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第4章

告白 オナニー

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「詩絵美、私、白いハイウエストタイツを履いてほとんど毎日オナニーしているの。手やバイブを使って何度もオナニーしているの。」
「おなにい?ばいぶ?」
詩絵美は意味がわからずキョトンとしていましたが、詩絵美の母の表情がすぐに険しくなりました。

「私、フランスでカミーユのオナニーを見たの。というかカミーユがオナニーを見せてくれたの。すごく激しく情熱的であっという間に心が引き込まれたわ。それで私も自分の体に興味を持ち、オナニーしてみたいと思ったのよ。でも最初は恥じらいというか躊躇いがあったの。それでカミーユが勇気を出してって励ましてくれて私をオナニーに導いてくれたわ。そうしたらすごく気持ちよくって不思議な気持ちを感じたの。カミーユが側で見ていてくれたのも嬉しかったわ。」
恵子は遠くを眺めるような眼差しで初めてのオナニーを懐かしく思い出していました。

「それから、すっかりオナニーの世界に引き込まれていったの。初めはとても気持ち良かったからオナニーをしていたわ。でも気持ちよくなるために自分の体を求めることで、すべてをさらけ出している自分がいることに気づいたの。これこそがありのままの私なんだって。それに私の体の神秘さもいろいろ知ることができたわ。私、今は白いハイウエストタイツを履いてオナニーすることに誇りを持っているの。自分に自信を持ってオナニーしているの。これが私、恵子なの。そのことを詩絵美に伝えておきたかったのよ。詩絵美が嫌な思いをするかもしれないって思ったけど、隠すのは絶対イヤだと思って。それで‥」
恵子の目から涙が溢れて、嗚咽が止まりません。

詩絵美には恵子の話の内容がほとんど理解できませんでした。
母の方をチラッと見ると、引き攣った表情のまま恵子を凝視している姿が見えました。
「恵子ちゃん、今話してくれたことは所謂あなたの大切な秘密だと思うけど、それをどうして詩絵美にそこまでして伝えたいの?」
「詩絵美が大切な人だからです。詩絵美には私のすべてをさらけ出したいんです。」
恵子は涙ながらに声を振り絞り答えました。
「恵子ちゃん、オナニーの話をしたってことは、詩絵美がいてもオナニーするってことなの?」
恵子は顔を上げて大きく頷きました。
「詩絵美にとって迷惑な話で、私の我儘だということは分かっているの。だけど、私がオナニーする時に詩絵美にそばにいて欲しい。オナニーする私を知って欲しいのよ。」
恵子は訴えるように詩絵美を見つめましたが、詩絵美は固まって反応できません。
「いきなりだと驚くと思って、前もって用意してきました。」
恵子はそう言って、バッグからUSBを取り出して、テーブルに置き、涙目ですが力強い視線を詩絵美の母に投げかけました。
そして糸が切れたように一気に泣き崩れました。

(これが一番伝えたかったことね。きっとあなたは‥詩絵美に特別な想いがあるのね‥‥)
詩絵美の母は恵子の心中を察するとともに、恵子が大変な勇気を持って話していることに感銘を受けていました。
(恵子ちゃん、あなたは大した女の子だわ。)

詩絵美は一人蚊帳の外で、困惑するばかりでした。
詩絵美の母は恵子のそばへ座り、恵子を抱きしめました。
「恵子ちゃん、分かったわ。よく勇気を出して話してくれたわ。」
恵子の嗚咽がより一層大きくなりました。
「恵子ちゃん、悪いけど2Fの詩絵美の部屋へ行ってもらえるかな?詩絵美と2人で話がしたいの。」
恵子は泣きながら頷いて、2Fへ上がっていきました。
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