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2017年 08月09日
しおりを挟む「くノ一」が何故こうも我々の心を捉えて離さないのか。
極東の島国に原始集落が生まれ、集団同士の争いが発生し始めたころには既に多くの男たちを思い悩ませていたであろうことは想像に難くありません。
「戦争」という現象と同時に「スパイ」「間諜」と呼ばれる存在もまた発生したのだろうと思われます。
そして特に女性がそれになることで幾多の価値を包括する一つの概念が生まれました。
それが「くノ一」。
その始まりより基本的には「男」のものであった戦闘行為。
それに女性が関わることは男同士の戦争とは根本的に意味合いが変わってきます。
なにしろ相手は「勝利条件を叶えるために、己を殺して組織のためにいろいろ我慢しなくてはならない女の子」です。
捕らえた時の対応が「フフフ、身体に聞いてやろう」「くっ、何をされても吐かないぞ!」というものになるのは自然な成り行きであったでしょう。
さらに「くノ一」はその職務の性質上、「色仕掛け」という必須行為をもっています。
スパイである以上、自分の性的魅力を駆使して目的を達成することが求められ、セックスシンボルであることの重要性は自明であり、「美人でエッチなコスチュームを着ているのが自然」という重要なキーポイントを持つに至りました。
ここが他の戦いに関わる女性、「組織のためにがんばる我慢する」という性質をもつことについては共通している女軍人や女騎士などと差別化がなされた所以でした。
つまり「自分の意思に反して無理やり気持ちよくさせられちゃう綺麗でエッチな格好をした女の子」がその本質であり、十分な説得力と歴史的な背景をもったのがまさしく「くノ一」だったのです。
恐らく「悔しいけど感じちゃう」を具現するものとしては、一つの到達点であり至高にして唯一のものであるのは間違いない「くノ一」。
その魅力はすでにこの国だけでなく、地球規模でグローバルに拡散し続けています。
あらゆる言語、あらゆる人種を超えて、全ての人間が「くノ一」という言葉だけでわかりあえる。
にっこり笑顔になれる。
そんな日がくるのも、もう間も無くでしょう。
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