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2019年 06月05日
しおりを挟む「ふたりエッチ」ってまだ続いてるんですね。。。
いや、まぁ別にいいんですけど。
全然悪くなんて無いんですけど。
こないだ見たアニマルの扉絵によると78巻目の単行本が近日発売で、累計2700万部だそうです。
改めてこうして実績を確認すると、まごうことなき化け物作品ですね。
およそ「男女の性行為」をメインに取り扱ったマンガ作品でこれほど続いて売れてるものって他に無いんじゃないでしょうか。(弐十手物語は鶴次郎が主役だなんて認めてないから除外)
そして相変わらずの「我々は一体何を見せられているのだろうか」感。
今回掲載された最新話、例によっていきなり冒頭、嫁さんの方から旦那に「したいです!」ってやる気満々発言でスタート。
こんなのはいつものことだからさらっと流すと、どうやら赤ちゃんが寝付かなくて中々エッチのチャンスが無いってお悩み中らしいです。
世の中の夫婦にとってありがちなんでしょうか、いや近頃はどちらかといわず拒否し合ってレスになることも多そうですし、コレ自体羨ましいような話なんでしょう。
ヒトによってはもうこの時点で白けた気分にさせられちゃうかもしんないですね。
でもこんなのはまだまだ序の口。
それからいろいろやって何とか赤ちゃんを寝かしつけ、ハイタッチで「成功!」なーんて笑顔で笑い合う若夫婦の二人。
セックスできるのがよっぽど嬉しいらしいです。
わからなくもないけど、こうもあからさまにウッキウキでキャッキャウフフな感じを見せ付けられるとどうも。。。
そんな風にこちらがなんとなく勝手に打ちのめされているところにさらに追い討ちをかけるように「今夜はエッチできそうです!!」の語り部風ナレーションが入ります。
読んでる方は心の中で「ああ、そうですか」としか言いようがありませんが、まあここまでも含めて様式美。
とってつけたような問題とか障害をちょろっと乗り越えさせて、それから薀蓄セックスさせるのが「ふたりエッチ」という作品のドグマなので、いちいちそこらへんを気にしてたら読んでいられません。
想定通りそのまま夫婦の営みが始まり、いろんな体位とやり方がその説明と共に描写されるいつもの場面に。
今回は四十八手に沿った内容らしく、その手の解説が添えられつつ奥さんが「すごく感じすぎちゃう♡♡」、「身体が妊娠前に戻ったのね♡♡」とかいちいちハートマークをつけたモノローグを心の中でしながらセックスを展開していきます。
これまた激しくどうでもいい独白に思わず遠い目になりそうですが、これこそが「ふたりエッチ」なんだからしょうがありません。
そんな風に性描写をしながらも何故かエロから遠ざかるような演出をして読み手を中庸へと誘うのが本作の真価なのだろうから。
そうして一つの体位当たりヒトコマ(単位表記:1[k/t])という、まさにセックス解説マニュアルみたいな描写が延々と続き最後にドピュッと中だし、「すごくよかった♡」「わたしもです♡」と微笑みあって一端〆、翌日赤ちゃんを交えた一家団欒で今回のお話は終了と。
何時見ても安定して同じクオリティなのはさすがでした。
そしてやっぱり「エロい」と感じない、何故か醒めたような気持にさせられるのも変わりません。
まぁ、ことこの作品についてはむしろ「それでいい」、「そこがいい」って境地に至りつつはあるんですが。
性的なことを扱っている=エロくなくてはならないってワケでもありません。
エロいことしてるのに何故かエロくない、それもまた一つの価値であり、作品としての魅力なんだと思います。
すっぽんぽんでまぐわうことがあまりにも当たり前でなんのありがたみも無い、性行為自体が特別な意味を持たないまでに希釈され普遍化されているとでも考えてみたら、なんとなく凄みみたいなものを感じなくもないですし。
だからこそ実用に適っているのかどうか、「使っている」人がいるのかというのは余計に気になってきますけど。
その辺の実体験とかがどこかに無いか、思わずリサーチしたくなるという意味で村上春樹作品に通じるものがあるような気がしないでもないです。
応援ありがとうございます!
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