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ペタンコってバカにされたからおっぱい揉ませて逆襲する女の子の話
しおりを挟むオマエ、ほんとペタンコだからなー
何回目だろう、そのセリフ。
私が傷つかないと思ってるんだろうけど。
確かに私は女の色気なんてものとは縁遠い、体育会系の汗臭いヤツだけど。
バスケのポイントガードをやるしか脳が無い、小さくてガリガリの身体。
髪型だってぶっきらぼうにひとまとめにするポニーテール以外にしたことないし。
おしゃれだって碌にしらない、たぶんジャージを着てるときが一番落ち着くってレベル。
もちろんその2つ年上のセンパイがからかってくる通り胸だって無い。
そんな風だから普段はサバサバした感じで「女の子らしさってなに? おいしいの?」ってノリでいる。
男子女子問わず言いたいこと言い合って笑い合えるのは楽しいし、そんな自分を好きだから毎日それなりに充実して過ごしてる。
だからセンパイに「ペタン子」ってからかわれるのも、まあそんなに深刻じゃなかったんだ。
相手は明らかに楽しい冗談のつもりで言ってるし。
私もそんなノリを喜んで受け入れてたし。
こっちからももっと直接的であけっぴろげなキツイ仕返しとかやっては、ふざけあってじゃれあうのが普通だったんだ。
でも。
なんでそれがこうなっちゃったんだろう。
卒業を控えたセンパイがあとちょっとでいなくなっちゃうからかな。
そろそろ学年が上がる自分を意識してもっとちゃんとしなくちゃって思ったからかな。
それとも。
実は少しづつだけど確実にしっかりと大きくなってきている胸のことをきちんとわかってほしかったから……かな?
とにかく、二人だけの体育用具室でいつものそのセリフを言われた途端に私の中の何かがはじけた。
それは悔しさとか恥ずかしさとか、負けん気とか弱気とかがまざったような変な感情の爆発だった。
無言でセンパイの手をとって。
そのままTシャツの上から自分の胸にあてさせた。
つけはじめたばかりのAカップのブラと一緒に胸が静かに潰されていく感触。
ちゃんとその大きさがわかるように、センパイの手をしっかりと押し付けていく。
その間、ずっと呆然としていたセンパイ。
バカみたいにボケっとした顔をして。
私の視線からただ逃げられないように固まってた。
普段あれだけ余裕しゃくしゃくにカッコつけて、女の子にキャーキャー言われてるヒトのそんなアリサマになんだか勝った様な、してやったような優越感が沸いてきて。
にっこり笑ってやった。
どうですか?
私ってこれでもペタン子ですか?
その途端。
我を取り戻したようにどもりながら何かを言い始める。
顔は真っ赤で汗だくだく。
よくわかんなかったけど、「ちょっ、おまっ」とか、「何言ってんだよっ!」とか言ってるみたいだった。
その様子にますます可笑しくなって。
可愛いところあるんだなとか上から目線で思ってみたりして。
でも許してあげる気はなくて。
はっきり答えてください。
それまで離さないです。
って、一気に追い込んでみたりした。
そしたら。
急に真面目な顔をして。
ふざけてる時にはわからない、整った顔立ちが露になったと思ったら。
口を開いて出てきた言葉。
オマエはペタンコなんかじゃねーよ。
……ゴメン、本当はずっとわかってて言ってた。
なんて言われた途端に、急に自分が何をしてるか意識に蘇ってくる。
あの感情の爆発以来麻痺していたあらゆる機能が復活をはたして当たり前で健全な反応を私に齎す。
思い出したかのように、バッと後ろを向いて胸を抱くようにして固まった。
今度は私が顔を真っ赤にして汗だくになる番だった。
凄まじいまでの後悔。
激しい羞恥と自分のバカさ加減に対する怒り。
溢れる感情の奔流で泣きそうだった。
走って逃げ出したいけど、全身が震えて硬直してしまいそれすらできなかった。
そうしてガタガタ震えていた私。
背後からゆっくりとやさしく両肩を握られる感触にびくってさらに大きく反応した。
その時の恐ろしいまでの緊張。
何もかもを投げ出してしまいたい、死んでしまいたいほどの絶望と忌避感。
取り返しがつかないことをしてしまった恐怖に飲まれて。
意識が遠くなって失神しそうになった寸前。
告(つ)げられた言葉に一瞬で世界が変わった。
時間と空間が刹那に極限まで小さな粒に圧縮されたあと膨大な力で無限に広がって。
破壊と創造が瞬時に行われていく。
それは始まりだった。
私とセンパイを中心点とした開闢の瞬間だった。
そして心と身体、自分の全てでそれを感じ取って理解したとき。
圧倒的な歓喜をもってその新世界を受け入れていた。
私とセンパイはそうして始まったのだった。
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