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2019年 09月16日
しおりを挟む映画「人間失格」を見てきました。
「天気の子」にエロスを期待するのはさすがに無理があって理不尽だったかなと反省したので、今度は最初からきちんとR15指定の作品を見ることに。
こんな豪華な有名俳優人が出る全国一斉上映のメジャー大作でわざわざ年齢制限する程の官能描写を期待できる作品なんて昨今珍しいよね、アノヒトとかコノヒトとかが「あんなシーンに挑戦!」ってさんざん煽って話題になってるくらいなんだからそりゃさぞかしスンバらしいものに決まってますもの、ああ太宰治とか文学云々とか映画自体の本筋の話とか出来自体に全く興味が無いわけじゃないけどそっち関係はよっぽどじゃない限り大抵許しちゃいますよ、だってエロに勝るものはなくエロを提供してくれるものが至高という絶対的優先順位は揺るぎようがない常識以前の宇宙の法則みたいなものなんだもの。
入場時のもぎりを通過するときのお澄まし顔とは裏腹にそんな風にまんまとドキドキワクワクしてみた結果といったら。
まあ微妙……かなぁ。
例えR15指定だとしてももうちょっと……って感じかなぁ。
有名女優が下着姿のセミヌードを披露したり、イケメン俳優とくんずほぐれつおっぱい出したり乳首が出たり、パンツを脱いだり履いたり、前後に揺れる行為の様子をそれっぽく映したり、まあ全く価値が無いとは言いきれないシーンが確かに何度か出てはきましたけど。
でも純粋に「エロ」的価値を見出すのは難しい。
決してエロくないわけじゃないけど、満足するには物足りない。
そんな感じ。
所詮R15指定だからしょうがないんかもしれないですけど、その中でもデキル作品はありますからどうしても見る目は厳しくなっちゃいます。
制限の範囲内で限界まで挑戦しようという覚悟と気概に満ち満ちた凄みを感じさせる傑作が稀にあるから頭の中で比べちゃう。
そういう意味で、本作はR15としてもちょっとエロ的には厳しい採点を付けざるをえません。
お陰で本来は気にならないはずの、本筋の話の内容とか映画の出来自体までいちゃもんつけたくなってきました。
なんだかいちいち展開が冗長で演出が過剰気味で、最初は良かったけどだんだんイライラしてきます。
題材がそうだったからしょうがないんですけど、主役の太宰がなんども死にそうになることが繰り返されるたびに出てくる「映像美」的表現が鼻についてきます。
終いには「まだ死なないの?」、「早く逝っちゃえよぉ」って心の中で呟きだす始末。
気がつけばもはや完全に「さっさと死ね、そして終われ」と祈っています。
そうしてやっとこさ、愛人と飛び込みして「死体が上がったぁ!」って報告が来たときには安堵のあまりほっと息をついちゃいました。
さんざん振り回され苦労をかけられた奥さん、その苦悩と献身みたいなものもテーマの一つで太宰の死を知った瞬間にどこかほっとしたような憑き物が落ちたような顔を見せるところとか、たぶん製作者が結構拘って作ったんだと思うんですが。
見る人が遍く、その奥さんに負けず劣らず太宰の死に(ある意味)ほっとしてしまうことは間違いありません。
この辺、もし狙ってやったんなら相当すごい作品なんかも知れないですけど。。。
終わった後、女流監督だったのを確認して何か納得。
いや、女性だったのが悪いっていうんじゃなくて、何か「エロ」に対する視線の宛て方が男の視線をさほど意識しない・できない典型的なタイプとでもいうか。
逆説的には、異性の視線とか価値観を意識して表現できるヒトが稀有で貴重だってことの裏返しに過ぎないんでしょうけど。
とまあ、「文学作家を題材にした大衆向け娯楽作品」に対して勝手に抱いたエロ期待を裏切られたというだけの理由でさんざん上から目線で好き勝手言いましたが。
前回の「天気の子」とは違って、R15指定だったというのがハードルを上げてしまったかもしれません。
下手に年齢制限されちゃうと、こちらも「そういう価値」をある程度期待していくことになっちゃいますので。
でもさすがに言いすぎたかと悪いような気分になってきたから適当にフォローしておこうっと。
映画「人間失格」はR15指定作品にエロを期待しない、娯楽映画に対してあんまり細かいところに拘らないヒトにはたぶんお勧めなんだと思います。
応援ありがとうございます!
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