エロスな徒然

2017年 05月13日

　皆さんは「うろつき童子」をご存知でしょうか？

　80年代に人気を博したエロ漫画なのですが、一言で言えば「女の子が化け物に触手で犯されるオカルトエロ漫画の草分け的作品」です。
　さらにぶっちゃけると「エロ漫画版デビルマン」か「エロ漫画版幻魔大戦」と思っていただければ外れてないと思います。
　その人外の存在にいたいけな女の子が触手でいいようにされちゃうエロ描写もさることながら、魔界・精霊界という超自然的存在の勢力争いに翻弄される人類、主人公がその運命を左右する強力な神の化身という終末論的な舞台設定、さらには最終的に大破壊による人類滅亡というシナリオの濃さがオカルトマニアも唸らせました。
　そっち方面の話題については、「ダニエル書から続く黙示録幻想の系譜」とか、「ニューウェーブとサイバーパンクの合成」とか、「オカルトブームとゴーストハントものの勃興」とかいろいろ話題はつきないのですが。
　個人的にこの作品の最大の魅力はメディアミックスが進むにつれて「主ヒロインをサブヒロインが食っちゃった」ところだと思っています。

　異界からやってきた人外キャラ、「天野恵　（あまのめぐみ）」は敵とも味方ともつかないトリックスター的立ち位置でいろいろ厄介ごとを起こしては主人公達を翻弄する妖しい美少女という存在でした。
　その破天荒かつ天真爛漫、エッチなことに積極的というキャラクター造詣が大きな支持を受け、多くのファンを獲得しました。
　人気が出るほどに変化が顕著なのはその外見で、最初の漫画版では関西弁の狐目系少女っていう感じだったのがアニメではフォウ＝ムラサメになって関西弁もやめてます。
　イメージ的にはZガンダムでカミーユを魅了した美女が化け物にずこばこ犯されて、「あんあん、こんなことで勝ったと思わないでっ！」とか強がっている感じ。

　……人気がでるわけです。

　最終的にはアニメ版で主役のスピンオフ作品がでるほどで、その人気は完全に主ヒロインを圧倒しました。
　この点、化け物に散々（エッチに）襲われたり、彼氏が破壊神だったり、息子が創造神で人類滅亡の引き金を引くことになったりしたのに人気が出なかった主ヒロインの明美ちゃんは相当不憫です。
　でもしょうがないですね。
　だって、恵ちゃんは確かにかわいいですから。

　後年になると、「変態仮面」を初め主ヒロインをサブヒロインが食ってしまう作品も容易に確認できるようになりますが、80年代当時にはまだ珍しかったんじゃないでしょうか。（うる星やつらはしのぶヒロインだったのがラムに食われちゃってますが、最初期以外完全にラムが主人公だからノーカン）
　さらにエロトピア掲載作品でこういった現象が確認できるのも非常に稀なんじゃないかなぁと思います。

　いろんな意味で転換点となり80年代と90年代をつないだように思える「うろつき童子」。
　皆さんもちょっと古臭い絵に拒否感を持たないで、世紀末オカルトエロと恵ちゃんの魅力を確認してみては如何でしょうか。