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第7章
真由との一夜 真由の初恋
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「ああ、ハイウエストタイツ履いてシャワーを浴びるなんてすごく気持ちいいわ。少し不思議な気分だけどね」
恵子と抱き合いながら、レインシャワーを浴びている真由が、恵子の濡れたタイツをさすっています。
「私はタイツを履かずにシャワーを浴びる方が不思議な気分よ。外から帰ってきてタイツに着替える時と、お風呂上がりにタイツを履き替える時以外は必ずハイウエストタイツを履いているわ」
「恵子は本当にタイツが好きなんだね」
「好きというか、ハイウエストタイツは私の体の一部よ」
「タイツな恵子、本当にすてきよ」
レインシャワーにうたれながら、真由は恵子を抱きしめ、恵子は真由に唇を重ねました。
2人は向かい合ってバスタブに浸かっています。
「ねえ、恵子。私の話を聞いて欲しいの」
真由が恵子の右脚をお湯の中でタイツごと撫でながら、切り出しました。
「え?何の話なの?」
「恵子とセックスした後にこんな話、しづらいのだけど‥」
「真由、何言ってるの?セックスする仲なんだから、何でも話してよ。もしかして真由の好きな人のこと?」
恵子もお湯の中に沈んでいる真由のタイツ脚を撫でながら聞き返しました。
「そうなの。この話、誰にもしていないし、したくなかったんだけど、恵子にはどうしても聞いてもらいたくて‥」
「真由にそう言ってもらえるのは嬉しいわ」
恵子は真由が少し涙目になっているのに気づきました。
「真由、落ち着いて話してくれればいいよ」
「うん、ごめんね。私が好きな人、女性なのよ」
そう言うと真由の目から涙が流れ落ちます。
「真由、どうして泣くの?まだ何も話してないわよ」
「だって女性を好きになるって普通じゃないから‥」
「真由、そんなこと言う真由は大嫌い。そんなこと言うんだったら、もう話は聞かないわ。私、お風呂出るから」
立ち上がった恵子の激しい剣幕に真由は泣きながら恵子の濡れたタイツ脚にしがみつきました。
「待って、恵子。お願い、待って」
恵子は真由の手を解くと、もう一度バスタブに腰を下ろしました。
「真由、私もレズビアンよ。私の好きな人も女性よ。でも普通じゃないなんて思ったこと一度もないわ。女性を愛するのも男性を愛するのもその人の自由よ。どっちが普通とか関係ないわ。女性を愛しているって堂々と言えないなんて、真由を見損なったわ」
真由は泣きながら恵子に飛びついてきました。
「恵子、ごめんなさい。本当にごめんなさい。お願いだから私を見捨てないで。嫌いにならないで」
「真由、分かったわ。だから泣くのをやめて」
恵子は真由を抱きしめて頬ずりしながら、濡れた髪を優しく撫でました。
「さあ、真由。続きを話して」
真由は恵子に跨ったまま、話を続けました。
「初めてその人に出会ったのは、私が小学5年生の秋なの。土曜日の昼下がりに家の近くでN大学のすぐそばのカフェにパパと一緒に行ったら、その人が勉強していたの。S女子学院の制服を着ていたわ」
「え?うちの学校の先輩なのね」
「私、その人に一目惚れしちゃったのよ。可愛らしいけど真剣な眼差しにね。私の初恋なのよ」
恥ずかしそうに笑う真由のほっぺを恵子がツンツンします。
「真由、いい話だよ、すてきな初恋ね」
「それからパパに頼んで、毎週同じ時間にカフェに行ったのよ。そうしたら、いつも同じ席でイヤホンして勉強していたわ。ほんと、すごく可愛らしくて、すごくかっこよかったのよ。私、どんどんその人を好きになっていったわ」
恵子はバスタブのお湯が少し温くなってきたので、お湯を足すようにしました。
「へえ、それで?」
「私が6年生になってもずっといたわ。私、その人と同じ学校に行きたい、同じ制服を着たいって思って、自分の受験勉強を頑張ったのよ。私、元々ママの母校だからS女子学院を受けるように決められていたんだけど、全然ヤル気がなかったわ。でもその人に出会って恋してから、絶対合格するぞって頑張ることができたのよ。時々目が合うと微笑んでくれるようになったんだけど、その微笑みが私をヤル気にさせてくれたのよ」
「そうだったんだ、真由。そんなエピソードがあったのね」
恵子は真由の体にお湯をすくってかけながら、背中をタイツの上から愛撫します。
「それでS女子学院に無事に合格できたので、その人にお礼と私の想いを伝えたいって思ったのよ。だけどパパと一緒だし、どうやって伝えようかなって悩んでいたら‥」
真由の目から再び涙が流れ落ちます。
「その人、カフェからいなくなってしまったのよ」
「え?どうして?」
「分からないわ。違う時間に行っても、日曜日に行ってもいなかったわ。もう会えなくなってしまったのよ」
「そんな‥学校では会えなかったの?」
「S女子学院に入学した後で、高校生の校舎を探してみたけど、どこにもいなかったわ」
「何か手がかりはないの?」
「名前も学年も知らないのよ。もちろん住んでいるところも知らないわ。ただS女子学院の制服を着ていたことだけが手がかりなのよ」
「もう卒業したのかもしれないわね」
「そうかもしれないわ」
泣きじゃくる真由を恵子は優しく抱き寄せ、濡れた髪をそっと撫でて慰めます。
「私、今でもその人が好きなの。忘れることなんてできないのよ。あの微笑みをもう一度見たい、合格のお礼を言いたい、私の好きだっていう想いを伝えたいのよ。もう一度、たった一度でいいから会いたい‥」
号泣する真由に恵子はカミーユのことを思い出していました。
「私もカミーユに会いたい‥」
恵子の目にも涙が浮かびましたが、真由に悟られないように、すぐに洗い流しました。
(私はカミーユに会うことは出来ないけど、真由は何とかしてあげたいな‥)
何かいい方法はないかと考えますが、ほぼ手がかりがないのでお手上げ状態です。
「うーん、難しいなあ‥」
その時、ふと恵子は思い出しました。
「そうだわ、真由。私、S女子学院を卒業した先輩を1人知っているのよ。今年20歳になるんだけど、ひょっとしたらその人のことを知っているかもしれないわ。真由、その人の容姿とかは覚えているわね」
「当たり前よ。絶対忘れないわ」
「もしかすると何か手がかりが見つかるかもしれないわ。もちろん何も得られないかもしれないけどね。とりあえず明日、真由に紹介するわ」
「恵子、ありがとう。私のために本当にありがとう」
真由が泣きながら、恵子を強く抱きしめ、唇を重ねます。
(頼子さん、その人のことを何か知っているといいんだけどなあ‥)
恵子は真由を抱きしめながら、祈る思いで頼子を思い浮かべていました。
恵子と抱き合いながら、レインシャワーを浴びている真由が、恵子の濡れたタイツをさすっています。
「私はタイツを履かずにシャワーを浴びる方が不思議な気分よ。外から帰ってきてタイツに着替える時と、お風呂上がりにタイツを履き替える時以外は必ずハイウエストタイツを履いているわ」
「恵子は本当にタイツが好きなんだね」
「好きというか、ハイウエストタイツは私の体の一部よ」
「タイツな恵子、本当にすてきよ」
レインシャワーにうたれながら、真由は恵子を抱きしめ、恵子は真由に唇を重ねました。
2人は向かい合ってバスタブに浸かっています。
「ねえ、恵子。私の話を聞いて欲しいの」
真由が恵子の右脚をお湯の中でタイツごと撫でながら、切り出しました。
「え?何の話なの?」
「恵子とセックスした後にこんな話、しづらいのだけど‥」
「真由、何言ってるの?セックスする仲なんだから、何でも話してよ。もしかして真由の好きな人のこと?」
恵子もお湯の中に沈んでいる真由のタイツ脚を撫でながら聞き返しました。
「そうなの。この話、誰にもしていないし、したくなかったんだけど、恵子にはどうしても聞いてもらいたくて‥」
「真由にそう言ってもらえるのは嬉しいわ」
恵子は真由が少し涙目になっているのに気づきました。
「真由、落ち着いて話してくれればいいよ」
「うん、ごめんね。私が好きな人、女性なのよ」
そう言うと真由の目から涙が流れ落ちます。
「真由、どうして泣くの?まだ何も話してないわよ」
「だって女性を好きになるって普通じゃないから‥」
「真由、そんなこと言う真由は大嫌い。そんなこと言うんだったら、もう話は聞かないわ。私、お風呂出るから」
立ち上がった恵子の激しい剣幕に真由は泣きながら恵子の濡れたタイツ脚にしがみつきました。
「待って、恵子。お願い、待って」
恵子は真由の手を解くと、もう一度バスタブに腰を下ろしました。
「真由、私もレズビアンよ。私の好きな人も女性よ。でも普通じゃないなんて思ったこと一度もないわ。女性を愛するのも男性を愛するのもその人の自由よ。どっちが普通とか関係ないわ。女性を愛しているって堂々と言えないなんて、真由を見損なったわ」
真由は泣きながら恵子に飛びついてきました。
「恵子、ごめんなさい。本当にごめんなさい。お願いだから私を見捨てないで。嫌いにならないで」
「真由、分かったわ。だから泣くのをやめて」
恵子は真由を抱きしめて頬ずりしながら、濡れた髪を優しく撫でました。
「さあ、真由。続きを話して」
真由は恵子に跨ったまま、話を続けました。
「初めてその人に出会ったのは、私が小学5年生の秋なの。土曜日の昼下がりに家の近くでN大学のすぐそばのカフェにパパと一緒に行ったら、その人が勉強していたの。S女子学院の制服を着ていたわ」
「え?うちの学校の先輩なのね」
「私、その人に一目惚れしちゃったのよ。可愛らしいけど真剣な眼差しにね。私の初恋なのよ」
恥ずかしそうに笑う真由のほっぺを恵子がツンツンします。
「真由、いい話だよ、すてきな初恋ね」
「それからパパに頼んで、毎週同じ時間にカフェに行ったのよ。そうしたら、いつも同じ席でイヤホンして勉強していたわ。ほんと、すごく可愛らしくて、すごくかっこよかったのよ。私、どんどんその人を好きになっていったわ」
恵子はバスタブのお湯が少し温くなってきたので、お湯を足すようにしました。
「へえ、それで?」
「私が6年生になってもずっといたわ。私、その人と同じ学校に行きたい、同じ制服を着たいって思って、自分の受験勉強を頑張ったのよ。私、元々ママの母校だからS女子学院を受けるように決められていたんだけど、全然ヤル気がなかったわ。でもその人に出会って恋してから、絶対合格するぞって頑張ることができたのよ。時々目が合うと微笑んでくれるようになったんだけど、その微笑みが私をヤル気にさせてくれたのよ」
「そうだったんだ、真由。そんなエピソードがあったのね」
恵子は真由の体にお湯をすくってかけながら、背中をタイツの上から愛撫します。
「それでS女子学院に無事に合格できたので、その人にお礼と私の想いを伝えたいって思ったのよ。だけどパパと一緒だし、どうやって伝えようかなって悩んでいたら‥」
真由の目から再び涙が流れ落ちます。
「その人、カフェからいなくなってしまったのよ」
「え?どうして?」
「分からないわ。違う時間に行っても、日曜日に行ってもいなかったわ。もう会えなくなってしまったのよ」
「そんな‥学校では会えなかったの?」
「S女子学院に入学した後で、高校生の校舎を探してみたけど、どこにもいなかったわ」
「何か手がかりはないの?」
「名前も学年も知らないのよ。もちろん住んでいるところも知らないわ。ただS女子学院の制服を着ていたことだけが手がかりなのよ」
「もう卒業したのかもしれないわね」
「そうかもしれないわ」
泣きじゃくる真由を恵子は優しく抱き寄せ、濡れた髪をそっと撫でて慰めます。
「私、今でもその人が好きなの。忘れることなんてできないのよ。あの微笑みをもう一度見たい、合格のお礼を言いたい、私の好きだっていう想いを伝えたいのよ。もう一度、たった一度でいいから会いたい‥」
号泣する真由に恵子はカミーユのことを思い出していました。
「私もカミーユに会いたい‥」
恵子の目にも涙が浮かびましたが、真由に悟られないように、すぐに洗い流しました。
(私はカミーユに会うことは出来ないけど、真由は何とかしてあげたいな‥)
何かいい方法はないかと考えますが、ほぼ手がかりがないのでお手上げ状態です。
「うーん、難しいなあ‥」
その時、ふと恵子は思い出しました。
「そうだわ、真由。私、S女子学院を卒業した先輩を1人知っているのよ。今年20歳になるんだけど、ひょっとしたらその人のことを知っているかもしれないわ。真由、その人の容姿とかは覚えているわね」
「当たり前よ。絶対忘れないわ」
「もしかすると何か手がかりが見つかるかもしれないわ。もちろん何も得られないかもしれないけどね。とりあえず明日、真由に紹介するわ」
「恵子、ありがとう。私のために本当にありがとう」
真由が泣きながら、恵子を強く抱きしめ、唇を重ねます。
(頼子さん、その人のことを何か知っているといいんだけどなあ‥)
恵子は真由を抱きしめながら、祈る思いで頼子を思い浮かべていました。
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