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地底人を探して
遺跡の試練
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遺跡の内部は遺跡だった。
何を言っているのか自分でもおかしかったが、近未来的な残骸ではなく、自然の洞窟と石を削って整えた原始的な加工がされた洞窟遺跡だった。
所々天井から植物の根が見えている、天井も道幅も狭い洞窟の所々に手で岩盤を掘ったような部屋がいくつかあった。
先頭を行くエルは壁にかかっている松明の一つを手に持ち、途中の部屋を照らしたり天井を見たりしていた。
「この先に人の気配ですぜ」
俺はビビって飛び上がって天井の木の根っこに頭をぶつけた。
「賊じゃないみたい?人質?女か何かでっせ」
狭い通路の先は広間のような空間に出た。天井も高い。
壁に鎖で繋がれた全裸の女が二人、地に伏していた。
俺は山賊の罠があったことも忘れて咄嗟に近寄ろうとしてアレックスとゴーに止められた。
「ど、どうしたらいいんだ?」
アレックスとゴーの顔を見比べていたら、エルがすーっと倒れた女性に近づいて、女の手首についた鍵穴に針金を入れて一瞬で鍵を開けた。
「お前!勝手な事をするな!」
ゴーはエルに怒ったが、エルはまったく気にした様子を見せず
「気を失ってるようだから鍵だけ開けときゃ勝手に逃げていきまさー」
そういってあっという間に二人を解放した。
俺はゴーをたしなめてから
「先に進もう」
そう言って目があったエルに頷いた。エルは嬉しそうに笑顔だった。
広間からは三本の通路が伸びていた。
左の通路からはかすかに鈍い音が響いている。
「向こうはエータの旦那っすね。どうしやす?」
俺はみんなが俺を見ていることに少しして気付いた。
「え?俺?俺が決めるの?」
オロオロとうろたえる俺の肩をガシっと掴んだアレックスは
「・・・どっちだ」
何故かアレックスに触れられて落ち着いた。
「正面から行ってみよう。エータにわかるように何か印をつけておこう」
俺は地面に石で矢印をかいておいた。気付いてくれると信じて。
エルは松明をかざして進みだし、後に続いた。
何故かは不明だが、この先は自然の洞窟ではないと確信していた。金属や機械油の臭いか?
僅かに進んだら自然の洞窟に混じって明らかなのっぺりした鉄板部分が見え隠れしだした。
2~3分も進むと完全に鉄板に囲まれた人工的な2メートル四方の通路になった。以前に見た遺跡と同じだった。ただ、電気は通っていないのか、光ってはおらず、所々に松明がおいてあり、毛布や枕などが散乱していた。
通路の先には木で出来たバリケードのようなものが表れた。
何か看板がついている。
「この先立入禁止って書いてありますぜ?どうしやす?」
エルは看板を松明で照らしながら読んでくれたが、文章は「立入禁止」のみらしい。
バリケードは簡素で簡単にすり抜けられそうだけど・・・
「ど、どうしようか?」
俺はアレックスとゴーに守られて移動していたから安心していたのか、一気に不安が押し寄せてきたように感じていた。
「人の気配はこの先ありやせんぜ」
エルは俺の顔を見上げて、一度ウィンクして安心させるように穏やかな顔でそう言った。
正直もう帰りたい!ジンナと一緒に紅茶を飲んで笑っている姿を想像していた。
でも・・・
「こ、怖いけど先に進もう。エル、先頭を頼む」
俺は少しだけ震える声で言うと、エルは真剣な表情で頷きバリケードを簡単にずらして
「お任せを兄貴。いきやしょう」
振り向いて真っ暗な通路の先を見ていた。
バリケードの先には松明は設置されておらず、エルの持つ松明の弱い光だけで照らされていた。弱弱しい光は前方の暗黒を強調しているように思えた。
曲がり角を曲がると、通路はさらに暗くなったようで、俺も松明を拾ってくればよかったと思ったときに、前方の通路沿いのドアが半分開いているのを発見した。
コツリと誰かが何かを蹴って壁に当たる軽い音が足元で響いた。
前方を照らしていたエルが足を止めて、彼の持つ松明が俺たちの足元を照らすと、白骨が数個転がっている。
俺は「ほへ!」と奇妙な声を出して骨を見ていた。
ゴーはしゃがみこんで骨の一つを拾い上げた。大き目の骨だった。
「古い人骨ですね。ここで切断されている」
まったく慌てた様子を見せずに冷静な分析をするゴーの言葉は俺にはまったく届いてなかった。ゴーが手に持つ骨を指さしている姿に俺は怯えていた。
「・・・ケンは俺が守る」
アレックスはビビっている俺に気が付いて声をかけてくれた。急速に心が落ち着いていくのが自分でもわかり、不思議な気分だった。
「あ、ああ。ありがとうアレックス。もう大丈夫、先に・・・部屋を覗いてみようか」
「人はいないと思うんすけど、一応警戒を」
エルは足音を立てずに扉の前まで行き、振り返って手招きした。
「な、なんかの音が・・・」
額に浮かぶ汗が松明の揺れる炎でキラキラと光っていた。
「・・・俺が行こう。ケンを頼む」
アレックスはまったく警戒する様子を見せずに、観音開きのドアの開いた片方から堂々と侵入した。真っ暗な部屋の中なのに目が見えているのか?俺はそんな事をビビりながら考えていた。
エルはアレックスの後ろについていき、部屋の入口で松明を掲げて部屋を照らした。
部屋の中はがらんとした印象を受けた。
ドア正面の壁面には大きなモニターがついており、その下部分に壁と一体化したような作りのテーブルとキーボードのようなものが三つ並んでいる。
5メートル四方くらいの広い部屋にはそれと・・・足元に転がる人骨しかなかった。
生きている生き物はおらず、人骨を見たのに俺はほっとした。
「だ、誰もいないみたいだね。コンピューターがあるみたいだけど、電げ・・・」
「入るな!」
アレックスは部屋に入ろうとしている俺たちに大声で叫んだ。
「え・・・」俺は部屋の入口でフリーズして部屋の中央にいるアレックスを見つめた。
アレックスは横に大きく飛び、上から落ちてきた「何か」の攻撃を避けた。
俺はアレックスが相手の攻撃を回避するのを初めて見た。回避しなければならない何かは、部屋の中央で緑の光を発している。
「蜘蛛?」
小さな八本足のそれは蜘蛛に見えた。丸い胴体から前後左右プラスその間にも等間隔にならぶ先端のとがった足。顔の部分は前方ではなく、丸い胴体の上についた半球体のような部分か?そこから四方八方に細い緑色とよく見ると赤い光が数本まっすぐに伸びて壁やアレックスを照らしている。大きさは足を入れても50センチ、平べったい姿勢の高さは30センチくらいに見えた。
アレックスは素早く接近し、踏みつぶそうとした。
ドンっと地面を踏む音だけが俺の腹まで響いた。
「もう少し下がって。ゆっくりと後ろに」
アレックスを注視していた俺の前にいつの間にか盾を構えたゴーがいた。
「く、蜘蛛はどこに・・・」
俺は蜘蛛を見失い、室内を見まわしながらゆっくりと後ずさりをした。
「向こうの壁に・・・あっしも目で追うのがやっとだ」
下から声が聞こえた。俺はそちらを見ると垂直の壁に蜘蛛はいた。
何かせわしなく足を動かしている。
アレックスは音もなく接近し、構えもせずに蜘蛛に爪を突き立てた。
俺は嫌な予感がした。
「あの蜘蛛の機械は何かを分析している」
何故か直感的にそう感じていた。
「アレックス!気を付けて!」
俺は無意識にそう叫んでいた。
壁に張り付いていた蜘蛛をまた見失った。
ボトボトと音が聞こえた。
指が、アレックスの指二本が切断されて地に落ちた。
「え・・・う、嘘だろアレックス!大丈夫か!?」
俺は室内に入っていこうとする俺の体をゴーとエルに止められていた。
何を言っているのか自分でもおかしかったが、近未来的な残骸ではなく、自然の洞窟と石を削って整えた原始的な加工がされた洞窟遺跡だった。
所々天井から植物の根が見えている、天井も道幅も狭い洞窟の所々に手で岩盤を掘ったような部屋がいくつかあった。
先頭を行くエルは壁にかかっている松明の一つを手に持ち、途中の部屋を照らしたり天井を見たりしていた。
「この先に人の気配ですぜ」
俺はビビって飛び上がって天井の木の根っこに頭をぶつけた。
「賊じゃないみたい?人質?女か何かでっせ」
狭い通路の先は広間のような空間に出た。天井も高い。
壁に鎖で繋がれた全裸の女が二人、地に伏していた。
俺は山賊の罠があったことも忘れて咄嗟に近寄ろうとしてアレックスとゴーに止められた。
「ど、どうしたらいいんだ?」
アレックスとゴーの顔を見比べていたら、エルがすーっと倒れた女性に近づいて、女の手首についた鍵穴に針金を入れて一瞬で鍵を開けた。
「お前!勝手な事をするな!」
ゴーはエルに怒ったが、エルはまったく気にした様子を見せず
「気を失ってるようだから鍵だけ開けときゃ勝手に逃げていきまさー」
そういってあっという間に二人を解放した。
俺はゴーをたしなめてから
「先に進もう」
そう言って目があったエルに頷いた。エルは嬉しそうに笑顔だった。
広間からは三本の通路が伸びていた。
左の通路からはかすかに鈍い音が響いている。
「向こうはエータの旦那っすね。どうしやす?」
俺はみんなが俺を見ていることに少しして気付いた。
「え?俺?俺が決めるの?」
オロオロとうろたえる俺の肩をガシっと掴んだアレックスは
「・・・どっちだ」
何故かアレックスに触れられて落ち着いた。
「正面から行ってみよう。エータにわかるように何か印をつけておこう」
俺は地面に石で矢印をかいておいた。気付いてくれると信じて。
エルは松明をかざして進みだし、後に続いた。
何故かは不明だが、この先は自然の洞窟ではないと確信していた。金属や機械油の臭いか?
僅かに進んだら自然の洞窟に混じって明らかなのっぺりした鉄板部分が見え隠れしだした。
2~3分も進むと完全に鉄板に囲まれた人工的な2メートル四方の通路になった。以前に見た遺跡と同じだった。ただ、電気は通っていないのか、光ってはおらず、所々に松明がおいてあり、毛布や枕などが散乱していた。
通路の先には木で出来たバリケードのようなものが表れた。
何か看板がついている。
「この先立入禁止って書いてありますぜ?どうしやす?」
エルは看板を松明で照らしながら読んでくれたが、文章は「立入禁止」のみらしい。
バリケードは簡素で簡単にすり抜けられそうだけど・・・
「ど、どうしようか?」
俺はアレックスとゴーに守られて移動していたから安心していたのか、一気に不安が押し寄せてきたように感じていた。
「人の気配はこの先ありやせんぜ」
エルは俺の顔を見上げて、一度ウィンクして安心させるように穏やかな顔でそう言った。
正直もう帰りたい!ジンナと一緒に紅茶を飲んで笑っている姿を想像していた。
でも・・・
「こ、怖いけど先に進もう。エル、先頭を頼む」
俺は少しだけ震える声で言うと、エルは真剣な表情で頷きバリケードを簡単にずらして
「お任せを兄貴。いきやしょう」
振り向いて真っ暗な通路の先を見ていた。
バリケードの先には松明は設置されておらず、エルの持つ松明の弱い光だけで照らされていた。弱弱しい光は前方の暗黒を強調しているように思えた。
曲がり角を曲がると、通路はさらに暗くなったようで、俺も松明を拾ってくればよかったと思ったときに、前方の通路沿いのドアが半分開いているのを発見した。
コツリと誰かが何かを蹴って壁に当たる軽い音が足元で響いた。
前方を照らしていたエルが足を止めて、彼の持つ松明が俺たちの足元を照らすと、白骨が数個転がっている。
俺は「ほへ!」と奇妙な声を出して骨を見ていた。
ゴーはしゃがみこんで骨の一つを拾い上げた。大き目の骨だった。
「古い人骨ですね。ここで切断されている」
まったく慌てた様子を見せずに冷静な分析をするゴーの言葉は俺にはまったく届いてなかった。ゴーが手に持つ骨を指さしている姿に俺は怯えていた。
「・・・ケンは俺が守る」
アレックスはビビっている俺に気が付いて声をかけてくれた。急速に心が落ち着いていくのが自分でもわかり、不思議な気分だった。
「あ、ああ。ありがとうアレックス。もう大丈夫、先に・・・部屋を覗いてみようか」
「人はいないと思うんすけど、一応警戒を」
エルは足音を立てずに扉の前まで行き、振り返って手招きした。
「な、なんかの音が・・・」
額に浮かぶ汗が松明の揺れる炎でキラキラと光っていた。
「・・・俺が行こう。ケンを頼む」
アレックスはまったく警戒する様子を見せずに、観音開きのドアの開いた片方から堂々と侵入した。真っ暗な部屋の中なのに目が見えているのか?俺はそんな事をビビりながら考えていた。
エルはアレックスの後ろについていき、部屋の入口で松明を掲げて部屋を照らした。
部屋の中はがらんとした印象を受けた。
ドア正面の壁面には大きなモニターがついており、その下部分に壁と一体化したような作りのテーブルとキーボードのようなものが三つ並んでいる。
5メートル四方くらいの広い部屋にはそれと・・・足元に転がる人骨しかなかった。
生きている生き物はおらず、人骨を見たのに俺はほっとした。
「だ、誰もいないみたいだね。コンピューターがあるみたいだけど、電げ・・・」
「入るな!」
アレックスは部屋に入ろうとしている俺たちに大声で叫んだ。
「え・・・」俺は部屋の入口でフリーズして部屋の中央にいるアレックスを見つめた。
アレックスは横に大きく飛び、上から落ちてきた「何か」の攻撃を避けた。
俺はアレックスが相手の攻撃を回避するのを初めて見た。回避しなければならない何かは、部屋の中央で緑の光を発している。
「蜘蛛?」
小さな八本足のそれは蜘蛛に見えた。丸い胴体から前後左右プラスその間にも等間隔にならぶ先端のとがった足。顔の部分は前方ではなく、丸い胴体の上についた半球体のような部分か?そこから四方八方に細い緑色とよく見ると赤い光が数本まっすぐに伸びて壁やアレックスを照らしている。大きさは足を入れても50センチ、平べったい姿勢の高さは30センチくらいに見えた。
アレックスは素早く接近し、踏みつぶそうとした。
ドンっと地面を踏む音だけが俺の腹まで響いた。
「もう少し下がって。ゆっくりと後ろに」
アレックスを注視していた俺の前にいつの間にか盾を構えたゴーがいた。
「く、蜘蛛はどこに・・・」
俺は蜘蛛を見失い、室内を見まわしながらゆっくりと後ずさりをした。
「向こうの壁に・・・あっしも目で追うのがやっとだ」
下から声が聞こえた。俺はそちらを見ると垂直の壁に蜘蛛はいた。
何かせわしなく足を動かしている。
アレックスは音もなく接近し、構えもせずに蜘蛛に爪を突き立てた。
俺は嫌な予感がした。
「あの蜘蛛の機械は何かを分析している」
何故か直感的にそう感じていた。
「アレックス!気を付けて!」
俺は無意識にそう叫んでいた。
壁に張り付いていた蜘蛛をまた見失った。
ボトボトと音が聞こえた。
指が、アレックスの指二本が切断されて地に落ちた。
「え・・・う、嘘だろアレックス!大丈夫か!?」
俺は室内に入っていこうとする俺の体をゴーとエルに止められていた。
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