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Your voice
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病院に行っていたある日、とある声に聞き惚れた。
一目惚れならぬ一聞き惚れだ。
僕は目が見えないため、看護師さんに助けてもらいながら、診察室手前側の病棟の中のある病室の前を通った際に、中から、
か細いけど、透き通ってて、綺麗で、儚い、美しい声が聞こえた。
「すみません、ちょっと止まってください」
看護師さんにそう声をかけた僕は、立ち止まって静かに声を聞いた。
「どうかされましたか?どこか体調が悪いの?」
「いえ、大丈夫です。僕の右側にある病室の方の声がとても綺麗なので、聞き惚れてました。」
「そうでしたか。ここの病室の子はね、癌を患ってて、もう長くは生きられないのよ。すごく良い子でね。たしか、瞳美ちゃんと言ったかしら。名前の通り、綺麗で可愛らしい瞳をしてるのよ。」
「一度、彼女と話してみたいです。顔も可愛いだなんて、最高ですね。」
「あら、奏くんも良い顔してるじゃない。」
「ありがとうございます。よくイケメンと言われるので、自分の顔が見てみたいんですよね。」
「念力みたいなのがあったらいいんだけどね笑」
「そうですね」
「今日はもう先生のところ行こうか。また次来た時、彼女とお話してみましょ。」
「はい。」
一目惚れならぬ一聞き惚れだ。
僕は目が見えないため、看護師さんに助けてもらいながら、診察室手前側の病棟の中のある病室の前を通った際に、中から、
か細いけど、透き通ってて、綺麗で、儚い、美しい声が聞こえた。
「すみません、ちょっと止まってください」
看護師さんにそう声をかけた僕は、立ち止まって静かに声を聞いた。
「どうかされましたか?どこか体調が悪いの?」
「いえ、大丈夫です。僕の右側にある病室の方の声がとても綺麗なので、聞き惚れてました。」
「そうでしたか。ここの病室の子はね、癌を患ってて、もう長くは生きられないのよ。すごく良い子でね。たしか、瞳美ちゃんと言ったかしら。名前の通り、綺麗で可愛らしい瞳をしてるのよ。」
「一度、彼女と話してみたいです。顔も可愛いだなんて、最高ですね。」
「あら、奏くんも良い顔してるじゃない。」
「ありがとうございます。よくイケメンと言われるので、自分の顔が見てみたいんですよね。」
「念力みたいなのがあったらいいんだけどね笑」
「そうですね」
「今日はもう先生のところ行こうか。また次来た時、彼女とお話してみましょ。」
「はい。」
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