6 / 20
犯人を逮捕!
しおりを挟む
オーナーの話によると、盗難をした客に接客をした店員への予約がまた1週間後に入っていた。
しかしこの間とは違う客のようだ。
私達は今度はサロンの中にある別室に密かに待機していた。
今回は警察に協力する形になっており、我々の隣には男性の警察官が一人、店の外には二人の警察官が待機していた。
その予約していた客夫婦は同じように2階のブライダルサロンに案内された。
着席をし、冷たい飲み物が出された。
店員が丁寧に挨拶をし、いくつか指輪を持ってきた。
一つ渡しては客夫婦が眺め、はめて、そして店員に返す。
それがしばらく続き、4つ目の指輪も同じように店員は客に渡した。
客に指輪を渡そうと店員が腕を伸ばした時、客の夫の方に出されていたリンゴジュースの水面がかすかに揺れたように見えた。
しかし客は伸ばした店員の手から指輪を受け取り、同じように眺め、はめて、店員に返した。
そして出されたリンゴジュースを飲み、夫婦は店員と親しそうに話し店を出た。
吉田が隣にいた警察官に頷き、合図をすると、その警察官は外で待機していた二人の警察官に無線で呼びかけた。
「今出た客を確保しろ!
男の口の中をすぐに調べろ!」
二人の警察官は夫婦を取り押さえ、男の口の中にタオルを突っ込むと、タオルと一緒に指輪を取り出した。
我々が店の外に出た時は、既にその夫婦には手錠がかけられていた。
とある一人の女性店員と、客を装った複数の仲間の犯行であった。
客は予め示し合わせた女性店員に指名して予約をし、女性店員は模造品と隠し持った本物の指輪を防犯カメラに写らないように、同時に手に持った。
一つだけの指輪であると不審に思われるので、他の客に接するように、いくつかの候補を客に見せた。
そして目的の指輪を渡す際、本物の指輪を客のジュースに静かに落としつつ、手に持った模造品を客に渡した。
客は模造品を眺め、手にハメ、いかにも他の指輪と同じように見て、店員に返した。
そして客は本物の指輪が落とされたジュースを口に含む。
リンゴジュースが都合がいいのは、白く濁っていて、ジュエリーの地金のプラチナの白い輝きが多少カモフラージュされるからであろう。
店の中からは女性店員が、中で我々と一緒に待機していた警察官に逮捕され、警察署に連れていかれるところであった。
ベテランの吉田の手柄であったが、吉田は何一つ得意にはならなかった。
むしろこれくらいも見抜けないのかと警察に対して思っていたのかもしれない。
元警察官であったようなのでなおさらなのであろうか。
しかしこの間とは違う客のようだ。
私達は今度はサロンの中にある別室に密かに待機していた。
今回は警察に協力する形になっており、我々の隣には男性の警察官が一人、店の外には二人の警察官が待機していた。
その予約していた客夫婦は同じように2階のブライダルサロンに案内された。
着席をし、冷たい飲み物が出された。
店員が丁寧に挨拶をし、いくつか指輪を持ってきた。
一つ渡しては客夫婦が眺め、はめて、そして店員に返す。
それがしばらく続き、4つ目の指輪も同じように店員は客に渡した。
客に指輪を渡そうと店員が腕を伸ばした時、客の夫の方に出されていたリンゴジュースの水面がかすかに揺れたように見えた。
しかし客は伸ばした店員の手から指輪を受け取り、同じように眺め、はめて、店員に返した。
そして出されたリンゴジュースを飲み、夫婦は店員と親しそうに話し店を出た。
吉田が隣にいた警察官に頷き、合図をすると、その警察官は外で待機していた二人の警察官に無線で呼びかけた。
「今出た客を確保しろ!
男の口の中をすぐに調べろ!」
二人の警察官は夫婦を取り押さえ、男の口の中にタオルを突っ込むと、タオルと一緒に指輪を取り出した。
我々が店の外に出た時は、既にその夫婦には手錠がかけられていた。
とある一人の女性店員と、客を装った複数の仲間の犯行であった。
客は予め示し合わせた女性店員に指名して予約をし、女性店員は模造品と隠し持った本物の指輪を防犯カメラに写らないように、同時に手に持った。
一つだけの指輪であると不審に思われるので、他の客に接するように、いくつかの候補を客に見せた。
そして目的の指輪を渡す際、本物の指輪を客のジュースに静かに落としつつ、手に持った模造品を客に渡した。
客は模造品を眺め、手にハメ、いかにも他の指輪と同じように見て、店員に返した。
そして客は本物の指輪が落とされたジュースを口に含む。
リンゴジュースが都合がいいのは、白く濁っていて、ジュエリーの地金のプラチナの白い輝きが多少カモフラージュされるからであろう。
店の中からは女性店員が、中で我々と一緒に待機していた警察官に逮捕され、警察署に連れていかれるところであった。
ベテランの吉田の手柄であったが、吉田は何一つ得意にはならなかった。
むしろこれくらいも見抜けないのかと警察に対して思っていたのかもしれない。
元警察官であったようなのでなおさらなのであろうか。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説


ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。


どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる