エロスな徒然

かめのこたろう

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2018年 02月09日

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 パンツや水着のお股のカット(角度)の名称について。
 一般的にはローレグとハイレグくらいの言葉しか馴染みがないんじゃないでしょうか?

 正直、上記の2つの単語で日常的にもエロ業界的にもほとんどの用は足りちゃうのが現実ではあります。
 ただ、自分のように「ローレグもハイレグもそれぞれの良さがあって好きだけど、でもちゃうねん、今はそういうんじゃないねん、その中間的な感じやねん!」っていう悩みを抱えている諸兄氏もたくさんいるのだとゆんゆん電波が飛んできました。

 女性衣料の世界においては勿論、ローレグとハイレグ以外にも種類がきちんと定義されて分類がなされています。
 基本的なわけ方としては角度が大きい順に「ローレグ」、「レギュラーorノーマル」、「ハイレグ」、「スーパーハイレグ」となっていて、それぞれ脚刳り(お股から続いて身体の横に入っていく部分)が腰骨の上とか下とか細かく決まっているらしいですけど詳細は省きます。
 まあ大体語感の響きでわかってくれると思いますし、どうしても気になるならグーグル画像検索で一発です。

 そして今の時代、二次元でも「ハイレグ」なんてあんまり使いませんし、ましてや「スーパー」なんて問題外。
 だから基本的には「ローレグ」か「レギュラーorノーマル」というのが(いろいろ)使用頻度が高くなる傾向なんじゃないかと思います。

 ただ前々からこの「レギュラー」とか「ノーマル」っていう語感の響きがどうもしっくりきません。

 赤裸々に自分の趣味を告白しちゃうと、まさにこのローレグとハイレグの間の角度が一番好きだったりするんです。
 二次元でも三次元でもどうせならこの角度でお願いしますっていつも夜な夜なお月様に願っているんです。

 でもそれを口にしたり文字に書こうとする途端に、上記の通り言語の壁、しっくりこない感じがすごくてなんだかそれ以上表現するのを続けること自体が冒涜的なような気分にすらなっちゃいます。
 結局言い出せなかったり文章で表現することを諦めるようなことすらありました。

 だって「レギュラーカット」とか「ノーマルレグ」って言われてピンと来ます?
 すっと頭にそのイメージがわいてくれます?

 うーん……ムリ!

 そうして隣の家の猫の発情期のうるささと同じくらい思い悩んでいたのですが、ある日とてもいい感じの言い回しがあることを知りました。

 それが「ミドルレグ」です。

 初めて目にした瞬間、まさにこれだと思いました。
 これまで知っていた単語に対して感じていた違和感が全然無く、しっくりぴったりこれ以上のものはないって一発で確信しました。
 適切な言葉を得たことで、また一つの世界が開闢したのをはっきりと感じました。

 そうしてそれを知った日には欣喜雀躍して感動に打ち震えていたのですが。

 ただ、この表現はとてもマイナーらしくて水着や下着メーカなど本職の業界ではまず使われていないようです。
 現にインターネットで検索しても競泳水着の通販サイトとかで見られるくらいで、wikiを初め服飾関係のデータベースではほとんど確認できません。

 だから正直この単語を使ってもあんまりわかってもらえない可能性が高いのかなぁと不安になりました。
 仮に創作物の中でいきなりしらーっと使ったりしたら「これどういう意味?」「誤字報告です」とか言われるんじゃないかなぁって怖くなりました。

 だってあたかも「こういうもんなんですよ」という感じで書いた内容に、真面目にツッコミを受けて説明することになることほど恐ろしいことは無いからです。
 「自分がした笑い話のどこが面白かったか説明させられる」のと同じ恐怖です。
 どんな豪傑でもガクガクブルブル確実の冥府魔道です。

 しかしそんな恐怖も「使いたい」っていう欲求には勝てませんでした。
 新たな領域を自らの手で切り開き、表現の地平を開拓したいという想いは抑えられなかったのです。
 創作という行為自体が持つ魔力に逆らえなかったということでしょうか。

 そしてついにとある作品の中で「ミドルレグ」を使うことを決意してしまいました。

 もうそのときにはある程度突っ込まれることすら覚悟していたと思います。
 たとえかめのこ死せどもパンツは死せずの心持だったと思います。
 最悪やけくそ気味に「ミドルレグっていうのはリゲルグの親戚」とでも言い放って逃げちゃえばいいやって開き直っていたかもしれません。


 なんにしろ、そうして「ミドルレグ」という言葉が使われた作品は発表されました。
 賽は投げられたのです。


 ……そして今。

 ここにはとても穏やかな心で日々を過ごしている自分がいます。
 生きることの素晴らしさ、世界の美しさを感謝して平穏な毎日の価値をかみ締める一人の人間がただ存在しています。

 懸念された問い合わせやツッコミなどが来ることは一切ありませんでした。
 「ミドルレグ」は完璧に理解され受け入れられたのです。


 そうして一つの言葉がエロスの世界に齎され人類は新たな段階へと昇華されていったのでした。


 ……単に意味がわからなかったけど聞くのもだるいし興味がないって可能性もありますけど。
 もしそういう人がいたとしても、もうちょっとほろ酔い夢気分でいたいので気を使っていただけるとうれしいです。

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