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男爵令嬢リディア・クラベル
リディア・クラベルの人生8
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それからリディアはこれまで以上にまるでいないかのように扱われた。
そのおかげなのかリディアが男爵家から連れてきた侍女たちがリディアにかかわることができるようになった。
これまでメリッサの侍女たちが監視するように目を光らせていたので接触ができなかったが、今は孫たちのお世話に夢中らしい。
そう、私は子供を二人産んだ。
お腹にいたのは双子だったのだ。
それも男女の双子で、父親のフィデルに似た金の髪を持って生まれたようでメリッサがとてもかわいがっているようだった。
母親に似なくて安心したような、子供を取られて悲しいような。
とにかく赤ちゃんたちがひどい扱いをされていないようでよかったと思う。
子供を産んでからリディアはいまだ子供たちと会うことができていない。
メリッサがリディアを部屋から出ることを禁止したからだ。
これまでメリッサと直接会うことがなければ隠れるように庭に出ることはできた。
しかし、今屋敷は何を警戒しているのか窓や扉のすべてに鍵をかけ決まった人しか外に出る鍵を持っていない。
開けるためには鍵を持っている人に直接頼み開けてもらうしかないのだ。
そんな状況のため私は部屋から出ることもできず小さな窓から日の当たらないじめじめした庭を見ることしかできなかった。
それでもアビーやほかの仲のいい侍女が食事や暇つぶしになるものを持ってきてくれる。
ただ、侍女たちはいまだほかの公爵家の使用人から山ほどの仕事を与えられているため日に数分か、長くても3日ごとにしか会うことができなかった。
そしてリディアは子供を産んでからというもの体質が変わったのか体がとても弱くなってしまった。
ほとんど寝て過ごし、酷いときには体を起こすことすら困難な日もあり意識を失い数日たってから目を覚ますこともあった。
そんな日々が1年、また1年と過ぎていった。
その間、夫となるフィデルは一度も王都の屋敷へ帰ってくることはなかった。
そのおかげなのかリディアが男爵家から連れてきた侍女たちがリディアにかかわることができるようになった。
これまでメリッサの侍女たちが監視するように目を光らせていたので接触ができなかったが、今は孫たちのお世話に夢中らしい。
そう、私は子供を二人産んだ。
お腹にいたのは双子だったのだ。
それも男女の双子で、父親のフィデルに似た金の髪を持って生まれたようでメリッサがとてもかわいがっているようだった。
母親に似なくて安心したような、子供を取られて悲しいような。
とにかく赤ちゃんたちがひどい扱いをされていないようでよかったと思う。
子供を産んでからリディアはいまだ子供たちと会うことができていない。
メリッサがリディアを部屋から出ることを禁止したからだ。
これまでメリッサと直接会うことがなければ隠れるように庭に出ることはできた。
しかし、今屋敷は何を警戒しているのか窓や扉のすべてに鍵をかけ決まった人しか外に出る鍵を持っていない。
開けるためには鍵を持っている人に直接頼み開けてもらうしかないのだ。
そんな状況のため私は部屋から出ることもできず小さな窓から日の当たらないじめじめした庭を見ることしかできなかった。
それでもアビーやほかの仲のいい侍女が食事や暇つぶしになるものを持ってきてくれる。
ただ、侍女たちはいまだほかの公爵家の使用人から山ほどの仕事を与えられているため日に数分か、長くても3日ごとにしか会うことができなかった。
そしてリディアは子供を産んでからというもの体質が変わったのか体がとても弱くなってしまった。
ほとんど寝て過ごし、酷いときには体を起こすことすら困難な日もあり意識を失い数日たってから目を覚ますこともあった。
そんな日々が1年、また1年と過ぎていった。
その間、夫となるフィデルは一度も王都の屋敷へ帰ってくることはなかった。
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