は僕の唇に噛み付くように口付けると、舌でトントンと口を開けるように合図をする。
僕が口を開くとそこから一気に奥まで舌を押し込まれ弄られる。
喉の奥や上顎を擦られて舌を出し入れされて、舌先を吸われて、擦られて荒々しく奪われる。

もう、これ口でセックスしてるみたい…。

二人の唾液が絡まり合って、口の端から溢れると大翔はそれを舐め取り僕の口に流し込む。
僕はそれを必死に飲み込んでいく。

甘く感じる…。

きつく抱き合って大翔からの激しく深いキスを受けていると、大翔はシャツの裾から手を差し入れてくる。
背中を指先で辿られただけで、ゾクゾクとした快感が上がってくるのがわかる。

「んっ、あぁ、大翔…。」
「最後までできないんだから、煽った凛にお仕置きしないとな。」
「えっ。」

大翔はそういうと僕の体をベッドに押し倒して、抱き抱えるようにして閉じ込める。
深いキスをして大翔の手が僕のお腹から胸にかけて撫であげる。

親指で僕の胸の蕾をグニグニと押しつぶして、ぎゅっと押し込む。

「ふっ、あっ、あっ、ンンッ、や、つぶしちゃ…ダメ」
「でも、凛のここビクビクして反応してるよ。」

部屋着のスウェットの上から指先で緩く勃ち上がった僕のものを引っ掻く。
腰のあたりに重く甘い痺れを感じる。
体をビクビクと震わせて、大翔の首に両腕を回して下から抱きつく。

「最後までできないけど、少し後ろ拡げようか。」

大翔は笑顔で僕のスウェットと下着を剥ぎ取るとベッドの下に放り投げる。
両膝の裏を持って腰を上げるようにされると、奥の窄まりが大翔の目の前に晒される。

「ひゃっ!待って、やっ!大翔!見ちゃだめ!!」
「見ないと解せないでしょ。ほら、手退けて。」
「どうしても…?」
「どうしても。」

僕は大事なところを両手で隠したまま、だけど大翔は無理矢理手を外すことはしない。
僕から手を離すのを待っているんだ…、でも…こんなとこ見られるなんて…いや、知識として男のオメガはここを使うって知ってるけど…。

「りーんー。」
「うぅ、恥ずかしい…。電気消して…。」
「だーめ、見えないでしょ。俺も初めてだから傷つけたくないから電気は消さないよ。」

何度かお願いしてみたけど、折れてくれないので、仕方なくおずおずと手を外す。

大翔はベッドサイドの引き出しから透明な液体の入ったボトルを取り出すと、少し手で温めてから中身を取り出す。
指にジェルをつけて窄まりの周りをゆっくりと撫でてから、つぷりと指を一本挿し入れる。
ヒートが来たオメガの窄まりは女性の性器と同様に中が濡れるらしいけど、通常時だとそうはいかない。
もちろんオメガ以外の男性に比べれば柔らかくなりやすいし、多少であれば濡れるらしいけど…。
今まで触られたことがあるわけじゃないから、知識として知っているだけで実際どうなるかは全く分かっていない。

中に入ってきた大翔の指はすらっとしていても、僕のより太く少し節が目立つ。
浅いところをぐるりと一周して徐々に奥へと入っていく。

僕は快感よりも異物感がすごくて、押し出そうと中がうねるのがわかる。

大翔は時折指を抜いてジェルを足しながら、徐々に中を拡げている。
指を二本に増やしお腹側の一部分に差し掛かったときに、僕の体がびくりと反応した。

「ひゃっ!やぁっ、な、んっ、はぁ、何これ、ぁん、ンァっ」
「見つけた、ここが凛のいいところだよ。」

「いい、とこ?」
「そう、ここ、気持ちよくなるところ。」

大翔が二本の指でグニグニと一部分を押しつぶすと、僕の腰はビリビリと痺れるような感覚になる。

「はっ、ん、んぁっ、だめぇ、グニグニ、しちゃ…。」
「まだ気持ちよくない?」
「わ、かんない。ぁぁあっ、ん、びりびり、する。」

再び大翔の指がその部分を押すと、ビリビリとした痺れの奥に快感が混じり始める。
そこを押されるたびに、僕の口からは嬌声が漏れる。

「でも、凛の声…気持ちよさそう。」
「ひゃあぁ、ぅん、あぁ、ん、ぁん、はぁ、だめ、ぐりぐりやぁ。」

浅いところを掻き回していた指が、少し深くまで入って指をぐりぐりと押し付ける。
僕のいいところを教えこますように、指を折り曲げて押し上げる。
何度も押されるたびに、僕の体はそこを善いところだと覚えてしまった。

そこに指が触れれば僕の体は仰け反り、口からは甘ったるい嬌声が漏れる。

快感がひっきりになしにやってきてイケそうなのに、イケない。
僕は大翔の腕を掴んで首を振るのに、大翔は一向にやめてくれる気配がない。

「やぁ、ひろ、やめ、、ンァっ、ぁあ、あっ、やっ、ん、イキたい、ん、んっ」
「すぐイッちゃったらお仕置きにならないでしょ。ここでイケるように覚えようか。」
「やっ、まえ触って、ンァっ、くるし、ひろ、触って、やぁ…ひろっ。」

僕はぐずぐずと泣きながら大翔に懇願する。
いやいやと首を横に振って、大翔の腕を掴んで、グチュグチュとジェルの粘ついた水音が僕の耳も犯していくみたいだ。

「凛、エッチな顔して…。前触って欲しい?」
「ん、触って、ひろとのと一緒にして…。」
「一緒に扱いて欲しいの?」
「ん、シテ…ひろとも気持ちよく、なって。」

大翔は急に天井を仰いで少し唸ってから、後ろの窄まりから指を引き抜くと僕の唇に口付ける。

「ほんと、凶悪…。煽んないでって言ったでしょ…。」
「ンァっ、あおって、…ない」

大翔はズボンの前を寛げると、すでにパンパンに張り詰めた屹立を取り出す。
いつか、僕がヒートになったらあの大きいのが僕の中に入ってくるんだ…。

そう思ったら後ろがキュッと反応した気がした。

大翔は自分のものと、僕のものを一緒に握るとぐちぐちと音をさせながら扱き上げる。
大翔の張り出した傘の部分に僕の先端が当たって、それだけで気持ちいい。

「ぁ、あっ、ひろ、、つよっ、い。」
「気持ちいい?」
「ん、気持ちいい。」

僕も大翔のものを触ろうと、そっと手を伸ばす。
大翔のものは大きくて、先端も張り出した部分も先走りで濡れて卑猥だ。
幹の部分には血管が浮き出していてゴツゴツとしている。
僕はそっと大翔のものに手を這わすと両手でなんとか扱く。

「はぁ、凛…。」
「んぁ、ひろ、きもち、いい?」
「ん、すごく、きもちいいよ。」

二人でお互いのものを扱き合う、グチュグチュと溢れ出した透明な二人の先走りで屹立は濡れそぼり今にも弾けそうなほどに膨らんでいる。先端をぐりぐりと指で押しつぶして、強く扱けば射精感が強くなってくる。

「はぁ、ひろ、も、イキそう…。」
「ん、俺も…。」

大翔はそういうと再び二本をまとめて握り込み、激しくその手を上下させる。
僕は大翔の首に腕を回して、キスをせがむように少し舌を出すと大翔が舌を擦り合わせ深く口付ける。

上半身を倒した大翔は僕を押しつぶさないよう、片手を僕の頭の横に置き。もう片方の手でペニスを扱く。

強い射精感に襲われた後、僕は仰け反り強い快感と共に激しく達した。
大翔はそのまま扱き続け、僕のお腹に大翔の白い液体を弾けさせた。

強い快感で僕は走った後のように息が上がっている。

「シャツ…汚れちゃったな。」

胸元まで捲り上げたシャツまで飛んでいたらしい。
大翔はサイドボードからティッシュを取ると僕のお腹に乗ったものを拭き取り、シャツを脱がせた。

「凛、大丈夫か?」
「…うん。」

大翔は僕を抱き起すと、膝の上に乗せてぎゅっと抱きしめる。
僕もおんなじように抱きついて、大翔に軽くキスをして頭を撫でる。
二人ではにかんだように笑いあう。

「へへ、大翔…大好き。」
「俺も、大好きだよ…凛。」

僕らはずっとくっついてた。
その後、大翔に縦抱きにされたままお風呂に連れて行かれてお風呂に浸かって。
ちょっとえっちなことされて。

新しい部屋着に二人で着替えて戻ろうとしたら大翔にまた抱き抱えられてしまった。
歩くって言ったんだけど、大翔がうんって言わなかったのでそのまま縦抱きにされてリビングに向かった。

お風呂場はベッドルームからも直接向かえるような作りになっていて、もう一つの扉から出るとそこは廊下だった。廊下を進むとカウンターキッチンとダイニングがあって広いリビングがある。
部屋は2LDKで1部屋はベッドルーム、もう一部屋は勉強部屋らしく二人分の机が置かれてるらしい。

大翔は僕をソファにおろしてから、お茶を入れて戻ってきた。

並んで座るのかと思ったら、大翔がソファに腰を下ろした後僕を膝の上に抱え直す。
大翔の膝の上に座って、今後のことなんかを説明してもらった。

大捕物から実は1日経っていて今日は土曜日だったみたい。
金曜日の午後から授業に出てなかったんだけど、学校全体で午後休校になったらしくってできなかった授業は別日に補講となるらしい。
明日は休みで月、火、水と3日間学校に行ったらゴールデンウィークだ。

僕の寮にあった荷物は明くんが詰めてくれたらしい。
まだ荷物は開けてないから、勉強部屋に荷物を置いてあるって教えてくれた。

ゴールデンウィークは六浦家の人たちと礼央くんも一緒に別荘に行く事になったらしい。

そんな話をしながらお腹がすいた僕たちは、冷蔵庫に入ってたもので簡単にご飯を作って食べて夜眠るまでずっとくっついていた。

もう離れなくていいんだって分かってるんだけど、今日はずっと大翔にくっついていたかったから。
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