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ユリアーネ・クロイツァーと珈琲。
45話
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スタッフ、というダーシャの解答もすごくわかるが、ユリアーネはひとつ選ぶとしたら、と熟考し、結論を出す。
「……私にとっては、やはり種は『お客様』でしょうか。でも……それはつまり利益なわけで、果実となにが違うのでしょうか」
しかし、その結論に満足がいかない。
「小さい子供だったり、お年寄りだったらまた接し方は変わるでしょ? 利益とは違う。相手にとって、なにが一番なのかを常に考えることかな。もちろん、毎回正解できればいいけど、間違えたなら、それを次に生かすしかない。やっぱり答えはないよ」
自論だけど、とダーシャは付け足す。ユリアーネがまだ色々と考え込んでいるのを察知し、そのまま続けた。
「そう言った意味では、アニーちゃんはお客さんによって、提供する紅茶の味を変えるよね。彼女の嗅覚にしかわからない世界だから、僕はなにも言えないんだけど、サービスとしては間違ってない。サービス業は形として残らないものだから、しっかりと心に残してもらう」
「心に…」
なにか、閃いた気がする。そんな感覚にユリアーネは陥った。ところに。
「なになに? なんの話っスか?」
と、トレーを持ったアニーがやってくる。面白そうな話には匂いがするのか、ちょうどいいところで乱入する。
考え込むのがバカらしくなるくらいの笑顔をアニーからもらい、ユリアーネもつられて笑む。結局どんな顔をしていても、やらなければいけないことは変わらない。なら笑顔でいいだろう。
「アニーさんが素晴らしい接客だという話です」
と、少しはぐらかして問いに答えた。間違ってはいない。
吹っ切れたように見えるユリアーネを確認し、ダーシャ相槌を打つ。
「そういうこと」
「恥ずかしいっスねぇ。このヒゲ独身に言われると」
「……私にとっては、やはり種は『お客様』でしょうか。でも……それはつまり利益なわけで、果実となにが違うのでしょうか」
しかし、その結論に満足がいかない。
「小さい子供だったり、お年寄りだったらまた接し方は変わるでしょ? 利益とは違う。相手にとって、なにが一番なのかを常に考えることかな。もちろん、毎回正解できればいいけど、間違えたなら、それを次に生かすしかない。やっぱり答えはないよ」
自論だけど、とダーシャは付け足す。ユリアーネがまだ色々と考え込んでいるのを察知し、そのまま続けた。
「そう言った意味では、アニーちゃんはお客さんによって、提供する紅茶の味を変えるよね。彼女の嗅覚にしかわからない世界だから、僕はなにも言えないんだけど、サービスとしては間違ってない。サービス業は形として残らないものだから、しっかりと心に残してもらう」
「心に…」
なにか、閃いた気がする。そんな感覚にユリアーネは陥った。ところに。
「なになに? なんの話っスか?」
と、トレーを持ったアニーがやってくる。面白そうな話には匂いがするのか、ちょうどいいところで乱入する。
考え込むのがバカらしくなるくらいの笑顔をアニーからもらい、ユリアーネもつられて笑む。結局どんな顔をしていても、やらなければいけないことは変わらない。なら笑顔でいいだろう。
「アニーさんが素晴らしい接客だという話です」
と、少しはぐらかして問いに答えた。間違ってはいない。
吹っ切れたように見えるユリアーネを確認し、ダーシャ相槌を打つ。
「そういうこと」
「恥ずかしいっスねぇ。このヒゲ独身に言われると」
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