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その後、妹のレピアは私の元婚約者との同棲を始めた。

今回はどれくらい持つかなぁ……と思っていたが、三か月ほどで妹は実家に戻ってきた。

「ああ、おかえり」と私は彼女を快く出迎えた。「三か月くらいか。わりともったね」

「うん」彼女は婚約者のところにいく前よりも、すっきりとした表情をしていた。「ごめんね、お姉ちゃん。いつもいつも……」

「ううん、平気。こっちこそ、いつもあんたのおかげで、しょうもない男に引っ掛からずに済んでるんだし」

「よかった。そう思ってもらえてるんなら……」

私は妹の頬を撫でた。

「血の気が戻ってきたね」

「うん、ありがとう。これでしばらくはもつと思う」

「よかった」

私は頷いて、彼女の出戻り荷物を、部屋に運びこむのを手伝った。

私の妹は、俗に言う吸血鬼だ。
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