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踏み切っても、いいのかな。 R

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夫との結婚生活は、私にとって重く苦しいものだった。
愛してる人に愛されない事。愛してくれるべき人が愛してくれない事。

大事にしてくれると思った。一生愛してくれると思った。
私も愛していたし、一生愛し続けたいと思っていた。
勿論、いつまでも新婚気分でベタベタいちゃいちゃ出来ると思っていたわけじゃないし、それを望んでいたわけでもない。
ありきたりで普通な家族で良かった。
この人となら穏やかに緩やかに、幸せな一生を送れると思っていた。
だから…


ーーーーーーー



「すまない、抱き上げるよ」
「え?ええ?!」

玄関先で戸惑う私に焦れたのか、急に抱き上げられて悲鳴を上げる間もない。
待って待って!私重い!重いから!
そして普通に恐い!
高いし、自重で膝裏の肉が食い込むし!
こういうのは華奢なヒロインにしか許されないんだと痛感する。
確かこの頃でも体重は50キロ近くあったはず。同じ身長で体重36キロだと言っていたあの子なら、お姫様抱っこに相応しかっただろうな。
って…はぁ、こうしていちいち他の女性と比べて卑屈になるのも10数年の悲しい結婚生活の弊害かな…。

「あの、あの、何で、抱き上げてるんですか?」  
「まだ婚姻届を出していない状態で貴女を他の男に見られたくないし、貴女にも他の男を見てほしくないからだよ。我慢してほしい」
「でも、重いんで」
「いや、君は小柄だし軽いと思うよ」

ひぇえっ小柄…とは。
でもちょっと嬉しいような…。

「ついたよ。突然抱き上げてすまなかったね。まずは風呂で汚れを落として着替えた方がいい」
「あ、ありがとうございます」

確かに私の服は草の汁とか土とかで薄汚れている。

降ろしてもらった部屋は実家にあるカナメさんの私室だそうで部屋にバスルームがあった。

「シャワーにボディソープ。日本と変わりませんね」

違いはボトルがプラスチックではなくホーローのような素材な所か。
浴槽の上にシャワーが付いていて、隣に洗面台とトイレがある海外仕様だったけど、城自体がヨーロッパ風味だし違和感は全く無い。

「良かった。ここは子供部屋だからバスルームが狭くて申し訳ない。通常の風呂はきちんと洗い場やマッサージ台があるから安心して欲しい」
「え?マッサージ台ですか?」
「ああ、女性には必要でしょう?」

こっちの女性、家でマッサージ受けるんだ。


暖かなシャワーを浴びながら、考える。
これは現実なのか。
私は彼の妻になるのか。
…つまり、抱かれるのか。

35歳の時、私は焦っていた。
高齢出産になる前に子供が欲しい。そう思った。
子供が欲しいという話なら何回もした。夫も欲しいと頷く割に、誘われた事は無かった。
だから、自分から誘った。
決意してから実行して、成功するまで数ヶ月かかった。
やっと漕ぎ着けた10年ぶりのセックスは最悪だった。
私が口で大きくしたモノを夫は前戯も無しに突っ込んだ。
濡れてもいない場所に唾液の滑りだけで侵入されて激痛に涙がでたけれど、夫を萎えさせたくなくて懸命に感じている声を出した。
夫も痛かったのか私の声や身体が不快だったのかすぐに萎えて離れていった。
処女の時より多い出血と痛みに泣いた。
心が引き絞られるように痛かった。
優しく愛撫してくれた過去を思い、夫はもう私を愛していないんだと、はっきり分かった。

「はは…子無しセックスレス13年のおばさんが今度は男とやりまくって子供製造機になれって…」

とっくに夫婦としての関係は終わっていたとしても、愛も会話も無くなってしまっていたとしても、結婚してる以上浮気や不倫をするなんて私の中ではありえなかった。
ううん、夫と同じになってたまるかって意地になっていたのかも。

でもーーー

世界が違う。
法が違う。
私も…私であって私じゃない。

「もう解放…されたい…」

ううん。解放されたんだ。
離婚しなかった…出来なかったのは夫への情もあったけど、お互いの両親が厳しく、離婚なんてとんでもないという人達だったからなのもある。
母は浮気されたと泣く私を鼻で笑う人だったし、義両親はとにかく私が悪いという人達でとても離婚は言い出せなかった。
夫にしても親から口煩く言われる度に私を盾にしていたくらいだから離婚を切り出せなかったんだろうな。

「さっぱりしたようだね」
「はい。すっきりさっぱりしました」

用意してあったロングドレスのようなシルクのネグリジェを着て彼の前に出るなんて、解放前の私なら出来なかっただろうけど、あえて、やった。

いいよ。異世界生活。
とことん愉しんでセックスして、ずっとずっと欲しかった赤ちゃんを沢山授かってやる。

(とは思ったものの、不安は残る…な)

昔から感度が鈍くて、相手の男が自分勝手だったのもあるんだろうけど、痛みの方が大きくて。

初めて付き合った人に「そっちがイかないとこっちもイけないんだけど」ってイラついた様子でガツガツ攻められて、痛みから逃れるようにイったフリをした。
それからは演技をするのが当たり前というか…相手をイカせるのがセックスって感覚で。

(夫が一番優しかったんだよなぁ)

あれが愛だと思ってたんだけどね。いや、あの頃は愛があったから優しかったのかな。
イく事は出来なかったけど、気持ちよくて幸せで。

「また、暗い顔をしているね」

あっいけないいけない。解放されたんだよ私は。

心配そうに頬に手を当ててくれるイケメン。この人もいつか冷たくなってしまうのかな…。  
ぶるぶると頭を振る。
解放。解放。よし。

「抱いて…くれますか?」
「喜んで」


一割しか女性がいない世界。きっと私は大事にされる。
一妻多夫だと言った。
きっと誰かは、私を愛し続けてくれるかもしれない。
願わくば、私もその人を愛し続けられますように。




ミントの入ったレモン水を頂き、一息付いた所で口付けされた。
カナメさん、優しいな。

「脱がせてもいい?」
「カナメさんも脱いでくれるなら」

緊張する。こんな綺麗な男の人に抱かれるなんて。急に自分がどこか変じゃないかとか色々不安になってくる。
うひゃっ身体まで綺麗…!
うう…鼻息が荒くなって恥ずかしい。

「ん…んちゅ…」

優しいキス。ほぐされるように舌が入り込み、優しくなぞられる。

「触っていい?」
「全部、カナメさんの良いようにして下さい」

今度は、演技しない。
ついついアアンなんて大袈裟に言ってしまいそうなのを耐える。
ずっと無…な感じになってしまったらどうしようという不安はすぐに吹き飛んだ。
「ふ…」
なんだろう…イケメン相手だから?あ、女神様のなんちゃら?
やわやわと胸を揉まれただけでじわっと股が濡れる感じがする。
「っ!」
「痛くない?」
乳首が気持ち良いなんて…え?
触られたら若干イラッとするただ敏感な場所でしかなかったのに…。
「大丈夫…ひゃっ」
口に含まれてぬるぬるした舌になぞられると、背筋が痺れるような感覚がする。
「ふ…や…何?」
気持ちいいんだけど?うそ。
「ん?リコのここ、甘くて美味しいね」
ひぇっカナメさんの色っぽい唇から私の乳首が…!あそこがキュンてしたっ!コポッて熱い液体が溢れる感じもする。
やだぁ。
「ふ…んん、はぁ」
「堪らないな…柔らかいのに、ここはコリコリで」
「ふぅ…ん」
「はぁ…美味し…リコ、ビクビクして…可愛い…」
「んっ…んん…」
吐息みたいな喘ぎが勝手に出ちゃう。
乳首を舐めながらもカナメさんの手は身体中を優しく撫でて、ついには下着に指が掛かる。

「ん…そこ…は…」
「すごい…濡れてるね…」

恥ずかしいっ恥ずかしいよっ!
下着には滴るような愛液が染みて感じてしまってるのが丸わかりだ。
めっ女神様ぁ!

「嬉しい…リコが感じてくれて…触らせてもらうね」
「ふぁ…ん…はぁ…」
うっとりしながら濡れた場所を撫でるのはやめてぇっ!
腰をもじもじ動かしていると、息が荒くなったカナメさんに下着を脱がせてもいいか聞かれた。
うう…こんなイケメンが自分で興奮してくれてるとか…嬉しくてどうにかなってしまいそう…。

その後の猛攻もすごがった。

「ひゃっあっ…また…ンあああっ!!」

更にゆるゆると包皮のフチをなぞるように肉芽の先っぽを撫でられ、先程と同じようにあっという間に快感が蓄積されていく。

「あ…だめ…また…私…またイッちゃう…ン…っあっあっああんっ!!」

ビクッビクッと腰が揺れるのが落ち着く間もなくまたゆるゆると撫でる作業が始まる

「ふ…あ…また…なんで…?あっ…あ…」

イッてすぐなのに痛いとかくすぐったいとかも無くて、ずっと気持ち良いまま…寧ろもっともっとして欲しくて堪らなくなってくる。

「あ…もう…イく…イくぅっっ」

怖い…気持ち良いしか無くて怖い。でも、もっと…もっと気持ち良いのが…欲しい。
物欲しげな顔に気付いたのか殊更色っぽい顔で微笑まれる。
「沢山感じてくれて嬉しいよ。こんどは皮を剥いて直接可愛がってあげるね。ああ…真っ赤でツヤツヤしてなんて美味しそうな果実なんだ」

ぬるぬるし過ぎて剥き難いのか、両手を使ってぐっとアソコを開くと。ぬるっと熱いモノが赤く腫れた実を包んだ。

「ンああっっ!ああっ…ひぁあっ」
(ぬるぬるっ気持ち良いっ!!)

頭の先まで痺れるような快感にぎゅっと内腿に力が入って彼の頭を挟んでしまう。
唇で優しく全体を包まれ、チロチロと舌が肉芽を擽る。

「ふぅう…ああっもう…イ…イく…」

温かい口内に包まれ、尿意にも似た感覚さえ感じながら先程より深くイく。
アソコ全体が脈動するみたいにビクン…ビクン…と繰り返し痙攣してる。

「はぁ…美味しい。いやらしい蜜の香りと味に酔いそうだ。コリコリして滑らかな舌触りも、小さいのに真っ赤になって痛いくらい勃起してる健気な姿も、いつまでも可愛がりたくなってしまうな」

「きゃううっ!」

スリスリと剥き出しの肉芽を撫でられて大袈裟なくらい腰が跳ねてしまう。

「ごめんね、痛かった?」

心配そうに顔を覗かれて羞恥に顔を熱くしながら頭を振った。
言えない…アレだけでイったなんて…。

「はぁ…そんな可愛い顔をして…堪らないな。もっともっと可愛いがりたいけど限界…。見てるだけでイってしまいそうだよ。こんなに大きくなったのは初めてで痛いくらいなんだ」

ピクピクと揺れながら先走りを零す彼のペニスは、今まで見た中で1番大きかった。


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