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本当に最低な王子(ペドロル視点)

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「ねぇ。あの方と、いつ別れてくださるの?」
「ああ、パトン。もう少しの辛抱だよ……」

 最近、どの浮気相手にもよくそのことを聞かれるようになった。正直面倒だ。

 それに今の正妻と婚約が解消になったところで、パトン(私の国の言葉で「可愛い子」を意味する)と一括りに呼ぶような者たちを、正妻に選ぶわけがないだろう。私には既に、次の婚約候補がいる。

 ミダリオ嬢。美しく、無垢で、マリルノとは違って知的なところが全くない。やはり女は一歩引いていなくては。マリルノの滲み出るような賢さは、一緒にいて鼻につくばかりだ。

 それに、ミダリオ嬢は家柄もいい。マリルノよりも、数段上だ。その分、付き合うにはリスクが伴う。

 もし正式に婚約者と決まったら、今のパトンたちとは一切縁を切らなくてはならないだろう。それでも構わない。ミダリオ嬢が手に入るならなんだってしてやる。

 縁談話は慎重に進めなくてはならないだろう。信頼を築くため、ミダリオ嬢本人にも、もちろんその両親にも、誠意を見せなくてはならない。

 そのためにはまず、マリルノの側から婚約を破棄させること。そして頃合いを見て、遊び相手であるパトンたちとの関係をきっぱり断つことだ。


 私には出来る。
 自分でこうと決めたことは、いつも貫き通してきたのだから。
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